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ライフハッカー編集部  - ,,  10:00 PM

ムーアの法則を2018年まで引き伸ばした「7ナノメートル技術」

ムーアの法則を2018年まで引き伸ばした「7ナノメートル技術」

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ムーアの法則は、本来ならば成り立っていること自体が奇跡なのに、食料品店や歯科治療の麻酔と同様に、現代社会ではもはや当たり前の存在になっています。

過去50年間にわたり、コンピューターに使われるマイクロプロセッサは、1平方センチおよび1ドルあたりの性能が1~2年ごとに2倍に向上しています。この指数的な増加傾向は、ENIACの500FL0PS(1秒間に可能な浮動小数点数演算の回数)に始まり、現時点で最高の性能を持つスーパーコンピューター、天河二号の54PFLOPS(Pはペタ=1000兆)に到るまで、連綿と続いてきました。1世紀よりもはるかに短い期間に、実に約10兆倍の性能向上が成し遂げられた計算です。これは誰が見ても驚異的な進歩と言えるでしょう。

これほど長い間、プロセッサの進歩がこの上昇カーブに当てはまってきたため、ムーアの法則はすでにコンピューティングの世界の常識と化しています。

誰もがこの法則を当たり前だと思っています。

だからこそ、近い将来、この法則が完全に当てはまらなくなる可能性があるという話が、とても恐ろしく感じられるのです。複数の根本的な物理的限界が相まって、シリコンを使った従来型のコンピューターチップの進化には終止符が打たれつつあります。これらの問題を解決する可能性を持つ、理論段階にあるコンピューティング技術はあるものの、現実問題として、進歩はすでにスローダウンしています。コンピューターの性能が指数関数的に向上する時代は、もう終わりに近づいているのかもしれません。



とはいえ、まだ完全に終わったわけではありません。

IBMがこのたび発表した新技術は、ムーアの法則もまだまだ健在というところを示してくれました。同社が率いる研究グループが、幅わずか7ナノメートルのトランジスタを備えたプロセッサの試作品を披露したのです。この試作品は、現行の14ナノメートル技術と比べて2分の1の大きさで4倍の性能を実現しており、ムーアの法則の終わりを少なくとも2018年までは引き延ばす新技術です。


では、この画期的な技術はどのように実現したのでしょう? そして、この技術が実際のデバイスに採用されるのはいつになるのでしょうか?


IBMの新しいチップを実現した技術とは


今回発表された試作品は量産型のチップではありませんが、このまま規模を拡大して商用生産に使える手法を用いて作成されており、数年以内に市場に投入される可能性があります(うわさでは、IBMはこのチップを2017年から2018年にかけて初出荷したい意向とのことです)。試作品は、ニューヨーク州立大学(SUNY)との共同研究で開発されました。さらに、このプロジェクトにはサムスン電子やグローバルファウンドリーズなど、多くの企業や研究グループが参画しています。グローバルファウンドリーズは、不採算事業だったIBMのチップ製造拠点の引き受け先となった企業で、その見返りとしてIBMは正味約13億ドルを支払う予定です

大きく言って、今回のチップ作成に関してIBMの研究グループが成し遂げたカギとなる改善点は2つあります。それはすなわち、素材の改良とエッチングプロセスの改善です。この2つの改善点により、より密度の高いプロセッサを開発する上での大きな障壁2つが克服されました。ではそれぞれについて説明しましょう。


シリコン素材の改良


トランジスタの小型化に関する障壁の1つは、単純に、使える原子の数が少なくなるという問題です。7ナノメートルのトランジスタの場合、横幅に収まるシリコン原子の数はわずか35個ほどです。電流が通るためには、ある原子を回る軌道から別の原子へと、電子が物理的に「ジャンプ」する必要があります。従来用いられてきた純粋なシリコンのウエハでは、これほど少ない数の原子で充分な電流を流すのは難しい、あるいは不可能です。

この問題を解決するために、IBMでは純粋なシリコンを使うのをあきらめ、代わりにシリコンとゲルマニウムの合金を採用しました。これには以下のような大きなメリットがあります。この合金は、「電子移動度(電子が素材の中を通り抜ける能力を示す値)」に優れています。シリコンだけでは、10ナノメーターレベルになるとこの機能が落ちてくるため、これが10ナノメートルプロセッサの開発を滞らせる要因となっていました。ゲルマニウムを混ぜることで、この障壁を越えることができたのです。


エッチング精度の向上


また、ここまで微細な形状を実際にどうやって作るのか、という問題もあります。コンピューター用のプロセッサの製造では、非常に強力なレーザーとさまざまな光学技術や型紙(フォトマスクを使って、細かい回路を彫り込んでいきます。どれだけ細かく刻めるか、その限界は光の波長により決まってきます。

長い間、チップ製造には193ナノメートルの発振波長を持つフッ化アルゴンレーザーがおもに使われてきました。もうお気づきかもしれませんが、この波長は14ナノメートルという、エッチングする回路の幅よりもかなり大きいですね。幸い、波長は解像度の決定的な限界になりません。干渉などの技法を用いれば、波長以上に精密度を高められます。とはいえ、チップメーカーの工夫も限界に近づいており、大きな変化が必要とされているのが現状です。

IBMが今回採用したアイデアは、波長わずか13.5ナノメートルの極端紫外線(EUV)を光源に用いるというものでした。この技術の開発が進めば、フッ化アルゴンレーザーの場合と似た技法を使って、ゆくゆくはエッチングの解像度を数ナノメートルまで細かくできるはずです。

残念ながら、EUVを採用すると、これまでにチップ製造について積み上げてきたノウハウや、従来技術に特化して開発された技術インフラのほとんどは使えなくなります。この技術が本格的に用いられるまでにこれほど時間がかかった理由の1つが、ここにあります。

この技術は量子限界までムーアの法則を推し進める扉を開けるものです。量子限界とは、電子の位置に関する量子の不確定性がトランジスタ自体の大きさを上回る地点で、これを越えると、プロセッサの要素はランダムな挙動を示すようになります。ここから先、コンピューティングをさらに発展させるためには、全く新しい技術が必要です。


5年後のプロセッサ業界はどうなる?


インテルはいまだに10ナノメートルプロセッサの量産化に苦戦しています。それを考えると、IBM連合がインテルを出し抜く可能性もないとは言えません。仮にそうなれば、半導体業界の覇権がついにインテルから移る、象徴的な出来事になるはずです。

ムーアの法則の今後は不透明です。この法則がどんな終わりを迎えるにせよ、大きな衝撃が走るでしょう。混乱に乗じた陣地争いが繰り広げられるはずです。騒ぎが収まった時、誰がトップに立っているかは興味深いところです。そして、短期的に見れば、ここまでとどまることなく発展してきた人類の進歩が、少なくともあと数年は歩みを止めないと聞けば、心強いことではないでしょうか。


7nm IBM Chip Doubles Performance, Proves Moore's Law Through 2018|MakeUseOf

Andre Infante(訳:長谷 睦/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

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    友清哲

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