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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

社内資料の作成方法からわかる、日本人と欧米人の違い

社内資料の作成方法からわかる、日本人と欧米人の違い

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グローバルエリートの仕事作法』(梅澤高明著、プレジデント社)の著者は、A.T. カーニーの本社取締役として、日米双方で経営コンサルタントとして活躍してきた人物。現在は同社の日本法人会長であり、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーターとしても知られています。

しかし、そんな実績の持ち主の目に、「日本企業のグローバル化」はどう映っているのでしょうか? この点については、日本企業のグローバル化の課題は、「戦略の課題」であると同時に「組織と人との課題」でもあると記しています。大多数の日本企業は「内側からのグローバル化」が遅れ、仕事の進め方も欧米発のグローバル企業とは決定的に異なっているのだとか。会社の中身は日本企業のままで、戦略だけグローバルに広げてきた状態だということです。しかし当然ながら、それでは真のグローバル化を実現することは困難でしょう。


世界で通用する人材を目指すなら、世界のエリートたちが身につけている仕事の作法をマスターすることが必要です。本書では、私自身の経験と観察をもとに、その考え方と仕事作法を紹介していきます。(「はじめに」より)


第2章「グローバルエリートの仕事の作法を学べ」から、いくつかを引き出してみます。


グローバル企業は形式知、日本企業は暗黙知で動く


外資系グローバル企業と日本企業の両方で企業経営のコンサルティングをしていると、両者の違いを感じることがあるのだそうです。グローバル企業において世界共通の言語体系をベースにしたマネジメントが行われているのに対し、日本企業では日本独特の方法論でマネジメントされているという印象が強いということ。グローバル企業はより「形式知(文章・図表・数式などで説明できる知識)」、そして日本企業はより「暗黙知(人が暗黙のうちに持っている、言語化が困難な知識)」に基づいたマネジメントだといってもいいそうです。

形式知は、業務を標準化して全員の底上げをするのに役立つもの。各人がそれぞれに考えて異なるやり方でやるのではなく、もっとも成果が出やすい「ベストプラクティス」に全員が合わせた方が、仕事は効率的に進むというわけです。いわばこれが、形式知をベースにしたマネジメントのメリット。一方形式知には、誰でも取得しやすいため決定的な差別化要因にならないという側面もあるのだとか。そういう意味では他者との差別化をはかりたいなら、ことばで説明できず簡単に盗むこともできない暗黙知を磨くことも重要だというわけです。

では、形式知を重んじる外資系企業と、暗黙知を大事にする日本企業のマネジメントでは、どちらが効果的なのでしょうか? この問いに対して著者は、「二者択一ではなく、両者の融合が大事」なのだとしています。外資系企業と日本企業、どちらのやり方にも優れた面があるので、それぞれのよさを融合してマネジメントすれば、企業は最大の価値を発揮できるようになるということです。

もちろん、両者の融合はそれほど簡単ではないはずですが、手順としては、まず外資系企業の形式知を習得した方がいいそうです。本当の勝負どころは暗黙知の部分なのですが、当然のことながら暗黙知を磨き上げる方法論は明確ではなく時間もかかるもの。ならば習得しやすい形式知を先に身につけ、それを標準化し、負けない体制をつくりあげればいいということ。暗黙知については、そのあとじっくり取り組んでも遅くはないといいます。(34ページより)


デキる人ほど会議での発言は短い


会議での発言を聞いていると、優秀な人とそうでない人はすぐに見極められるのだそうです。優秀でない人はコメントの中身が薄く、しかも長いから。

会議は、直接の利益を生まないもの。そして参加者は利益を生む自分の時間を削って参加しているわけなので、一分一秒たりとも無駄に使うべきではないというのが著者の考え方。意味のないコメントをすることは自分の時間だけでなく、参加者全員の時間を無駄にする行為であり、デキない人と見なされるのも当然だということです。

特に嫌われるのは、「事前資料を読んでいれば決してしないような質問」をする人だとか。同じく、資料を読んだうえでの技術的な疑問点も基本的には嫌われるもの。なぜならそれは、資料作成者に事前に質問しておけばいい話だからです。

質問するなら、本質を突いた質問にすべき。本質に迫る質問は余計な装飾が不要で、短く表現できるからだといいます。逆にいえば、だらだらと長い質問は、質問者の頭が整理されていないことを露呈するもの。意見を述べることについても同様で、コメントが長くなってしまうときほど、「自分はなにをいいたいのか」「それは本質的なことなのか」と自問した方がいいと著者は主張しています。

会議での発言には、本質を見抜く洞察力や、それを的確に伝える表現力、そして「なんのために働いているのか」という仕事観や人生観が如実に表れるもの。会議に際してはその点を踏まえ、ことばを選んだ方がいいと著者は記しています。(51ページより)


社内資料は完成度よりスピード重視


欧米人と日本人は、仕事をするうえでなにを重視するのでしょうか? その違いを知りたければ、社内会議用の資料をつくらせればいいと著者。日本企業のなかで、たとえば経営会議用の資料作成を依頼した場合、細かい分析や説明を含む、完成度の高い資料が送られてくることでしょう。完成度だけでなく、分量も30ページ以上の網羅的な資料になっていたりするのはよくある話です。

一方、欧米企業では、個々の会社のカラーにもよるとはいえ、たいていは必要最小限のものがすぐに返ってくるのだそうです。練り込まれた資料ではないけれども、そのぶんスピードが速いということ。具体的にいえば、クライアント用の資料はケースバイケースですが、社内資料に関しては概して量は少なめ。5枚程度で簡潔にまとめられているのが平均的だといいます。

つまり、日本企業と欧米企業、あるいは日本人と欧米人では、仕事における優先順位が少しばかり違うのだそうです。単純化するなら、日本人が大切にするのは「完成度」で、欧米人が追求するのは「効率」。日本人は効率を犠牲にしてでも品質にこだわり、欧米人は品質を多少犠牲にしてでも効率にこだわるということです。

だとすれば、どちらが優位なのか? このことについては、少なくとも企画の仕事やチームでの意思決定の場においては、効率を優先する欧米スタイルに分があると著者はいいます。なぜなら、そもそもプレゼン資料を完璧につくり込まなくてはならないケースはまれだから。社内のプレゼンであればそこまでのものは必要ありませんし、クライアント向けだったとしても膨大すぎる資料は嫌がられるもの。ポイントが絞り込まれていない網羅的な資料を渡されても、結果的には読み手(クライアント)を困らせるだけだからです。

また品質という点でも、完成度重視よりスピード重視に軍配をあげたいと著者はいいます。理由は簡単。たとえ完成度が6割だったとしても、その時点で確認することができれば、手を加えたり修正を依頼することが可能だから。もちろん問題がなければ、そのまま次のステップへ進むこともできます。

しかし、もしも完成度が9割5分の資料を時間ギリギリに見せられたとしたら、かりに修正が必要となった場合には間に合わなくなってしまいます。これはビジネスでは致命的。拙速はあとから挽回できますが、巧遅は万が一のときにリスクが大きいということです。

一方、「資料をつくり込むのは企画にかける情熱を示すためだ。ペラペラの資料では熱意が伝わらない」という意見に対しても、著者はある程度は同意しています。ロジックだけで熱意が伝わらないプレゼンは、頭で理解されても心を揺さぶるところまではいかないもの。そういう意味で、「熱意を伝えるべきだ」という考え方にも理解を示しているということ。

ただし、熱意を伝えるにしても、それを資料の緻密さや枚数で示すのはどうなのだろうかと問いかけもしています。グローバル企業のエリートたちが社内で使う資料は枚数が限定的で、要点を絞ったものが中心。日本企業の社内資料にくらべると情報量が少なく、網羅的でもないわけです。しかし、そのぶん会議本番でのプレゼンテーションや議論のファシリテーションという面では、日本のエリートたちよりも努力を払うのだとか。だからこそ、会議の直前まで資料の完成度を高め続けるのではなく、質疑応答や議論の準備に時間を割く。その方が、提案を成功させるという目的から見て賢い手段だというわけです。(53ページより)



グローバルエリートとしての華やかなキャリアの持ち主でありながら、決して驕ることなく、アプローチも柔らか。だからこそ本書からは、多くの読者を受け入れる度量の大きさを感じることができます。グローバルな活動を目指すか否かは別にしても、ビジネスパーソンなら読んでおく価値があると思います。


(印南敦史)

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