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松尾仁松尾仁  - ,,,,,,,  10:00 PM

学びながら、暮らす。あたたかい地方創生のカタチ ー高知県「土佐山アカデミー」

学びながら、暮らす。あたたかい地方創生のカタチ ー高知県「土佐山アカデミー」

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高知市内から車で約20分の中山間地域、土佐山(旧土佐山村)にある「土佐山アカデミー」は、豊かな自然やそこに暮らす人々の知恵など、地域ならではのリソースを生かした学びが得られる場所。2011年の創業以来、土佐山アカデミーを通じてこの地域を訪れた人は7500人を越え、長期プログラム卒業生の4割は土佐山に定住しているといいます。アカデミーから派生した起業家養成プログラム「EDGE CAMP」第二期の募集も始まっているこのタイミングで、立ち上げメンバーのひとり、林篤志さんにお話を伺いました。


林篤志(はやし・あつし)
愛知県生まれ。合同会社paramita代表。システムエンジニアを経て、2009年に「自由大学」、2011年に高知県土佐山地域に「土佐山アカデミー」を創業。2015年2月には、東北の復興現場に学び、地方への多様な関わり方を生み出すメンバーシップコミュニティ「東北オープンアカデミー」を開始。学びの場づくり、地方に人が巡る仕組みづくりをメインに、地域や自治体プロデュース、企業ブランディングなど多岐に渡って活動中。


地域の資源を生かした、新しいチャンレジのための環境づくり


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高知市内を流れる清流・鏡川の源流域にあたる土佐山地域。人口は1000人弱。


都内で「自由大学」の立ち上げに携わったあと、有機農家の支援や古来種野菜の種の保全活動を行い、全国を飛び回っていた林篤志さん。田舎の農村に赴く機会も多かったそうですが、そういった地域を訪れる度に豊かな自然やそこで暮らす人々の知恵、技術に、感銘を受けていたと言います。

林篤志さん(以下、林): 初めて土佐山を訪れたときも、地方創生や地域活性という視点ではなく、単純に魅力の溢れる場所だと思いました。土地はたくさんあるし、地元の人たちは非常にユニークで、僕も含め都市に住む若い世代が持っていない知恵や技術を持っている。地域の自然や伝統文化が残るフィールドをうまく生かして、地元の人々と都市に住む若い世代がお互いに持っているものを共有しながら、新しいものをつくっていけるような環境とその仕組みをつくりたいと思ったんです。


地域の中で教え、学び合う"社学一体"の現代版


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土佐山アカデミーを立ち上げた林篤志さん。


自由民権運動発祥の土地としても知られる高知県。「自由は土佐の山間より出づ」という言葉の"山間"は土佐山地域を指しているという一説もあり、土佐山には活動家たちが集まって勉強会を行っていた小屋の跡も残っています。そんな歴史的な背景もあり、立ち上げメンバーが土佐山アカデミーの構想を提案した際は、比較的スムーズに進行したそう。


林:土佐山地域は昔から教育に力を入れてきた地域。教育は閉ざされた空間や限られた人が受けるのではなく、地域の中で世代や立場を超えてお互いに教え、学び合うのが本来の教育の姿だという「社学一体」の考えが根付いているんです。土佐山アカデミーの構想も、地元の人々からすると「社学一体の現代版をやろうとしているんだね」というふうに捉えてもらうことができました。東京から来た僕たちを拒否するのではなく、受け入れてくださった地元の人々がすごいのだなと、土佐山アカデミー創業から4年目になる今でも強く感じています。


季節に応じたプログラムで、サステナブルな暮らしを考える


こうして、「人が自然の一部として生きる文化を育む」というコンセプトのもと、土佐山地域全体を学びの場とする土佐山アカデミーが創業。大きくわけて、「土と農」「食」「ナリワイ」「ものづくり」「自然学」「暮らしとエネルギー」の6分野を学ぶ3カ月の長期滞在型プログラムを中心に、短期体験プログラムや子ども向けプログラムが行われています。


年に2回行われている3カ月の長期滞在型プログラムは、自然の仕組みや地元に根付く生活の知恵を学ぶもの。数時間の授業から数週間に渡るものづくりのワークショップまで、会期中、参加者は約50の授業を受けます。ポイントは、長期間、自然の中に身を置いて、季節に応じた知恵や技術を実践形式で学べること。鮎の専門家から鮎の生態を学んだり、建築家から家の建て方を学んだり、自然と寄り添いながらサステナブルに暮らす方法をさまざまな角度から総合的に身に付けることができます。


卒業生の中には、炭焼きの技術を習得し、木炭の新しい活用方法を開発しようとする人など、アカデミーで学んだ経験と地域のリソースを生かして、事業の立ち上げに挑戦しようとしている人もいるそうです。


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プログラムはすべて地元ありき。第一産業に従事する地元の人々が講師を務めるケースも多い。


学ぶ環境と、信用を担保するシステムを提供する


創業から2年が経過した2013年、林さんは「土佐山ワークステイ」という、より暮らしにフォーカスした拠点づくりの構想を始めました。これは、土佐山で新しく何かを始めたい人のために、住まいや車などの移動手段を安価に提供し、必要に応じて地元の人々とのネットワーク作りをサポートするというもの。


林:土佐山には空き家はありますが不動産屋がないので、地域外から新しく何かを始めるために来た人が家を借りるためには、地元の人々との信頼関係が必要になります。僕も実際に体験しましたが、地元の人々と信頼関係を築くには最低でも半年は必要。新しいチャレンジがしたい人たちにとって、この期間は煩わしいと感じるかもしれませんが、土佐山という田舎で何かを始める以上、必要不可欠な道のりなんです。そこで考えたのが土佐山ワークステイという仕組みで、これまで僕たちが地域の人々と築いてきた信頼関係を共有しようというもの。具体的には、古民家を改修したシェアハウスをアカデミーの責任のもとで運営することにしました。今では、新しく入居した人に対しても「アカデミーのところの人なら大丈夫」と、地元の人が言ってくれるようになりました。地域外から来た人も地元の人々も、お互いが安心して暮らし、学べる環境をつくる。土佐山アカデミーは学びの場である一方、信用を担保するシステムでもあるんです。


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滞在拠点、移動手段(カーシェアリング)、人的ネットワークなど地域リソースのコーディネートを提供する土佐山ワークステイ。古民家を活用したシェアハウスは月額25000円で提供している。


実現したい暮らしに重きを置いた起業家養成プログラム


卒業生も増え、土佐山アカデミーの存在が全国的にも知られるようになった2014年。林さんは新たに起業家養成プログラム「EDGE CAMP」を開始します。


林:立ち上げの頃にはあまり耳にすることがなかった「移住」というキーワードも話題になってきているし、地方で何かを始めたいという人も格段に増えたように感じます。ただ、おぼろげなイメージで移住を考えている人は多いと思いますが、実際に行動に移せているのは、ごく一部の人たち。その際、何がネックになっているのかというと、やっぱり仕事だと思うんです。仕事を探すのは難しいと思われがちですけど、実は、その地域のリソースを活用して「自分が暮らせる範囲の仕事」を生み出すことは、誰にでもできることなんじゃないかと思うんですよね。そもそも、仕事とは生きるためにするもの、"ナリワイ"ですから。その方法を土佐山アカデミーがプログラムとして提供することで、自分の思い描く暮らしや生き方をデザインできるようになればいいと思い、EDGE CAMPを開始しました。


昨今、さまざまな分野での起業家養成プログラムが盛んに行われていますが、EDGE CAMPの大きなポイントは、「暮らし」に重点を置いていること。


林:起業家養成とは言ってますが、EDGE CAMPはビッグビジネスをするような起業家を育てることを第一に考えているわけではありません。自分がこう暮らしたと思う規模、売上でいうと年間数百万円〜の、自分の生活の延長線上でナリワイをつくって欲しいと思っています。だから参加者には入念に、どんな暮らしをしたいのかということをヒアリングします。土佐山でのんびり暮らしたいのか、土佐山と東京を行ったり来たりして暮らしたいのか。そのためにどのくらい稼がなきゃいけないのか。それに合わせて、メンターと話し合いながら事業規模を決めていきます。逆に言えば、事業構想を形にしていく際に、参加者の負担になったり、実現したい暮らしと離れるようであればやりません。それが他のインキュベーションのプロジェクトとは大きく違うところだと思います。


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EDGE CAMPに参加するメンターは「ナリワイ」代表の伊藤洋志さん、フードデザイナーの中山晴奈さん、昨年高知に移住したことで話題になったプロブロガーのイケダハヤトさんら8名。さまざまなジャンルの第一人者が、暮らしの延長線上にある起業をサポートします。


今年の3月に卒業したEDGE CAMP第一期生は、早速、土佐山で事業を立ち上げています。たとえばマッサージの技術を持っていた女性は、訪問マッサージ事業の展開を開始。彼女の持つ技術が土佐山という地域に出会ったことで、肉体的な癒しを提供するだけでなく、独居老人の見回りや買い物代行といったマッサージ以外の可能性も生まれたそうです。またある女性は、土佐山地域の特産品、柚子に着目。これまでは有料で廃棄していた柚子の種子からオイルを抽出し、マッサージオイルの開発に取り組んでいます。他にも、土佐山に移住してゲストハウスの運営を始めた家族や、事業は立ち上げずに農業や林業などの季節労働をしながら暮らしている若者もいるのだとか。それぞれの持つ能力を生かしながら地域に合わせた事業を形成することが、その地域で生きていくためのナリワイを築くポイントなのかもしれません。


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tanemakiというブランド名で展開予定の柚子シードオイル。


一方向から双方向に。深まるプロジェクトと地域の関係性


4年目を迎えて、土佐山アカデミーという仕組みが「地元の人々のもの」になりつつあるような気がすると林さんは話します。


林:EDGE CAMPの第二期の募集を始めた頃から、「柚子農園の跡継ぎがいないからアカデミーで募集してほしい」、「土佐ジロー(高知の地鶏)の育成ノウハウを教えるから何か新しいチャレンジをする人を探してくれないだろうか」というふうに、地元の人から土佐山アカデミーに声がかかるようになってきたんです。今までは地域外から来た人が地元の人に学ばせてもらうという一方向のアプローチでしたが、それがようやく双方向になってきたような気がしています。土佐山アカデミー卒業生と地元高知の人との結婚や出産のニュースが出始めたことも、個人的にはしみじみ嬉しく感じています。


観光資源を生かしてその地方に人を呼び込み、活性化させようとする地域おこしが多く見られる中、林さんが土佐山アカデミーを通じて生み出したのは、地元の人々との信頼関係に根付くあたたかいコミュニティ。"まちづくり"ならぬ"村づくり"を行っているような姿勢に、新しい地方創生の形を見たような気がしました。EDGE CAMP第二期のエントリー受付は8月16日まで。土佐山で自分なりの暮らしをデザインしたい方は、応募してみてはいかがでしょう。


ちなみに林さんは現在、新たに岩手県遠野市にも拠点を設け、東京と遠野を行き来しながら、月に一度、土佐山を訪れるという生活を送っています。東北を舞台にフィールドワークを行う「東北オープンアカデミー」や、廃校をリノベーションし、クリエイターのレジデンスとして活用するプロジェクトなど、彼が現在手がけている学びの場づくりや人が地方に巡る仕組みをつくるプロジェクトの状況は、また改めてご紹介できればと思っています。


土佐山アカデミーEDGE CAMP

(編集/松尾 仁、文/宗円明子)

  • ,,,,,,,, - By 香川博人LIKE

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