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開發祐介開發祐介  - ,,,,,,,,,  01:00 PM

1日1客限定、床を抜いてアクリル板を...。宇和島のシンボル「木屋旅館」の再生ストーリー

1日1客限定、床を抜いてアクリル板を...。宇和島のシンボル「木屋旅館」の再生ストーリー

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去る6月26日、ギャラリーショップ「EDIT LIFE TOKYO」にて、トークイベント「都市の価値を再び見いだす ~木屋旅館再生プロジェクト~」が開催されました。

地方でまちづくりに尽力するキーパーソンを招いたトークショー企画「MAKERS MAKE A CITY ものづくり、まちづくり」の第3弾となるこのイベント。ゲストは、元日本銀行で現在は日本各地で地域活性化のための事業支援を行っている吉澤保幸さんと、「ルイヴィトン京都大丸店」や「豊島横尾館」などを手掛けた建築家の永山祐子さんです。


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愛媛県宇和島市にある木屋旅館は、1911年の創業以来、政治家では後藤新平、犬養毅、作家では司馬遼太郎、吉村昭など多くの文化人に愛されましたが、建物の老朽化に伴い、1995年に廃業。その後2012年にリニューアルオープンしました。

木屋旅館の再生プロジェクトに中心的に関わってきたゲストの2人が、リノベーションを経て完成した現在の木屋旅館の特徴的な空間について、また再生までの道のりについて、詳しくお話してくれました。


テーマは「引き算」


1日1客限定という新しい形の滞在型旅館として、2012年に再生した木屋旅館。食事はついていません。理由は、宇和島には美味しい食べ物を出すお店がたくさんあるので、外に食べに行ってみてほしいから。

当日は料理人の竹花いち子さんにより、宇和島産の食材を使った料理が振舞われました。


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写真右・竹花いち子さん


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鯛めし。ごはんには卵黄がといてあり、とてもまろやか。


イベント前半部では、木屋旅館のリノベーションを主導した永山さんから、旅館のデザインにコンセプトについてのお話が聞けました。


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左・EDIT LIFE プロデューサー松尾仁さん/中央・永山祐子さん/右・吉澤保幸さん


永山:最初に決めたテーマは「引き算」。これだけの広さ、部屋数の建物で1日1客限定となると、「床が多すぎるな」と思いました。ならば、あえて床を抜いてみることで、新しい視点が生まれるのではないかと思ったんです。日本建築は"水平"の視線の抜けが主な空間体系ですが、それを"垂直"に抜いた瞬間に、いきなりダイナミックな断面が現れます。

天井は一番高いところで7.5メートルもの高さがあります。日本建築はヒューマンスケールだと言われますが、実はこのようなダイナミックな空間が隠れているという「引いたことで足される体験」を味わえるようにしました。


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木屋旅館内観。床を抜いてアクリル板がはめ込まれている。


水平の視線に垂直の視線が生まれ、突然上に座布団やちゃぶ台の足が見えるなど、ありえない角度からモノや人が見えてきます。アクリルの上に布団をしいて寝る人もいるので、朝に不思議な角度で目があったり、ふとした瞬間に上下で目があったりします。一緒に泊まることによってより仲良くなれますよ。

吉澤:最大で15名程度は泊まれます。友達や家族、親せきなど大人数で泊まると、懐かしい一体感や大家族感が味わえます。逆に2人だとちょっとさびしいかもしれないですが、そこは広い空間を存分に楽しんでもらえれば。


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永山:あんどんを照明で染め上げ非日常的な雰囲気にしています。建物全体が染め上げられて、ゆっくりと呼吸するように色が変わっていきます。夜になると旅館が呼吸しているように見えればいいなと。


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永山:お庭もガラっと変えました。もともと樹木の葉っぱが大きく、灯篭も巨大で空間としてはバランスが悪くうっそうとしすぎていたので、灯篭を倒して分解し、一部を庭石として利用しています。また、せせらぎが生まれるように水を流しています。


次の100年へバトンをわたす


後半では、木屋旅館再生プロジェクトを立ち上げから主導してきた吉澤さんによる、再建までの道のりが語られました。


吉澤:2003年に「場所文化フォーラム」という団体を立ち上げ、日本各地を回って地域活性化へ向けた取り組みを行っていました。その1つとして、2007年に有楽町に「とかちの...」という場所文化厨房を開いたんです。そこで愛媛銀行の方と出会い、「宇和島を活性化させたい」と相談されたのが最初のきっかけ。

まったく宇和島についての予備知識もない中で現地に足を運んだのですが、そこで木屋旅館と出会いました。宇和島の街は終戦の直前に空襲でほとんどが焼けてしまいましたが、その中で残ったのが木屋旅館でした。これは活性化の起点になると思い、つぶす寸前でしたが再建を目指すことを決め、2009年の3月ごろに市長に打診。それから20回ほど市役所や商工会議所、銀行の人間と勉強会を行いました。

しかし、すべてを民間で引き受けて再生しようとするとキャッシュフローが足りません。そこで築100年が目前ということで、登録有形文化財にもなるので、市に買い取ってもらうよう動くことに。そして、博物館ではなくあくまで旅館として運営していくために、運営や改築の資金集めを行うまちづくり会社も設立して、次の100年へバトンをわたすということがこのプロジェクトの大きなテーマでした。


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吉澤:交渉の末、2010年の暮れまでに市役所が買い取ってくれることが決まりました。今度はその指定管理を担うまちづくり会社を設立するための資金集めに奔走し、銀行やファンド、地元の有志の方々の協力で、なんとか必要な分の資金が集まりました。

実はこれまで過去に2、3回ほど木屋旅館の再生プロジェクトは持ち上がったことがあったそうなのですが、すべて実現はしませんでした。その失敗から学び、地元の旅館組合等の業界とフリクション(摩擦)が起きないように、あくまでも木屋旅館の再生を起点として、どう宇和島全体の活性化に結び付けるか、ということを考えました。一方で旅館としてきちんと運営していかなければいけないので、そこをどう両立するかがポイントでした。

そこで、ローコストかつ外部に開く、ということで1日1組というコンセプトが決まりました。木屋旅館はもともと商人宿で、間仕切りをたくさんつくり、何人でも押し込めるような空間でしたが、それと同じことをしても意味がないので、アート的な要素も入れられればと思い永山さんにデザインを依頼したんです。

2011年4月に宇和島に来ていただいて、6月ごろにはイメージができました。非常に素敵だと思いましたが、これを地元の人たちにどうやって理解してもらうかというのが、最後の勝負。永山さんにも来ていただき、「他とはちがう形で宇和島のシンボルをつくりましょう」と訴えました。

永山:大胆な提案ではありましたし、最初は伝わるのかなと思いましたが、既に吉澤さんが信頼を得ている状態だったので、吉澤さんに「このデザインでいけます!」と後押ししてもらい、最終的には一任していただきました。

吉澤:そこまで時間をかけて必死にやってきていたからこそ、最後はご理解いただけたということだと思います。


木屋旅館を起点に宇和島全体を活性化させたい


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木屋旅館再生後の取り組みとして、木屋旅館をイベントスペースとして利用したアートプロジェクト「AT ART UWAJIMA2013」が開催されました。

また、宇和島の名産で、かつて現在の10倍以上の生産量があった真珠を活性化ために利用すべく、永山さんの友人のアーティストの協力によりジュエリーアーティストたちとのコラボレーションにより「New Pearl UWAJIMA」という新しい展開も生まれています。


吉澤:今後の展開としては、永山さんたちが一昨年やってくれたアートプロジェクト「AT ART UWAJIMA2013」の次のステップに進みたいと思っています。愛媛県の中村知事が主導する、県の中にある愛媛県営業本部や愛媛銀行とも相談して、来年に向けての展開を模索しています。

宇和島は川や海をはじめ、日本の原風景が味わえる場所。松山から車で1時間半弱で来れますし、なによりも食事と空気と人が良いです。ぜひ皆さん宇和島へお越しただければと思います。


木屋旅館の再生を皮切りに、活性化の波が広がりつつある宇和島。今後の展開にも注目していきたいですね。

本日7月9日にはライフハッカー[日本版]編集長の米田も参加する、京都・福岡の移住計画の方によるトークショーが行われます。すでに満員御礼となってしまいましたが、詳細はこちらからどうぞ。

EDIT LIFE

(開發 祐介)
Photo by PIXTA.

  • ,, - By ライフハッカー編集部LIKE

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