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ライフハッカー編集部  - ,,,,,,,,,  07:00 PM

日本でのデザインの地位を向上させたい。グッドパッチCEO土屋尚史氏に聞いた、急成長への道のり

日本でのデザインの地位を向上させたい。グッドパッチCEO土屋尚史氏に聞いた、急成長への道のり

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前回は起業のきっかけから、サンフランシスコへのインターン留学やそこで受けた衝撃など、グッドパッチ〝夜明け"前のエピソードを語っていただきました。後編では、グノシーのヒットからベルリンへの進出、そして今後の展開についてのお話を伺いました。


土屋尚史(つちや・なおふみ)
株式会社グッドパッチCEO。関西大学中退後、ウェブ制作会社に就職しディレクターを経験。その後、デジタルハリウッド大学院、サンフランシスコでのインターンなどを経て、2011年に同社設立。


"タダ"で手伝ったグノシーが大ヒット


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米田:グノシーのUIデザインに関わることになったきっかけを教えてください。

土屋:サンフランシスコで面接を受けた後、シリコンバレーのカンファレンスに行ったんです。そのFacebookのグループページで、「レンタカーやホテル代がもったいないので一緒に泊まりませんか?」と声をかけたら4人ほど集まって、GoogleやApple、Facebookなどシリコンバレーの名だたる企業を数日間かけて訪問しました。その中に、当時東大の大学院生で、のちにグノシーのファウンダーの1人となる関君がいたんです。

僕はその後半年間、サンフランシスコでインターンをやってから日本に戻ってグッドパッチを立ち上げるわけですが、起業の1カ月後に関君から連絡が来て、「東大の友達とウェブサービスをつくったから見てもらいたい」と言われて...それがグノシーだったんです。おもしろそうなサービスだと思いましたが、ロゴをパワーポイントでつくっていたりと、とにかくデザインが酷かった(笑)。

米田:イラストレーターではなくてパワポで(笑)。

土屋:僕も当時起業したてでヒマだったので、手伝うことにしたんですが、大学生からお金はとれないということで、タダで受けました。その後、グノシーが大ヒットして、「グノシーのUIをデザインした会社」としてグッドパッチの仕事が増えるようになったんです。

米田:土屋さんのストーリーは、すべて運命的な導き、「幸運な偶然」、セレンディピティがありますね。

土屋:そうですね。本当に「すべてつながっているな」と思います。

米田:その時その時は必死に生きるしかなかったけれど、ジョブズの言った「connecting the dots」のように、振り返ったらすべてつながってた、ということなんでしょうね。でも、それも土屋さんのリスクをとって行動、実践していく信念の強さがあって呼び寄せたものだと感じます。


エンジニアとのコミュニケーションを円滑にするツール


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卓球台で会議中。実際に卓球もプレイされ、社員の気分転換に一役買っている。


米田:それから、グッドパッチはUX/UIのプロトタイプをつくるツールをリリースしていますね。それについても教えてください。

土屋:グノシーがヒットして会社が成長するに連れて、人も1年で20人くらい増えたのですが、デザイナーとディレクターだけが増え、その中にエンジニアがいなかったんです。エンジニアを採用するノウハウもないし、当時はiOSエンジニアのコストも高かったので、なかなか採用できなかった。自分たちだけで最後までつくることができないので、他の会社と一緒に開発するわけですが、そこで感じた課題は「エンジニアとのコミュニケーション」の難しさ。

従来のアプリ開発だと、仕様書をプロジェクトマネージャーやディレクターがつくりワイヤーを書いて、そのワイヤーをもとにデザイナーがデザインして、仕様書とPSDファイルをエンジニアに渡す。そしてエンジニアがプログラミングして動くものにするという行程でした。ところが返ってきたものを動かしてみたらとても使いづらい、みたいなことは往々にしてありました。

米田:他社とだとよりいっそう時間も手間もかかりますもんね。

土屋:そんなときに、サンフランシスコやシリコンバレーで「プロトタイピングツール」というものが出てきたんです。コードを書かなくても直感的にリンク範囲を設定して画面と画面をつなげたら、誰でも動くモックアップが誰でもつくれます。これまでは簡易的にプロトタイプをつくるということはできず、すべて仕様が固まった段階でエンジニアに渡さなければならなかった。

米田:職能の壁があったわけですね。

土屋:そうです。でもツールを使い始めてからすべてが変わりました。これまでエンジニアしか動かすことができなかったのが、デザイナーがワイヤーの段階で「こういう風に動かしたらしたらつかいやすいな」と確認しながらデザインできるようになった。動くものを見た方がエンジニアもわかりやすいので、圧倒的にプロジェクトのクオリティが上がりました。

米田:なぜ自社でつくろうとなったんですか?

土屋:海外のツールは、チームで使うことに特化されておらず、ほとんど個人用でした。プロダクトはチームでつくるものだから、「これはもっとよくできるな」と思い、自分たちでつくることにしたんです。半年の開発期間を経て、クローズドでベータローンチしたのが1年前。その後も改良を重ね、ようやく2014年10月にプロタイピングツール「Prott」を正式ローンチしました。


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「Prott」使用画面。画面遷移の動き方やタップの方法まで細かく設定できる。


米田:今ユーザーはどれくらいいるんですか?

土屋:ユーザーは世界121カ国で2万7000人くらい。日本でも多くの有名企業に使っていただいています。日本でこういうツールをつくっているのはうちだけなので、必然的に海外のツールが競合になりますが、海外のマーケットで見るとまだまだです。ツールをつくりはじめた段階からUIも英語で、海外の人に使ってもらう前提でつくっています。


グッドパッチをインターナショナルな会社にすべく、わざと英語しか話さなかった


米田:今、外国人の従業員は何名いらっしゃるんですか?

土屋:10名くらいです。昨年、ボリスというドイツ人が入社してきました。その時、彼は慶応大学の学生で、日本語をしゃべれなかったんですが、採用しました。なぜかというと、日本語をしゃべれないのに日本の会社に入ってくるという点は、英語がしゃべれないのにサンフランシスコへ渡った僕と似た境遇だと思ったんです。

とてもアグレッシブな人間で、まわりの留学生などを次々とグッドパッチにジョインさせてきて、あっといまにインターナショナルな会社になりました。

米田:グッドパッチの国際化はボリスさんというたった1人の存在がきっかけだったんですね。

土屋:ボリスは社内でわざと日本語を使いませんでした。日本での生活は長いから、日本語はある程度聞き取れますが、グッドパッチをインターナショナルな会社にするためにあえて英語でしか話さないようにしています。

いまでは朝礼・終礼時に全員で英語を話す時間を設けています。となりの人と5分程度で「昨日食べたもの」「最近ハマってるアプリ」などのトピックを決めて話すというもので、1年以上毎日続いています。おかげで僕もスタッフも英語への抵抗感はなくなりました。


ドイツを選んだ理由


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米田:4月からベルリンにも拠点を置くことになったわけですが、ドイツ進出のきっかけを教えてください。

土屋:もともとドイツに興味があったんです。「Wunderlist」というタスク管理のアプリあるんですが、UIがすごくきれいで。どこの会社がつくったのか調べたら、ベルリンの会社だったんです。世界的な音楽アプリ「SoundCloud」もベルリンの会社ですし、「なんでドイツにはUIがきれいなアプリをつくる会社がたくさんあるんだろう?」と気になっていました。

海外進出ははじめから決めていましたが、なかなか突破口がなかった。でも今年は絶対に海外にオフィスを出すと決めて、昨年から動き出していたんです。候補はドイツとサンフランシスコ。サンフランシスコは思い入れがありましたが、この4年で地価がかなり高騰してしまったので、難しくなりました。エンジニアを雇うには最低年収1800万円は払う必要があります。でも、彼らの給料のほとんどは家賃とタックスに消えてしまうので、大して良い暮らしはできないという異常な状況です。

それで、今スタートアップブーム真っただ中のドイツに決めたんです。ボリスは出身地でもあるミュンヘンがいいと言っていたんですけど、実際にベルリンに行ってみたら「今はベルリンがすごい!」と言いだして。帰国したら「もうオフィス決めてきたから」と言われました(笑)。


スタートアップは自己表現の1つ


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ベルリンオフィスのオープニングパーティーには400人以上が参加した。


米田:先日、開催されたベルリンオフィスのオープンニングパーティーでは、現地に行かれたそうですね。

土屋:はい。結果的に、すごく可能性のある街だということがわかりました。ドイツ東西分断時代、ベルリンは西ドイツにありながらも飛び地になって東西に分かれていました。このカルチャーギャップはすごくて、それは現地でもひしひしと感じました。

米田:東西で街の景色が全然違いますよね。

土屋:そうなんです。東ベルリンは汚いけど、西ベルリンはきれいで、銀座みたいな雰囲気。でもスタートアップは東に多いです。

米田:やっぱり家賃の安さが理由なんでしょうか? アメリカのデトロイトでスタートアップが盛り上がってるのと、近いものがありますね。

土屋:そうかもしれないですね。ベルリンがいま盛り上がっているのは、英語が通じるからというのもあると思います。でも、ベルリンで普通の人もみんなが英語を使えるようになったのはこの10年らしいです。あと、ビザのハードルが低いことも大きい。フリーランスでもビザがとれるというのは、世界的にも異例です。アーティストビザというのもあります。

米田:だから現代アートの人たちはみんなベルリンを目指すというわけですね。

土屋:そうなんですよ、アーティストはもうベルリンに行くしかない(笑)。生活のハードルも低くて、年収はあまり高くないけどそれでも暮らしていけるし、それが普通という雰囲気。誰かの目を気にしなくてよくて、自分のやりたいことをやって暮らしていける街。それが現地ですごく感じたところです。ベルリンではスタートアップも自己表現の1つなんです。

米田:多分ロックバンドやDJをやるような感覚で起業してるんでしょうね。

土屋:近いと思います。最近はスタートアップやるのがクールとかかっこいいとかいう雰囲気があるけど、僕はそれで全然いいと思っています。


短期志向のマネタイズに走らなくていい


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ベルリンオフィス内観


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オフィスの壁にはグッドパッチのヒストリーを映し出す写真が掲示してある。


米田:ところで、ベルリンでスタートアップシーンが盛り上がっていると聞いて、投資状況はどうなんだろうと気になったんです。

土屋:ここ2、3年で、ベルリンにシリコンバレーのお金が落ちてくるようになりました。これは日本との大きな違いです。日本にはシリコンバレーの投資家は来ません。それはやはり言語の問題が大きいと思います。日本で出資を受けて日本語でサービスを展開すると、すぐにマネタイズを考えないといけなくなって、考えが狭いところに行ってしまう。一方ベルリンでは、数十億という投資がマネタイズしてない状態で集まってくるようになったから、短期志向のマネタイズに走ることもなく、純粋にユーザー目線のサービスを追求できるんです。

米田:ベルリンオフィスでは今どんな事業をやっているんですか?

土屋:今は受託業務が中心です。ボリスがなぜミュンヘンじゃなくベルリンを選んだかというと、スタートアップと一緒に仕事をするということを重視したから。グッドパッチは、「グノシー」とか「マネーフォワード」のようなスタートアップ企業と仕事をしながら成長してきました。スタートアップにデザインを提供して、そのアプリやサービスが話題になって次の仕事につながる、という流れが生まれていた。ボリスはそれと同じことをベルリンでやろうとしているんです。

米田:ドイツにいるのはボリスさんお1人ですか?

土屋:5人います。加えて、グッドパッチの日本のメンバーがローテーションで行っています。ひとりひとりがグローバルに仕事をするという感覚をつけるのが狙いです。


日本でのデザインの捉えられ方を変え、デザイナーの地位を向上させる


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3月末に完成した本社別館


米田:最後に、今後の展望を教えてください。

土屋:日本企業が抱えている課題はデザインだと思っています。マネジメント層にデザインをわかってる人が少なく、デザイナー出身の人がほとんどいない。加えて、機能やスペックなど、売上への影響などが定量的に測れるところにしか投資が集まらない状況があります。

僕らはデザインの会社として、日本でのデザインの捉えられ方を変え、デザイナーの地位をもっと向上させたいんです。そのためには僕たち自身がもっと影響力を持たないといけない。世界で活躍するデザインの会社になって、世界での日本のデザインの地位を上げる。そうやってロールモデルとなることで、日本の会社のモノづくりのやり方を根本から変えなきゃならないと思っています。

そのために、IPOをするのも選択肢の1つだと考えています。日本でIPOをしている会社で、デザインの会社って1つもないですからね。

米田:かつてのソニーやホンダのようにものづくりの現場を知り尽くしているクリエイターが経営者になり、企業がぐんぐん成長していく。そんなことがまた盛んになったら日本にも良い風が吹くのではないかと感じます。土屋さんと出会ってからたった4年でこんな状況になるなんて本当に驚きです。グッドパッチのさらなる飛躍に期待しています!


(聞き手/米田智彦、構成・執筆/開發祐介、大嶋拓人)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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