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香川博人香川博人  - ,,,,  01:00 PM

世界最速のエアレースで戦うパイロット、室屋義秀さんが実践する自己管理術【感情のコントロール】

世界最速のエアレースで戦うパイロット、室屋義秀さんが実践する自己管理術【感情のコントロール】

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世界で14名しか参加資格が与えられていない世界最速のモータースポーツ『レッドブル・エアレース』マスタークラスにアジア人で唯一参戦しているエアレース・パイロット、室屋義秀(むろやよしひで)さんの自己管理術。前回は「判断力の身に付け方」について聞きましたが、今回のテーマは「感情のコントロール」です。

不安や緊張など、レースに向けてさまざまな感情がうごめくなかで、室屋さんはどのように感情をコントロールしているのでしょうか。そのヒントは、日々の習慣にありました。


室屋義秀(MUROYA YOSHIHIDE) エアレース・パイロット

150515_airrace_06.jpg1973年生まれ、福島市在住。アニメ『ガンダム』に憧れ20歳で渡米して飛行機のライセンスを取得。24歳のときに本格的なエアロバティックス(曲技飛行)を学ぶために再び渡米し訓練を積む。その後、曲技飛行世界選手権では日本代表に選ばれ、日本のエアショーでも活躍。2009年、36歳で『レッドブル・エアレース』に初参戦。2014年シリーズの第2戦クロアチア大会では3位となり、初の表彰台を飾った。現在、全日本曲技飛行競技会のサポートなどスカイスポーツの振興や地元福島の復興支援活動にも積極的に参画している。


武道の型を決めるようなフライトでコースレコードを記録


150530_airrace_02.jpg▲最速タイムを樹立した室屋さんのフライト Jörg Mitter/Red Bull Content Pool


2015年5月16日、17日に開催された『レッドブル・エアレース千葉2015』では、準決勝にあたるラウンド・オブ・8で惜しくもオーバーG(規定の重力を超える飛行)で失格となってしまった室屋さん。

記者会見では、「チームとしては全開の100%で臨みましたが、レースでは101%ぐらいの力が入ってしまったので失格になってしまいました」と笑いを交えて答えていましたが、全14選手の中でトップタイムをたたき出し、日本初開催となる千葉大会のコースレコードを記録したのも事実です。

室屋さんの飛行スタイルについて、レース関係者は「サムライ・スタイル」と呼んでいるそうですが、確かに武士が刀で立ち回りをするようなキレと小気味よさを感じました。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。

室屋氏:レース・パイロットには、それぞれ自分に合った飛行スタイルがあります。私の場合は、水平飛行から瞬時に機体を90度傾ける場合でも「ウッとやって、パシッと止める」スタイルです。もう少しわかりやすく言うと、空手の型を連続で決める演舞のようなイメージです。

今回のテーマである「感情」の話にもつながりますが、自分に合った飛行スタイルで飛んでいると気持ちよくレースを戦うことができるので、飛行中のペナルティがなくなり、結果的によいタイムにつながるんです。

もちろん、自分の飛行スタイルでレースを戦うためには、それ以前のいろいろなシチュエーションで、いかに感情をコントロールしていくかが、レース・パイロットにとっては最大の課題となります。


トップアスリートに最も必要なのは強靱なメンタル


150530_airrace_01.jpg▲日本初開催に合わせて新しい機体でレースに臨んだ室屋さん Balazs Gardi/Red Bull Content Pool


前回の記事、室屋義秀さんが実践する自己管理術【判断力の身に付け方】では、レース中に判断を下すことができないため、レースに臨む前に何度もシュミレーションして、瞬時に対応できる判断の引き出しを事前に用意しておくと語っていた室屋さん。

では、感情をコントロールするためには、いつ、どのようなことを行っているのでしょうか?

室屋氏:アスリートの世界では、トップへ行けば行くほど、技術の差はほとんどありません。最終的な結果は、個人のメンタルに大きくかかっています。その意味でメンタルは、感情をコントロールするためのエンジンのようなものだと感じています。メンタルをコントロールできるようになれば、感情も同じようにコントロールできるようになります。

たとえば、何かのトラブルに巻き込まれた場合、いきなり「落ち着け!」と思ってもうまく感情をコントロールすることはできません。筋力トレーニングと同じように、日ごろからメンタルを鍛えるトレーニングを繰り返すことが大事です。


具体的に日ごろ行っているのは、どのようなことですか?

室屋氏:いくつかやっていますが、皆さんにもできる呼吸法のひとつを話したいと思います。

それまでの私は、大和魂とねじり鉢巻きで「行け!」みたいな感じでレースをしていましたが、飛行機の調整がうまくいかなかったり、散々なことが続き、追い込まれる状況になってしまいました。そして、「このままでは危ないな」と感じて、2010年ころから福島大学の白石豊先生にメンタルコーチをお願いしました。いろいろな指導を受けていますが、この呼吸法もそのひとつです。


【毎朝、室屋さんが行っている呼吸法】
1.起床後、関節を中心に軽いストレッチを行う。
2.鼻から空気を10秒吸って、30秒止めて、20秒で吐き出す。
 ・1分で1回の腹式呼吸を行い、これを複数回行います。
 ・ポイントは、吸っているときに肺に空気が入ってきたイメージ、
  息を止めているときにカラダで酸素が消費されているイメージを
  感じながら行うことです。
 ・心とカラダをつなぐと言われる「気」を整えて、最後に心を整える作業をします。


室屋氏:呼吸法を終えた後は、座禅のように座って、自分の目標や成すべきことなどに意識を集中させ、心の中を整理していきます。トータルで30分くらいになりますが、毎朝のルーティーンとして行っていると感情や気持ちがすっきりして、目標や行うべきことに向かってカラダをすっと動かすことができるんです。


モチベーションを維持するためには、やりたいことを明確にする


150530_airrace_03.jpg▲コースルールに従い、パイロンを水平飛行で通過する室屋さん Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool


メンタルトレーニングを行うようになってから感情や心理面のコントロールができるようになり、レースの結果にもよい影響が出ているという室屋さん。

では、メンタルとともに、感情をコントロールする上で欠かせない「モチベーションの維持」についても聞いてみました。

室屋氏:最高時速が370kmにもなり、体重の10倍もの重力がカラダを襲うエアレースは、とても過酷なモータースポーツです。こんなことをずっとやっていると、それはもう疲れますよ(笑)。義務ではないので、やりたくなくなったら止めてもいいんですが、続けたいから、好きだからやっているわけです。

「自分は何がしたいのか」。自分の心の中で設計がきちんとできていれば、モチベーションは維持できます。もちろん、壁もあってたいへんですけど、その壁を超えて次へ向かうために押していると、いろいろな助けをいただいたり、奇跡も起こるわけです。そうしたことを苦労とは思わずに、面白がることも大事ですね。


「ポジティブシンキングですね」と聞くと、「こんなこと、ネガティブにはやっていられないでしょ」と笑顔で語る室屋さん。最後に失礼ながら「感情をコントロールできたとしても、へこむことはないんですか」と聞いてみました。

室屋氏:なかなか超えられない世界へ行き着くことができ、普通では見ることができない世界を見させてもらっていると思っています。それを面白がっているところがありますね。

しかし、へこんでしまうことは、言わないだけでもちろんあります。東日本大震災のときは、かなりへこみました。福島を拠点に活動しているので、もうどうにもならないのかと思う瞬間もありました。

また、曲技飛行の競技会やエアレースでもいろいろなことがありました。華麗に飛んでいるように見えますが、実際はよいことより9割ぐらいは悪いシチュエーションのことの方が多いんです。

ただ、そうしたなかでも、人間の能力はたくましいものです。私の場合、へこんだりめいったりしたときは、ちょっと時間をおき、その課題から逃避して自然治癒させています。すると、心の中が自動修復されるんです。

そして、超えなくてはいけない瞬間を感じたときには、力を振り絞ってやるようにしています。



150530_airrace_04.jpg▲レッドブル・エアレース2015千葉大会のレース後、国内外の記者たちの質問に答える室屋さん


母国初開催となったレッドブル・エアレース2015千葉大会のレース後、室屋さんは記者会見で「千葉の空でレースができたことに感謝します。失格になってしまいましたが、チームが準備を重ねた結果として大きなものが得られました。これは次戦以降に必ず生きてきますので、またよい戦いができると思っています。」と語っていました。

5月30日、31日にクロアチアで開催されたレッドブル・エアレース2015ロヴィニ大会では、予選で2位の記録を出し好調でしたが、決勝で機体の翼がパイロンに接触して惜しくも敗退。

しかし、いかなるときも常に視界が前を向いている室屋さん。心の中で自問自答しながら感情のコントロールを繰り返していると、心の中の状態が見えてくるようになり、自信が出てくるそうです。次戦、7月4日、5日に開催されるレッドブル・エアレース2015ブタペスト大会に期待がかかります。

トップアスリートのマネをしてすぐに成せるものではありませんが、自分の夢や目標に立ち向かうためにも、室屋さんの話を参考にしてみたいですね。


レッドブル・エアレース2015
室屋義秀オフィシャルウェブサイト

(文/香川博人 写真/長谷川賢人)

  • ,,,,,,,, - By 香川博人LIKE

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