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渡邉俊幸

渡邉俊幸

 - ,,,,  11:00 AM

労働許可不要のオランダで職探し。リクルーターに聞いた現地就職の可能性を高めるコツ

労働許可不要のオランダで職探し。リクルーターに聞いた現地就職の可能性を高めるコツ

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前回の記事「今、日本人の海外移住先としてオランダが熱い理由」でご紹介しましたが、2014年12月末のオランダ国内での裁判の評決を経て、オランダでは日本国籍者に対して労働許可の取得が不要となりました。一定の雇用契約を得られればオランダに長期滞在ができるとしても、そもそもどうやって仕事を見つけるかということが次の問題です。

さて、これまでオランダで雇用を得て滞在する場合には、主に次のルートがありました。

(1)雇用主が「オランダを始めEU諸国で適切な人材がいなかった」と証明し労働許可を取得する。

(2)雇用主が移民局と契約し、比較的高額な給与を外国からの人材に対して支払う条件で労働許可の取得が不要となる。

これまで、(2)に当てはまらない仕事の場合は就労が難しかったと言えるのですが、日本人に対して労働許可が不要となったことでそうした仕事への門戸が開いたと言えます。

ただ、労働許可は不要とはいえ、オランダに90日以上滞在する場合は引き続き居住許可の取得が必要です。その取得方法の1つが一定の雇用契約を得ることなのですが、そもそもオランダにはどのような仕事があり、どうやって仕事を見つけていけばよいのでしょうか。残念ながら現状では日本人の雇用の受け皿は必ずしも多くはないのですが、その中でも就職の成功率を高めるコツについて、今回は現地のリクルーターのインタビューを交えてお伝えします。


「窓の外に見えるものがオランダ経済の全て」


本題に入る前にまずはオランダの産業と経済について少し触れたいと思います。

オランダのある経済学の大学教授は授業中、ロッテルダム郊外の高層階にある教室で学生たちに窓の外を見るようにと言い、そこから見えるものがまさにオランダ経済の全てであると説明したそうです。それは街であり、港であり、また広大な牧草地であったわけですが、オランダ経済は都市部を中心としたサービス関連、石油精製や天然ガスといった化学やエネルギー関連、農作物や食品関連業等が牽引しています。

今後オランダ政府が自国の経済発展のために力を入れる分野としては、(1)農業・食品、(2)化学、(3)建築やデザイン、ダンス、音楽、ゲーム産業などのクリエイティブ分野、(4)エネルギー分野、(5)ハイテク分野、(6)園芸・育種分野、(7)ライフサイエンスや健康分野、(8)物流分野、(9)何世紀にも渡る治水の知恵を活かした水関連分野、(10)欧州の事業統括分野です。これらの分野はオランダが強みとするところでありまた同時に多くの雇用を生み出しています。


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各地で盛んに行われる音楽イベントもオランダの重要な産業の1つ


「語学」と「オランダでの職歴」がハードルとなることも


さて肝心のオランダの雇用状況ですが、全体的に言って仕事を探すのはなかなか難しいと言えます。ここ最近の失業率は約7%前後で推移しており、私の周りのオランダ人を見ても、会計士や建築士といった専門分野でも苦労して仕事を探している人がおり、オランダ国内で名の通った大学に通う学生であってもインターン先や就職先探しに四苦八苦しているのが現状です。

日本人の場合は、やはり語学の面やオランダでの職歴がない点等が不利に働く傾向があります。オランダ在住の日本人で最近日系企業への転職に成功された方によれば、ローカル企業の求人は多かったものの、ビジネスレベルのオランダ語・英語に加え、さらにもう1つ別のヨーロッパ言語が条件に含まれることもあったことから断念し、転職対象を日系企業に絞ったそうです。

多言語の運用能力が求められることがある一方で、オランダならではの明るい話題もあります。英語が基本的に通じることもあり、オランダをヨーロッパの拠点とする国際的な企業のほか、日系企業も400社以上が進出しています。このような日系企業や多国籍企業の場合は、企業によっては日本語・英語のみで応募ができるところもあり、数は多くないものの営業職・会計職・事務系職種等さまざまな求人が出ています。また、労働許可が不要になったことは、日系企業にとっては追い風であり、今後新規の企業進出が増え、結果的に日本人の雇用先の拡大につながることが期待されています。


オランダで仕事を得るためのコツ


このような状況で、少しでも就職や転職の成功率を高めるためにはオランダならではの「求職のコツ」を身につけるのが1つの方法です。このコツを探るため、アムステルダムとデン・ハーグに拠点を構える現地のリクルーティング企業「Octagon Professionals」を訪ねました。

インタビューに応じてくれたのはミラーさんとニコラスさんです。ミラーさんは日本での留学・就職経験があり流暢な英語や日本語を操りながら在蘭の日系企業や外資企業などへの日本人等の就職を支援しています。ニコラスさんはマネージャーとして国際的なマインドを持った求職者と多国籍の企業をつないでいます。


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「オランダで最初の仕事を探すのは本当に大変だった」と自らも移住者のミラーさん(左)。ニコラスさん(右)とチームを組んで、求職支援の他、オランダに進出を希望する日系企業の求人募集業務も手掛けている


そんなミラーさんとニコラスさんに聞いた、オランダで就職するための5つのキーワードは次のとおりです。


1. "Be Proactive"(状況を動かそう)

オランダでは求職活動にかなりの積極性が求められます。リクルーターに英文履歴書を送ったところで動きを止めてしまったらそこから先が拓けていきません。リクルーターによって得意とする分野やつながりをもつ企業が異なるので何社にもコンタクトをとってみたり、あるいは気になる企業が見つかったらリクルーターに自分から相談を持ち掛けて、コネクションがないかを調べてもらったりすることも行われるそうです。もし可能であればオランダ国内で外国人向けに開かれるジョブフェアーなどのイベントやセミナーに参加したり、あるいはLinkedInを使って求人情報を集めたりするなど、人任せにせず自ら状況を動かしていくことが肝心です。


2. "Networking, Networking, Networking"(とにかくネットワークづくりが重要)

オランダで仕事を得ようと思ったら意識的にネットワークを作っていくことが次に重要なポイントです。働きたいと思っている企業に勤めている人が何かのきっかけでわかったらそれはチャンス。その人に対して「その会社に就職をするためのアドバイスをもらえないか」と直接電話やメールでコンタクトを取っていくのはネットワークづくりとして普通に行われているそうです。もちろん人にもよりますが、こうした働きかけに対しては真摯に対応してくれる文化があるとのこと。小さな会社であればアポイントを取った上で直接訪問し、ネットワークを作り出していくのも方法の1つです。


3. "Straight To The Point"(要点は簡潔に)

見ず知らずの人を巻き込みながらネットワークを作っていく際に日本人が陥りがちな失敗点、それは「謝罪から入るクセ」とミラーさんは言います。「お忙しいところ急に連絡して申し訳ないですが」という文面が日本の文脈では多く使われますが、これをそのまま英語に直してオランダ人に伝えても「結局何が言いたいのだろう?」と思われてしまいます。求職中という状況や連絡を取った目的を簡潔に伝え、単刀直入にアドバイスを依頼した方が効果的です。要点をストレートに伝えるコミュニケーション方法がオランダでは一般的なのでその点を念頭に置いてコンタクトを取るとよいそうです。もちろん、時間を取ってもらうことや協力に対する感謝はお忘れなく。


4. "Be Confident"(謙遜は誤解のもと)

ミラーさんが日本人の求職者にインタビューをすると、「私はその点はまだまだです」という謙遜した答えを聞くことがあるそうです。これは実は逆効果で、日本の文脈を知らないオランダ人には文字通り「自信がない」と受け止められることも。これまでの職務上の経験について自信をもって伝えていくのが正解です。余談ですが、日本人の謙遜と同じようにオランダで逆効果として映ることがあるのは、実はアメリカ式のアグレッシブな就職活動のスタイルだそうです。自信があるということをエネルギーたっぷりに伝えていくと、オランダ人は内心怖がることもあると聞きました。オランダは日本とアメリカのちょうど中間といったあたりで、控え目な要素が若干ありつつも、自信を持っていることが伝わる書類やインタビューでの受け答えが好まれるそうです。


5. "Keep Your Options Open"(選択肢は広く)

最後は卵が先か鶏が先かという議論のようですが、オランダで働くにはオランダで働いた経験が生きてくるとのことです。雇う側にしてみるとオランダの労働環境を知っているということは安心材料の1つです。このため、短期であったとしてもオランダで働いたという事実は次の仕事を探す際に大きなメリットになります。逆の言い方をすると、最初の仕事を探すのが一番難しいとも言えます。このため、最初からオランダ人や他国からの求職者と同じ土俵で職探しをするよりも、日本人であること・日本語を話すことが有利となるような仕事をまずは狙っていくこと、つまりそうした仕事をオプションとして広く考えておくことが長い目で見るとやりたい仕事に就ける近道でもあるそうです。


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国際司法裁判所にほど近い通りの一角にOctagon Professionalsのオフィスがあります。自転車の国らしく会社の前にはちょっとした駐輪スペースも


「つながりを自分自身で作り状況を動かしていく」という積極性はオランダでは概して肯定的なものとして捉えられるようで、いくつか成功例を耳にしています。先にご紹介した日系企業への転職に成功したオランダ在住の日本人の方の場合、リクルーターに依頼した他にも、自分でも折に触れて求職活動中であることを周囲の人々に伝えていたことが就職の成功につながったようです。

日本から求職活動する場合は地理的な制約もありますが、オランダでの短期間の下見に併せて現地の企業を訪問してネットワークを作り、その後日本に帰ってからオンライン上での面接に進んだ例もあります。たとえ求人広告が出ていない場合でも、企業や経営者とのつながりを自ら生み出すことで雇用に結びつけた例も業種を問わずあるので、積極的に行動することが大切です。


なお、オランダに長期滞在する方法として、雇用先を探す以外の方法もあります。次回は、自らオランダで事業を立ち上げることで居住許可を得ていく方法についてお伝えします。


※オランダの雇用主の中には日本国籍者が労働許可不要となったことを把握していないところもあります。最新の制度を自ら雇用主に説明する必要がある場合はオランダ移民局のホームページにあるニュースレターなどをお示しください(リンクはこちら)。

※雇用に基づく居住許可に関する手続き及び条件の詳細に関してはオランダ移民局のホームページでご確認ください(リンクはこちら)。

著者プロフィール

渡邉俊幸(わたなべ・としゆき)

オランダ・ロッテルダム在住の個人事業主。国際基督教大学卒業後、自治体職員、気象会社、民間シンクタンク勤務を経てオーストラリアの大学院に留学。在学中に次の人生の候補地としてオランダの魅力に気づき、2014年8月にオランダへ渡航。現在はオランダでのスモールビジネス立ち上げを総合的に支援する「JN Connect」の事業を展開。他には気象災害対策やオランダ国内外の水害対策をテーマとした「Weather Plus Communication Design」の事業も手掛け、日本からのオランダ視察などに対応。1977年生まれ、2児の父。気象予報士。

写真提供(一部)/Atsushi Harada Photography, and Shutterstock.

(参考資料)
オランダ経済省 企業誘致局(NFIA)「トップ・セクター

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