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印南敦史  - ,,,  07:30 AM

1本30万円のお茶を販売する会社の、確固たるブランド戦略とは?

1本30万円のお茶を販売する会社の、確固たるブランド戦略とは?

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わが社のお茶が1本30万円でも売れる理由――ロイヤルブルーティー 成功の秘密』(吉本 桂子著、祥伝社)の著者は、お茶の開発・製造販売を行なっている「ロイヤルブルーティージャパン株式会社」代表取締役社長。同社では「手積み茶葉から水出ししたお茶をワインボトルに詰めて販売する」という、従来の常識では考えられない方法を採用しているのだといいます。

しかも、2014年2月に発売開始した「MASA Super premium」というお茶は、本体価格が30万円。天皇皇后両陛下ご臨席の植樹祭、APEC(アジア太平洋経済協力)横浜、アウン・サン・スー・チー氏来日時の晩餐会などの振る舞い茶に採用されたというエピソードにも、じゅうぶん納得できます。

とはいえ、創業10年にも満たず、社員が9人しかいない会社です。なのに、なぜそのようなことを実現できたのでしょうか?


私は、高級日本茶ならロイヤルブルーティー、というブランディングに成功したと自負しています。(中略)「非常識」に挑んでこそ、ビジネスチャンスは生まれるのだと思います。(「まえがき」より)


つまり本書が伝えようとしているのは、組織の規模をも上回るブランディングの重要性。そこで、その根拠が示された第2章「なぜ1本30万円のお茶が売れるのか----わが社のブランド戦略----」から要点を引き出してみます。ここで紹介されているのは、「資金をかけずに効率よく独自性を図るブランド戦略」の方法です。


方法1 お客はこちらが選ぶ


「一見さんお断り」のお店や、ドレスコードのあるレストランなど、一般の人が近寄りがたかったり、それどころか入店すらできないお店が世のなかには数多くあります。それらの店に共通しているのは「顧客を選んでいる」点であり、それはお店側が「店のレベルに合った顧客にだけ利用してもらいたい」と考えているということ。そして著者はこれを、大事なブランド戦略だと記しています。

とかく「幅広い客層に受け入れてもらう方がヒットにつながる」と考えてしまいがちですが、それは最も陥りやすい間違い。顧客を広げるのではなく、絞り込む方がいいのです。具体的には、誰もが買える大衆ブランドか、富裕層が顧客の高級ブランドか、そのどちらかに大きく振った方が、ブランドとしての存在感をアピールできるということ。

ただし、だからといって、必ずしも「高級店=ブランド」ではないと著者はいいます。そもそもブランドとは会社側が主導してつくれるものではなく、顧客がつくるものだということです。

たとえばそのいい例が、実際に使い、その素晴らしさに傾倒した顧客たちによって地位が押し上げられたApple製品。送り手側が商品のよさを伝えるよりも、ファンが勧めてくれる方がずっとインパクトがあるというわけです。だとすれば、そういうファンが増えれば、ブランドは自然と確立されていくもの。だからこそ、同じように著者も「ロイヤルブルーティーの信者をつくりたい」と思ったのだそうです。(49ページより)


方法2 特別感を出す


さらにブランド戦略において大切なのは、「特別感をどう出すのか」という点だといいます。とはいえ、シャネルやルイ・ヴィトンなどの高級ブランドや京都の老舗料亭と違って、お茶で特別感を出すのはそうそう楽ではないはずです。事実、どうすべきかかなり悩んだそうですが、その結果として著者が考察したのが「茶宴(ちゃえん)」というコンセプト。

ロイヤルブルーティーの商品はお茶なので、そこに突破口を見いだしたということ。つまり、お茶を飲むことで安らいでもらいたい、食事を楽しんでいただきたいという思いには、おもてなしの心に通じるものがあるという考え方です。そこで、水出しのお茶を用いた新しいおもてなしのスタイルを確立しようと考え、「茶宴」を思いついたというわけです。

具体的にいうと茶宴とは、コース料理と一緒にお茶のコースを楽しむスタイル。料理に合わせて飲むお酒を変えるように、フランス料理や日本料理などのコース料理と一緒に、お茶のフルコース(食前茶、食中茶3つ、食後茶)をワイングラスで楽しんでいただこうというアイデアです。

ちなみに茶宴を開く際には、基本的には「これから取引をしたい」と考えているレストランや料亭の料理人や、ホテルや百貨店の関係者をターゲットにしているのだといいます。そして、その際にはコース料理とお茶とを体験してもらうため、2時間以上かかるのだとか。

しかも、一度に呼べるのはわずか5、6社程度。その間は社員がつきっきりになるというので、決して効率のよい営業方法ではなさそうです。しかし、そこまで徹底しないと、ロイヤルブルーティーの魅力も半分くらいしか伝わらないと著者は主張しています。

では、その結果としてどんなことになるのでしょうか? なんと、茶宴を開いたあとに営業をかけることがないにもかかわらず、参加した方の半分くらいが、すぐに自社(自店)での導入を決めるのだというのです。

著者によればそれは、「きちんとしたレストランや料亭で、お客さまと同じ立場になって味わっていただいた方が、感動のセンサーが敏感になるから」。つまり非効率的なように見えて、実はとても効率的な営業方法だということです。(64ページより)


方法3 「最高品質」がすべての基本


神奈川県にあるロイヤルブルーティーの工場の理念は「凡事徹底」。上下の白衣を着て帽子をかぶり、マスクをして靴も履きかえ、入り口ではエアシャワーでホコリを飛ばし、手を入念に洗い、アルコールで消毒。爪は爪ブラシで入念に洗い、トイレに行くときは白衣を必ず脱ぐなど、衛生標準作業手順にのっとって、当たり前のことを徹底しているということ。

また、ワインボトルに詰める作業も、1本1本「手詰め」で行っているのだとか。なぜなら、茶葉によっては年間数キロしか採れない原材料を使用するため、大量生産製品のように機械化できないから。「原材料は希少な手積み茶葉しか使用しない」というこだわりが、会社としての最大のポリシーだといいます。効率性よりも質を重視することが、ブランド企業のあるべき姿だと考えているのだそうです。

なお、お茶をワインボトルに詰めていることにも、2つの大きな理由があるといいます。まずひとつは「品質管理のため」。お茶の魅力は、宝石のような水色(お茶の色)、香り、滋味、余韻。そして滋味の決め手となるのは、茶の成分である「カテキン(タンニン)、アミノ酸、カフェイン」なので、それらを劣化させないために、遮光性の高いガラス瓶を採用しているということ。また輸送の面でも、ワインボトルは優れているとのこと。

そしてもうひとつは、「茶の文化・歴史を伝えたい」という思い。お茶もワインやシャンパンと同様に、つくられた土地の気候風土を反映しているもの。つまり、ワイン・シャンパンの文化や歴史を踏襲してお茶本来の姿を伝えるため、ワインボトルを用いているわけです。

そしてもちろん、使っているのは手摘みの茶葉のみ。そこには、手摘みのお茶の美味しさを広く伝えたいということに加え、いいお茶が正しく評価されていない現状を変えたいという思いがあるのだといいます。(74ページより)

単にインパクトを狙ったわけではなく、このようなブランド戦略が背景にあるからこそ、1本30万円のお茶もビジネスになったのでしょう。


❇︎


他にも、売上が半分になった東日本大震災後の取り組み方など、「常識を疑う」からこそ導き出せたのであろうアイデア満載。そしてそれらの多くは、あらゆる業種に応用することができるはず。そういう意味でも、読んでおく価値のある一冊だといえそうです。


(印南敦史)

  • ,,,, - By

    友清哲

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