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長谷川賢人長谷川賢人  - ,,,  11:00 AM

著作権とは:侵害や違反を防ぐには? 引用/出典と書くだけではダメ? SNSやメディアの著作権を学ぶ

著作権とは:侵害や違反を防ぐには? 引用/出典と書くだけではダメ? SNSやメディアの著作権を学ぶ

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「この画像を感動したらシェア!」って、やっぱりほとんどダメだって。

著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。』を持つフリーライター・鷹野凌さんと、弁護士かつ大学で教鞭もとり、著書『18歳の著作権入門』などを持つ福井健策さんによるセミナーが行われました。テーマは「著作権」です。


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昨今、特にウェブ上を中心によく聞かれる著作権侵害の問題。どういったときに著作権の侵害になってしまうのか、どうすれば自分の著作物を守れるのかなど、著作権やその周辺の権利について解説をしてくれました。

2015年5月18日、東京・御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学を会場に、同大学のメディアライブラリーが主催した『クリエイター以外も知っておくべき権利や法律の話』セミナーより、ウェブやSNSのみならず、コンテンツを発信する人なら押さえておいた方がいい著作権の基本についてまとめました。


著作権は「分解して考える」ことが基本


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セミナーは池田敬二さんの生演奏からスタート。歌ったのは『月刊群雛/創刊の辞』。鷹野さんが編集長を務める雑誌『月刊群雛』に寄せた「創刊の辞」に、池田さんが作曲して音を付けたものです。「この演奏を観客が動画で撮影し、無断でYouTubeにアップした」というケースを想定し、まずは基本の考え方を見ていきました。

福井さんは「権利問題の検討は、まず対象を要素に分解して考えることからスタートです」と言います。今回のケースでは、大きく3つの要素に分かれるそうです。


1.作詞という著作物で、権利者は鷹野さん
2.作曲という著作物で、権利者は池田さん
3.実演という著作隣接権(著作物の伝達などに重要な役割を果たしている者に与えられる権利)の対象で、権利者は池田さん


これらの要素には著作権や著作隣接権が働き、撮影・複製をするなら「複製権」や「録音権」、ウェブ上にアップするという「公衆送信」の状態にするなら「送信可能化権」といった権利が発生します。ここでいう公衆送信とは「自動公衆送信」と「送信可能化」の2つを指します。自動公衆送信とは、ウェブサイトのURLをブラウザで開いた時、自動的に画像や動画がサーバーから送られてくること。送信可能化とは、データがサーバーに置かれていることで、自動公衆送信に含まれます。つまり、「データをウェブ上にアップしただけでも、公衆送信の状態にある」といえるわけです。

また、動画であれば「肖像権」も考えなければいけません。肖像権は「肖像(特定の人物の外観を表現した写真やイラスト)を勝手に公開してはならない」というもので、明文化されてはいないものの、判例が認めてきた権利とのこと。著作権ほどの広い権利ではありませんが、「受忍限度(社会通念上のがまんできるレベル)」を超えた利用に関しては、権利侵害の対象になるそうです。

ただ、今回のケースでは「肖像権の受忍限度は判断が微妙」と福井さん。というのも、池田さんが観客の前でかなり進んで演奏して顔を出してはいますが、この会場の人のみに見せるつもりで、ウェブ上にアップされることまでは想定していないかもしれないからです。

とはいえ、著作権の方は間違いなく働き、今回は原則としてYouTubeにアップする人が権利者の許可を取る必要があるといえます。怠った場合は著作権侵害に当たり、最高で懲役10年または1千万以下の罰金(法人ならば3億円以下)が課せられる可能性があります。

...と、このようにひと口に著作権といっても、「その中身は複数の権利が束になったものである」「行おうとする行為に対し、誰のどんな権利対象が働くかをそれぞれ考える」といったポイントがあることがわかります。


「出典」と書いただけではダメ(ただし条件付き)


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(左)鷹野凌さん (右)福井健策さん


次に、「自分がブログやSNSにアップした写真を、無断で他者が使用していたら?」という話が挙がりました。昨今では、主に「バイラルメディア」や「キュレーションメディア」と呼ばれるタイプのウェブメディア、TwitterやFacebookなどのSNSでよく見られる問題です。以下2つのケースに分け、その問題点を福井さんが解説してくれました。

ここでのキーワードは「引用」です。福井さんは「この問題は、画像をコピーしているか、それともリンクに過ぎないか」をまず考えるべきだと言います。


1.「出展:あなたのブログ(リンク付き)」として、画像を無断で使われていた


使用者が自ら画像をコピーして、使用しているサーバーやサービスにアップしている場合は、著作権者に許可が必要となる「複製」と「公衆送信」を行っているため、出典元がリンク付きで記載されるか否かに関わらず、原則的にNGです。また、画像のコピーには、いわゆる「スクリーンショット」や「手書き」なども含まれます。

ただし、著作権にはいくつかの例外(制限規定)があります。そのひとつが著作権法第32条の「引用」。他者の作品であっても、自分の作品で紹介をする行為は「一定の条件下」であれば、著作者の許可がなくても許されるという内容です。その際の条件について福井さんは「最近は裁判所の判断も揺れていますので、これさえやっておけば絶対に安全というものはない」と前置きした上で、最高裁判所による「主従関係」の必要性を強調しました。

主従関係とは、引用する側(メディアであれば記事や文章、SNSであれば投稿)があくまでメインにあって、引用される画像は説明の補佐的/補助的なものでなければならない、ということです。そして、その関係はメインの方が「少し多い」といった程度では許されず、大きな差が必要です。引用される画像それだけで鑑賞の用をなしてしまうようでは、画像が「メイン」と言えてしまうので、引用の限度を超えてしまうわけです。

他にも、文化庁のサイトでは「引用する必然性があること」「自分の著作物と引用部分とが区別されていること」「出所の明示がなされていること」といった条件も挙げられています。つまり、「この画像が良いと思ったらシェア!」といったような記事やSNSの投稿は引用とはみなされず、著作権侵害にあたると考えられます。

また、福井さんは「特に写真は気をつけなければいけない」と言います。理由は、「写真というその作品」を引用したいのか、あるいは「評論をしたい作品が写された写真」を引用したいのかで論点が異なるからです。たとえば、あるアート作品を評論したいと考えた場合に、たまたまアート作品が写っている写真を引用したとする。しかし、その評論はあくまで「アート作品の評論」であって「写真の評論」ではないため、写真の著作者から指摘を受ければ引用は成立しにくくなるということです(引用の条件については、福井さんの著作『18歳の著作権入門』が詳しいので、併せて参考まで)。


2.各種SNSで提供されている「画像の埋め込み機能」を用いて、画像を無断で使われていた


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TwitterやFacebookは公開状態にある投稿を対象に、「ツイートを埋め込む」「投稿を埋め込む」といった埋め込み機能を公式で用意しています。この機能を使って画像を埋め込んだ場合は、その画像の周りにブログやメディア独自のデザイン(フレーミングと呼びます)があったとしても、投稿を利用したことでの著作権侵害には当たらないと言います。

埋め込み機能とはあくまで「画像の置き場所であるリンクを読み込んで表示しているに過ぎない」とみなされるため、使用者は複製も公衆送信もしていないという判断になるとのこと。ただし、よほど極端な使い方をすれば違法になる可能性もあるそうです。

さて、この埋め込み機能、ウェブサービスを使っていく上で、実はちょっとした注意点とつながります。以下、もう少し詳しく見ていきましょう。


キミはSNSの「利用規約」を読んでいるのか問題


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ウェブサービスを使いはじめる際、「利用規約」へ同意する画面が必ずあるはずです。とはいえ、利用規約は文字量が多かったり、わかりにくい文章だったりして、あまり読んでいない人もいることでしょう。しかし、利用規約には重要な内容が書いてあります。下記はFacebookの利用規約の一部です。


2.コンテンツと情報の共有
利用者がFacebookで投稿したコンテンツおよび情報は、すべて利用者が所有するものであり、プライバシー設定およびアプリケーション設定を使用して、どのように共有するかを利用者自身で管理することができます。以下に詳細を示します。
1.写真や動画など、知的所有権で保護されるコンテンツ(以下「IPコンテンツ」)について、利用者は弊社に次の許可を与えるものとします(プライバシー設定およびアプリケーション設定が適用されます)。Facebookで、またはFacebookに関連して投稿したIPコンテンツを使用する、非限定的、譲渡可能、サブライセンス可能、使用料なしの、全世界を対象としたライセンス(以下「IPライセンス」)を弊社に付与します。このIPライセンスは、IPコンテンツが他の人と共有されその相手がそのコンテンツを削除していない場合を除き、利用者がIPコンテンツまたはアカウントを削除したときに失効します。

「Facebook サービス規約」(2015年6月3日現在)


ざっくり言うと、「著作権そのものは投稿者にあるけれども、Facebookも世界的に無料で利用できる権利を得るよ」という内容です。同様の規約はTwitterだけでなく、無料で使えるたいがいのウェブサービスやブログサービスに設けられているのだといいます。試しに、若者を中心にこの頃話題の「MixChannel」の利用規約を見てみると、以下のようにありました。


ユーザーは、本サービスを通じて作成した全てのコンテンツとコンテンツがもたらす影響について責任を負うものとします。 ユーザーは、投稿コンテンツに対して有する権利を全て保持します。ただし、ユーザーは、本サービスにコンテンツを投稿することにより、当社に対しこれをサービスやプロモーションに利用する権利(当社が必用かつ適正とみなす範囲で省略等の変更を加える権利を含みます。また、かかる利用権を当社と提携する第三者に再許諾する権利を含みます。)を、無償で、無期限に、地域の限定なく許諾したことになります。

「MixChannel利用規約」(2015年6月3日現在)


こちらも「無償で、無期限に、地域の限定なく許諾」の文字があり、改変や第三者への再許諾も含まれていますね。これらの規約により、サービス上にあるコンテンツを、投稿者以外の利用者が埋め込み機能に限らず、投稿先が許す全ての用途で用いる許諾が出ていると、現状ではいえるわけです。許諾を得たコンテンツは、それぞれのサービスのルールに則って運用されていきます。ですから、仮に規約に「著作権を譲渡」と書かれているような場合には、そのサービスの利用を一度考えてみるといいでしょう。

ちなみに鷹野さんによると、Facebookは「元の投稿を消す」か「プライバシーポリシー設定を変更」すれば埋め込んだ画像も消えますが、Twitterは投稿を削除すると写真や動画は消えても「テキストと投稿者」の情報が現状では残る仕様のため、重ねて注意が必要とのこと。

福井さんは「自分のメインフィールドにしているSNSの利用規約は、1回くらいは読んだほうがいいのではないかと思います。ただ、読んで仮に理解して、利用規約に問題があっても、できることはサービスの利用をやめておくかどうかという判断くらいであって、変更を求めるのは困難」と言います。個人の交渉にサービス側が応じることはほぼないからです。

ただ、ユニクロのTシャツ制作サービス「Utme!」の利用規約が問題視され、後に変更がなされた時のように、ユーザーから声を上げることで事態が動くこともあり得ます。この出来事に関連して、アメリカの「電子フロンティア財団」や日本の「インターネットユーザー協会」などの活動を引き合いに、「個人ではなく集団としてユーザーを守るような団体の仕組みをもっと作れないか」と福井さんは今後の課題を挙げていました。


著作権侵害や違反をしないために覚えておくこと


ウェブ上のコンテンツはコピーが容易なだけに、さまざまなところで著作権の問題が特に起きがちです。前述のとおりに「絶対はない」のですが、他者の著作物を使う際に許諾が不要なケースもあります。著作権侵害や違反を防ぐためにも、ひとまず覚えておくべきポイントを2つ取り上げます。


1.「そもそも許可のいらない」コンテンツを使う



代表的なのは、世界的に広がりを見せる「クリエイティブ・コモンズライセンス(CC)」が付与されたコンテンツを使うこと。クレジットの表示、非営利、改変の禁止、継承という4種類の条件を著作者自らが提示することで、その条件下にあればユーザーはコンテンツを許可なく使えます(詳細は日本語版公式サイトにて)。

いわゆる「著作権切れ」または「著作権を放棄した」状態にある「パブリックドメイン」のコンテンツも利用できるケースが多いでしょう。写真であれば「Pixabay」といった検索サイトもあります。ただ、パブリックドメインであっても肖像権など別の権利が有効なこともあるため注意しましょう。なお、ウェブ上でよく見られる「著作権フリー」として公開されている画像や素材も、著作権者によって「非営利に限る」など条件が異なるので要確認。

また、福井さんによれば、仮にCCのように条件が付与された同一のコンテンツで、その条件にズレがある場合(たとえば、Aサイトでは「非営利で改変禁止」、Bサイトでは「非営利で改変自由」)、理論上は条件がゆるい方(この場合は「非営利で改変自由」)に合わせて理解されるとか。自分のコンテンツにライセンスを付与してウェブサービスで展開しようと考えている方は、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

ただし、使用者側が、公開されたコンテンツに付与された条件をサービスをまたいで勝手に組み合わせ、都合の良いものとして解釈するのはもちろんNGです。


2.「著作者に許可がいらない方法」の範囲で使う


まずは、先ほども書いた適正な「引用」であれば許可はいりません。また、歌詞や楽曲などは、ニコニコ動画といった一部の動画サービス、または一部のブログサービスでは、著作権管理事業者であるJASRACなどと包括契約をしているため、その事業者の管理下にあるのであれば、ユーザーが個別に利用許諾を取らずに利用できることもあります。これも各サービスの利用規約などをよくチェックしてみてください。

また、仮にあなたがウェブメディア運営者であれば、「引用」だけでなく著作権法第41条「時事の事件の報道のための利用」も考えられる道だそうです。第41条は「当該事件を構成し、あるいは事件の過程で見聞することができる著作物は報道の目的上正当な範囲内において利用してよい」という内容です。ここでのポイントは「時事の事件」とあるように、内容に時事性があるかどうかです。

たとえば、あるアーティストの不祥事に際して公式ウェブサイトに謝罪文が上がったり、ある企業が新たなサービスを開始して告知用の動画を発表したりした際に、そのウェブサイトや動画のスクリーンショットを画像で使いたいとする。その場合は、それらが事件の構成をする著作物、あるいは事件の過程で見聞することのできる著作物とみなされるため、客観的な報道行為の範囲内であれば、スクリーンショットはおそらく許可なく使えるそうです。


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ケース・バイ・ケースであることも多く、判例や時流でも左右される権利の問題。はっきりとした正解はなかなか見えませんが、鷹野さんの『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。』や福井さんの著書など、門外漢であっても押さえておくべきポイントがまとめられた参考書籍もあります。他人から怒られないためだけでなく、自分のコンテンツを守るために、目を通してみるのもよいでしょう。

私たちのまわりにはあらゆる著作物があります。権利やルールを理解するのはもちろんのこと、コンテンツを扱う私たちの意識の問題もやはり大切。福井さんの言葉が、強く印象に残っています。

「(他者のコンテンツを利用する際には)第41条の報道利用が無理な場合は、第32条の引用を考えます。それでも無理なら、無許可でやったらどのくらい相手に迷惑かを『大人として』考えます。最後は本当にこのひと匙、バランス感覚なんですよ」

お行儀が悪いことは、しない方がベターなのです。


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クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

(長谷川賢人)

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