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印南敦史印南敦史  - ,,,,  07:30 AM

大量消費の時代は終わった。TSUTAYAの創業者が提案する、新たなビジネスモデルとは?

大量消費の時代は終わった。TSUTAYAの創業者が提案する、新たなビジネスモデルとは?

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TSUTAYAの謎 増田宗昭に川島蓉子が訊く』(川島蓉子著、日経BP社)は、ファッションを通じてさまざまな分野のブランディングなどのプロジェクトに携わってきた著者が、TSUTAYAの創業者である増田宗昭氏に対し、TSUTAYAについての率直な疑問を投げかけた対談本。

TSUTAYAは私たちの生活に欠かせない存在ですが、考えてみればその展開には、さまざまな不明点があります。

たとえば、本もCDも売れない時代に、あえて代官山に「蔦屋書店」をオープンしたこと。あるいは先ごろ、二子玉川駅前に「蔦屋家電」を開いたことなどがそれに当たるでしょう。つまり、それらは一般的な常識からすれば「ありえないこと」。

つまり、その疑問に対する根拠が明かされているというわけです。が、本書には大きな特徴があります。それは、それらについての秘密が、アイデアを生み出した本人から明かされているという点。

興味深いさまざまなエピソードのなかから、きょうは「蔦屋家電」の目指すものについての秘密を探ってみたいと思います。


「蔦屋家電」が誕生した理由


ゴールデンウイーク真っただなかの去る5月3日、二子玉川駅前に「蔦屋家電」がオープンしました。大手家電量販店の業績低迷が続いているだけに、それは一見すると時代と逆行した動きのようにも見えます。しかし増田氏は、従来の家電量販店に対する「蔦屋家電」を「ライフスタイルが見える家電屋さん」だと説明しています。


「TSUTAYA」は、本や音楽といった"ソフト"によって、生活提案を行ってきたじゃない。今度は逆に、家電という"ハード"によって、生活提案をすることも可能じゃないかと考えたわけ。(15ページより)


この発言について気になるのは「"ハード"による生活提案」がなにを指すのかということですが、ここで増田氏は、「ことの発端は、iPhoneにある」と発言しています。


生活提案が本来的な意味でなされた時、それは国境、人種、性別を超えて広がっていくと、僕はかねがね思ってきた。そしてiPhoneはまさにそう。スティーブ・ジョブズは、ヒット商品を生み出したのではなく、生活提案を行ったんだよね。そこから「家電店のイノベーション」というテーマが生まれてきたわけ。(16ページより)


つまり「蔦屋家電」は、トータルな生活提案を通して、新たな家電店を目指そうと考えたということです。(14ページより)


「効率重視」が人を不幸に?


「蔦屋家電」も含め、増田氏がそのようなことをやってみようと思ったのは、昔から抱いていた考えが根底にあるからなのだそうです。それは、「効率を求めることと、人が幸せになることとは違う」ということなのだとか。しかもそれは、家電に限らないといいます。しかし、そもそも従来の企業の多くは、効率を上げることを目的としてきたはずです。


確かにその通り。間違ってはいない。世の中というものは、おしなべて人が便利になるように動いてきた。(中略)だけど、それが本当に人に幸せをもたらしたのか、(中略)ちょっと疑問だと思わない?(18ページより)


つまり、人は便利さを求め、さまざまな物事の効率を上げようとしてきた。ところがここへきて、必ずしも効率が人に幸せをもたらさなかったことに気づきはじめた。それこそが、「効率を求めることと、人が幸せになることとは違う」ということだという考え方です。だからこそ、改めていま、人の幸せを考えなおさなければならない。増田氏はそう主張しています。「人の幸せとは、おそらく効率とは逆の方向を指している」とも。

どういうことなのでしょうか?


今という時代における幸せって何なのか、(中略)たくさんモノを並べて売ることじゃないんです。もはや物量で勝負する時代ではなくなっている。(後略)


たしかに、家電量販店にモノが並んでいても、そこに幸せを感じることは少なくなっている気がします。では、なぜ幸せを感じないのでしょうか? 増田氏はそのことについて、「物量の勝負では、もはや圧倒的にネットに軍配があがるから」だとしています。リアル店舗に行かずにネットで検索した方が、探しているものが簡単に手に入るということ。では、そんな時代に、リアル店舗としての家電店の価値はどこにあるのか? そこに、「蔦屋家電」の意味があるというわけです。(19ページより)


人はワクワクしたくて店を訪れる


そして、そのような考え方の根底には、ニーズの変化があるといいます。iPhone、iPad、MacBookぐらいしかないアップルストアに人があふれている一方で、何千種類の商品が置いてある旧来型の家電量販店にはほとんど人がいない。しかし実際のところ、冷蔵庫がずらりと並んでいても、自分の家のキッチンに置いたときにどう見えるのかがイメージできない。つまり、家電と暮らしを結びつけてワクワクできない。

まさしくそれが、効率を高めていって、人の幸せを置き去りにした結果だということです。


物流で勝負するなら、さっき話したように、ネットで済むわけ。人がリアル店舗に行くのは、そこに行ってライブでワクワクしたいからでしょう?(22ページより)


いわば、そこに「蔦屋家電」の存在価値があるわけです。


だから、家電量販店にも、今までにない切り口、つまり"生活"の提案が求められるわけ。そこをCCC(筆者注:TSUTAYAの母体であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ)はやってみようと考えた。(23ページより)


理屈ではわかるのですが、それはどういうことなのでしょうか? そのことについて増田氏は、「簡単にいうと、僕らが考える"生活に必要なモノ"しか置かないということです」と答えています。それは、ただモノを並べるだけではなく、モノが使われている生活を見せるということ。


"モノ"があるのではなくて、"モノ"を通じて"生活"を提案するということ。ここが、家電量販店との大きな違いです。つまり、提案したいライフスタイルに必要な商品を選んで、ライフスタイルが伝わるように置いて売る。(24ページより)


なるほどその考え方には、店舗のこれからのあり方が示されているのかもしれません。そしてそれは、必ずしも家電店に限らないのではないでしょうか?(21ページより)


❇︎


団塊世代にあたる増田氏のことばや表現は、色々な意味で直接的。だから、それ自体が勢いを感じさせます。そのせいか本書を通じて実感できるのは、企画力のみならず、リーダーシップの重要性。つまり「企画の生み出し方」という観点からも、「リーダーシップのあり方」という角度からも、興味深く読めるというわけです。


(印南敦史)

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