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松尾仁  - ,,,,,,,,  10:00 PM

シンガポールの若者は、夢を追いかけるようになった。 デザイン界の巨匠に学ぶ、モノ作りのマインド。

シンガポールの若者は、夢を追いかけるようになった。 デザイン界の巨匠に学ぶ、モノ作りのマインド。

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テセウス・チャンは、シンガポールで最も権威のあるデザイン賞『プレジデンツ・デザイン・アワード』をはじめ、『ニューヨークADC賞』、『東京TDC賞』などの受賞歴を持つアートディレクターで、ルイ・ヴィトンと草間彌生とのコラボレーションを記念したファインブック『Louis Vuitton - Yayoi Kusama』のデザインを手掛けたことでも知られています。

現在、経済成長が著しいシンガポールでは、モノ作りの場が増えていて、国がアートに力をいれていることもあってクリエイター業界が盛り上がりを見せています。東京とシンガポールを拠点に、ギャラリーショップ「EDIT LIFE」を主宰している筆者は、その背景を知るために、ぜひともテセウスに話を伺いたいと思い、ライフハッカー[日本版]の米田編集長とともに、インタビューを行いました。彼の話からは、クリエイターとして常に最先端を走り続けるヒント、そしていまのシンガポールデザイン界の動きを知ることができると思います。その彼が、15年に渡って発行している雑誌が『WERK(ヴェルク)』です。


規格や限界に挑戦することで、驚きのある雑誌が生まれる。


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『WERK Vol.21』 。デザイナー集団メンフィスの主要メンバーであるマルティーヌ・ブダンをフィーチャー。ブダンのドローイングやスケッチを収録し、彼女が制作したオブジェのアウトラインをかたどったカッティングが装丁に活かされていて、見ているだけで楽しい気持ちにさせてくれる。


『WERK』では、コム・デ・ギャルソン・シャツ、コレット、日本のデザインチームCAPなど、業界を牽引するブランドやクリエイターとのコラボレーションを行っていて、最新作である『WERK』の姉妹雑誌『W__K W__K(愛称:わくわく)』では、2014年からパリコレで活躍しているファッションブランド、アンリアレイジとのコラボが話題となりました。雑誌という体裁を取りながら、表紙のセンターに穴を開けたり、紙ではない素材で束を綴じたり、紙の淵を複数のラインにカットしたりと、様々な仕掛けで人々を楽しませながら、雑誌というメディアの規格や限界に常に挑戦しているのが、テセウス作品の魅力です。


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最新作の『W__K W__K』(左)と、デザインチームCAPとコラボレーションした号の『WERK VOL.14』(右)。中央には2009年時、米田がテセウスに書いてもらったサインが見える。


テセウスが自社WORKと日本における彼のレプレゼンタティブであるASHU、そしてPARCOの三社とともにクラウドファンディングで制作資金を集め、アンリアレイジの森永邦彦さん、写真家の奥山由之さんとコラボレートした『W__K W__K』は、背表紙をスニーカーのソールなどの修復に用いる特殊な糊で綴じていて、その真ん中には電子部品が埋め込まれて、ひと目で普通の雑誌とは違う印象があります。


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雑誌『W__K W__K』。特殊な糊で綴じていている背表紙(左)。雑誌は7冊の小冊子がランダムに並べられて構成されている。


そして、もうひとつ仕掛けがあって1冊の雑誌は7折の小冊子からできていて、その7折が、1冊ごとにランダムに配列されているのです。そのため、同じ雑誌でも、店頭でどれを手に取るかによって、ページネーションが異なる仕組みになっています。


テセウス:「いまはデジタル化が急速に進化していている時代ですが、フィジカルな情報でしか伝えられないこともあると思うんですよね。糊と電子部品を使ったのは、それを感じて欲しかったから。また雑誌というメディアは長方形の紙が重なっていて、それが直線的に並んでページネーションが生まれます。世の中にある99%の本は、映画のストーリーのように一直線に進んでいきますよね。その構造自体にチャレンジしたのが今回の作品です。7折の小冊子がランダムに並ぶ組み合わせは5040通り。そのどれかが、自分の手に取る1冊なんです」


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視覚的、身体的に楽しめる仕掛けがあるのが、『WERK』の魅力。


常に、新しいことをする余地はある。


テセウスの雑誌が常に業界の人々に人気なのは、紙を重ねて束ねるというシンプルな雑誌の構造を使いながらも、常に新しいチャレンジを続けているから。『WERK』は号を重ねるごとに、視覚的、身体的に、新たな驚きを提供してきました。その「見たことのないモノを作って人々を驚かせたい」というテセウスのスタイルは、学生時代から既に身についていたようです。


テセウス:「学生時代の課題ひとつとっても、いつも、枠を越えた新しい試みを追求していました。だから学校ではいつもトラブルメーカーと呼ばれていました(笑)。ただ、今も学生時代も、デザインのアイデアを考えるうえで大切にしていることは、ごく一般的なこと。それは、課題に対して解決策を提示することです。もちろん、普通の解決策も考えますけど、常に自由な発想で、人とは違う解決策を探しているんですよね」


伝えるべき課題をクリアしたうえで、新たな驚きや発見を提供する。テセウスがコラボレーションするパートナーたちも、彼と同じように、そのマインドを大切にする人々です。光によって色が変わる洋服や、温度によって形状が変わる洋服など、テクノロジーによってファッション界に新たな概念を見い出しているアンリアレイジの森永さんも、そのひとりです。


テセウス:「森永さんの作品からは、エネルギーとパッションを感じるんですよね。そして強いコンセプトのもとに作品を作っている。そのスタイルが魅力的です。また、一緒に『W__K W__K』を作った写真家の奥山さんの写真からも、『ルールを破ってやろう』という気持ちが伝わってくる。だから、彼も僕と同じトラブルメーカーですよ(笑)。常に作品のことを考えていて、既成のものではない領域に辿り着こうとしている。作品を見ると、すぐにわかるんですよね、トラブルメーカーかどうかってことが。経験から得られることもあるけれど、モノ作りにおいて何より大切なのは、強い自分らしさがあることです」


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『W__K W__K』の中ページには、洋服のタグのようにして「Printed in Singapore」の文字がある。


「Printed in Singapore」に込められた想い。


しかし、クリエイター自身が新しいチャレンジを始めたとしても、一緒にモノ作りをするチームの協力を得られなければ実現は難しいもの。『WERK』と『W__K W__K』は、印刷会社の尽力があってこそ、驚きのある雑誌が完成しています。テセウスが『W__K W__K』に、洋服のタグのようにして「Printed in Singapore」の文字を付けているのは、ファッション界の森永さんとのコラボ作だからという理由だけではなく、印刷会社へのリスペクトを表現しているのだと感じました。


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EDIT LIFE TOKYOで取材を受ける、テセウスさん。


シンガポールの若者は、夢を追いかけるようになった。


テセウス:「印刷会社の人は、僕が来るといつも身構えるんですよね(笑)。今度は、どんな難しいことを言い出すんだろうって。でも、いまではそれにも慣れて、みんな一緒にモノ作りを楽しんでくれています。いまはまだ、印刷技術をはじめ、モノ作りのスキルは、シンガポールよりも日本の方がレベルの高い人が多い。ただ、シンガポールのモノ作りの技術は、急速に日本に追いついていると感じています。国がアートに投資していることもあって、全体のレベルが日本に並ぶ日も近いんじゃないでしょうか。「MADE IN JAPAN」が世界から信頼されているように、「Printed in Singapore」もそうなることを期待しています。ここ10年で、シンガポールの若い人たちはデザインに対して強いこだわりを持ち、エネルギッシュにスタイルを追求するようになりました。以前までは、収入の高い仕事を追いかけていたけれど、いまは、自分のやりたい仕事を追いかけるようになった。夢を追いかけるようになったんですよね。だからアートが活発になってきているし、みんな活き活きしているんですよ」


1960年代から80年代にかけて、日本は著しい経済成長を遂げ、ファッション、デザイン、映画など、多くのカルチャーが、華々しい時代を迎えました。そしてエネルギッシュに当時を牽引したクリエイターたちは、後に大御所となり、その業界を築きました。現在、シンガポールでエネルギッシュに活躍するいまの世代は、きっと、アジアの巨匠になっていくのだと思います。そのモノ作りのマインドの基礎となっているのは、シンガポールにおけるデザインの創成期を支え、デザイン界を牽引し続けているテセウスの仕事なのではないでしょうか。


(取材・文/松尾仁)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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