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ライフハッカー編集部  - ,,,,  06:00 PM

「食べる量を減らして運動すれば?」というアドバイスは、ダイエットにとって有害

「食べる量を減らして運動すれば?」というアドバイスは、ダイエットにとって有害

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太り気味の人なら、「食べる量を減らして運動すれば?」と言われることも多いのではないでしょうか。残念ながら、そのアドバイスはダイエットの助けになりません。その理由を説明しましょう。

基本的に、減量とは、「食べる量を減らして運動する」ことではあります。カロリーの摂取量より消費量のほうが多ければ体重は減ります。いわば「カロリー不足」の状態を作り出すわけです。しかし、話が簡単なのはそこまでです。肥満治療が専門の内科医Spencer Nadolsky氏は、次のようにまとめています。



専門家は長年、「食べる量を減らして運動しましょう」とアドバイスしてきました。しかし、この助言は役に立ちません。確かに、食べる量を減らして運動する必要はあるのですが、本人にそうするよう言っても無駄です。そのアドバイスとは逆方向の、生理学的要因と環境要因が強く働いているからです。ある朝目が覚めて、肥満になろうと決めて肥満になったというような単純な話ではないのです。


実際のところ、「食べる量を減らして運動すれば?」というアドバイスは有害です。人間の身体は、仕組みが非常に複雑です。つい機械のように見てしまいますが、体重を調整するメカニズムは、「カロリーの摂取量vsカロリーの消費量」という単純なものではなく、生理学的、心理学的、環境的な要因が無数に働いています。肥満は単なる選択ではありません。

けれども、「自分ではコントロールできないのだから仕方がない」とは思わないでください。減量が困難だからといって、何もしなくていいというわけではありません。むしろその反対です。この知識をいかして、ダイエットを妨げるものが何かを理解し、最高状態の自分を目指して、障害を乗り越えてください。


自制心に頼りすぎない


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「食べる量を減らして運動をする」と言われると、減量とは単に自制心の問題であるかのように聞こえます。「健康になりたいなら、ひたすらがんばるべきだ。うまくいかないのは努力が足りないからだ」と言われているようです。

けれども、ダイエットに関して、多くの人々は自制心に頼りすぎています。なぜなら、自制心にはもともと限りがあるからです

比較的新しい研究では、自制心という概念は想像の産物でしかないのではないか、と言われています。自制心に関しては膨大な研究が行なわれており、これはその中の1つのデータポイントにすぎません。いずれにせよ、「自制心には限りがある」とするのが合理的だと思います。

ですから、どんなに意志が強かろうと、それだけでは、大嫌いなランニングをするために毎朝ベッドから身体を引きずりだすことは続けられません。ブロッコリーを口に詰め込むことだってできないでしょう。

では、自制心に頼りすぎると一体どんなことが起きるのでしょうか。目標体重の設定に関する記事の中で、栄養学の専門家Alan Aragon氏とLou Schouler氏によるケーススタディーが紹介されているので紹介しましょう。

架空の人物「ダン」を例にとりましょう。彼の体重は109キロで、そろそろ何とかしなければならないと感じました。そこで、ダイエットのベストセラー本(といっても私たちが書いた本ではありません)を買って、その本のダイエットメニューに徹底的に従おうと固く決心しました。

そこにある食事のメニューが、1日たったの1300カロリーに抑えられており、普段食べている量の半分以下だということをダンは知りません。それどころか、目標体重さえはっきり決めていませんでした。ダンはとにかく体重を減らしたかったのです。しかもできるだけ早く。

初めのうちはみるみる体重が減っていき、わずか6週間で10キロも痩せました。シャワーを浴びるたびに痩せるんじゃないかと奥さんにからかわれたほどです。あと1カ月もすれば、大学1年生の時以来の80キロ台に手が届きそうだとダンは考えました。

ところが、ダンの知らないところで、ダイエットはすでに失敗していました。ダンは四六時中お腹が空いていましたし、メニュー通りの食生活がだんだん送れなくなっていました。それに、大人になってからはずっと90キロを超えていたため、代謝システムが反撃を開始したのです。

運動ではなく日常のちょっとした動作で消費される非運動性熱産生(NEAT)(日常生活の活動の中で発生する熱量)がすでに低下していた上に、脂肪を除く体重が減ったことで、安静時の代謝も下降気味でした。

ダンがダイエットをやめようと決めたころには、すでに少しリバウンドしていましたし、身体は失った体重を取り戻そうとするばかりか、さらにもう少し上乗せしようという準備態勢に入っていました。ホメオスタシス(生物が体内環境を一定範囲に保つ働きのこと)を刺激すると、そういうことになってしまうのです。

このケーススタディーのダンは、身体に備わったホメオスタシス、つまり、長期的な均衡を維持しようとする身体の働きを相手に戦っています。急激に体重を減らすと、食欲や代謝を抑制して体重を調整するホルモン「レプチン」のレベルが急降下することをダンは知らなかったのです。

体重が減るとレプチンの量も低下するので、空腹感が増し、代謝率は落ちます。レプチンには、たくさん食べた時に満腹中枢を刺激して、食欲を低下させるという働きもあります。こうした働きが組み合わさって、体重はどうにか一定に保たれているわけです。

しかし、こうした働きは体重減少に影響を及ぼします。ダイエットが成功すればするほど、身体は抵抗するのです。体重の減りが激しくなると、身体はますます抵抗し、ダイエットの成功も一層難しくなっていきます。ダイエットを始めたばかりの数週間は楽に痩せていくかもしれませんが、「まじめに」ダイエットを続けていくには、日に日に自制心が必要になっていくのです。

ダンは自制心に頼っていました。食べる量を減らし、運動量を増やすことで、自然の力に逆らっていたのです。自然の力と意志の力が戦えば、自然が勝つに決まっていますよね。


プラスのフィードバックのループを活用する


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ダイエットの成功は、自制心によってもたらされるのではありません。成功を生んでくれるのは、持続可能な「プラスのフィードバックループ」です。これは、「自分が注ぎ込む努力よりも、手にする成果のほうが価値が高い」と思わせてくれる、やる気の源です。やる気を維持し、ダイエットを成し遂げようとするとき、これ以上に大事なことはありません。

はじめのうちはダンも、プラスのフィードバックループを生み出したかもしれませんが、それは持続不可能なものでした。おそらく、とてもお腹が空いてしまい、体重を減らすのがどんどん難しくなっていったはずです。生活環境も妨げになったのは言うまでもありません。

その時点で、ダンのフィードバックのループは持続できなくなってしまいました。やる気が足りなかったせいだと考えたかもしれませんが、簡単に言うと、フィードバックループがどうしても維持できなかっただけです。それは、生理学要因と環境要因が大いに働いたからでした。

いつまでも自制心に頼れる人などいません。自制心とは、車のエンジンをかける動力であって、前進させ続けるための力ではありません。自制心は、習慣と、やる気を生み出すプラスのフィードバックのループを通じて守られるものなのです。

だからこそ、痩せたいからといって塩抜きダイエットだの、「毎朝必ずジョギングする」だのと、健康に無意味な行動に走る人を見ていられないのです。

そういったダイエット法は確かに身体に良さそうに聞こえますが、実はまったく逆である場合も少なくありません。エクササイズがダイエットにとってそれほど重要ではないことは以前に取り上げたことがあります。減塩食品などを食べたりして(いずれにせよ何の効果もありません)いくらがんばっても、得られる効果はほんのわずかです。

自制心を必要とするような苦痛で無意味なダイエットは、長い目で見て「有害」であり、大した効果も生みません。塩抜きダイエットや、健康的な食生活を勧める「オーガニックダイエット」、あるいは、「毎日何が何でも身体を動かす」といった行為は、実際のところ、健康的なライフスタイルの確立を邪魔するものになりかねないのです。

ジョギングなんて嫌い? だったら走らなくてもいいのです。ピザが大好き? ならば、食生活に上手に取り入れられる方法を見つけましょう。サラダは食べたくない? では、ほかの方法で野菜を食べてください。

「食べる量を減らして運動をする」のは、体重を減らすための解決策ではない、とわかっていただけたでしょうか。健康は生まれ持ったものではなく、それなりに身につけられるスキルなのです。そして何よりも大事なのは、ダイエットに失敗してきたこれまでの自分を許し、再び挑戦し続けるためのやる気を取り戻すことです。


Dick Talens(原文/訳:遠藤康子、吉武稔夫/ガリレオ)
Images by William Ismael, jacsonquerubin, and Jurgen Appelo.

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    香川博人

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