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印南敦史印南敦史  - ,,,  07:30 AM

ネガティブ報道を鵜呑みにしない! 現地だからこそわかる中国ビジネスの真実

ネガティブ報道を鵜呑みにしない! 現地だからこそわかる中国ビジネスの真実

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中国市場で日本の商品を「高く売る」ためのマーケティング戦略』(中野好純著、総合法令出版)の著者は、船井総合研究所(以下、船井総研)でクライアント企業のグローバル戦略立案や販売支援のサポートを行ってきたという人物。2012年に船井総研が「船井(上海)商務信息咨詢有限公司」(以下、船井総研上海)を中国の上海に設立して以降は、総経理として上海をベースにコンサルティングを行っているそうです。

そうした立場から、マーケティングのセオリーに基づいた中国市場の攻め方を説いているのが本書。つまり、ターゲットは中国でビジネスを行っている、あるいはチャレンジしてみたいと考えている人であり、万人受けするものではないでしょう。またそれ以前に、中国のマーケットに対して偏見やマイナスイメージを抱いている人もいるかもしれません。

しかし、既成のイメージを打破して「その先」を見るためにも意義がある書籍だと感じました。基本的なことを再認識するために、きょうは中国のビジネスチャンスについて解説された第1章「改めて考える、なぜ今中国なのか?」にスポットを当ててみたいと思います。


多くの企業が中国ビジネスに希望を失った理由


著者は、日本から中国への進出には大きく分けて3つの段階があったと考えているそうです。最初の進出ブームは、中国を「世界の工場」と見立ててローコストで生産するための中国進出。2回目は、大企業を中心に中国を「世界の工場」から「世界一の市場」と見なし、内販に向けて準備を進めていったころ。そして、北京オリンピックを挟んで中小企業の進出ラッシュが始まる2000年代後半から2012年までが第3次進出ブーム。そして現在は、第3次進出ブームにおける日本企業の中国ビジネスの成果の明暗がはっきりしてきた時期。

その結果として「中国に現地法人をつくったが計画通りに事業が進まない」「ビジネスチャンスが本当にあるのか、外部から細かく診断してほしい」との要望が相次ぐなか、著者には感じたことがあったといいます。それは、中国で苦戦している日本企業の多くは、外部環境ではなく、内部環境の要因が多いということ。なぜなら船井総研のコンサルティング手法は、「ビジネスチャンスを外部環境と内部環境の双方から検証していく」というものだからです。

本来なら、内部環境を改善して外部環境のビジネスチャンスを取り逃がさない戦略をとるべきにもかかわらず、苦戦する企業の事業報告を確認すると、いつの間にか「中国自体が持つカントリーリスクが自社の中国事業の成長にブレーキをかけている」という議論にすり替わってしまうことが多いのだそうです。当然ながら、それでは自分たちにとって都合のいい考え方でチャンスを見逃すようなもの。


中国市場は規模や成長率で世界一と言ってもいい市場です。(中略)今一度中国市場の魅力を再認識し、しっかりと内販拡大の準備をして行くべきではないでしょうか? ビジネスチャンスに早く気づいた人が成功できる市場であることは間違いありません。(17ページより)


この言葉には、強い説得力を感じました。(12ページより)


グローバル戦略における中国の重要性


かつては多くの企業が中国を「世界の工場」と位置づけ、中国で生産されたものを日本に輸入し、日本市場で販売することで大きな利益を上げてきました。しかし現在では、実は日本で生産した方が生産コストは安くなっているのだそうです。中国では今後まだまだ経済成長していくため、人件費も年7~8%の上昇が続くとか。生産コストはますます上昇し、それは利益の低下につながることに。為替レートがさらに円安基調になれば、中国ビジネスを完成させていた企業もすぐ赤字に転落するリスクがつきまといます。

いわば、中国を「生産拠点」として捉えるビジネスモデルはもはや限界を迎えているということ。安くつくりたいなら当面はベトナムやミャンマーなど東南アジアの新興国、将来的にはアフリカなど、より生産コストの低い国にシフトしていくべきだといいます。

では日本企業にとって、中国の重要性はどこにあるのでしょうか? それは、中国がアメリカに次ぐ巨大市場であることと、その市場がまだ成長しているということにあると著者はいいます。日本でのネガティブな報道を見て、中国の経済成長はすでに鈍化し、バブルがはじけたと誤解している人も少なくないでしょう。ですが、著者は、中国の巨大市場がまだ伸び続けているという実態は現地にいれば明らかだと断言しています。

そんな巨大市場にチャレンジすることは、経済成長が鈍化している日本での売り上げ低下をカバーするだけでなく、これから中国を含めたグローバルな市場で自社の商品・サービスを販売していかなければならない多くの日本企業にとって、最優先で取り組むべき課題だといいます。「世界の工場」ではなくなっても「世界一の巨大市場」であることに変わり無い中国の地位は、依然として不動のままだということ。(18ページより)


メディアの中国報道を信じるべからず


頻繁に日本と中国を行き来している著者は、日本で報道される中国関連のニュースに違和感があるそうです。理由は、ごく一部の事実を繰り返し報道することで、視聴者をミスリーディングさせているように感じるから。チキンナゲット生産工場の杜撰な品質管理の問題にしても、2012年の反日デモにしても、日本の報道を見ていると「中国=悪役」の演出をしているかのように思えてしまうということです。

一方、中国も基本は「反日の国」であるとの印象が強いですが、これは大きな誤解だとも記しています。事実、上海にいる著者の同僚や友人も基本的には日本が大好きで、反日デモに関わっている一部の人々を痛烈に批判していたそうです。


私の感覚では、本当に反日感情の強い人は100人に1人もいないのではないかと思っています。(34ページより)


これから、中国ビジネス戦略をふたたび見なおす会社が少しずつ増えてくることは確実。だからこそ、メディア報道を鵜呑みにしない姿勢は常に必要だと著者は主張しています。大切なのは複数のメディアを比較したり、実際に現地を訪れ、自分の目で確認したりすること。そうすれば、「事実」がはっきり見えてくるといいます。

つまり「主観」ではなく、「事実」を中心として常にウォッチングしておくべき市場だということ。報道は「事実」を正確に伝達する側面以上に、「主観」を巧みに思考代行する側面があることを意識し、自分で判断して中国とうまくつきあう姿勢を持ち続ける姿勢を持つべきだと著者。(32ページより)



これらは、中国ビジネスをよく知る人にとっては当たり前すぎることかもしれません。しかしその一方、中国とそのビジネスに対して大きな偏見が根強く残っていることも事実。それらを払拭し、視野を広げるという意味でも、読んでみる価値はあると思います。もしかすると、そこから新たなビジネスの可能性をつかむことができるかもしれないのですから。


(印南敦史)

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