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印南敦史印南敦史  - ,,  07:30 AM

311の震災から4年を経て振り返る、世界中から届いた「希望のラブレター」

311の震災から4年を経て振り返る、世界中から届いた「希望のラブレター」

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きょうは3月11日。早いもので、2011年の東日本大震災から4年が経過したことになります。そこで、きょうは震災に関連した一冊をご紹介したいと思います。『日本へのラブレター』(NHKワールド・ラジオ日本編、あさ出版)は、震災後、NHKワールド・ラジオ日本に世界中の人々から届けられた「絶望を希望に変えるラブレター」をまとめた書籍です。


「ラジオ日本」は、NHKの中にあるラジオ国際放送のことで、正しくは「NHKワールド・ラジオ日本」といいます。日本語、英語、中国語、アラビア語など、18の言語で、ニュースや番組を、ラジオとインターネットで東京から世界中に発信しています。(「はじめに」より)


そんなラジオ日本に東日本大震災以降、世界各国から「ラブレター」が届きはじめたのだそうです。まずは、そのときのことについて書かれたところから、見てみましょう。


5000通を超えるラブレター


震災以降、さまざまな言語、さまざまな国や地域から続々と、手紙、メール、さらには絵や作品などがラジオ日本に届くようになったのだといいます。発信元はエジプト、イラク、イラン、モロッコ、中国、マカオ、香港、台湾、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュ、ベトナム、インド、パキスタン、ケニア、タンザニア、カメルーン、ベネズエラ、エクアドル、チリ、ウルグアイ、メキシコ、コロンビア、エルサルバドル、キューバ、アルゼンチン、ブラジル、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、イギリス、スコットランド、フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、アメリカ、オーストラリア、カナダなど50の国や地域におよび、その数は実に5000通以上。

ここで注目すべきは、募集をかけたわけでもないのに、世界中の人々が、数少ない接点のひとつでしかないラジオ日本へ自発的にメッセージを送ってきたという事実です。それだけでも、驚愕に値するはず。なかでも、かつて大地震を経験したチリやペルーからの見舞いや励ましは、1か月で1000通を超えたといいます。


from チリ

(前略)日本の全国民に温かな挨拶と敬意を送り、亡くなった方々にお悔やみを申し上げたいと思います。チリと日本がこれらの大惨事によって瓜二つであることは疑いようがありません。チリは大地震、そして大津波が何たるかを、2010年2月27日に知りました。(中略)この悲劇の生存者として、私はあの3月11日に家庭や愛する人々を失ったすべての日本の方々の苦しみと悲しみを理解しています。

日本とチリはさらに重要なことにおいても瓜二つだと思います。それは、前に進むということ。くじけないということ。がんばること。そして、廃墟から国民と家族と人生を元気づけるという、それぞれの国民の願いです。(後略)(114ページより)


心から日本を心配する気持ち


また、インドネシア、タイ、インド、バングラデシュなどのアジア諸国、中東、アフリカ、紛争の絶えない地域で学ぶ子どもたちからの手紙も。


from バングラデシュ

私は宮城県多賀城市で津波にあいました。かろうじて難を逃れ、オフィスで夜を明かし、自衛隊に救出されました。仙台市の避難所に移動し、2日間滞在しました。(中略)私は避難所で、災害に襲われた人たちが互いに励ましあい、協力しあう姿を見ました。ほかの人の迷惑にならないように心がけ、食べ物もみんなに行き渡るように分け合い、私たち外国人にも気遣いをしてくれました。(中略)これほどの大災害のさなかに、こんなにも人間らしい姿を見ることができるなんて、思ってもみませんでした。

こんな素晴らしい人たちが立ち直れないはずはありません。日本の人たちは必ず立ち直る。私は、そう確信しています。(22ページより)

from インドネシア

2006年5月27日にジョグジャカルタで起きた地震を経験しました(注:ジャワ島中部地震のこと)。このとき、日本からたくさんの支援をもらいました。心から感謝しています。(中略)現在、みなさんが経験していることは、やがて過去になります。未来を築く礎(いしずえ)に、貴重な経験、力にしてください。

私たちができたように、日本のみなさんも大丈夫です。がんばって。(59ページより)


あの国からも


近年、ことあるごとに日中、日韓関係の悪化が取り沙汰されます。しかしそれは、必ずしも個人間の関係に亀裂が入っているということではないはず。そういう意味からも、数あるメッセージのなかで特に印象深かったのは、中国や韓国の人々から届けられた手紙でした。


巨大な地震と津波によって、人々の生命や財産があっという間に失われる様子をテレビで見て、私はどうすればいいかわからないほど、つらい気持ちになりました。中国も以前、地震で大きな被害を受けたことがあるので、日本のみなさんの悲しみが自分のことのように感じられます。(中略)

中国には「受人滴水之恩、当以湧泉相報」という言葉があります(注:一滴の水のような恩にも、湧き出る泉のような大きさで報いるべし。つまり、困った時に助けてもらったことは、決して忘れず、最大限に恩返しすることという意味)。

中国で地震があった時、日本が数々の援助をしてくれたことを、中国人民は忘れてはいません。ごく平凡な中国の一市民である私には、実質的な手助けは何もできません。でも、心の中で日本のみなさんのために祈りを捧げ、みなさんが一日も早く困難から脱して平穏な生活が戻ってくるよう、願ってやみません。(18ページより)

私たち韓国人にとって、日本という国は、様々な歴史によって「近くて遠い国」という認識があることは事実です。しかし、あまりにも大きい災難に直面した日本の状況を見て、私は自分たちの国、民族が被災したかのように、悲しい思いになりました。(中略)私どもができる物質的な支援が、どれだけの効果をあげることができるかはわかりません。でも、日本の一日も早い再建を心から祈りながら、どのようなことでも応援していきます。(31ページより)


東日本大震災発生直後、ラジオ日本は、NHKのニュースセンターから出航される原稿を次々と17言語に翻訳し、ラジオとインターネットで世界に発信し続けたそうです。局内には緊迫した空気が流れ、状況の深刻さに原稿を下読みしながら泣き出す人や、異常な事態に動揺する人もいたとか。そして、そんなときにスタッフを支えたのが、世界のリスナーから続々と届きはじめたメッセージだったわけです。

「4年が経った」とことばにするのは簡単ですが、4年といえば、私たちが大学生時代に与えられた時間と同じ。そう考えてみても、流れていった時の長さを実感せざるを得ません。しかし、だからこそ決して忘れてはならないことを再認識するためにも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。


(印南敦史)

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