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堀込泰三堀込泰三  - ,,  08:00 PM

日々のToDoリストをゲームに変える『HabitRPG』誕生秘話

日々のToDoリストをゲームに変える『HabitRPG』誕生秘話

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ゲームみたいに生きてみませんか? 次々と襲いかかるタスクという名のモンスターを倒しながら、日々の目標を達成する冒険に出るのです。

これが、『HabitRPG』の根底にあるアイデアです。いうなれば、ToDoリストを冒険に見立てたロールプレイングゲームです。

Webデベロッパーのタイラー・レネル氏は、日々の習慣を表計算ソフトに記録していましたが、ある日ゲーム化を思いつきます。情報をウェブサイトに転送して、画像を付けたらどうだろう。

実際にやってみたところ、レネル氏も驚くほどの反響があったそう。まだ自分用・友人用のレベルでしかないにもかかわらず、新機能を追加するたびに大きな反響があり、みるみる人気サイトに成長しました。進化のとまらない『HabitRPG』は、もはやただの表計算シートではありません。

有名アプリの誕生にまつわる逸話を紹介する「Behind the App」シリーズ、今回は、レネル氏はじめ、HabitRPG共同創設者のシエナ・レスリーさん、ビッキー・シューさんに、サイトの誕生秘話を聞きました。


── まず、『HabitRPG』とは何なのか、初めて聞く人でもわかるように教えてもらえますか?

シエナ・レスリー:『HabitRPG』は、リアルライフでの習慣や生産性を改善するためのゲームで、ウェブ版とモバイル版があります。習慣、毎日の目標、ToDoリストを入力しておくと、タスクを完了するたびにアバターがレベルアップし、新しい機能が解禁(アンロック)されます。たとえば、新しい防具、ペット、クエストなどが利用できるようになるのです。

ソーシャル機能もあって、友達とパーティを組んだり、生活を改善するためのチャレンジをお互いに出し合ったりできます。『HabitRPG』はオープンソースコミュニティなので、誰でも開発に参加できるのが特徴です!


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── 『HabitRPG』のアイデアは何がきっかけで生まれたのでしょうか。あなた自身が直面していた問題の解決策としてなのか、それとも別のきっかけがあったのですか?

タイラー・レネル:私は昔から、習慣の改善に興味があります。ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持っているので、管理が必要なのです。そこで、この話題に関する本をたくさん読みました。その中で、もっとも衝撃的だったのが『習慣の力』です。その後、表計算ソフト上でセルを色分けして習慣を管理する(悪い習慣には赤、良い習慣には緑)という記事を見て、興味が爆発しました。そして、『HabitRPG』の原型ができあがったのです。それは、小さな小さな、色分けされたGoogle Docsのスプレッドシートでした。


── アイデアを思いついたあと、次にした行動は何ですか?

タイラー:予想通りと言えばそうなんですが、だんだんスプレッドシートが複雑になりました。そこで、ウェブサイトとしてプログラムし直しました。まだ当時は自分用だったのですが、せっかくオンラインで使えるのだから、私を支えてくれる友達にも使ってもらうことにしました。

仲間内のジョークのつもりで、Mozillaのオープンソース、クリエイティブ・コモンズ・プロジェクトである「BrowserQuest」からキャラクターを拝借したところ、「あれ、これっていいアイデアじゃない?」ということに。HP/XP/GPの革命を思いついたのです。仲間たちに励まされ、自信を持った私は、Redditなどの場所に実験的にリンクを投稿してみました。そして、運命の日がやってきます。米Lifehackerに、あの記事が掲載されたのです。

「ゲーミフィケーション」という言葉を初めて知ったものの、それはまさに私がやっていることそのものだったのです。今でもその記事には、「ちょっと待って! これ、まさに私のサイトでやってることですよ!」というコメントが残っています。その記事とコメントが、大きな変化の始まりでした。でも、急激なトラフィック増加に私の貧弱なサイトは耐えきれません。そんな時、RedditでKikckstarterキャンペーンを勧められたのです。おかげで、サーバーの保護、新機能の追加、モバイルアプリの開発など、さまざまなことが可能になりました。


シエナ:私が『HabitRPG』に出会ったのは、Kickstarterが始まったばかりのことです。ちょうど大学の試験を控えていた私は、紙とペンを使ってまったく同じようなことをしていたところでした。即座にサイトを訪問した私は、すぐにコントリビューター(プロジェクトに何らかの貢献をする人)としてピクセルアートを作るようになりました。その後、組織内の役割も担うようになります。SNSの運営、急成長中のコミュニティの管理、ユーザーから投稿されるアートの分類などです。そうこうしているうちに、タイラーから声がかかりました。サイトの共同創設者の1人にならないかと。それからずっと、走り続けています!


ビッキー・シュー:『HabitRPG』のビジネス面を管理する人が必要になったタイラーとシエナは、求人をかけました。それに応募したのが私です。私たち3人は、それぞれ補完し合えるスキルを持っていましたし、すぐに打ち解けることができました。それ以降も、オープンソースコミュニティには、たくさんの素晴らしいコントリビューターが参加してくれています。


── 明らかに8ビットや16ビットのゲームを想起させるグラフィックスですが、どんなゲームの影響を受けていますか?


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シエナ:初期のピクセルアートは「BrowserQuest」のものでした。当時のアバターは1つだけで、防具や武器も数種類しかありませんでした。キャラクターのカスタマイズもできない、ペットもいない、モンスターもいない...。そんな日々も、今や昔ですね。サイトが成長し、アートが拡大し始めたとき、私たちはピクセルアートスタイルを維持すると決めました。

理由は2つ。第1に、ピクセルアートの持つノスタルジックな雰囲気が好きだったから。第2に、私たちのアートは、コミュニティの優秀なアーティストたちによるコントリビューションなので、シンプルなピクセルアートの方が、たくさんのユーザーに参加してもらえると思ったからです!


タイラー:ゲームの仕組みは、もっとはっきりとした影響を受けています。初期のころ参考にしていたのは、『スーパーマリオRPG』『クロノ・トリガー』『World of Warcraft』です。その後、新しいコントリビューターたちが、それぞれのお気に入りゲームを持ち込みました。今では、『Dungeons & Dragons』から『Gaia Online』に至るまで、すべてのゲームの影響を受けているといえるでしょう。


シエナ:とはいえ、サイトには独自の味付けとユーモアがあふれています。悪のLaundromancerを倒したり、Abominable Stressbeastからキャラクターを助け出すゲームなんて、他にないでしょう。チャットエリアの投稿は頻繁にチェックしているのですが、「よっしゃ! 皿洗いを終わらせて、Recidivate the Necromancer倒した!」なんてのを見ると本当に嬉しいですね。


── ターゲットとするプラットフォームはどのように決定しましたか?

タイラー:ウェブサイトは私の専門だったので、自分のために、まずはそこから始めました。モバイル向けには、『PhoneGap』というハイブリッドモバイルアプリを使用して、サイトをiOSとAndroid向けに動作するようにしました。

ただし、これには限界(パフォーマンス面において)があるので、いずれはネイティブアプリに移行する必要があるでしょう。でも、もっと良いバージョンを発表するまでの間、初期の導入としてユーザーにとりあえず動くものを持っておいてもらうのはいいことだと思います。これから、ネイティブアプリの開発に乗り出すところです。


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── もっとも大変だった点は? それをどのようにして乗り越えましたか?

タイラー:私たちはもともと、実験的な技術しかもっていませんでした。まさかこんなに人気が出るとは思っていなかったので、世に出す準備ができていなかったのです。おかげで拡大ができず、たくさんのユーザーを失いました。ゼロからコードを書き直すこと(デベロッパーがやってはいけないこと第1位)を恐れていましたが、結局は余儀なくされ、Node.js & Angularに移行しました。おかげで、ウェブサイトの拡大ができただけでなく、チームも大きくなりました。人気のテクノロジースタックを採用すれば、参加したいデベロッパーが増えるのです。


── ローンチした時はどのような感じでしたか?

タイラー:最初のローンチですか? いや、あれは正直ひどかったです。上でも答えたように、『HabitRPG』はヒットに耐えうる状態ではなかった。もしかしたら15人ぐらいは興味を持ってくれるかなと思って、フレームワークもプロダクトも中途半端なままローンチしたのです。米Lifehackerでの私のコメントを気に入ってくれた人に、1人ひとり対応するつもりでした。

でも、一晩で2万人から関心を寄せられて、途方に暮れるしかありませんでした。そこで、Redditのアドバイスに従って、Kickstarterのキャンペーンを始めることにしたのです。ただただ、古いフレームワークから脱して、スケーラブルなPaaSに移行する資金が得られることを願って。

結果、それ以上の成果が得られました。今では、プロダクトのエコシステムは、潤滑油たっぷりの機械のように回っています。コントリビューションシステムのゲーム化も行いました。コントリビューターは、コミュニティでの特権を得られるという仕組みです。この仕組みには、かなり自信を持っています。


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── ユーザーの要求や批判にはどのように対応していますか?

シエナ:コミュニティからリクエストされる機能の整理には「Trello」を使っていて、コメントを書き込んだり、カードに投票できるようになっています。新機能を実装する準備ができたら、人気の高いもののうち、私たちの目標達成にも役立つような、バランスの取れた機能から着手します。

とはいえ、このサイトはオープンソースコミュニティなので、ユーザー自らコードを組んで、ほしい機能を追加してくれることも頻繁にあります。これは本当にすごいことだと思います。小さなCSSのバグから、HabitRPGのWindows Phone版の開発まで、いろんなことをユーザーにやってもらっています。彼らは素晴らしい力を持っているのです。


── 現在は「新機能」と「既存機能」の開発に割く時間の比率はどれくらいですか?

シエナ:ラッキーなことに、オープンソースコミュニティが、常にクールな新機能を実装してくれています。私たちもあったらいいなと思う機能のリクエストがあれば、「Bountysource」を使って懸賞金をかけることもあります! タスクが難しすぎるときや、非常に重要なものの場合は、チーム内で取り組みます。


── 同じような試みをしようとしている人に、どのようなアドバイスを送りますか?

タイラー:オープンソースだけど利益を生むビジネスを作りたいなら、まずはこの本を読んでください。使用許諾について詳細に理解するまでは、始めないことです。オープンソースを考えていないなら、考えてみてください。私たちのコミュニティでは、コントリビューションが非常に重要であり、彼らなしでは、『HabitRPG』は今日まで続かなかったでしょう。


ビッキー:とにかく本を読むこと。異常なまでにたくさん読んでください。それから、周囲のアドバイスと自分の直感のバランスをとる方法を習得することです。すべてのアドバイスが適用できるとは限りません。だから、いいものだけを得られるように、ふるいにかけるのです。それは簡単にできることではないのですが。


シエナ:コミュニティの重要性を過小評価しないでください! 「ユーザーに話すのではなく、ユーザーと話し」て反応し、彼らのことを知ってください。彼らの望むものがわかるにつれて、もっといいものを作れるようになります。ユーザーに喜んでもらえることがわかっている機能を実装することは、何よりの喜びになるでしょう。


── そのほかに読者に伝えたいことがあればどうぞ


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タイラー:あの2012年の記事を覚えてくれている、昔からのLifehacker読者へ。私たちが急成長できたのは、あなたたちのおかげです。今後もLifehackerをよろしく!


ビッキー:みんな、大好きです! 変な意味じゃありませんよ。


シエナ:これからも応援をお願いします! TavernNewbies Guildまで、私たちにに会いに来てください。『HabitRPG』のコミュニティは、本当にたくさんのフレンドリーな人たちであふれていて、できるだけハードルを下げて、参加しやすいようにしています。それに、ライフハッカーでこの記事を読んでいる人なら、間違いなくしっくりくるコミュニティだと思いますよ。


Andy Orin(原文/訳:堀込泰三)

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