• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

香川博人香川博人  - ,,  06:00 PM

スマホの次に来るデバイス? ロボットクリエイターの高橋智隆さんが予見するロボットと暮らす近未来生活へのシナリオ

スマホの次に来るデバイス? ロボットクリエイターの高橋智隆さんが予見するロボットと暮らす近未来生活へのシナリオ

150129_robot_01.jpg


「数年後にはロボットと暮らす生活が実現して、1人1台持ち歩く時代がやってくる」そう語るのは日本を代表するロボットクリエイターの高橋智隆氏

高橋氏が指し示すロボットとは、日常生活のパートナーとして会話を重ね、信頼関係を築きながらスマートフォンの次世代ツールにもなる「コミュニケーションロボット」のこと。

それは鉄腕アトムやドラえもん、映画『ベイマックス』の世界が現実化するということなのでしょうか? わかるようでわからない。理解しようとすると夢が膨らんでしまうコミュニケーションロボットとの生活。

いま「IT産業の次に来るのはロボット」と世界中が考え、Google、Amazon、IBM、そして日本のソフトバンクなどがコミュニケーションロボットの開発に多くの資金と人材を注ぎ込んでいます。

高橋氏が予見するコミュニケーションロボットの実像と世界観とはどのようなものなのでしょうか。


時代を変える"キラーハードウエア"としてのコミュニケーションロボット


── コミュニケーションロボットを文字通りに解釈すると、「人と会話をするロボット」となりますが、高橋先生が考えるコミュニケーションロボットとはいったいどのような存在なのでしょうか?

高橋氏:まず、多くの人はロボットに対して大きな誤解があり、「ロボットは役に立つべきで、人や機械がやっている作業を代行することだ」と考えがちです。しかし、YouTubeもFacebookもTwitterも何かの代替として生まれたわけではありません。何かしらの「遊び心」が起点となって我々の暮らしの中で情報やコミュニケーションを司るサービスとなったわけです。考え方としてはコミュニケーションロボットも同じだと思います。

現時点でコミュニケーションロボットの市場があるわけではありません。抜きん出た製品、時代を変えるキラーハードウエアが登場し、受け入れられることでそれが基準となり新しいジャンルが形成されていくのです。

例えば、ファミコンやウォークマン。ブラックベリーやPDAといった端末があったという流れを踏まえて、2007年に登場したiPhoneです。これらの革命的な製品はそれまでの常識や既成概念という壁を突破するようにして生まれてきましたが、ブレークスルーできるのはひとつだけです。そのひとつが誕生したことで他のメーカーが参入し、関連するコンテンツが開発されジャンルとなり産業になっていく。

「IT産業の次に来るのはロボット」「ヴァーチャルに飽きているので次に求められるのはリアルではないか」と言われていますが、"これだ!"というブレークスルーする製品はまだ出ていません。

私にとってのコミュニケーションロボットは、スマートフォンの次に登場する新たなデバイス。人のカタチをした胸ポケットに入るサイズのロボットです。
スマートフォンの成長鈍化の状況に、世界中が"スマホの次"を探しています。メガネ型や時計型などが試されていますが、私は小型ロボットこそがスマホを越えられるキラーハードウエアになると考えています。


150129_robot_02.jpg

▲高橋氏がデザインした家庭用ロボット「ロビ(Robi)」。約200の言葉を理解して会話ができ、目の色や身ぶり手ぶりで感情を表現する。


コミュニケーションロボットの可能性に必要な3つのステップ


── 胸ポケットに入る人型ロボットというと、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する目玉のおやじやネバーランドに住む妖精『ティンカー・ベル』のようなものを想像しますが、アニメの世界が現実になるということですか?

高橋氏:スマートフォンに頭や手足が付いたロボットをイメージするとわかりやすいかもしれません。ただし、先ほど話したブレークスルーは重要ですが、いきなり突飛なデバイスを出しても受け入れられることはありません。これまでの流れや文脈の先に存在することが最も大切です。

だからこそコミュニケーションロボットはあくまでも「電話」として「携帯電話ショップ」で売られることが大切だと思っています。誰もわざわざ「ロボット専門店」に足を運んで、家計の中から「ロボット費」を割いて、突然ロボットと暮らそうなどとは思わないはずです。

人と会話ができるロボットというと、単なる暇つぶしの相手のように思われがちですが、次のような段階を経て、我々の暮らしの中にがっちり入り込んでいくでしょう。


  • 1. 人のカタチをしているから話しかける

    スマートフォンには音声認識の機能があり、性能も十分なのに日常生活ではあまり利用されていない。でも、我々はペットやぬいぐるみには話しかけている。ではなぜ音声認識を使わないのか? それは四角いカタチをしたものに話しかけることに抵抗感を感じているからです。

    つまり、私たちが話しかけようと思うか思わないかは、音声認識の精度ではなく、私たちが命を感じられるかどうかにポイントがあると思っています。そこで、ロボットに人のカタチを与えることで、人の側から自然に話しかけてコミュニケーションするようになるのです。


  • 2. 信頼関係の構築

    「今日は寒いね」「このラーメン美味しい」など、人はどうでもいいような会話を繰り返していますが、実はそうした雑談やつぶやきのなかにこそ、その人の考え方や嗜好、生活パターンを知る情報があります。

    ロボットと会話をする場合「電気をつけて、電話して、メールを読んで」と目的のために指示を出すことを想像しがちですが、人と同じような会話を重ねることで、私たちがウェブで検索やショッピングをする以上の大事な情報がロボットに蓄積されていきます。

    そうなると、主従関係ではなくパートナーとしての関係性が深まり、ロボットが提供するレコメンドの精度も上がるので、「この商品は絶対に気に入るからおすすめだよ」とロボットに話しかけられると「こいつがレコメンドしてくれているんだから買ってみようかな」ということが起きる。そうした信頼関係の醸成がさまざまな生活シーンで起こると思います。


  • 3. 経験の共有という価値

    例えば、出張のついでにひとりで観光地へ立ち寄ったとします。その際にTwitterやFacebookに「絶景なう」などとコメントしたり写真をアップする人は多いと思います。なぜかというと人は自分が知った何かを「他者と共有をしたい」「体験を共感してもらいたい」という思いがあり、決定的瞬間をひとりで見ることを残念に思うからです。そんなときに胸ポケットにロボットがいたとしたら...

    ずっと一緒に時間を過ごしているとどんなことが生まれてくるのか? 男女関係と同じで、最初は興味本意で、会話が弾んで、やがて信頼や愛着が芽生える。そして最終的に年月を経ると、大昔の新婚旅行の写真を見返したりと、長く時間を共にしていること自体に価値が出てくる。


  • 150129_robot_03.jpg


    ── 3つのステップを歩んでいくためには、どのくらいの年月が必要なのでしょうか?

    高橋氏:現状はようやく1つ目のステップを皆さんにわかってもらえてきたのかなという気がしています。2つ目のステップである信頼と愛着の構築は恋愛と同じなので、ロボットと一緒に日々を過ごすようになってから数年で築けるのかなと思います。3つ目の経験の共有については、気になる異性が言い寄ってきても思いとどまるようなレベルですから、10年は必要かもしれません(笑)

    私は数年後にはロボットと暮らす生活が現実となり、ポケットやバッグの中にロボットを入れて街を行き交う姿を目にするようになると考えています。そして、東京オリンピックが開催される2020年には現在のスマートフォンのように普及し、それを見た海外にも浸透していくのではないかと予想しています。


    高橋氏の予見では、コミュニケーションロボットは3つのステップを必要としながらも、数年後にはSFのような世界が現実として定着し、無意識のなかで当たり前に使いこなしていく生活が訪れるそうです。

    そこで次回は、高橋氏が考えるコミュニケーションロボットの根幹ともいえる「人のカタチをしたロボット」である意義について、これまでに数多くの人型ロボットを開発してきた経験を踏まえてお話を伺います。ご期待ください。


    高橋智隆(TAKAHASHI TOMOTAKA)/ロボットクリエイター

    150129_robot_prof_02.jpg1975年生まれ。2003年京都大学工学部卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し京大学内入居ベンチャー第1号となる。代表作に「週刊ロビ」「ロピッド」「FT」など。2013年、世界で初めてコミュニケーションロボット「キロボ」を宇宙に送り込むことに成功。ロボカップ世界大会5年連続優勝。米TIME誌「2004年の発明」、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定。「エボルタ」によるグランドキャニオン登頂、ルマン24時間走行等に成功しギネス世界記録認定。(株)ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端研特任准教授、大阪電気通信大学客員教授、ヒューマンアカデミーロボット教室顧問。


    週刊 ロビ 第3版|高橋智隆氏デザインのロボットを組立るマガジン|デアゴスティーニ・ジャパン

    (香川博人)

    MORE FROM LIFEHACKER

    powered by
        
        
        
      

    Kotaku

    Recommended

    © mediagene Inc.