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松尾仁松尾仁  - ,,,  10:00 PM

30代男性ビジネスマン2人が主婦の心を揺さぶるためにやったこと ~ユーザーの「心の声」を引き出して革新を生む仕事術

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30代男性ビジネスマン2人が主婦の心を揺さぶるためにやったこと ~ユーザーの「心の声」を引き出して革新を生む仕事術

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生活の中で長く使われているアイテムは、ある日突然、革命的な進歩を遂げるのではなく、バージョンアップを繰り返すのが一般的です。それは、先人達が膨大な量の研究を重ねてきた末に、現行商品が存在するから。例えばこれまでの"台所用洗剤"もそのひとつです。

しかし「もはや、人々は台所用洗剤に不満すら感じていないのではないか」という視点から開発されたのが、1月21日にライオン株式会社から発売される台所用洗剤「Magica(マジカ)」です。

「Magica」は、その独自の開発視点ゆえに、ある革新的な性能を持つ製品となりました。「Magica」の革新性がどのように生まれたのか。その仕事術を知ると、日々どのように仕事と向き合うべきかヒントをもらえるかもしれません。


油汚れが"サラサラ落ちていく"という「Magica」の新しさ


まず、「Magica」のことを少し解説しておきましょう。これまでの台所用洗剤と比べて優れている点は、油汚れをスピーディに分解して、サラサラと落としてくれること



上の動画は、油汚れをつけたプラスチックを、食器を洗っているときの泡と同程度の濃さになるように水道水で薄めた「Magica」(左)と、従来の洗剤(右)に入れた様子です。「Magica」の方は、油が自然に素早く溶け出していくのがわかります。


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油汚れがあるとゴシゴシこすって、剥がし落とすのが一般的ではないでしょうか。しかし、「Magica」はナノ洗浄技術で油汚れを細かく分解します。そのためゴシゴシとこすらなくても油汚れがサラサラと流れていき、食器洗いを手早く片付けることが可能になっているのです。

では、なぜ開発チームは、この革新的な「ナノ洗浄」にたどり着くことができたのでしょうか。


「汚れ落ちはもう十分」というユーザーの本音をスタート地点に


今村健一さん(ヘルス&ホームケア事業本部 リビングケア事業部)と藤村昌平さん(研究開発本部 リビングケア研究所)は、「ユーザーは台所用洗剤の汚れ落ちに、実は満足しているのではないか」という仮説から開発を始めました。

一般的に商品開発を行う際は、企業名や商品名を伏せて、多くの人にアンケート調査を行うそうです。生活全般にわたって質問を行いながら、さりげなく商品分野の内容を盛り込んで、リアルな意見を導きだす。これが一般的なアンケートのノウハウです。しかし、長年作り続けてきた台所用洗剤においては、質問も回答も、ひとつの定型ができあがっていたそうです。


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▲マーケティングを担当する今村健一さん


今村:僕たちメーカー側も、ユーザーも、ある種の思い込みがある状態だったのだと思います。これまでメーカー側は、生活者のニーズを把握したくてダイレクトに「どんな洗剤が欲しいですか?」と質問していました。ユーザーは「汚れが落ちる洗剤」と回答していたんですね。僕たちは、この答えがニーズであると信じて、洗浄力を高めつづけてきたんです。

でも、洗浄力という意味では、いまの台所用洗剤は既に完成度が高い。そこで「汚れ落ちの結果は何点ですか?」と調査をすると、皆さんほぼ100点に近い満足度だったんです。では、本当に必要なことは何なのか。それを、お客さんと一緒に考えることから研究開発は始まりました。

調査のやり取りで、お客様自身も「更なる汚れ落ちを求めているわけではない」ことに気づくと、やっと本音が出てきました。それが「手早く、効率的に食器を洗う」ということであり、その原因は、意外にも食器洗い中に感じる油汚れの「ベタつき感」でした。確かに、ベタつき感があると汚れが落ちているのかがわからないし、スムーズな作業が邪魔されている感じがあります。

これがMagica開発の転換点となる大きな発見でした。というのも、これまでは汚れ落ち、つまりは洗い上がった「結果」に注力して製品を開発してきました。ところが課題はそこにはなく、食器を洗う「プロセス」にあったんですよね

「それなら、洗い始めからベタつきなく、スムーズに食器を洗い上げることができたらいいのではないか?」。その仮説とともに、従来の汚れ落ちの結果とは全く異なる視点でMagicaの開発がスタートしました


異なる部所の連携によって、より深い意見を聞き出す


マーケティングを担当する今村さんと、研究開発を担当する藤村さんという、部所を越えた連携があったことも、新たな視点をスムーズに実現できた理由のようです。


今村:ライオンの社内では、研究開発の部所とマーケティングの部所が連動することは多いです。今回は、お客様の心の声を引き出すために、企画段階から一緒にプロジェクトを進めていきました。

発想力の高いお客様を集めたとしても「考えてください」というだけでは、なかなか言葉は引き出せません。いかにいい刺激を提供して、いい言葉を引き出すかが課題でした。例えば、プロト品の性能を研究開発チームが実験で見せると、お客様は、「自分がアイデアを出せば新しいことが生まれるかもしれない」と、積極的になってくれるんですよね。そうやって、有意義な言葉をもらえるように努めました。


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▲研究開発を担当した藤村昌平さん


藤村:研究開発の仕事は、言葉やイメージを聞いて、どのような品質のものを用意するかを考えること。翻訳の仕事と似ているかもしれません。今回、難しかったのは目標設定です。油汚れをしっかり落とすことは基本性能として担保しながら、「手早く洗いあげる」という独自品質の開発がミッションでした。つまり、洗浄のプロセスを変えようということ。1日に配合を変えた数十組の成分を組成して、その成分の洗剤で実際に食器を洗ってみる。その繰り返しでした。

新成分をいれた組成も、これまで使用していた成分を中心にした組成も試しました。従来の技術をどこまで活かして、新しい価値をどう足すのか。そのトライ&エラーの繰り返しです。ある成分を増やすと、洗浄力は高くなるけど、手早く洗えなくなる。また、逆の場合もあります。「洗浄力」と「手早さ」。組成を繰り返し作りながら、そのバランスを調べていきました。

60年に渡って積み重ねてきた膨大なデータや、マーケティング部の調査資料を何度も読み直しました。そして、モニターに試してもらって実感を聞いて、また、開発です。今回は、ユーザーと一緒にキャッチボールをしながら品質を作ったという感覚ですね。

だから、一番、嬉しかったのは、目標を叶える組成ができたときではないんですよね。テストでモニターの方に使ってもらった時、目をキラキラさせて「これ、すごいですね」と言ってもらえたときが一番嬉しかったです。この声を聞かせてもらったときは、思わず、ニヤニヤしてしまいました。


今村:台所用洗剤の調査って、どちらかというと展開が地味なんですよね。でも、あのときは史上空前の盛り上がりを見せていました(笑)。「Magica」という名前も、実はモニターの方が「油汚れがサラサラ落ちて、魔法みたい」と言って下さったことが由来です。そのときは、「"魔法"って言ってもらえた!」と興奮してしまいました。サラサラ落ちるという表現も、お客様から頂きました。ベタつきにジャマされずに、汚れが落ちていく実感。「サラサラ落ちる」って、今までになく、使ってみたい! と感じさせてくれますよね。


「黒」はタブー? 常識に囚われずにテストしてみる


作り手が自信をもって革新にたどり着いたと判断し、モニターからも驚きをもって受け入れられた「Magica」。今村さんは、宣伝、パッケージデザインでも、その革新を表現しようとこだわりました。


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今村:CMは「台所用洗剤に新しい時代が来る」という宣言をテーマにしました。また、パッケージのデザインでは、タブーとされてきた「黒」を使っているのもチャレンジです。清潔感のある「白」とは対局の色ですが、今の時代は「黒」をシャープでスタイリッシュと捉えるトレンドがあります。これまでの台所用洗剤はビビッドな色が主流でしたが、「Magica」はシルバーを基調としたシンプルなデザインを目指しました。

もちろん、黒を使ったデザインが本当に受け入れられるか、不安もありました。そのため、最終的にはユーザーに問いかけてみようと、店頭に模した棚を作って、モニターに入ってもらってテストを行いました。そこで歓迎されたので、「時代が変わったんだな」と感じることができました。

私たちは、メインユーザー層である主婦層の気持ちを、常に理解しようと努めています。でも、30代の男性である自分に、本当のところはわからない、という気持ちも実はあるんですよね。だからこそ、気持ちで寄添いながら、常識に囚われずに聞くことを大事にしています。そして、些細な回答にもキラリと光るヒントがあるかもしれないと、真摯に耳を傾けています。


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コンセプトとミッションは、感性に響くビジュアルで伝える


相手が積極的に話したくなる場所を用意したうえで、真摯に耳を傾ける。部所の垣根を越えて、目標の実現を目指す。そして、試作品ができたらリアリティのある検証を行う。これらの日々の積み重ねが革命につながり、その結晶として生まれたのが「Magica」です。しかし、革新的であればあるほど、乗り越えなければならない壁も多いもの。その点を「Magica」のチームはどのように切り抜けたのでしょうか。


今村:革新は、社内に軋轢を生む可能性もあります。そのため「旗振り役である自分が、常にブレないでいよう」と、とずっと考えていました。まずは、上司であるブランドマネージャーとコンセンサスをとって、さらに社内全体でミッションを共有するように心がけました。言葉ではなく感性の部分に訴えかけたかったので、社内プレゼン用にコンセプト・ムービーも作りました。「こういうミッションがあるから、この仕事をするんだ」と、みんなに伝えたいと考えたんです。


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藤村:会議で流れたムービーを見て、やろうと、後押ししてくれた役員もいましたね。


今村:「革新」という言葉って、意味はわかるけれど、言葉だけが先歩きすると、受け取る人によっては猜疑心が生まれてしまう。ですから目指すべき方向をきちんと共有することが大事なんですよね。コンセプト・ムービーのおかげで、社内のベクトルが同じ方向を向いた気がします。「台所用洗剤で新しい価値を届けられるのか...」という雰囲気があった中で、「面白いことが待っているんだよ」ということを、どう示していくかが勝負でした。


"魔法"は魔法のようには生まれない


魔法のような台所用洗剤「Magica」は、魔法のようにステッキひとふりで生まれたわけではありません。その背景には、ユーザーの声に真摯に耳を傾け、気が遠くなるような実直な研究開発を重ね、壁を乗り越えるための説得材料を用意し...といった、地道な努力の積み重ねがありました。

今村さんは今年でキャリア10年目、藤村さんは12年目を迎えます。企業の中では、これからの未来を担う中堅のポジション。その世代がゴールを模索しながら突き進み、さらに役員クラスが協力体制を敷いて背中を押したときに、そこが革新的な仕事の生まれる現場となるのかもしれません。

お店の棚の中で黒いキャップが特徴的なひときわ目立つボトルを見つけたら、「Magica」の"革新"を体感してみてください。


Magica(マジカ)|ライオン株式会社

(文/松尾仁)

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