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堀込泰三堀込泰三  - ,,  10:00 PM

生産性向上哲学「カイゼン」を、自分の仕事に取り入れる方法

生産性向上哲学「カイゼン」を、自分の仕事に取り入れる方法

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生産性向上メソッドの多くは、特定のプロジェクトやToDoを対象としています。一方で、日本で生まれた「カイゼン」という生産性向上哲学は、どんな仕事のどんな部分にでも適用できるのが特徴です。

カイゼンは、生産性を向上するための「システム」というよりも、「哲学」と言った方がいいでしょう。GTDメソッドポモドーロテクニックとは異なり、自分の働き方からチームの働き方まで、あらゆることを対象とした考え方なのです。


カイゼンとは?


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カイゼンは、単なる改善とは異なります。その意味は、「コンスタントに改善を続けること」。つまり、組織のあらゆる側面において、どんなときでも、より良い方法を目指して努力することを意味します。この哲学は、第2次世界大戦後、複数の日本企業で生まれました。戦後の混乱の中、それまで通りのやり方で物事に取り組むのは悪いことであるという考えが尊重されたのです。特に、競争力強化につながる選択肢があるのにそれを選ばないことがあってはならないとされました。その後「カイゼン」は、西洋の競合他社や製造方式に触発され、ビジネス慣行および製造方式を改善・合理化すると同時に、製品、技能、それに関わる人々を尊重する、全社的取組の代名詞になりました。

カイゼンは、以下の6つのステップに分けられます。

1. 標準化:特定の作業に対して、反復可能かつ系統的なプロセスを定める。
2. 測定:ステップ1で定めたプロセスの効率を、作業時間などの定量的データを使って見極める。
3. 比較:測定結果と要件を比較する。このプロセスによって時間は短縮されたのか? 必要な結果が得られたのか?
4. 革新:同じ作業をするため、もしくは同じ結果を達成するための、より良い方法がないかを検討する。同じ目標にたどり着く、よりスマートで効率的なルート、すなわち生産性を高める方法がないかを検討する。
5. 標準化:ステップ4で出た効率的な新しい作業方法を、反復可能かつ確実なプロセスとして定義する。
6. 反復:ステップ1に戻り、再開する。


これを読むと、ちょっとげんなりするかもしれませんが、あなた自身の仕事に対する心構え、もしくは会社の文化として取り入れてしまえば、自然のこととして感じられるようになります。いつでもより良い方法を探し、それをやってみようという気持ちを持っていれば、それを形式化して全員に浸透させるのは、そんなに大変なことではないでしょう。

もちろん、カイゼンそのものは変化と呼べるほどの大きな変化をもたらしません。むしろ、慎重かつコンスタントな改善を目指す哲学であって、見返りの得られない大きな変化を求めるものではないのです。生産性とは結局、諸刃の剣。新しい挑戦や新しいツールのリサーチに時間をかけるあまり、実際の作業に時間をかけられなくなってしまうこともあるでしょう。ベストな生産性システムとは、作業完了の助けになるものでなければなりません。それと同様、ベストなアプリとは、実際に使いたくなるものでなければなりません。作業の最適化を求めるときは、それを忘れないようにしておかなければ、本末転倒になりかねないのです。


カイゼンの実践例:トヨタ生産方式


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トヨタでは、カイゼンをビジネスの中核に据えています。ここでは、トヨタ生産方式にまつわる、ビジネススクールでは伝説になるほど有名な逸話を紹介しましょう。

ストーリーは、アメリカの自動車会社の幹部が、トヨタを訪れるところから始まります。目的は、なぜトヨタが、あまり多くのムダやミスなく、大量の自動車を生産できるのかを知ること。その自動車会社の工場では、何とかして生産量を上げたいのに、ラインの終わりでエラー率が非常に高まることに悩んでいました。ドアの溶接が悪かったり、ハンドルのアライメントが悪かったり、ボルトを間違えて付けたりと、ラインのどこかでミスが発生すると、それがそのまま最後まで流れていってしまうのです。その結果、分解・再組立てという作業が頻発していました。それによるコストは、エラーをその場で直すよりも高くなります。

トヨタを訪れた幹部らは、そのプロセスを見て愕然としました。たった1人の作業員が、主任の許可なくラインを止められるなんて。当時、「何があってもラインを止めてはいけない」というロジックが主流だったアメリカの幹部らにとって、エラーをその場で直した作業員が褒められるというアイデアは、前代未聞だったのです。アメリカに戻った幹部らは、同じ方法を取り入れ、作業の改善方法を提案した従業員には、報酬を与えるようになりました。そして、作業量よりも作業の質を評価する文化が根付いていったそうです。

ちょっと話がうまく行きすぎな感もありますが、このような信条が、生産性向上哲学としてのカイゼンの中核をなすのは事実です。浸透してしまえば、多くの作業をこなすことではなく、より良い作業をすることが目標になります。同様に、改善と最適化を見つけるための時間の確保も重要です。目的は大きな変化ではなく、仕事と、さらには人生をより良くすること。よく言われるように、根底にあるのは、やらなければならないことの時間を減らし、やりたいことへの時間を確保するというアイデアです。


カイゼンを取り入れる方法


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カイゼンの実施には、それほどの手間はかかりません。なぜなら、手法というよりは哲学なので、アプリや手帳などのツールを入手する必要がないからです。カイゼンに必要なのは、仕事への向き合い方を変えること。カイゼンは企業哲学でなければならないと思われがちですが、実際は、個人レベルでも役立ちます。以下に、そのヒントをお伝えしましょう。

第1に、自分の仕事に対して、常により良い方法を探す癖をつけましょう。いつでも忙しいのであれば、自分の仕事と優先準を検討する時間を確保するのです。その時間を使って、自分のやり方が最適なのかどうかを考えます。そのためにも、週に1度、1時間のレビューを行なうのがいいでしょう。業務を棚卸して、俯瞰的にとらえられるようになります。それが難しければ、「RescueTime」のようなアプリで自分の作業状況を記録するのもオススメです。あなたがどこに時間をかけているのかがはっきりとわかります。そのような視点を持つことで、自分がその作業をしている理由について、深く考えることができるようになります。

Googleは、社員の勤務時間の20%を、本来の仕事以外に取り組む時間に充てていたことで有名です。今でこそ、そのポリシーは縮小しましたが、アイデアは生き続けています。仕事の新しい進め方を考える時間や、やりたいことに取り組む時間を確保することで、より良いテクニックや速いツールが生まれ、その時間は決してムダにならないのです。20%は多すぎるにしても、週に数時間でいいので、仕事の合理化、ムダの省略、仕事を楽にする新しいツールについて、上司と話す時間を持つと、新たな世界が待っているに違いありません。それこそが、コンスタントな改善を続けること(=カイゼン)につながるのです。

業務を効率化する方法が見つかったら、少し時間をかけて、それについて吟味してみましょう。あなたの業務に適用できそうだったら、時間節約につながるかどうか、試してみてください。チームで仕事をしているのであれば、メンバーに対して、建設的な批判とフィードバックを求めるのがいいでしょう。メンバーの1人から、新たな時間節約法が提案されるかもしれません。その時、「これが私たちのやり方です」と守りに入ってしまうと、せっかくの改善の機会を失ってしまうことになります。小さく始めて、一歩一歩進む。それこそが、カイゼンの本質なのです。


忙しくても、カイゼンを忘れないために


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カイゼンを実践するのは素晴らしいことですが、それによって業務改善を考える時間が奪われてしまっては意味がありません。作業中でも、基本原則を忘れないことが大切です。仕事に飲み込まれて、大事なことを見失ってしまわないようにすること、また、改善案があるのに提案を渋ってしまうことがないように注意してください。例えば、ライン作業者としてサイドミラーの取り付けを担当するあなたが、バンパーがきちんとついていない状態や、違うタイヤが取り付けられているのを発見したとき、自分の担当でなくてもラインを止める勇気を持つことが必要なのです。

カイゼンによるメリットの1つに、主体性があります。仕事というものは、誰もが最終製品が最高の品質になることを望んで、1から10まで主体的に取り組むことが理想です。自分の担当がサイドミラーであってもタイヤ取付であっても、自動車がラインを離れるときに完ぺきであることを望むべきなのです。そのためにも、主体性が大事。やりがいを持って働くことが、モチベーションにつながります。やりがいを感じられないのであれば、自らやりがいを見出す努力をしてください。それができなければ、それができる仕事を見つけましょう。

カイゼンのもう1つの原則に、徹底的な無駄の排除があります。これには、時間やエネルギーの無駄だけでなく、仕事に直結しない努力のムダも含まれます。例えば、不必要な会議、読まれることのないレポートなどは、徹底的に省いて、その時間を業務改善に充てた方がずっといいのです。もちろん、必要な会議もありますし、重要なレポートもあるでしょう。その場合でも、自動化やアウトソーシングで済ませる方法がないか検討してみましょう。メールの整理に時間が取られているのであれば、簡単にできる整理法や、それを自動化できるツールを探してみてください。考える時間がないからと力づくで済ませているようでは、時間のムダになってしまうのです。

やり慣れた方法で業務をこなすのは、確かにラクかもしれません。でも、それでは改善は望めません。業務改善方法を考えることで、時間とエネルギーの節約はもちろん、新しいスキルの習得、誇れる目標の達成、自身の価値向上、ポジティブな変化につながります。簡単にできることではありませんが、努力するだけの価値は、必ずあるのです。


Alan Henry(原文/訳:堀込泰三)
Title image by Tina Mailhot-Roberge. Photos by Jason OX4, Daniel, Ella Phillips, and Sonny Abesamis.

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