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ライフハッカー編集部  - ,,,,,  11:00 AM

猪子寿之、藤村龍至らが語る。未来のマンション価値は「コミュニティ」にあるという提言

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猪子寿之、藤村龍至らが語る。未来のマンション価値は「コミュニティ」にあるという提言

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皆さんはとなり近所の人の名前がすぐ頭に浮かびますか? マンション暮らしの筆者は、すれ違うときに挨拶をするだけで、名前や家族構成を知りません。

でも、本当にそれでいいのでしょうか? 先日長野県で発生した大きな地震では、住宅が倒壊するなど大きな被害があったものの、奇跡的に死者は出ませんでした。その背景には「顔の知れた近隣住民同士の助け合い」が大きな役割を果たしたそうです。

東日本大震災以降、近隣住民や地域とのつながりを求める声が高まると、支え合うコミュニティの連帯感は「緊急時の安心感にもつながる大切なことかもしれない」という意識が芽生えてきました。

そこで、コミュニティについて理解を深めようと、先日三井不動産レジデンシャルグループ主催で開催された、マンション・コミュニティの視点からマンションの未来を考えるシンポジウム「ミライ×マンション×ミーティング」に参加してみました。

異なるジャンルで活躍している登壇者がとらえた新しい価値観を生み出すコミュニティとマンションの未来像は、マンションでの暮らしを改めて考えるうえで考えさせられる内容でした。中でも、特に印象に残った話を紹介します。


コミュニティ格差とネットワーク弱者の問題をいかに解決するか:筧 裕介


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地域や社会が抱える課題をデザインで解決を試みる筧裕介氏は、現在のコミュニティの課題を指摘しながら、コミュニティに最初の一歩を踏み出すためのヒントを与えてくれました。


筧 裕介(YUSUKE KAKEI) issue+design代表
1975年生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士)。
2008年山崎亮氏他とissue+design を設立。以降、東日本震災支援ツール「できますゼッケン」、人々との出会いを楽しむ旅のガイド『Community Travel Guide』など、ソーシャルデザイン領域の研究、実践に取り組む。グッドデザイン・フロンティアデザイン賞、竹尾デザイン賞他多数受賞。


筧氏:SNSなどのコミュニティではなく、リアルなコミュニティはとなり近所との関わりが満たされていないと機能しません。例えば、子どもが生まれて、職場などの社会的コミュニティから分断されると、近所とのつながりやコミュニティへアクセスする必要があると思いますが、コミュニティに足を踏み入れる最初の一歩はそれほど簡単なことではありません。

もちろん、マンションのコミュニティを必要と感じている人と感じていない人がいます。みんながつながっていないと生活が成り立たないという時代ではありません。しかし、コミュニティに加わりたいのにできていない住人と、マンションの電子掲示板などを活用できない高齢者などネット社会に対応できないネットワーク弱者が存在していることは事実で、コミュニティを持っている人と持っていない人の格差が問題になっていると思います。

そこで、となり近所の方との関わりをつくるための道具として利用して欲しいドアノブにかける「ご迷惑おかけしますカード」をデザインしてみました。例えば、子どもの誕生会を開く際に、「◯月◯日に誕生日パーティーを自宅で開きます。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ごめんなさい」とメッセージを書いて、となりの家のドアノブにかけておきます。

周囲への配慮と心配の種を事前に摘んでおき、さらに先に謝っておけば意外と問題化しないで済みますし、「大丈夫でしたよ」と書かれたカードを返してもらえれば、次からのコミュニケーションにつながっていくと思いました。身近なところから良い関係性を構築して広げていく方法がコミュニティに参加する近道ではないかと思っています。


場所からコミュニティが生まれるというのは幻想:猪子寿之


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テクノロジーとアートを巧みに表現するクリエイターの視点から語る猪子寿之氏の発言は、刺激的で突拍子もないように聞こえますが、実は新しいマンション・コミュニティの価値観を予見するものでした。


猪子寿之(TOSHIYUKI INOKO)チームラボ代表
1977年、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、プログラマ・エンジニア、数学者、建築家、CGアニメーター、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、絵師、編集者など、スペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。サイエンス・テクノロジー・アート・デザインの境界線を曖昧にしながら活動中。


猪子氏:20年ぐらい前までは、場所からコミュニティが生まれて文化が育まれてきました。しかし現在は、ネットワーク社会となり場所にまったく依存しないで、独自のコミュニティがつくられている。

ですから、ネットワーク社会以前の手法ではなく、同じ思考や価値観を共有するコミュニティのためのマンションをつくるという、これまでとは逆の発想がこれから求められると思います。


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コミュニティごとに必要な施設やサービスが違うので、そうした要望が整備されたマンションが出てきたら、これまでの自治会的なコミュニティとしても発展してくような気がします。

また、子育ての問題を考えてみると、昔は子育てを手伝ってくれる家族や近隣の人がたくさんいましたが、いまは"孤育て"となり親の負担と責任がより大きくなっています。

ネットワーク上を行き来するのは単純化された情報のみで、子育てのような複雑な情報や課題はネットワークでは解決できません。よって、子育ては地域のコミュニティが担うものであり、マンション全体で子育てを担うためのマンション内コミュニティが必要だと思います。

そこで、子育てを支援して欲しい家族が住むためのマンションや子育てを終えた家族が暮らせるマンションなど、年月を経て流動的に移り住めるような、1カ所にずっと住まないという考え方と環境が整えば、今日的な問題も解決するのではないかと思います。


設計者と住民のニーズを近づけることでコミュニティをつくりだす:藤村龍至


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建築設計、都市計画、公共政策の領域で仕事をしている藤村龍至氏は、建築物と周辺の町をつくる視点から、自身が設計に携わった住民参加型による公共施設の設計とコミュニティの育み方について語ってくれました。


藤村龍至(RYUJI FUJIMURA)藤村龍至建築設計事務所代表
1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。
2005年より藤村龍至建築設計事務所主宰。2010年より東洋大学専任講師。
主な建築作品に「鶴ヶ島太陽光発電所・環境教育施設」(2014)。近年は建築設計やその教育、批評に加え、公共施設の老朽化と財政問題の解決を図るシティマネジメントや、日本列島の将来像の提言など、広く社会に開かれたプロジェクトも展開している。


藤村氏:私が関わった埼玉県の鶴ケ島市のプロジェクトをご紹介します。この地域は、1960年代に住宅地が広がり、住民の高齢化と学校や施設の老朽化など、典型的な郊外都市の課題を抱えています。プロジェクトは、公民館と小学校の2つの機能を併せ持つ施設と隣接する工場跡地に太陽光発電所をつくることでした。

設計に際しては、地域住民の方々が参加するパブリックミーティングを2週間に1回のペースで5回ほど開催。模型を見せながら説明するだけではなく、住民の意見や要望などを引き出して、次回に再プレゼンするというコミュニケーションを反復しました。

カタチを見せながらオプションを提示していく手法を「オプション・アプローチ」と言いますが、少しずつですが確実に利用者のニーズを引き出していく試みは、生産的な議論を生み出し最終案としてまとまりました。

現在、発電所につくった建物は、地元のコミュニティがボランティアで管理して、訪れた子どもたちを案内したり、地域と連携しながらさまざまな活動を立ち上げて取り組んでいます。

地域住民の考えをもとにして設計を組み立て直すプロセスを繰り返したことは、私たちにとって、失われつつある公共事業とコミュニティの関係性を再認識するよい機会ともなりました。


経年優化する住まい


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シンポジウムに参加した登壇者たち


コミュニティを緊急時の備えのためにと単純に考えていた筆者に反して、登壇した3者の話は、コミュニティの新しい価値を創造することでマンションや住まい、町のあり方も変えることができる、その可能性を感じさせてくれるものでした。

また、シンポジウムでは「経年優化のまちづくり」というキーワードも出ました。これは、「時間の経過とともに価値を高める住まい」のことを意味し、「ハード=建物の機能」と「ソフト=コミュニティの自発的な活動」が積み重なると「年を経るごとに優れたものになっていく」という考え方です。

マンションを資産価値としてだけとらえる考え方から、住まいや暮らしの質という考え方にシフトしていくことで見えてくる、人と住まいとコミュニティの新しい関係。これからのマンション生活の大きなヒントをもらった気がしました。


MIRAI MANSION MEETING|三井不動産レジデンシャル

(文/香川博人 写真/大嶋拓人)

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