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印南敦史  - ,,  07:30 AM

強い会社をつくる、運気を上げる行動習慣

強い会社をつくる、運気を上げる行動習慣

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強い会社はなぜ、この習慣を大切にするのか?』(矢島茂人著、あさ出版)の著者が専務を務める株式会社武蔵野は、ダスキンの東京第1号加盟店としてスタートした会社。以後、順調に事業を展開し、現在では500社以上の会員企業の経営をサポートしているのだそうです。

特徴的なのは、それら会員企業が13年連続倒産ゼロ、5社に1社は過去最高益を上げているということ。そんな事実を目のあたりにするにつけ、著者は「企業が成長・成功するには"運"が不可欠だと思うようになったといいます。

ただし、そこで重要なのは、運がいい人・会社は、運気をよくする行動を習慣にしているということ。つまり「運がいい・悪い」は生まれ持った性質ではなく、自らが選択してつくり出している事象であるという解釈です。そしてそれは、自らが選択してつくり出している習慣の結果なのだとか。そのような考え方に基づき、会社の運気を上げ、会社を強くするための習慣を紹介しているのが本書だというわけです。

きょうは第4章「強い会社をつくる習慣」からいくつかを引き出してみます。


自分で決める・参加する習慣


著者が社長や幹部との会話のなかでよく耳にするのが、「うちの社員は主体性がない。アイデアがない」という嘆き。自分で決めさせようにも意見が出ないということですが、そんな場合、最初はリーダーが率先してお客様に喜ばれることをすべきだと著者は主張しています。そして強制的にでもかまわないので、社員も一緒にさせてみるべきだとも。お客様に喜ばれる快感を味わわせるわけです。

一度いい気分を味わったら、また味わいたくなるもの。そこで初めて「どうしたらお客様は喜んでくれるだろう?」と考えはじめる。そうやって主体的に考えるようになった社員は、アイデアがわかないときにも「他者はどんな取り組みをしているんだろう。真似できることはないかな」などと学びの行動をはじめる。それが、サービスの向上につながるという流れです。

「参加している」という意識や、「自分で決めた」という感覚は、立場や年齢、職域には無関係。「やらされ感」で義務的に仕事をしているとしたら、モチベーションは上がらず、楽しくなく、心のこもった仕事ができなくても当然です。そこで工夫をし、自分で決め、まず自分がはじめてみる。そうすれば楽しそうに仕事をする姿に周囲が影響され、参加し、アイデアを出すようになる。「楽しくするために、なにをしようか」と行動する社員が増えれば、周囲も引っぱられ、会社や仕事を楽しく感じるようになっていくということです。(182ページより)


情報をとりに行く習慣


多くのリーダーは「報告は部下から受けるもの」と考えていますが、それは間違いだと著者はいいます。むしろ情報は、自分から取りに行かなければならないとも。多くの新人社員研修では「悪い報告こそ、すぐにしろ」と指導しますが、それはなかなか実践できるものではないのも事実。自ら情報をとりに行くことが重要なのは、そんな理由があるからです。たとえば部下になにかを問いかけた場合、部下はなんらかの答えを返してくるもの。だとすれば、さっさと聞いたほうが早いという考え方です。

「物的環境整備」「人的環境整備」が進んでいる会社を見ると、アルバイトやパート社員がどんどん情報を上げているそうです。しかしそのような状況も、必ず、上司が情報をとりに行くという段階を経ているもの。これは、部下の立場で考えてみればわかりやすいことです。

部下は「上司がなにを求めているのか、わかっていない」。そして上司がいろいろ聞いていくうちに、「上司はこういうことを知りたいのか」と理解していく。そうやって理解が進んでいけば、部下のほうからも報告が入るようになるというわけです。(196ページより)


愛あることばを発する習慣


「相手の心に受け容れ態勢が出来ていないのにお説教するのは、伏さったコップにビールをつぐようなもの──入らぬばかりか、かえってあたりが汚れる」(203ページより)


哲学者である森信三氏のことばを引用したうえで、著者は「自分の発することばが、ちゃんとコップに注がれているのか、あたりを汚しているだけなのか、意識を向けたいもの」だと提言しています。その際に重要なのは、コップを上向きにして、ビールを注げる状態にすること。

なお、ここで忘れるべきでないのが、「愛あることばを発する」ことだといいます。そして部下とのコミュニケーションにおいて使いやすいのが、「Iメッセージ」。主語を「あなた(You)」ではなく、「私(I)」にするというもの。たとえば、以下のように。


「君は、よくやってくれた」 → 「こんなにがんばってくれて、私は本当にうれしい」
「どうして、こんな遅くまで残業しているの?」 → 「こんなに遅くまで残業していて、私は心配です」
「間違った報告をするなんて、お前は最低なやつだ!」 → 「あなたほどの方が間違った報告をするなんて、私は悲しい」
「あなたは、ちゃんと実行し報告してくれるいい人材だね」 → 「きっちり実行し報告してくれて、私はとてもうれしいです」
「あなたは完璧な人だね」 → 「あなたの仕事ぶりを見ていると、『僕も部署を預かる人間としてがんばらなくちゃ』って励みになるよ」


あなた(You)メッセージで「あなたは◯◯だ」といわれると、断定になります。しかし否定的に断定されると、反発したくなるもの。ところが主語を私(I)に変えて気持ちを伝えてみると、ソフトな印象となり、抵抗なく受け止めてもらえるというわけです。(203ページより)


社内アセスメントを、和談でする習慣


著者の在籍する株式会社武蔵野は、社長の強力なリーダーシップやカリスマ性が決め手だそうですが、実はそれを支えている強靭なボトムアップがあるといいます。経営者のパワーで牽引したのは2003年までで、翌年からはボトムアップに切り替え、結果的にはそれが評価されたのだとか。

そしてボトムアップの仕組みの最たるものが、「社内アセスメント」。これは社員全員参加のうえ、アルバイト・パートの有志が加わって実行計画を立て、その計画に対して社長が承認する1日がかりのイベントだそう。ちなみに、著者が社内アセスメントで大切にしているのが和談。「話し合いをする」ということですが、いくら社内アセスメントをしても、討論をしていたのでは業績が上がらないからだといいます。

上司や社歴の長い人に「自分のほうが仕事を知っているという過信」や、「仕事ができるとアピールしたい気持ち」があると、部下が報告をしても「知っているよ」で終わってしまうことになります。そのひとことで、そののち語られるはずだった意見を聞くことができなくなるわけです。しかし部下が報告したら、知らないふりをして驚いてあげればいいだけの話。

和談ができる組織の場合、たとえばライバル情報が出れば「それはどんな人?」「どんな動きをしているの?」と具体的な質問を投げかけ、ひたすら傾聴していくことが可能。すると部下は問いに答えるために考えるので成長し、話を聞いてもらえるのでモチベーションも向上することに。一方の上司は、正しい情報が入るので、正しい判断をすることができるといいます。(213ページより)



これらに明らかなとおり、ひとつひとつの習慣は特に珍しいものではないでしょう。しかしその多くが、つい忘れてしまいがちなことでもあるはず。すなわち、大切なことを再確認するという意味でも、読む価値のある内容だと思います。


(印南敦史)

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