• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,  11:00 AM

お寺でハッカソン!創造性を高めたかったら坐禅せよ。「ZenHack 2014 Fall」レポート

お寺でハッカソン!創造性を高めたかったら坐禅せよ。「ZenHack 2014 Fall」レポート

禅的思考瞑想、いま話題のマインドフルネスなどによって集中力や創造力を高めることが、いかにビジネスパーソンの仕事と生活に役立つのか。ライフハッカーはこれまでにも、その効用や実例を数多く取り上げてきました。


141014zenhack2014_fall_3.jpg


その実践例の1つともいえそうなのが、先日紹介した「禅」と「ハッカソン」を組み合わせたイベント「ZenHack(禅ハック)」です。スローガンは「禅とITで世界の課題に挑む」。

2014年10月11日・12日にかけて行われた「ZenHack 2014 Fall」の舞台は鎌倉にある建長寺の大広間。建長寺は臨済宗建長寺派の大本山で、国宝や重要文化財を数多く所蔵する日本有数の禅寺です。参加者は坐禅や精進料理、21時消灯の3時起床(!)など、禅寺ならではシンプルな時間を過ごしながら、集中力を発揮してハッカソンに挑みました。

今回のハッカソンテーマは「ごみ問題に挑む」。日本はごみの排出量で世界4位、焼却量は1位なのだといいます。誰しもが決定的な解決策を持たない中で、禅の考えを生かし、世界の問題を少しでも解決する「ハック」を見つけ出すのがミッションです。開催にあたり、建長寺の高井正俊総長は「禅の考え方では、ごみというものはなく、常に使えるものとして考えます。食べ残しを出さない、最初から余りものをつくらないようにするなどが基本となっている。みなさんがここでいろんなことをお感じになって、それを表していけるように楽しんでください」とビデオメッセージを寄せていました。物事を深く、そして静謐に考えるための場として、禅寺はうってつけといえるはず。非日常的な空間の中で、参加者のクリエイティビティは刺激されたのか、それでは見ていきましょう。


「ZenHack 2014 Fall」1日目


9:30 a.m.~/諸注意説明、チーム名決め、ごみ問題のインプット


141014zenhack2014_fall_4.jpg


参加者は4人~5人で1チームとなり、2日間を共に過ごします。開催前の諸注意説明では、場所が建長寺ということもあり、「お寺の方は『和尚さん』または『○○(苗字)さん』と呼び、『お坊さん』はNG」など独特のルールも。その後、まずは10分間でチーム名とリーダーを決めます。この時間が自己紹介タイムも兼ねており、中には「全員が愛知県出身だったから」という理由もあってチーム名を「あいちーん」と決めるところもありました。

まずは、ごみ問題を考えるにあたって、現状の取り組みをインプットします。鎌倉市環境部資源循環課の安倍真理枝さんは、鎌倉市のリサイクル率が全国2位であることを引き出しに、分別品目を増やす、事業系ごみ処理手数料の値上げ、家庭系ごみの有料化、コンポストの利用を助成するなど、「ごみを出す人の意識変革」によってさらなるごみ減少を推し進めていることを紹介。

テラサイクルジャパンの石川幸佑さんは、タバコの吸い殻であればタバコメーカーなど、そのごみの元となる企業をスポンサーに迎え、ごみ処分やリサイクル活用を行うという自社の取り組みをプレゼン。両者の発表から、ごみの減らし方にも「手段」と「アイデア」があることを参加者に意識づけます。


11:00 a.m.~/ハッカソン開始


141014zenhack2014_fall_5.jpg


インプットが終了した後、いよいよハッカソンがスタート。多くのテーブルで、それぞれがノートPCを広げながらも、座卓に広げたスケッチブックやポストイットなどの「紙とペン」で要素を書き出していたのが印象的でした。複数人で情報を手早く共有するのには、まだまだアナログなツールが有利ですね。

「チーム24」のリーダーを務めるぴょんさんは「ハッカソンは普段とちがう環境やスピード感でアウトプットができることが魅力。時間も短く、集中してやるので、いつもとちがう頭の部分が使えますね」と、この状況を楽しんでいるようでした。


12:00 a.m.~/昼食


141014zenhack2014_fall_6.jpg


ハッカソンといえば、デリバリーのピザやジャンクフードをエナジードリンクで流し込みつつ開発する...というイメージがあるかもしれません。その点、ZenHackは食事がちがいます。主催が鎌倉をITで支援することをミッションしたカマコンバレーだけあって、食事も地元に縁のあるものでそろえています。この日の昼食は、鎌倉から宮城県女川町の復興を支援する「女川カレー プロジェクト」によるカレーライス。集中力を増すためにスパイスのシナモンを多めに入れたという一皿は、野菜の甘さが生きていて、おいしかった!


1:00 p.m.~/ハッカソン再開


141014zenhack2014_fall_10.jpg


午後のハッカソンが進んでいくと、中にはFabLab Kamakura提供のArduinoにプログラムを打ち始める姿や...


141014zenhack2014_fall_11.jpg


3Dゲームを前に「この町並みを鎌倉で表現したら...」とプロダクトの相談をする様子も見えました。


141014zenhack2014_fall_12.jpg


ちなみに、振る舞われたおやつは、鎌倉の和菓子店「大くに」の豆大福やまんじゅうなど。豆大福は甘さ控えめ、豆の味わいがしっかりとしていて美味。おやつもしっかり鎌倉でそろえてきます。


5:00 p.m~/夕食+懇親会、入浴、就寝


141014zenhack2014_fall_7.jpg


今日のハッカソンは午後5時で終了。その後は夕食と懇親会、入浴を済ませ、午後9時には就寝というスケジュールです。夕食は鎌倉の日本料理店「鉢の木」による、精進料理の考え方を取り入れたというメニュー。鶏の照り焼き丼、生麩のしぐれ煮、お麩のお吸い物など、どれも上品な味付け。


141014zenhack2014_fall_8.jpg


鎌倉生まれのクラフトビール「鎌倉ビール」の樽生も振る舞われていました。樽生は鎌倉「GARDEN HOUSE」や大船「213」など一部の店舗にしか卸していないということで、なかなかレアな一杯。鎌倉の料理、鎌倉のビールと、鎌倉を舌でたっぷりと味わいます。

今日の進捗を各チームから発表してもらうと、「開発の方針が決まってコードを書き始めたところ」という声に一同がどよめいたり、「まずみんなでお参りをして、そのあと近くの茶店でお抹茶をいただきながら...」とこの建長寺ならではの発想をしているチーム、「早朝の坐禅の後で振ってくる奇跡を信じています」と禅パワーに望みをかけていたりと進行具合もさまざま。そう、明日は朝3時に起床して坐禅です。出遅れチームの巻き返しやなるか。


141014zenhack2014_fall_9.jpg


食堂から戻ってくると、大広間には布団が敷かれていました(もちろん、女性陣は別室)。布団の上で、熱心にプロダクトを話し合うチームも見えます。大広間で布団というのもあって「合宿感」がにじみでていますね。


3:00 a.m~/起床、坐禅、ハック再開


午前3時、起床の時間です。普段なら考えられない起床時間ですが、建長寺の清涼な空気に頭がシャキッとするせいか、参加者の皆さんは意外にもすっきりした目覚めだったようです。

龍王殿脇にて、坐禅。建長寺の坐禅会に参加されている一般の方とともに、坐相を整えます。


141014zenhack2014_fall_13.jpg


坐禅で大切なのは、姿勢と呼吸。完全な静寂の中、時おり堂内を通り抜ける微かな涼風を頬に受けながら、自分の呼吸に意識を集中します。坐禅終了の合図の音にハッと顔をあげると、まるで深く眠ったあとのように頭の中がクリアになっていることに驚きました。

集中力が高まったところでハック再開。禅ハックにおいては、この時間こそが最も効率よくアイデアが出て作業がはかどるゴールデンタイムなのだそうです。


6:00 a.m~/朝粥


141014zenhack2014_fall_14.JPG


朝ごはんは粥座(しゅくざ)と呼ばれるお粥。味付けしないさらさらなお粥に、梅干しやたくあんなどのおかずが付きます。お箸はテーブルから先端がはみ出すようにななめに置きます。これはお箸で卓を汚さないための気遣いなのだとか。

食べ終わったお粥のお椀は、お茶を少し注いですすいで飲んでから、最後に一切れ残しておいたたくあんで拭って終わります。こうして食後にはきれいなお椀と小皿だけが残ります。シンプルで無駄なく、"跡を濁さず"。こういった禅寺の習慣に、今回のハッカソンのテーマであるごみ問題解決のヒントがあるのかも?


12:00 a.m~/最後のハック、ランチ


141014zenhack2014_fall_15.JPG


午前のハックでラストスパートのあとは、地産地消の食材を使った精進料理風のランチが待っています。舌鼓を打ちながらも、各テーブルではチームメンバーが最後のプレゼンの打ち合わせに余念がない様子。


1:00 p.m~/発表会


1410zenhack19.jpg


発表会では12組のチームがくじ引き順にプレゼンを行います。


1410zenhack20.jpg


登場したチームとプレゼン内容は以下の通りです。


1.「あいちーん」・・・アプリ「モノカタリ」。ストーリーボード付き中古品シェアアプリ
2.「莫妄想」・・・「ecoモノガタリ」NFCシールを利用
3.「SAISEI」・・・目標のゴミの量を達成すると特典がある「トラッシュファンディング」
4.「URAMABUTA」・・・今夜のご飯がどれくらい欲しいか、家族で確認するアプリ「ぺこ」
5.「9Q」・・・中学生を対象とした物々交換アプリ「かまクラ」
6.「サンジェルマン伯爵」・・・ゴミをパッケージしてアートとして売る「ゴミノミカタ」
7.「五味デザイン」・・・マッチングサービス「keidai」
8.「プロジェクトX」・・・Re:User(物々交換アプリ)
9.「The 禅」・・・レシピ支援するアプリ
10.「知足」・・・仮想通貨をポイント化、企業が出す産業ごみをオークション制で売り、ゴミ焼却のエネルギーで発電して売電。デベロッパーを巻き込んでいくビジネスモデル
11.「24」・・・「co-cycle」。リサイクルを可視化する。ゴミ箱にいれたペットボトルの数がプロジェクトページにリアルタイムにカウント表示される。
12.「4RE」・・・食事のシェアリング「クラウド冷蔵庫」


1410zenhack22.jpg

審査するのは、高井正俊・建長寺宗務総長、カマコンバレー発起人兼面白法人カヤック代表・柳澤大輔さん、株式会社ネクスト・リッテルラボラトリーユニット長・秋山剛さん、株式会社リクルートライフスタイル・スタイルじゃらんリサーチセンター 主席研究員・加藤史子さん、タイムカプセル株式会社代表・相澤謙一郎さん、元J-WAVEナビゲーターで環境活動家の丹羽潤子さん、そしてライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦の7名です。

各チームのプレゼンが終わる度に審査員からは質問が投げかけられます。12組のプレゼンが終わると審査員は別室で協議に入りました。審査基準は、1人につき2組に投票するという選考方法でした。審査基準は、

・世界の課題を解決できそうか(スケールするか)
・禅の価値観が反映されているか
・IT技術としてレベルが高いか(技術力)
・プレゼンテーション力

の4つのポイントでした。

そして、ついに結果発表です。


1410zenhack21.jpg


まず、準優勝は鎌倉にあるwebサービス企業「村式株式会社」のメンバーで参加したというチーム「サンジェルマン伯爵」。ごみを美しくパッケージして価値を付加し、アートとして売るプロジェクト「ゴミノミカタ」を発表。ニューヨークに実在するプロジェクト「NYC Garbage」にインスパイアされたとか。建長寺・高井総長が初日に紹介した「禅の世界では"ごみ"というものは存在しない」という考え方に通じるものがある発想です。


1410zenhack17.jpg


そして、優勝に輝いたのは、チーム「SAISEI」でした。ごみを減らした経費分をクラウドファンディング・プロジェクトに還元する仕組み「トラッシュファンディング」をプレゼンし、賞金10万円を勝ち取ると同時に、最大180万円の開発費を援助されるネクスト賞も獲得。見事、W受賞となりました。今後は、株式会社ネクストとカマコンバレーとによる全面サポートを受けて、サービスの製品化という新たなる挑戦のステージへと進むことになります。

また、審査員ではなく参加者の投票によって決められたZenHack賞には、夕飯をつくるお母さんにお腹の減り具合などを知らせて、食事を余らせないようにするというシンプルなアプリを考案したURAMABUTAが受賞しました。


1410zenhack18.jpg


最後に審査員から総評を一言ずつコメント。


1410zenhack16.jpg


12チームが、禅とITで「ごみ問題」の解決に挑み、約28時間のうちにプロダクトを生み出すという本ハッカソン。心配された台風も直撃されず、秋晴れの気持ちがいい境内で大盛況の中、幕を閉じました。

日本が世界に誇る禅という文化とITを2度の開催でさらに融合させたZenHack。新たに「世界へ・日本の別地域へ」という夢が膨らみました。Googleをはじめとする世界トップのIT企業も取り入れる禅の思想。ZenHackから日本発の新しいイノベーションの潮流が生まれそうです。


ZenHack

(文/長谷川賢人・吉川晶子・米田智彦 写真/長谷川賢人・吉川晶子)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.