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印南敦史印南敦史  - ,,  07:30 AM

1杯のコーヒーが教えてくれる、3つのビジネス戦略

1杯のコーヒーが教えてくれる、3つのビジネス戦略

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戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(永井孝尚著、KADOKAWA/中経出版)は、コーヒー業界のビジネス戦略をテーマにしたユニークなビジネス書。知識ゼロの状態でコーヒー会社に入社した主人公のOLが、スターバックス、ドトールコーヒー、マクドナルド、セブン-イレブン、ネスレなどの戦略を学びながら道を切り開いていくというストーリー仕立てになっています。

ストーリーは実際に楽しんでいただくとして、きょうはコーヒーを扱う企業のエピソードの部分から、いくつかをピックアップしてみましょう。


「コーヒーの香り」を失ったスタバが考え続けたこと


いまでこそ絶好調のスターバックスも、かつて経営危機に陥ったことがあるそうです。1971年の創業以来成長が続いていたものの、2007年から2008年にかけて大きく利益が減ったというのです。業績低迷の原因について「スタバらしさ」を失ったためだと分析したのは、08年1月にスタバのCEOに復帰したハワード・シュルツ氏。

最たる要因は、当時のスタバではスピーディーにコーヒーを提供することを優先させ、挽いたコーヒーの粉を店に届けて保管する方式に切り替えたこと。店舗で豆を挽かなくなった結果、挽きたてコーヒーの重厚で豊かな香りが店内から消えてしまった。さらには売上アップのためにチーズ入りサンドウィッチを温めて出すようになると、チーズの強い匂いがコーヒーの香りを台なしにすることに。また、研修が不充分なバリスタがコーヒーを淹れるようになったため、はっきり味が落ちたというわけです。

成長と効率性を追究するあまり、スタバ本来の魅力が失われてしまった。そこでシュルツが考えたのは、本来のスタバらしさ、いわば、家庭でも職場でもない「第3の場所(サードプレイス)」としてのポジションを取り戻すこと。革新的な文化への回帰でした。

そこで、全米7100店舗を半日一斉に閉店にしてバリスタの再研修をし、新しいコーヒーを開発し、店舗で豆を挽く方式に戻し、最新鋭のコーヒーマシンのメーカーを買収し...と大胆な改革を実施。また、将来再び経営危機に陥らないように、社員ひとりひとりが「スタバらしさ」を考え続けるための新しいビジョンを策定。こうして、窮地から脱したのだといいます。(83ページより)


ネスレがコーヒーマシンを無料提供する理由


ネスレが「オフィスで仲間と、ネスカフェを飲みたい」という人を「ネスカフェアンバサダー」名義で募集し、ネスカフェバリスタというコーヒーマシンを無料で配布しているのは有名な話。それでも採算が合うのは、これが戦略的な「ジレットモデル」だから。

ジレットモデルとは、消耗品で利益を得るビジネスモデルのこと。ひげ剃りで有名なジレットが、ひげ剃りの手持ち部分は利益を抑えて安値で大量に販売し、消耗品の替え刃で設けるシステムで成功したことからついた名です。本体を安くして、トナーやインクなどの消耗品で儲けているプリンタやコピー機にも、この手法が取り入れられています。

ネスカフェバリスタは無料ですが、取り替え式の専用コーヒーカートリッジを買わなければコーヒーが飲めないため、ユーザーは長期間にわたって継続的に、利益率の高い専用カートリッジを買ってくれるというわけです。

製品本体を安く売っても無料で配っても、大量のユーザーを抱え込めれば消耗品の儲けで充分に回収が可能。だから消耗品ビジネスは、価格設定さえ間違わなければ高収益ビジネスに育つというわけです。(109ページより)


5度目の正直で大ヒットしたセブンカフェ


2013年に登場した「セブンカフェ」は、わずか1年で4.5憶杯、500億円を販売したセブン-イレブンの大ヒット商品。しかも新たに女性客を取り込み、リピート率も55%。サンドウィッチや菓子パンと一緒に買う人も2割いるため、売上の相乗効果が見込めるといいます。セブン-イレブンにとっては、単なるコーヒー商品以上の価値があるということ。

たしかにこれだけ見ると、セブンカフェは順風満帆で成功したように思えます。しかしセブン-イレブンはすでに30年以上、店内でコーヒーを出すことに挑戦してきたのだといいます。しかし、なかなかうまくいかず、5回目の挑戦でようやく念願が叶ったのだそう。

最初は80年代前半。当時はサイフォン式コーヒーメーカーでまとめてコーヒーをつくり、注文のたびに小分けにしていました。味と香りを保つため1時間ごとにつくり変えるルールだったものの、店舗が忙しくマニュアルどおりに実行されないケースも多かったのだとか。

そこで1988年に、2度目の挑戦。木村コーヒー(現キーコーヒー)がセブン用に開発したコーヒーマシンを3500店舗に展開し、注文を受けてから淹れるドリップ方式に変更。しかし、焦げたような匂いが店内に漂うことになって失敗。そして90年代にはこの問題を解決すべく、カートリッジ方式を採用するも、コーヒーを粉末状にしたため風味が飛んでしまうことに。さらにはスターバックスの上陸によってエスプレッソなどの濃いコーヒーが人気になってしまいます。

そこで4回目から、「バリスターズカフェ」をスタート。2002年に数店舗でセルフ方式によるエスプレッソの提供を開始し、カフェラテも用意。安定した人気を得ることになります。ところが1店舗あたり1日25杯しか売れなかったため、5回目のチャレンジとしてセブンカフェを始動。幅広い客層にアピールするために「おいしく飲みやすい本格派コーヒー」を目指し、2年間かけて200社のコーヒーを分析。万人受けする味を決め、コーヒー生豆を厳選、新型コーヒーマシンを富士電機と共同開発し、2013年1月から全国販売を開始したのだといいます。

その結果、ようやく大ヒットにたどりついたというわけ。つまりセブン-イレブンの真骨頂は、仮説検証を愚直に繰り返すこと。仮説を立て、実行し、検証して、そこから得た学びを次に活かすからこそ、成功を実現できたのです。(123ページより)



コーヒーという共通したテーマをもとに、本書ではさまざまなビジネスメソッドが紹介されています。会話部分が多く読みやすいので、要点を効率的に引き出すことができるでしょう。

(印南敦史)

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