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印南敦史  - ,  07:30 AM

センスがよく心地よい、「ふだんの家庭料理」が教えてくれるライフスタイル

センスがよく心地よい、「ふだんの家庭料理」が教えてくれるライフスタイル

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発売されたのは2月末なので時間が経っていますが、それでもご紹介しておきたいのが『簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。』(佐々木俊尚著、マガジンハウス)。人気ジャーナリストとして知られる著者が、「素早く手軽に、お金をかけずに健康的な食生活を送るための実践的な方法」を紹介した書籍です。

著者によれば、ポイントは次の3つ。


1.外食ではなく、健康的で美味しい日々の食事を自分のものにするということ。
2.そういう食事は、実は安価だし、つくるのにも時間はかからず、調理も難しくない。
3.そこから始まる生活は、とてもセンスが良く気持ちの良いものであるということ。
(「はじめに」より)


そんなわけでレシピも豊富に紹介されているのですが、それ以上に見るべきポイントは、エッセイとしての質の高さ。断食体験から大きな影響を受けた「食」に対する考え方にぶれがないため、とても興味深く読めるのです。きょうは、そのあたりが明確に表現されている第1章「バブルを経てわかった結論。家の料理が一番の贅沢。」から、自身の食についての価値観の形成に大きな影響を与えたという「断食体験」を中心とした記述に注目したいと思います。


断食体験から学んだこと


学生時代に登山をしていたため料理には慣れていたという著者は、「一浪三留」で早稲田大学を除籍になった末に毎日新聞社に入社。12年にわたり事件記者を務めるも、脳腫瘍を患って長期休養を余儀なくされたという経験の持ち主です。しかも月刊アスキー編集部に移ってからも、潰瘍性大腸炎から腸閉塞まで、「病気のオンパレード」だったとか。

しかしその後、断食で健康になった奥様の姿を見て、自身も断食施設へ。それが、のちの食に対する考え方に大きな影響を与えることになります。


最初に断食に参加したときには空腹がつらくてたまりませんでした。(中略)でもこういう空腹感って、実のところはとても心理的なものです。(中略)じゃあどうしてこんなにお腹が空いてがまんができなくなるのかといえば、それは単純なことで、わたしたちが飢餓であることに慣れていないからなのです。(53ページより)


だから断食を何度か経験するうちに、心理的な恐怖は簡単に克服できるようになり、「空腹である」というからだの状態を楽しめるようになったのだといいます。空腹だとからだが軽く感じるようになり、まつわりつくような重さやだるさがなくなって、逆に気持ちいいと思えるようになるのだとか。

ちなみに断食をしても長い時間散歩するぐらいのカロリーは充分に残っており、だるさもないので普段よりたくさん歩けてしまうそう。本も集中して読め、夜もよく眠れる。「断食で身体の中のなにかのスイッチがパチンと切り替わり、快眠モードに入ってしまっているような感じ」に。(44ページより)


シンプルな生活の確立


そして断食は、味覚を極めつけぐらいに鋭敏にしてくれる、鮮烈で貴重な体験だったといいます。小松菜のジュースや薄い味噌汁など、断食期間中に口に入れたものの、素材の味に対する感覚がきわめてクリアになってきたのだとか。「素材の味って、なんて豊穣な世界なんだろう」と、驚天動地の新体験だったそうです。そして味覚の話だけに終わらず、このような体験を通じて著者は「いかにして生活をシンプルに、原点に立ち戻らせるか」というようなライフスタイルを確立しようと考えるようになっていくことに。


わたしたちは醤油や味噌をなくてはならない調味料だと思いこんでいるけれども、本当は必要ないのかもしれない。(中略)同じように、いまこの生活の中で「絶対にこれは必要だ」と思っているものの多くは(中略)脱ぎ去り捨ててしまうことが可能なのではないか。そういう「棚おろし」的な考え方を、直感的に身につけることができたという意味で、断食はわたしにとってとても意味のある体験となりました。(60ページより)


そして結果的に、以後の著者のライフスタイルはとてもシンプルになったそうです。不確実で流動的な時代であるからこそ、生活をシンプルにして、余計なものを背負わない。モノは極限にまで減らし、でも「私たちはどうやって生活を楽しんでいくのか」というライフスタイルについてだけは、ちゃんと構築していく。

不確実な時代に不確実な生活を送っていたら、なにも依拠できるものがなくなってしまう。せめてライフスタイルや、「誰とつながるのか」という人間関係を構築的に生きていこうということ。本書において「食」をキーワードとしながら、著者はそんなことを訴えかけているわけです。なぜならそれは、21世紀にいちばん適した生き方だから。(55ページより)


健康的な食生活は誰でも送れる


しかし著者が言う「構築的なライフスタイル」とはなんでしょうか? 食生活について言うと「健康的だけど、値段が高くて、面倒で、でも食べにくい」料理ではなく、「健康的で、値段が安くて、超かんたんで、そして食べやすい」料理だといいます。

つまり、お金のかかるブランド志向な「美食」ではなく、安価だけれど不健康なスーパーの総菜やコンビニの「ファスト食」ではなく、健康的だがお金も手間もかかる「自然食」でもない。それらの中間あたりに、もっと健康的でもっとおいしく、お金もかからず、そしてかんたんな「シンプル食」はあると提案をしたいということ。(65ページより)


これからは、ハレの日の見栄じゃなくて、日常を大事にして、日常を他人に認めてもらう時代。
高いファッションじゃなくて、ふだん着。
高級レストランの美食じゃなくて、ふだんの家庭料理。
私たちの自己表現は、これからはそういうふうになっていくんです。
(81ページより)


この一文にあるとおり、ただ「食」に特化しただけではなく、その考え方をライフスタイルや生き方にきちんと結びつけている。そこに本書の意義があります。だからこそ、本書は読み手の心をつかむのでしょう。


(印南敦史)

  • ,,,, - By

    友清哲

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