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松尾仁松尾仁  -   08:00 PM

シンガポールで起業するためのオープンソース その2〜物件探しと内装について〜

シンガポールで起業するためのオープンソース その2〜物件探しと内装について〜

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シンガポールにギャラリーショップをオープンしたプロデューサーの体験記「シンガポール進出のためのオープンソース」、第2回目は、物件探しと内装についてお話します。

連載1回目で書いた「法人設立とVISA取得」が終わったら、次は場所探しです。シンガポールの物価は東京より高く、マリーナベイサンズができた4年前と比べると物価は倍になったとも言われています。ショッピングエリアとして人気のオーチャードの場合、40平米で40万円から100万円ぐらいが相場のようです。

物件契約で気をつけたいのは貸し手優位であること。多くの外資系企業が物件を探しているので競争が激しくなっています。私の場合はプレゼンテーションシートを作ってプロジェクトを説明し、業務計画書を提出しました。


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EDIT LIFE を出店したサービスアパート&商業施設Robertson Walkの外観。


シンガポールの人気エリア、どこに出店するのが正解なのか


シンガポールで商売を始めるにはどのエリアがいいのか。もちろん業種によって異なりますが、参考までに私見を書いておきます。


おすすめエリア01:安定した集客が魅力のオーチャード

ファッション、ビューティー、生活雑貨などの分野で高所得者層をターゲットにする場合、王道はオーチャードです。常夏の国、シンガポールでは、人々はクーラーのきいたショッピングセンターで買い物をまとめたいようで、オーチャードにはショッピングセンターが連立しています。伊勢丹、高島屋などが出店しているのもこのエリア。物価は高いですが、平日も週末も人が多いため安定した集客が見込めます。東京で例えると銀座、表参道というイメージでしょうか。


おすすめエリア02:クリエイターが集まる街、チョンバル

シンガポールで人気の本屋「Books Actually」や、おしゃれなカフェ「PLAIN VANILLA」、ヨーロッパ雑貨などを扱う「STRANGELETS」など、スタイリッシュな店舗が増えているのがチョンバル地域。こちらはショップハウスという元々は住宅だった場所を改装してお店にしていることが多いです。デザイナー、クリエイターなどのオフィスが多いのも特徴で、東京で例えると青山のイメージ。


おすすめエリア03:リバーサイドのレストラン街、クラークキー

クラークキーは外資系駐在員やローカルの高所得者層がディナーに訪れる場所。川沿いの気持ちいいスポットで、シーフードレストラン「JUMBO」、インドシナレストラン「IndoChina」、ブリュワリー好きが集まる「Brewerkz Restrant & Microbrewery」など、多くのレストランが並んでいます。飲食店経営を行うならここと、ボートキー、クラブストリートなどのエリアをチェックしてみてください。


おすすめエリア04:高級住宅街、ロバートソンウォーク

ロバートソンウォークは、コンドミニアムという高級マンションが立ち並ぶ住宅エリア。ワイン販売店が運営する人気レストラン「Wine Connection」や、元BEAMSのKOZOさんが代表を務めるセレクトショップ「COLONY CLOTHING」、黒毛和牛の高級焼き肉レストラン「焼肉 矢澤」などが出店しています。私が代表を務めるギャラリーショップ「EDIT LIFE」も、このエリアの商業施設「Robertson Walk」にオープンしました。キッズスクールなどもあって、生活に寄り添うショップの出店に向いていると思います。


おすすめエリア05:シンガポールの裏原宿、ハジレーン

アラブストリートの1本南にあるこの通りも、最近注目のスポットです。女性に人気のカフェ&ショップ「WONDERLAND」、壁にペイントが施されたメキシカンレストラン「Piedra Negra」、カクテルがおいしいバー「Bar Stories」、TATOOショップ「VISUAL ORGASM」など、多様なショップが並んでいます。ショップハウス物件が並ぶこのエリアは裏原宿のようなイメージで、若者をターゲットにするならばチェックすべきだと思います。


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アイラッシュサロン「LUCIEO TOKYO」の内装デザインCG。黄色からグレーのグラデーションで女性らしい雰囲気。


シンガポールで成功している日本チーム


シンガポールでは、世界各国の人々が拠点を置いてビジネスを行っています。日本人チームの活躍も目覚ましいので紹介しておきます。先に挙げた高級焼き肉店「焼肉 矢澤」、セレクトショップ「COLONY CLOTHING」のほかにも、高級寿司店「AOKI」、ヘアサロン「KIZUKI+LIM」、アイラッシュサロン「LUCIEO TOKYO」、セレクトショップ「atomi」など、各ジャンルのショップがビジネスを展開しています。

「焼肉 矢澤」、「AOKI」は高級レストランですが、それに相応しい食材や技術が評判です。「COLONY CLOTHING」、「atomi」は洋服や雑貨のセレクトのセンスが良くて、 「KIZUKI+LIM」、「LUCIEO TOKYO」は日本のビューティー技術で高い評価を受けています。それぞれのお店の価格帯は日本と同じかそれ以上ですが、それに見合ったサービスがあれば受け入れられるのがシンガポールビジネスの魅力だと思います。

内装へのこだわりも大事だと感じました。外資系高級レストランはもちろん、ローカルの人々が作るお店もクオリティの高い内装デザインが増えています。「EDIT LIFE」と「LUCIEO TOKYO」は、建築家の永山祐子さんにデザインをお願いしました。女性らしい雰囲気のアイラッシュサロンでは、内装が気になって来客する方も多いですし、白いネオン管と台形の什器が目を引くギャラリーでは、レンタルスペースとして使いたいというお話もいただきました。ちなみに「COLONY CLOTHING」の内装は建築家の谷尻誠さんにお願いしたそうです。


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セレクトショップ「COLONY CLOTHING」。谷尻誠さんによる内装デザイン。


内装費は日本と同じが、それ以上


日本の建築家や内装デザイナーにお仕事をお願いするかはさておき、シンガポール内で信頼できる施工会社を知っておくことも大切なポイントです。私たちはデザイン&施工会社「Chanto Design」のチームに入っていただきました。内装デザイナーとしてのキャリアも豊富な代表の福本さんは、自身でバーやレストラン経営もされている信頼できる方。日本の建築家との仕事にも慣れていますし、福本さんにデザインと施工の両方をお願いするのも安心だと思います。

内装コストは日本と同じぐらいか、少し高いのが相場です。専門店の場合、坪単価50万円から70万円ぐらいで予算を組んでおいて、見積もりをもらうのがいいと感じました。気をつけたいのはスペースごとにスプリンクラーの設置が義務づけられていること。また国やビルオーナーに図面を提出する必要があること。スプリンクラーの工事が必要な場合は追加で100万円前後の費用がかかるでしょうし、図面チェックに時間がかかる場合もあるので、事前に確認をしておくといいと思います。

私が出店したロバートソンウォークは内装期間の料金フリー猶予が1ヶ月でした。物件が決まらないと内装デザインができないので、CG画や図面を急いであげてもらって、ビルオーナーや国に確認をとって、少しでも早く施工に入ることが大切です。

店舗の物件契約に必要だったお金は敷金3ヶ月分、前家賃1ヶ月分。ほかにも工事のためのデポジット(保証金)16万円、書類作成のためのスタンプ作成代16万円などがかかりました。不動産仲介業者への報酬は家賃1ヶ月分が一般的ですが、店舗などの高額物件については、ビルオーナー側が仲介料を支払うことも多いようです。私たちの場合はオーナー側が払ってくれました。

物件契約で大変だったのは、契約書類があまりにも膨大だったこと。25ページのサマリーに、88ページの本契約書、26ページの内装工事注意点。英語の専門用語が並ぶ書類と格闘し、法律の専門家に問題がないかのチェックをしてもらいました。翻訳会社にすべてをお願いすると高額になるため、英語が得意な知り合いに概要を教えてもらって、重要なところだけを翻訳会社にお願いしました。また法律のチェックも知人にお願いしました。一般的な翻訳会社にお願いすると、1ページ1万円と計算しても100万円コースですし、法的アドバイスも資料をすべて読んでもらうので数十万円程度かかる可能性があります。そのため英語や法律の得意な知り合いがいる場合には、協力を仰ぐのが懸命だと思います。

結論としては、物件契約書の翻訳はサマリーの重要部分だけをお願いして、法的アドバイスも信頼できるビルオーナーであれば必要ないかもしれない、という印象を持ちました。シンガポールという国が安全なビジネス体制を構築している点が理由のひとつ。そしてもうひとつは、現場の担当者は、金額面以外はそこまで気にしていないからです。例えば、現在は使われていない条例に従うという1文があったので指摘したところ、「改訂した条例に従ってもらいますが、他のテナントもサインしているから、とりあえずこれにサインしてください」という返事でした。シンガポールで10年以上ビジネスをしている方に聞くと、こちらが細かく指摘すると、相手が面倒くさがって契約できない可能性があるので、受け入れるのが得策であるとのことでした。もちろん、相手が信頼できるオーナーであることが条件ですので、その判断はご自身でご検討ください。

ほかにも、半径3Km以内で同業種の商売をしてはいけないことや、ポスシステムを導入すべきと書かれているのに、「導入しなくてもいい」と言われるなど、疑問に思うこともありましたが、基本的にはビルオーナーに従うべき、というのが現状なのかもしれません。
 
こうして、私の物件契約と内装についての闘いは終わりました。次回は「オープン準備とPR」について書きたいと思います。


松尾仁/プロデューサー、編集者


1979年生まれ。CM制作会社東北新社にてCM制作を経験した後、フリーランスのエディターとして雑誌『Relax』『Hanako』『BRUTUS』、WEBメディア『X BRAND』『Lifehacker[日本版]』などで編集・執筆を行う。2013年からメディア制作会社PAVLOV.に所属。シンガポール、東京を拠点に展開するギャラリーショップ「EDIT LIFE」のプロデュースを担当。

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