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松尾仁|編集者、プロデューサー

松尾仁|編集者、プロデューサー

 - ,  05:00 PM

シンガポールで起業するためのオープンソース その1〜法人設立とVISA取得について〜

シンガポールで起業するためのオープンソース その1〜法人設立とVISA取得について〜

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はじめまして。パブロフ.という会社でプロデューサー、編集者をしている松尾仁です。ライフハッカーでは編集・執筆のお仕事をさせていただいているのですが、昨年から自社のプロジェクトとしてアジア進出企画のプロデュースを始めました。その様子をライフハッカーでコラム連載させていただくことになったので、宜しくお願いします。


アジア戦は既に始まっている。まずはスタート地点を目指そう。


2014年8月6日、シンガポールのロバートソンウォークにEDIT LIFE(エディット ライフ)というギャラリーショップをオープンしました。コンセプトは、「雑誌を編集するように、生活を編集する」こと。日本のクリエイター作品や生活雑貨を、シンガポールを経由して、その先のアジアに展開していく場所にしたいと思っています。

「どうしてシンガポールなの?」とよく聞かれるのですが、日本国内の市場だけを見据えていたら不安になった、というのが根本的な理由です。例えば、欧米諸国の有名ファッションブランドは、世界を市場と考えて、景気のいい国にはいち早く旗艦店を展開しているのに、日本の企業は、それが不得意だと感じるんですよね。70年代から90年代初頭にかけて。日本の景気が良かった時代は、ハイブランドは日本の動向を気にかけていました。けれど、市場が中国に移るや否や、すぐに中国の動向を経営方針の軸に据える。これは嘆いてもしょうがないこと。その場所で、モノが売れるわけですから当然のことだと思います。

日本はこれまで不景気とは言え、ある程度の市場が国内にあったのだと思います。そのため一部の企業を除いて積極的に外に出る必要がなかった。国外に出て行くのが苦手なのもそのためかもしれません。しかし、近隣諸国で大きな市場が育っていて、しかも日本は一部地域を除いて同じアジアの人種として信頼も厚いのに、その"アジア戦"に参戦しないのはもったいない、と思いませんか? 

もちろん、公用語も法律も異なる場所で商売をするのは大変なことです。でも、諦めてしまったらチャンスをモノにすることはできません。市場は多い方がいいし、この先ずっと国内の市場が潤沢である、ということは約束できない。そんな想いとともに、昨年からアジア進出のプロジェクトを始めました。


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シンガポールの朝焼け。定宿、ホテル フラマリバーフロントの窓からの景色。


この記事は、これからのアジア戦に挑む日本企業にとって、オープンソースになれば嬉しいなと思っています。一歩進むごとにハードルが現れて、それを越えると、また新たなハードルが現れる......。海を越えると、日々、ドラマティックな展開が待ち受けているのですが、それを越えなくては闘うことすらできないのですから、前進あるのみです。そんな思いとともにオープンまで辿り着いた1年間を、私が思う大切な項目ごとに、記させてもらうことにします。

ただ、海外進出を専門にされている方からすると、当たり前のことも多いと思います。今回の記事は、何も知らない者が、海外で事業を起すためのHOW TOとお考えください。


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マリーナベイ・ファイナンシャルセンターから見た、夜のマリーナベイ地区の様子。


シンガポールで会社を起すには、まずは、どうしたらいいのか?


まず、会社単位でシンガポールで商売をするためには、シンガポールに支社を設立することが必要です。まず私が行ったのは、海外起業のHOW TO本を数冊読むことと、法人設立代行の会社を調べること

法人設立代行とはシンガポールで起業することをサポートしてくれる会社です。現地で動けるスタッフがいない場合、代行をお願いするのが一般的ではないでしょうか。

会社設立するために主に必要な費用は以下です。


法人設立費:16万円
会社秘書役:10万円
現地取締役名義貸し 24万円
名義貸し保証金 15万円
レンタルオフィル(一ヶ月) 5万円
就労ビザサポート 16万円


このほか会社印作成、書類英訳費、レンタルオフィス保証金などを加えると、合計で100万円ぐらいのコストがかかりました。また、法人設立の際には現地でサインをしなくてはならないため、別途渡航費がかかります。

しかし、そもそも、会社設立の際に必要な、現地取締役、会社秘書役とは何なのか?という疑問が浮かびます。

シンガポールで会社を起す場合、シンガポール居住者である現地取締役を1人任命しなくてはなりません。現地スタッフと会社を起す場合には、その方にお願いすればいいのですが、そうでない場合、法人設立代行のスタッフ、もしくは現地の知り合いにお願いすることが一般的なようです。

そして日本のスタッフがVISAを取得したら、代行会社の方は取締役から外れ、VISAを取得したスタッフが現地取締役になります。

つまり、現地で名前を貸してもいい、と言ってくれる信頼できる人がいる場合、24万円は必要なくなるわけです。この辺から、シンガポールという国はしっかりしているな、手強いな、お金がかかるなと、私は実感してきました。

これは優遇税制があるシンガポールにおいて、会社登記だけをして、実際には国内で稼働しない会社の参入を防ぐためなのかもしれません。

次に会社秘書役とは、議事録などの法定書類を会社のために作成して、登記、保管する役割の人のこと。こちらは現地居住者か、現地法人でなくてはなりません。

と、何やら堅い話になってきましたが、要は会社設立するには、思ったよりもコストがかかる仕組みになっている、ということです。

これらのコストは現地の法人代行会社に頼む場合、10%から30%ぐらいは安くなる可能性があると思いますので、英語でコミュニケーションがとれる場合には、そちらからも見積りもとるのがいいかもしれません。


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シンガポールの街は高層ビルばかりではなく、散歩すると様々な国の情緒を感じることができる。フォート・カニング・パークの近くにあるスリ・タンダユタパニ寺院と、アラブ人街にあるサルタン・モスク(右)。


年々、難しくなっていく、日本人スタッフのVISA取得。

シンガポールで働く場合、日本人を含む、外国人VISAの取得が年々難しくなっています。何が難しくなっているのかというと、VISAがおりる年収金額が年々、上がっているということです。これは、現地の雇用を奪うことのないように、海外からの人材は、高学歴者、もしくは高技術者、つまり、年収が高い人以外は入って来ないでください、という国策だといえます。

シンガポールは"優しい北朝鮮"なんて言われることもあるのですが、国が、繁栄するための仕組み作りを戦略的に行っているのだと思います。税制優遇を取り入れて海外企業を誘致するけれど、信頼のない企業は入れないようにする。学歴や技術のある人材だけを求める。観光国となるためには、ビルの上に船を乗せた近未来ホテルを作るし、国の文化レベルを上げるためには、アートに特化した地域を作るなど、時代を生き抜く都市構築を国レベルで目指していると感じます。

さて、話が逸れましたけれど、VISAにはいくつか種類があります。


EP(P1):一定以上の学歴もしくは特殊なスキルを持つ人。月収8000ドル以上。
EP(P2): 一定以上の学歴もしくは特殊なスキルを持つ人。月収4500ドル以上。
EP(Q1): 一定以上の学歴もしくは特殊なスキルを持つ人。月収3300ドル以上。
S:専門学校、短期大学以上の学歴を持つ人。月収2200ドル以上。


VISAについては、どの学歴で、どの年収であれば、どのVISAがおりる、とは言い切れないものだそうです。というのも、一見、同じ条件で申請しても、おりた人とおりなかった人がいる事例があるとのことでした。経営陣としては、月収を抑えてVISAをとりたいと願うのは当然なのですが、先述した通り、シンガポール政府の意向としては、学力や能力のある人以外は必要としない、という思いがあるわけです。

そしてそのVISA取得のためのラインの詳細は公開されていません。ここは誰しもが頭を悩ませるポイントではないでしょうか。一流大学卒であれば月収4500ドルにしてEP2を狙えるのではないか。専門学校卒であれば、技術が高いことを示すために月収8000ドルを提示した方がいいのではないか。鮨職人のような特別な技術職であれば、月収が低くてもVISAがおりるらしい。そんな情報が交錯する中で、VISA申請をして、ただ、ひたすら1ヶ月ほど待たされることになります。

実際に挑んでみた感想としては、VISA取得の確立を上げる方法は、月収を上げて人材の優秀さを証明するしかないのかもしれない、と思いました。これもやはり、シンガポールの戦略、と言えるのではないでしょうか。

ただ、日本からスタッフが行く場合、家賃補助や生活補助をいれて、その月収を支払うという考え方をすると、高額であるという意識は少しは和らぐのかもしれません。

ちなみに、法人設立の会社にコンタクトをとってから、会社設立をして、スタッフのVISAがおりるまでの期間は、約3カ月かかりました。

メールに添付されてくる見積もりを開く度に驚愕し、その説明を聞く度に、仕方がないことなのか、と気持ちを新たに前進する3ヶ月でした。しかし、この先に待ち受けている物件探しや内装コスト、現地人材雇用の給与のことを振り返ると、まだまだ序章だったのだなと、いまは思うのです...。

次回「シンガポールで起業するためのオープンソース その2〜店舗物件探しと内装について〜」に続く...


松尾仁/プロデューサー、編集者
1979年生まれ。CM制作会社東北新社にてCM制作を経験した後、フリーランスのエディターとして雑誌『Relax』『Hanako』『BRUTUS』、WEBメディア『X BRAND』『Lifehacker[日本版]』などで編集・執筆を行う。2013年からメディア制作会社PAVLOV.に所属。シンガポール、東京を拠点に展開するギャラリーショップ「EDIT LIFE」のプロデュースを担当。

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