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印南敦史  - ,,  07:30 AM

女性の可能性に任せ、伝えることを工夫し、そして信じた会社の成功例

女性の可能性に任せ、伝えることを工夫し、そして信じた会社の成功例

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女性社員にまかせたら、ヒット商品できちゃった ~ベビーフット、ミリオンセラーの秘密』(中島隆著、あさ出版)の著者は、朝日新聞の編集委員。記者経験をもとに、中小企業を専門分野としているのだそうです。もともとは大企業ばかりを取材してきたものの、08年のリーマン・ショックをきっかけに、すべてを中小企業の視点から考えることにしたのだとか。


中小企業の現場にうかがって、人間ドラマを発掘していくうちに、こんなことを感じるようになりました。
「どん底にいる経営者も、新たな経営策を考え、未来を信じ、前を向いて、がんばっていれば、かならず神様は微笑んでくれる」
きれいごとを言っているわけではありません。
(「はじめに」より)


そんな観点から、ちょっと変わった美容グッズを開発/販売して大成功させた「リベルタ」という小さな会社のサクセス・ストーリーを追ったのが本書。そのストーリーを公開してしまうと読む楽しみがなくなってしまうので、きょうはリベルタのオリジナリティに焦点を当てたII「ちいさくてもヒットをつくる3つの力」に焦点を当ててみたいと思います。


女性の力


リベルタはベビーフットという自社ブランド商品を持っています(本書のストーリーの軸になっているものです)。ただし、広告宣伝にかける予算がなく、人脈などのコネもなく、人海戦術にかけるだけの社員もいない状態。にもかかわらず、累計販売数700万以上、年間100万個を超えるミリオンセラー実積を叩き出したのだとか。しかも現在、約45カ国に輸出しているといいます。しかも、そんな奇跡を起こすことができたのは、「女性の力」「伝える力」「信じる力」という3つの力のおかげだったのだそうです。

女性の力については、「スイッチが入ったときの女性の突破力はすごい」と著者は感想を記しています。なぜなら、広告宣伝すら打てないような状況でも、女性の力がベビーフットを成功させた現実を目の当たりにしているから。仕事のみならず、家庭やプライベートの悩みなど、さまざまな苦労や葛藤を抱えながらも、「商品の魅力を伝えたい」という気持ちが不可能を可能にしたということ。結果,その気持ちがいろいろなところに結実し、売り上げが上がり、世間から注目されて、また売り上げが上がる。そこには、「本来あるべき商売のスタンスがある」といいます。


ここで男女論を述べるつもりはありませんし、わたしにそんな資格もありません。でも、世の中の会社、特に、人が足りないと感じている中小の会社であれば、もっともっと女性の発想や行動を活用すべきだと思うのです。そして、そのような場や環境を、経営者が用意してあげることが必要だと思うのです。
(170ページより)


机上の空論ではなく、実際に自分の目で見てそう感じた著者のことばには、強い説得力があります。(162ページより)


伝える力


リベルタの奇跡の理由の2は「伝える力」、その根底に根ざすのは、「相手の立場に立って考える」ということ。その姿勢を徹底させているからこそ、取扱商品の9割以上が、程度の差こそあれ利益が出ているのだといいます。

純粋に驚くべきことですが、つまりはそのための秘訣が、徹底的に買う人の側に立つことだというわけです。思わず笑ってしまったのは、ここで紹介されている『それいけ!アンパンマン』の知育玩具を仕入れ、通版会社に提案したときのエピソード。

このような商品を売り込もうという際、多くの人が考えるのは「お子さんに使い方を説明していただいて使わせれば、お子さんは、こんなふうに成長します」というようなものであるはず。しかしリベルタがつくると、そのアプローチはこうなるのだそうです。


「おかあさん、この知育玩具を使えば、あなたの家事が楽になります」
(176ページより)


メーカーの立場に立つのではなく、「その機能を説明すれば、おかあさんはわかってくれるはずだ」と期待しているわけで、これぞ「相手の立場に立って考える」ということだと思い知らされます。(173ページより)


信じる力


ここで言う「信じる力」とは、経営者が従業員を信じる力のこと。リーマン・ショックで世界経済がどん底を経験したころ、著者は業績の悪化を社員たちのせいにして解雇する経営者をいやというほど見てきたそうです。一方、リベルタの社長である佐藤さんは、まったく違ったのだとか。


「雇った時点で社員が、仮に仕事ができない人だったとしてもOK。(中略)人の可能性は、全員に等しくあります。その可能性が花開く時期、タイミングが、みんな違うだけです。そのタイミングなんて、わたしがわかるはずがありません。親にだって、いや本人にだってわからないでしょう。解雇などできるはずがありません」
(196ページより)


社員を信じる。そして可能性に期待する。だからリベルテャ成功したのだということが、ここからもよくわかります。(193ページより)

ユニークで誠実なリベルタの姿勢には、学ぶべき多くのことがあると感じました。なお、ソフトな文体で書かれたストーリー仕立ての本編も、とても感動的で興味深い内容。ポイントは、中小企業を追い続けてきた人ならではの暖かな視点です。ぜひ手にとって、読んでみてください。


(印南敦史)

  • ,,,,,,, - By

    庄司真美

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