• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

小倉若葉|編集者、ディレクター

小倉若葉|編集者、ディレクター

 - ,,,,,,,  06:00 PM

「家族で海外移住」という選択。 多民族国家マレーシアで子育ても仕事もワクワクしながらやってみる!

「家族で海外移住」という選択。 多民族国家マレーシアで子育ても仕事もワクワクしながらやってみる!

140817wakuwakukaigai_top.jpg


アラフォー、子持ち、海外暮らし歴なし、英語力なし。でも、度胸だけはあるかも!? そんな私、ある日一家で日本を飛び出すことを決めました。

私が主宰するウェブサイト「ワクワク海外移住」の挨拶文は、こんな一文からはじまります。私が家族(夫+長男当時4歳+次男当時1歳+中型犬2頭→のちに4頭に!!)とともにマレーシアに移住したのは、2012年12月のこと。かの東日本大震災の直後、次男の妊娠が発覚し、家族で東京から徳島にある母の実家に身を寄せてから、1年9カ月が経っていました。



その日まで東京暮らしを謳歌していた


現在、マレーシアの首都・クアラルンプールにある自宅で仕事をし、1〜2カ月に一度の頻度で東京に単身出張するという暮らしを続けています。わが家の生業は、日本で暮らしていたときと基本は同じ。小さな会社を営みながら、私は編集者として、夫はグラフィックデザイナーとして、時間や場所にとらわれない働き方をしています。

浮き草稼業の自由人の生き方は、身分や収入が保障される代わりに何かと制約の多い企業人には参考にならない、と思われるかもしれません。けれど、時間や場所にとらわれず、自分の采配で働く。多くの人がそんな働き方をする時代は、確実に迫っています。だって、企業の未来どころか、国家の未来さえも、見通せない時代になってしまったのですから。今まで英語とは無縁の生活を送ってきた人でさえ、グローバル化に無関心ではいられない時代になってしまったのですから。

...なーんてえらそうなことを言ってますが、私自身は3・11がなかったら、今でも間違いなく東京でドメスティックな暮らしをしていたと思います!(笑)。自然が少ない、子育てがしにくい、家賃も物価も高いなどの不満はあるものの、神奈川の中途半端な地方都市で生まれ育った私にとって東京は、おもしろい仕事・個性的で才能溢れる仲間たち・おいしい飲食店・たくさんのアート&カルチャーが揃った、最高にエキサイティングな場所だったからです。

そんなある日、突然日本を襲った大災害と未曾有の原発事故。多くの日本人同様、私にとっても、まったく予期しない、それまで描いてきた人生設計が根底からくつがえったできごとでした。余震と原発事故への緊張が続くなか、退職後Uターンした両親が暮らす徳島へ家族とともに一時避難することを決めました。


田舎暮らしで見えてきたもの


140817wakuwakukaigai2.jpg

IT企業誘致やアート活動で全国的に有名な徳島県・神山町にて。自然たっぷりの徳島で子育てする選択肢もありましたが...わが家は最終的にマレーシアを選びました。


徳島に身を寄せてから、状況を見逃すまいと、相変わらず息を詰めるように情報を取り続けました。けれど、「そろそろ東京に帰ろうか」と思える材料は、残念ながらひとつもありませんでした。加えて、私自身の妊娠が発覚。この先、日本はどうなってしまうんだろう。仕事はどうなるだろう。子どもたちの未来は、友だちは、仲間たちは...。

えもいわれぬ不安と恐れに包まれながら日々を送るうち、ふと我に返りました。大人の暗い顔や神経質な態度は、子どもに確実に伝わってしまうもの。本当にこのままでいの...? そこで、腹をくくったんです。後ろは振り返らず、失ったものを数えず、見えないものに屈せず、とにかく毎日を笑って生き抜こう!と。

「それなら徳島でもよかったのでは? なぜマレーシアなの?」

何度こう聞かれたか知れません。自然豊かな徳島は、おいしいものが本当にたくさん。水も空気もきれいで、実はかなりの米どころだったりしますし、阿波牛や阿讃(あさん)豚は知らなくても、阿波尾鶏はご存じかもしれませんね。鮮魚やワカメ、昆布といった海の幸だけでなく、すだちやみかんなどの柑橘類、きのこ、山菜などの山の幸も豊富です。人々は温和だし、阿波踊りはあるし...いや、こうして並べてみると、改めて本当にいいところなんですよね(笑)。

でも、その"いいところ"に、たまたま母の実家があり、震災の勢いでやってきただけ。自分が本当にそうしたくてそこにいるわけじゃない。大好きな東京を離れたかったわけじゃない。そんな思いが、いつも頭の中をぐるぐるぐる...。加えて、人口減少による経済の縮小や、どこを見ても老人だらけという地方の実体は、ずしりと重たく考えるだけで憂鬱な気分に...。

都会暮らしにはすぐ傍らにあったアートもカルチャーもなく、目につくのは、大型の激安ショップやパチンコ屋やシャコタンの車など。今でこそ徳島にも関東や東北から多くの移住者がやってきて、おいしいパン屋さんやレストランなどを開業し、活性化している地域もありますが、震災直後はほとんど何もなかったのです。田舎暮らしに憧れる人は多いけれど、実際に経験してみると、買い物ひとつするにも不便だし、品数は少ないし、友だちはほとんどいないし、心躍るような仕事もない。正直とても退屈で、暗澹たる気分になることのほうが多かったです。

「何を贅沢言っているんだ?」と、今も福島やその他の地域から出たくても出られない方たちからはお叱りを受けそうです。でも、私にとっては、毎日をワクワク笑って生きることこそが人生で、不満や不安だらけの毎日を消化するような生き方は、望んでいなかったのです。いつ、どこに住むかは、誰かや何かに決められてしまうのではなく、自分で決めたい。そして、できれば、信頼する仲間たちと楽しく好きな仕事をしたい。そんな思いが常にありました。

徳島じゃなければ、大阪? 神戸?? でも、関東で生まれて育った私には、どれもピンとこない。関西文化を一から理解し、そこに溶け込む努力をすることは、ひょっとして外国文化を理解することと大して違わなかったりして? だったら、外国で暮らすのも同じなのでは? それに、そのほうがはるかに楽しそう! 夕刻、美しい里山の風景の中を、少し目立ちはじめたおなかを抱え、夫や息子、犬たちと散歩しているとき、突然「海外移住」の選択肢が降ってきたのです。

もともと海外旅行は大好き。そういえば、若いときはいつか外国に住んでみたいという夢もあったな。子どもたちには、世界は広くていろんな肌色の人がいて、いろんな言葉や文化があることを体感しながら大人になってほしいな...そう考えると、海外移住はこれ以上ないベストな選択肢という気がして、ワクワクしてきました。数カ月間にわたって心にかかっていた霧が、さあっと晴れていくのを感じました。


移住先にまったく縁のないマレーシアを選んだ理由


140817wakuwakukaigai3.jpg

最初に暮らしたデサ・パークシティ。マレーシアでは珍しく遊歩道が整備され、セキュリティも万全。犬との暮らしや子どもの預け先を考慮して、のちに庭付きの家に引っ越しました。


そうと決めたら、早速リサーチ開始です! その晩、息子が寝たあと、本当に久しぶりにウキウキしながらパソコンを立ち上げ、情報収集をはじめました。ちなみに私が夫に「海外に移住したいんだけど」と打ち明けたのは、少しあとのことです。生まれも育ちも東京の夫。徳島暮らしをそれなりに楽しんでいたものの、見通しの立たない将来に不安を感じているのはきっと同じはず。だからこそ、ただ漠然と「海外移住したい」と伝えるよりは、ある程度、移住先を絞り込み、現地の治安や生活費、教育などを調査し、どんな働き方をすれば暮らしていけるか、一通りシミュレーションしたうえでプレゼンテーションするほうがいいと判断したのです。

「えっ、徳島の次は外国!?」

最初はそう言ったきり絶句した夫。それでも「もう一度ワクワクしながら暮らしたい」という思いを伝えると、想像していたよりもあっさりと同意してくれました。ただし、食べることや飲むこと、アート、音楽、サッカーなどが大好きな夫は、移住先候補に自分が興味のあるヨーロッパの国ばかり挙げるので、ビザを取るのがどれだけ大変か、今から英語以外の言葉を修得するのにどれだけ時間が必要か、理解してもらうのに少々時間がかかりましたが(苦笑)。

そう、どうして移住先にマレーシアを選んだのか? 私が過去マレーシアを訪れたのは、15年以上前にシンガポールを旅行した際、日帰りでジョホールバル観光したたった一度だけ。夫にいたっては、東南アジアに行ったことさえありませんでした。

マレーシアに決めたのは...ズバリ、消去法です! 夫婦どちらも海外暮らしの経験がなく、英語力も極めて頼りないわが家が海外移住するにあたって、絶対はずせない条件は、下記のとおりでした。


1. 外国人が長期滞在しやすい

海外移住を考えたとき、必ず問題になるのがビザ。滞在目的が駐在でも結婚でも留学でも投資でもない外国人が暮らせる国は、非常に限られています。長期滞在ビザが比較的取得しやすいといわれている国は、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、フィリピンあたりでしょうか。日本がそうであるように、外国人を歓迎しない国は実際にはとても多いのです。


2. 治安がいい

そこで暮らすのですから、これはもっとも重視するべき事項のひとつです。でも残念なことに、実際にマレーシアに住んでみると、それほど安全なわけではないことがわかってきました。


3. 英語が通じる

40代になってもブロークンイングリッシュのまま生きてきた私。英語さえあやしいのに、他言語をマスターするのはちょっと...。それに、子どもたちには日本語の次に英語を覚えてほしいという希望もありました。ちなみにマレーシアでは、マレー語のほか、英語、中国語、タミル語などが話されています。バイリンガルやトライリンガルはデフォルトといっていいレベル、4カ国、5カ国語を話せる人も珍しくありません。しかし、多言語教育の問題点もそれなりにあることがわかってきました。


4. 光ファイバーが通っている

基本日本からの仕事を外国でするため、インターネットが生命線。しかも、印刷用の重たいデータを扱うことが多いので、光ファイバーが絶対必要です。一時ニュージーランドも移住先の有力候補でしたが、日本から遠すぎるのとADSLが標準でしかも従量制だったため、断念しました。


5. 日本と行き来しやすい

頻繁にマレーシアと日本を行き来する必要があるため、トランジットがなく、交通費が安いことも重要でした。マレーシアのLCC、エアアジアのおかげでクアラルンプール⇔羽田間は、徳島⇔羽田間より安いのです!! キャンペーン中だと、片道1万円くらいで手配できます。


140817wakuwakukaigai4.jpg

年々上昇する物価と円安の影響を最小限に抑えるため、買い出しは市場へ。新鮮な魚や肉、野菜、くだものなどがスーパーより安く手に入ります。


6. 物価が高くない

生活費には限りがあるため、物価は安いほど助かります。しかし、ほかのアジアの国同様、マレーシアもインフレ気味。IMFが発表した2014年4月時点のマレーシアのインフレ率は3.3%。物価も学費も年々上がり続けています。このまま円安に加えて物価が上昇を続けたら...クアラルンプールを離れることを検討する日が来るかもしれません。


7. 人種差別が少ない

日本人はマイノリティになるため、毎日学校に行く子どもたちにとっては切実です。その点マレーシアはいろんな肌色の人がいて、多文化・多言語教育ができるのが魅力です。それでも、思いもかけないマレーシア人の言動に、ビックリすることはよくあります。


8. 教育環境が整っている

クアラルンプールやその近郊には、30校以上のインターナショナルスクールがあります。さまざまな国籍の子どもたちと、英語だけでなく、中国語、マレー語なども学ぶことができます。日本やタイのインターナショナルスクールと比べると、やや割安感のある学費も決め手になりました。


9. 寒くない

個人的に寒いのが大の苦手!! ですから、カナダは最初から対象外でした。ところで、「マレーシアはものすごく暑い」という印象をもっている方が多いようですが、日本の夏よりははるかに快適です。晴れた日は30℃を超えますが、夜は22〜24℃くらいのため、朝晩は涼しく感じるくらいです。


以上の条件をもっともクリアしていたのが、マレーシアだったというわけです。しかし、実際に暮らしてみると、期待していたほどではなかった、想定外だった、ということも。たとえば、治安は一般にいわれているほどよくありません。むしろ、年々悪化している印象です。子どもの誘拐事件も頻繁にありますし、引ったくりの類いはもはや日常。

物価や学費も日本と比べると安いとはいえ、家族で生活してみると、思ったよりお金がかかることもわかりました。また、マレーシアのインターナショナルスクールが、どこの学校もすばらしいかといえばそんなことはなく、日本の公立学校のほうがはるかに高いレベルで行き届いた教育をしているという学校も散見されます。

これらマレーシアに暮らして直面した現実については、次回以降、書きたいと思います。


小倉若葉(おぐら・なおよ)
神奈川県生まれ。WAKUWAKU MALAYSIA SDN. BHD.代表取締役、有限会社デュアル取締役。編集者、ディレクター。青山学院大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、1999年独立。2000年より東京・渋谷区恵比寿に拠点を構え、広告やウェブサイトの制作をする傍ら、NPO法人などでも活動。アートプロジェクトやチャリティイベントなどを立ち上げてきた。2011年3月より徳島に、2012年12月よりマレーシアに拠点を移し、クアラルンプールと東京を行き来しながら、マレーシアの生活情報や教育情報などを発信している。
主宰する「ワクワク海外移住」では、デイジーのニックネームでブログ「クアラルンプール、ときどき東京。」を書いている。


MORE FROM LIFEHACKER

powered by
 

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.