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印南敦史印南敦史  - ,,  07:30 AM

震災が教えてくれた「手段」「分析」「活用」「目的」の大切さ

震災が教えてくれた「手段」「分析」「活用」「目的」の大切さ

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東日本大震災復興支援を目的としたNHK・Eテレの「東北発☆未来塾」は、観光や街づくり、漁業、教育、ボランティアなどのテーマに基づき、東北の未来を担う若者が、さまざまな業界で活躍する講師から"未来を創るチカラ"を学ぶという番組。

そして、その内容を書籍化したのが、きょうご紹介する『「考える」力をつくる30のルール』(長野真一著、アスコム)です。番組に出演した講師のことばをもとに番組スタッフが作成した「ゴールデンルール」の一部を選び出し、再構成したもの。第4章「困難に打ち勝つルール」から、いくつかを抜き出してみましょう。


つなぐことで社会は変わる


新規事業を立ち上げようとするときには、多くの資金とリソースが必要になると思いがち。しかし、意外なほど安価に、社会を変える価値を生み出す方法があるそうです。それは、すでに世の中で活動している人や組織をつなぐことで、弱点を補い、長所をふくらませること。

事実、震災後は多くの社会起業家が復興支援を目指して被災地で活動をはじめたのだとか。ボランティアの場合は、よほどうまく組織されていないと長続きさせることは困難。でも「利益を上げて次の支援に回す」という社会企業の仕組みを使えば、永続的な支援が可能になるということです。

ただし社会起業の大半は、人やお金が潤沢にあるわけではありません。そこで必要なのが、限られたリソース(資源)で、最大限の効果を生む「仕組み」をつくること。そしてここでは、社会起業家のコンサルティングを続けてきた加藤徹生さんのことばが引用されています。


ひと言でいえば、「すでにそこにあるものを"つなぐ"こと」。
(120ページより)


たとえば震災後の被災地では、①住み慣れない場所で外出の機会が減った人たち、②客足が減った地元のスーパーマーケット、③運行を復旧しきれていないバス会社があったため、それら三者を結びつける「ぐるぐる応援団」というプロジェクトが生まれたのだとか。スーパーからバス会社に予算を提供し、バス会社は格安で住民をスーパーに運ぶ。仮説の住民たちが買い物に出る。こうしてスーパーは売り上げを伸ばし、バス会社は運休しているバスを有効利用でき、住人は外出の機会が増えるという循環ができる。

多額の資金を調達し、モノを生産し、販売ルートを開拓するのではなく、すでにそこにある企業や人のニーズをつなぐだけで、いままでなかった価値を生むことができるというわけです。(118ページより)


有効なプランの裏側にある課題


宮城県七ヶ浜町は、他の自治体にくらべ、高台移転を含む具体的な町の再生計画がいち早く公表され注目を集めました。こうした実効性のある計画を立てるためには、大切な物事の進め方があるそうです。それは手段、分析、活用目的の4段階を、明確に意識しながら進めること。そして、ここで取り上げられているのは、津波で全体の3割が浸水した町の復興に伴う高台移転の問題です。

大津波が押し寄せても被災にあわないように、あらかじめ高い場所に住宅地を建設して移転する高台移転は、将来の防災に役立つように見えます。しかし家を建てるには借金して住宅ローンを組む必要がありますし、年齢によってライフプランも異なるもの。住民の納得を得ながら計画を立てるには、綿密なコミュニケーションが必要となってくるわけです。
(131ページより)


手段、分析、活用、目的を明確に


そこで大切なのが、手段、分析、活用、目的の4段階に整理して進めること。まずは手段。この場合だと、住民からの聞き取りがそれにあたるといいます。みんなが集まって話す場を設け、直接話を聞いたり、その内容をもとにつくったアンケート調査を繰り返すということ。

次に分析。聞き取り調査から得られる意見は千差万別なので、そのままの状態で方向性をつかむことは困難。そこで「なぜ住民はそう考えたのか」「根拠はなにか」「メリット、デメリットはなにか」などを整理して、バラバラの考えを比較する。

そして、分析結果を活用。この場合だと、どんな移転を望むか、住民に具体的な選択肢を示し、住宅の再建にかかる費用を試算して公表したといいます。結果的には、具体的に示された数字が、住民たちの意思を決める大きな材料になったそうです。

こうしたプロセスを経た復興計画において、ぶれなかったのが目的。それは、住民が何を優先したいかを把握し、住民が納得する街づくりをするということ。そして調査をもとに選択肢を提示するというプロセスは、住民自身が主体的に関わっていることを無意識に感じてもらうのも大きな目的になっていたといいます。


まず目的をしっかり持ち、手段を講じ、それを分析し、その結果を活用して、目的に近づく。この地道な繰り返しこそが、困難な事業を成功に導く基本なのだ。(133ページ)


このことばにも反映されているとおり、これは復興支援だけでなく、日常のビジネスなど、さまざまなことがらにあてはまるのではないかと感じます。(130ページより)


東日本大震災という出来事が原点になっているだけあり、本書に書かれているエピソードはひとつひとつに重みがあります。しかし、それでいて前向きさを感じさせてくれるのは、「前に進もう」という強い意志が前提になっているから。だから読み進めるほど、大きな力をもらったような気持ちになれるはずです。

(印南敦史)

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  • 「考える」力をつくる30のルール
  • 長野真一|アスコム
  

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