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印南敦史  - ,,,,,  11:00 AM

小さな会社だからこその達成感:横浜で両親と「ミルクせんべい」を守る、若き挑戦者の転機

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小さな会社だからこその達成感:横浜で両親と「ミルクせんべい」を守る、若き挑戦者の転機

株式会社花丸本舗 佐藤白砂さん


あたらしい場所であたらしい仕事をするとき、なにを基準に行動すればいいのでしょうか。イノベーションを起こすためには、どんなスキルや経験が必要なのでしょうか。それらを知りたいのなら、試行錯誤しながら行動する人に聞いてみるのが一番です。

数々のクリエイター、ビジネスリーダーたちの働き方を紹介する米Lifehackerの人気連載「HOW I WORK」も好評ですが、同じようにぼくたち日本版では、自分らしい生き方・働き方を実践している人たちに会いに行こうと思いました。

第10回目の取材対象者は、横浜市・保土ヶ谷にある「株式会社花丸本舗」で、ミルクせんべいの製造・販売に力を注ぐ佐藤白砂(さとうしらさ)さん。佐藤さんは1988年生まれ、現在26歳。大学卒業後にご実家の花丸本舗への入社を決意したのは、幼いころから両親の働く姿を見て育ち、「いつか手伝いをしたい」と思い続けてきたから。

仕事は過酷で、しかも需要は年々下降気味ですが、新たな販路を開拓したり、新商品の開発に取り組んだりと、前向きな努力を続けていらっしゃいます。以下のサイトからも、佐藤さんの真摯な気持ちを感じることができるはずです。


神奈川県 佐藤白砂さん ムービー編 ①|キミハツ -未来をハツラツにできるか。-|オロナミンC|大塚製薬


仕事場は、ご自宅の1階。生活の場である2階から階段を下りると、そこはご両親とともに働く工場です。しかもお父様は、後継ぎには基本的に反対なのだとか。仕事の仕方は、文字どおり「親の背中を見ながら」学ぶという、試行錯誤を続ける毎日です。佐藤さんにお話を伺うと、負けん気の強さ、諦めない姿勢、将来への展望など、清々しいほどの前向きさが伝わってきます。




花丸本舗は「ミルクせんべい」の元祖


懐かしのミルクせんべい、実は佐藤さんの祖父にあたる佐藤三治さんが考案したもの。子どもたちの栄養を考慮して脱脂粉乳が加えられているため、ふんわりとやさしい味わい。縁日や駄菓子屋で食べたことがある方も少なくないはずです。

そんなミルクせんべいの製造・販売を行なっている「花丸本舗」は、佐藤さんのお父様である登志郎さんが立ち上げた会社。三治さんのもとで働いたのち、その味わいを伝承しようとの思いから独立したのです。

それまではごくごく一般的なサラリーマン家庭でしたが、登志郎さんは独立に際して家を売却。加えて多額の借金をして機械を購入し、新たに自宅兼工場をつくりました。それが現在の佐藤さんの職場であり、ご自宅でもある場所だというわけです。


子供心に芽生えた気持ち、大学卒業間際に決めた気持ち


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花丸本舗がつくるミルクせんべいは、大手菓子メーカーにも卸されている。
「アイスクリームをはさんで食べるのもおすすめですよ」と佐藤さん。


ご両親、そして8歳年上のお姉さんとともに自宅兼工場に引っ越してきたとき、佐藤さんは小学1年生。遊んでいる時でも、常に佐藤さんの視界に収まっていたのは、毎朝4時半に起きて夜まで働き続ける両親の姿。それにもかかわらず愚痴もこぼさずに働き続ける両親の背中を見ているうち、佐藤さんの中で大きくなっていったのは「いつかこの仕事を手伝いたい」という気持ち。

ただし、そのときはまだ、家業を継ごうと決めていたわけではないといいます。だからといって他にやりたいことがあったわけでもなく、大学卒業が見えて就職活動をするも、悶々とした日々を過ごしていたのだとか。

とはいえ、はっきりと心のなかにあったのは、「人の役に立つ仕事がしたい」という思い。身近にいる両親の大変な姿を見てきたせいなのかもしれませんが、最終的にはそれが、「若いうちに家業を手伝わせてもらおう」という決心につながっていったのです。

そこで、大学を卒業すると花丸本舗に「半ば無理やり」入社することに。とはいっても、時代の変化とともにミルクせんべいの需要は下降の一途。ですが「両親が続けてきたことを守っていかなければならない」との思いから、反対を押し切って現在に至っているというわけです。


震災で強くなった、人のために、家業のためにという思い


佐藤さんは現在、花丸本舗で製造管理をメインに、卸業者への営業や配達、新製品の開発などにも携わる忙しい日々を送っています。駄菓子のイメージが定着しているミルクせんべいを、「横浜発祥のお菓子」としてのリブランディングができないかなど、さまざま取り組んでいる最中だとか。

ところで佐藤さんが入社した3年前の4月といえば、東日本大震災直後ということになります。あの時期は日本全土が疲弊していましたが、そんな時代の空気感も、仕事に向けての思いに影響を与えたのでしょうか?


そうですね、影響していると思います。花丸本舗で仕事しようということは3月になるころには決めていたんですけれど、地震がその気持ちを強めた部分はたしかにあります。幸い仕事への影響は少なかったのですが、岩手で身近な人が被災したこともありますし。


そしてそのときに感じた思いもまた、「人のために」という思いを強くしていったのだとか。


自分の会社の利益ももちろん大事ですが、それ以外にも社会に対して貢献することは絶対に必要だなって。震災のとき、花丸本舗でも、問屋さんを通して商品の寄付をさせていただきました。これから会社がさらに安定してよくなっていけば、震災のようなときがまたあっても、微力ながら何か役に立てることがあると思います。

そういうことをやっていくのも自営業の務めだなという気持ちが強いんですよね。もちろん会社員の方も同じだとは思いますけれど、自営業の場合はさらにその必要性があると思うんです。

たとえば、私たちならミルクせんべいに、なるべく国産の物、米粉などを使って自給率を上げるですとか。米粉は高価なので、今は手を出せていないのですが、そういう何か1つでも貢献することができたらって。


一度決めたことはずっと続ける


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花丸本舗のミルクせんべいは、原材料に油や添加物を一切使わない、からだにやさしいお菓子。
200℃の高温で1枚ずつ焼き上げるため、工場内の温度は60℃以上にも達する。


さて、そんな思いを胸に、白紙の状態から始めた仕事。実際にやってみてどうだったでしょうか? ご自身では「打たれ弱いタイプ」だとおっしゃっていましたが、逆に芯は強そうに見えます。


そんなに気が強いわけではありませんし、直接的に人に意見などを言えるタイプではないですけれど、でも、一度決めたことはずっと続けようと考えることはできると思います。途中でやめると負けた気がしてしまうので、なんにしても自分が決めた以上は、とりあえず最後までやろうと思っています。

そういうふうに考えるようになったには、中学・高校時代の部活の影響ですね。少林寺拳法部だったんです。すごくつらい部活だったので、辞めようって思ったこともあったんですけれど、そこでがんばれたことがいまにつながっていると思うんです。当時がつらすぎたので、なにかあったとしても「あのときよりはまだいいかな」と思えるようになったといいますか(笑)。


さらに振り返ってみれば、この部活での達成感が、仕事に対する考え方にもつながっているそうです。


高校の少林寺拳法部はいろいろ実積を残している部だったので、そのぶんプレッシャーも大きかったんです。でも結果的にはインターハイに出場できましたから、すごくうれしかったです。出られると決まったときは、自分のなかに達成感がありました。

そんなことがあったせいか、「たとえつらいことがあっても、ただつらいだけじゃなく、必ずご褒美的ないいことが待っている」というような思いは常に感じています。それはこの仕事についても同じで、たとえ大変でもちゃんと真面目にやっていれば、必ずなにか成果が残るはずだと思っています。


反省だけして後悔は残さず


では逆に、いままでで最大の失敗があったとすれば、それはどんなことでしょうか。


失敗......うーん、なんだろう。あまり思いつきませんね。というのも、なにかあったとしても後々まで背負わないようにしているんです。後悔を引っぱらず、落ち込みもせず、ただ「こうすればよかったな」と反省だけする。そうして、切り替えるようにしているんです。

大学生くらいのころに読んだ本に、「いつまでも落ち込んでいたり、マイナスに考え続けていると、それだけ時間の無駄になる。反省と後悔は違うのだから、反省だけして後悔は残さず、次のことを考えればいい」というようなことが書いてあって、とても感銘を受けたんです。そんなこともあり、もしも仕事で落ち込んだとしたら、一度離れて頭を切り替えてから戻った方が早く解決するなって思いますね。そこでずっと考えているよりは、外に出たりして考えた方がいいといいますか。


両親と仕事をするときに、うまくやるコツ


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花丸本舗では1日平均15万枚ものミルクせんべいをつくる。
工場内では焼きあがったミルクせんべいを、手作業で仕分け、包装していく。


ご両親と一日中仕事をしている以上、常に顔を見合わせていることになります。だからこそなおさら、そういう考え方は大切かもしれません。


「親だ」と考えると疲れてしまうので、仕事中は気の合わない上司がいると思うようにしています(笑)。その方が楽ですし、両親だと思うと、言いたいこともそのままどんどん言っちゃうじゃないですか。でも、仕事と考えた場合、少し自分で我慢することも必要かなと思って。


そうやって、ストイックさを保つことはたしかに大切。ではご自身にとって、仕事とはどんなものでしょうか。


「楽しいから、これがやりたくてする」っていうものではない気がしています。なぜなら、仕事に我慢は絶対につきものだと思うから。楽しいだけでは成り立たないものだと思うんですよね。そして自分のためだけではなく、他のことにも役立つようにするのが仕事かなって考えています」


「小さな会社」だからこそのメリットがある


では、「家業を継ぐ」という決意をし、実際に働いてみてよかったと思うところはどこなのか、そのことについてもお聞きしてみました。


小さな会社なので、製造も営業もいろんなことをやらなければならないですから、両方の仕事のいいところ悪いところを見ることができたのはすごく勉強になっています。

いま、普通の会社のデスクワークなどを経験したことがないので、勉強したいと思って週に2回ほど、事務のアルバイトもしているんです。大きな組織の中で働かせてもらうと、とても勉強になることがありますし、花丸本舗での仕事に生かせることも多いんです。

それから、そういった大きな企業で働かせていただいたことで、花丸本舗でする仕事の良い部分も見えるようになれました。


具体的に、どのような部分を「良い」と感じたのでしょうか?


自分の仕事が会社の売り上げや利益に直結しますし、少しでも成果を残しているっていう実感がある。それは小さい会社だからこそ感じることかなって思いますね。

「自分のやっている仕事が、どのぐらい会社に貢献できているのか」を実感できる。そして、多少なりとも自分の意見を聞いてくれる人がいる。それは大きいですね。たとえ意見が反映されなかったとしても、聞いてもらえることはいいことだなと思うんです。


佐藤さんのひとつひとつのことばから感じられたのは、それこそが少林寺拳法の部活で得たものなのでしょうが、修行のようにストイックな姿勢。入社3年間で学べることは限られているため、「まだまだです」とおっしゃいますが、「少しでもミルクせんべいを多くの方に広めていきたい」という入社を決めたときの気持ちを忘れない限り、きっと結果は残せるはずだと強く感じました。

下記のサイト『キミハツ』内にある動画でも、佐藤さんの仕事への姿勢を確認することができます。ぜひ、あわせてご覧下さい。


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神奈川県 佐藤白砂さん ムービー編 ①|キミハツ -未来をハツラツにできるか。-|オロナミンC|大塚製薬

(印南敦史)

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