• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,  06:00 PM

フィードバックは対話のチャンス:まったく新しい電子書籍購読サービス「Scribd」ができるまで

フィードバックは対話のチャンス:まったく新しい電子書籍購読サービス「Scribd」ができるまで

140613scribd1.jpg


Scribd」は、文書を保存し、シェアするためのシンプルなサイトとしてスタートしました。エッセイ、詩、小説など、作家がシェアしたいものに対して、Scribdがその言葉の「家」となる役割を果たしていたのです。それが大きく成長し、今では成熟した書籍購読サービスになっています。言うなれば、電子書籍業界のNetflixのようなもの。毎月定額で、デバイスを問わずに読書が楽しめるのです。

実は、これを書いている原文著者も、フィクション作家を目指していた学生時代にScribdを使っていたのだそう。読者を求めては、よく自分の作品をアップロードしたのです。その後もサービスは形を変えながら成長を続け、その勢いはとどまるところを知りません。今や、私の学生時代とは比べものにならないほど多くの文献が保存されています。

有名アプリの誕生にまつわる逸話を紹介する「Behind the App」シリーズ、今回はScribdの共同創設者であるトリップ・アドラー(Trip Adler)氏に、アプリの開発秘話と、どのようにして新しい出版の世界を切り開いてきたのかを聞きました。


── Scribdのアイデアは何がきっかけで生まれたのでしょうか。あなた自身が直面していた問題の解決策としてなのか、それとも別のきっかけがあったのですか?


アドラー:最初のアイデアは、私の父と話していたときに生まれました。父はスタンフォード大学の医者で、ちょうどそのとき、医学論文の発表で問題に直面していたんです。それを見た共同創設者と私は、論文の発表をかんたんにするサイトを作るというアイデアに至りました。それからわずかの期間で、あらゆる種類の著者や出版社が、あらゆる種類の文書を発表できるサイトを作り上げたのです。

立ち上げた2007年の時点ではそのようなサイトでしたが、今では、最新機能である書籍購読サービスに軸足を移しています。この新しいアイデアは、著者や出版社と長年仕事を共にして、彼らが求めているのは読者と収益の増加なのだということを知った結果、辿り着いたものです。

それと同時に、購読モデルを通じて著者・出版社の流通やマネタイズを実現することは、私たちの商品やお客様にとっても最適であり、今後のことを考えても正しいモデルであると実感しました。読者に対してより素晴らしい体験を生み出せるようになると同時に、読者の読書量を増やすことで、書籍の流通や収益を増やすことができるのです。

あれから、まるで早送りのような1年半が過ぎ、今では40万冊の書籍を提供するようになりました。取り扱っているのは、HarperCollinsやSimon & Schusterのような大手出版社の本も含まれます。これらの本が、デバイスを問わず月8.99ドルの定額料金で楽しめるようになっています。


140613scribd2.jpg


── アイデアを思いついた後、次にした行動は何ですか?


アドラー:2012年後半、Scribdの中核商品は非常に好調で、読者は月間8000万人、アップロードされた書籍や文書は5000万を誇り、純利益率は実に40%にも及んでいました。書籍購読サービスのアイデアを思い付いたとき、私たちは2つのことを並行で始めました。(1) 商品を進化させ、より良い書籍購読体験を提供する。(2)各出版社と、この新しいビジネスモデルの契約を結ぶ。

商品に関しては、当時すでに、文書や書籍における非常に優れたクロスプラットフォームの読書体験を提供できていました。課題は、そのサービスをもう少し書籍寄りにすること。具体的には、ePubファイル(電子書籍の共通フォーマット)、書籍分類法、書籍特有のリコメンデーションなどのサポートほか、その他の細かいことをいくつも積み重ねて、書籍購読体験を作り上げていきました。

それに、出版社に支払いをするためシステムとして、お客様の読書行動を記録するシステムの構築も必要でした。これらすべてのことを始めるために、少人数の新商品立ち上げチームを作りました。その後、このプロジェクトは徐々に人を増やし、ローンチが近づくにつれて、私たちの重点項目となっていきました。

コンテンツ面では、私が外へ出向き、出版社を回りました。当時すでに世界中のほとんどの出版社がうちのサービスを使って書籍を販売していたので、連絡を取ることは難しくありませんでした。最初の電話で、Berrett KoehlerとInner Traditionsが「試してみよう」と言ってくれました。それから数日間で両社の書籍を購読サービスに追加したところ、何のプロモーションもマーケティングもしていないのに、両社の書籍の読書数が急増したのです。

特にすごかったのがニュージーランドのとある読者で、この2社の書籍を1週間で50時間も読んでいたことがわかりました。そのとき私たちは確信しました。できるだけ早く多くの出版社と契約し、もっと多くの書籍を追加すれば、きっとうまく行くだろうと。


140613scribd3.jpg


── ターゲットとするプラットフォームはどのように決定しましたか?


アドラー:今のところ、iOS、Android、ウェブブラウザ、Kindle Fire向けの商品を作っています。私たちのチームには60人のメンバーがいて、その多くがエンジニアかデザイナーです。ですから、たくさんのプラットフォームに対応できるだけの帯域幅は確保できています。いつでもどこでも読める本を作っている以上、あらゆるプラットフォームで使えることが、この商品にとっての価値提案になります。中でも重要なのが、Kindle Fireです。なぜなら私たちはブックリーダーに主眼を置いていて、その多くがKindle Fireだからです。


── もっとも大変だった点は? それをどのようにして乗り越えましたか?


アドラー:出版社、特に大手を巻き込むのが、最大の関門でした。このような購読モデルは出版業界にとってまったく新しいアイデアで、これまでの所有に基づくビジネスモデルを、アクセスに基づくモデルへと変えてしまいます。大手出版社がそのような劇的な変化に対応するには、ある程度の時間が必要です。それが今や、HarperCollinsとSimon & Schusterの両社と、その大半の書籍を購読できるような契約を結ぶことができました。

これを達成できたのは、このモデルのメリットとリスクについて長い時間をかけて話し、データによって結果を実証してみせたからにほかなりません。私たちのビジネスモデルは、出版社に多くの収益と流通をもたらすことができるのです。特に、従来型の小売りモデルではあまり売れなかった書籍が読まれるようになる。これは、出版社にとってハッピーなことなのです。


140613scribd4.jpg


── ローンチした時はどのような感じでしたか?


アドラー:2013年1月、静かにローンチしました。その後、2013年10月にHarpoerCollinsの参加が決まったときに、公式な発表をしました。この公式発表はまれに見る大成功を収めました。その要因は、何カ月もの間、ユーザーによるテストを受けていたために、商品がすでに作り上げられていたことにあるでしょう。公式発表までの9カ月間で、購読者数はうなぎのぼりに伸びていました。そこに公式発表の宣伝効果と新たな書籍が加わり、成長曲線はロケットのように急上昇。それからずっと、成長が続いています。


── ユーザーの要求や批判にはどのように対応していますか?


アドラー:ユーザーの批判や要求は、極めて貴重なフィードバックです。多くいただくのが、品質に対するフィードバック。当社では、多くのフィードバックに共通するテーマを見つけることで商品の弱点を特定し、商品ロードマップを再評価しています。自分たちの知らない点を指摘されることは極めて稀ですね。いま取り組んでいる機能に対して多くのユーザーからリクエストがあると、正しい道を進んでいるという確信を強めることができます。

また、ユーザーフィードバックは、双方向対話のチャンスとしてもとらえています。もしX機能があったならとか、Yが気に入らないという意見を送ってくれる人がいたら、わざわざ時間をかけて考えをシェアしてくれるほど、その人はScribdを気にかけてくれている証拠。おかげで、彼らの問題を解決すると同時に、私たちの今後の計画などを伝えられ、より個人的な関係を築くことができるのです。


── 現在は「新機能」と「既存機能」の開発に割く時間の比率はどれくらいですか?


アドラー:私たちの目標は、素晴らしい電子書籍の読書体験を提供すること。この数カ月間、私たちは新機能に注力してきました。それが当社の商品に必要なことだと考えたからです。その結果、ようやく当社のアプリは、十分な機能が組み込まれていると満足してもいいところまで来ています。そろそろ焦点を元に戻して、体験に磨きをかけることに注力するときかもしれません。

私たちは、アプリを改善する新たな手段を、常に探しています。ですから、いつでも新機能と既存機能の間にはバランスが必要になります。新機能は、Scribdの経営サイドからも決まります。新市場への参入を決めれば、ほぼ確実に新機能が必要になります。私たちの包括的目標は、量よりも機能の質。私たちは、機能への集中を続け、その動きや感覚に完全に満足できるまでは、ブラッシュアップを続けるつもりです。


140613scribd5.jpg


── 同じような試みをしようとしている人に、どのようなアドバイスを送りますか?


アドラー:それは難しい質問ですね。この種の「プロジェクト」には、開発、大手出版社対応、マーケティング、資金調達など、ありとあらゆる分野の知識が必要です。この質問への答えだけで本が1冊書けそうですが、できるだけ短い文章で説明するとこうなります。

このように大規模なプロジェクトを進めるうえで、何よりも大切なのはチームです。これだけ複雑なことをやるには、たくさんの人が必要なのは明らか。そこであなたは、世界クラスのチームをひきつけ、責任を効果的に委譲し、全員の方向性を揃えて1つのビジョンに向かって進ませることが必要です。適材適所さえうまくやっておけば、その他のあらゆることは勝手についてきます。

古臭いアドバイスだと思うかもしれませんが、耳で聞くよりも、実行に移すのはずっと大変です。これを正しく行うことができれば、会社を創ることも、ブレークさせることも難しくはないのです。


Andy Orin(原文/訳:堀込泰三)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
  • Kindle Fire HDX 8.9 64GB タブレット
  • Amazon

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.