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佐藤ゆき  - ,,,  01:00 PM

チームワークを過信するな。生産性の低下を招く共同作業のパラドックス

チームワークを過信するな。生産性の低下を招く共同作業のパラドックス

チームワーク


99U:1957年の真夏のある午後。教会で行われたある演奏が、その後の音楽の歴史を大きく変えることになりました。午後4時すぎ、ティーンエイジャーのバンドがステージに上がりました。噂によれば、彼らは近所の人達の前で歌うことに緊張しすぎていたため、舞台に上がる前にいくらかビールを飲んでいたとのこと。

演奏したいくつかの曲でボーカルが歌詞を忘れ、なんとか即興で切り抜けていたのにも、そんな背景があったからでしょう。「ダーリン、僕のもとへおいで」という歌詞が、なぜか「行き着いた場所は刑務所〜」という歌詞になっていたのです。

観客の多くは、そんなミスにも無関心でした。ですが、観客の中にいた1人の人物は、バンドの演奏に夢中になって聴き入り、バンドの滑稽な演出に関心していました。その人物こそ、ポール・マッカートニーです。この時、彼は初めてジョン・レノンを目にしたのでした。

それから半世紀が経った今、レノンとマッカートニーの共同作品は、音楽史に新しい歴史を刻んだという評価を得ています。ある曲は異なるジャンルを融合させ、ある曲ではバイオリンとシタールを共に演奏し、ある曲ではテクノロジーを活用しました。ビートルズがクリエイティブであることは周知の事実ですが、彼らがいかにしてクリエイティブになったのかは謎のままです。どのように、彼らはこうした作品を作れるに至ったのでしょうか。


夫婦の関係性を表す計算式


人間が共同作業をするのは音楽を演奏する時だけではありません。結婚生活は「共同作業の連続」と言えるでしょう。結婚セラピストは、夫婦の関係性を評価する際に、ある計算式を用います。

うまくいっている夫婦の場合、その計算式はシンプルです。1+1=2。夫婦は互いに強みをもっており、その力を合わせれば、夫婦はお互いにうまくやれます。不健全な夫婦では、この計算式がおかしくなります。1+1=1。夫婦のどちらか一方が、相手の力を抑えてしまっているのです。

成功している結婚は、そうではありません。あなたも、そんな夫婦を見たことがあるかもしれませんし、運が良ければ、あなた自身がそうした結婚生活を送っているかもしれませんね。ある夫は才能あふれる料理人であり、妻は熟達した庭師です。夫は子どもに文法を教え、妻は子どもに対立した議論を和らげる方法を教えます。2人が共にいることで、お互いの総和以上のものが生まれます。ただの足し算ではなく、相乗効果が起きるのです。つまり、成功している夫婦にとって、1+1は3なのです。

ビートルズも同じです。適切なメンバーが集まったからこそ起こったケースなのです。ビートルズの成功はまた、ビジネス界においても世界的に支持されている考えを裏付けています。共同作業は成功を加速させる、という考えです。チームで仕事をすればより利益が得られるという考え、つまり1+1は3にもなりうるという考えです。

ですが、マッカートニーとレノンの共同作業の例を、私たちは誤って解釈している可能性もあります。ビートルズの共同作業で重要だったポイントは、どこにあるのでしょう? 私たちはそのポイントを押さえて、共同作業を進めているでしょうか。


職場での共同作業がしばしば失敗に陥る理由


理論上では、共同作業には多くのメリットがあると言われてきました。互いの知恵を合わせることで、より大きな知的挑戦に立ち向かうことができると。より多くの視点を持ち寄ることで、盲点を埋められ、クリエイティブな解決法を発見でき、間違いを最小限に抑えることができると。

こうした考えはまさにその通りであるように聞こえます。ただ、いくつかの研究結果によると、共同作業の認識は少し違って見えてきます。まず、ブレインストーミングは創造性を減少させると研究で示されています。その論文の詳細を見ると、ブレインストーミングだけが原因ではないことが分かります。時に、共同作業そのものが仕事の質を下げることがあるのです

研究で発表されたことをいくつか下に挙げてみましょう。

  • 共同作業は、根拠の無い自信を生む。学術誌『心理科学』に発表されたある研究では、ある決定に至るまでの過程を他人と共に取り組んでいると、その結果の正当性に過剰に自信を抱くようになることが示されました。チームで取り組んだことによって得られる自信の高まりによって、短い期間は高揚感を得ることができます。ですが、それは同時に判断力を鈍らせます。外部の情報に対して否定的になり、最善の選択ができなくなります。
  • 共同作業は、互いに協調しなければならないというプレッシャーを生む。チームでの共同作業において、しばしば不可能な決断を迫られることがあります。仕事の質と職場の関係性のどちらかの選択を迫られるという状況です。過去の研究で、グループのメンバーは大多数の意見に賛同しやすい傾向があることが示されています。その過半数の意見が間違っていると感じていたとしても、です。
  • 共同作業は怠慢を生む。たった1人のメンバーしか準備をしていない会議に参加したことはありませんか。それはおそらく、集団の怠慢によるものです。人はチームで活動すると、より少ない労力を費やす傾向にあります。他にも参加している人がいる状況では、他人を当てにしやすくなるのです。


共同作業の代償


職場における共同作業には、さらに大きな問題が存在します。多くの場合その害が気付かれることはありません。会議、電話会議、大量のEメールなど、目に見えない代償です。経済学者はそれを機会損失と呼びます。それは「共同作業」に時間を費やしているあいだに、手に付けることのできないすべての仕事に関わるものです。

多くの組織では、組織の上部にいればいるほど、共同作業への参加を求められる機会が増えます。いわば、「知的な累進課税」とも呼べるものです。

ではなぜ、こうした問題を招きやすい共同作業に惹かれてしまうのでしょう。その背景の一部には、組織の共同作業に対する期待があります。ひとりでアイデアをプレゼンすることに伴う感情的なためらいや、第三者を排除する組織的な分断という問題があるのも理由です。

同時に、共同作業の効果に疑問を抱くことが難しい理由も存在します。

共同作業をすると、実際よりも生産的であるように感じてしまうのです。私たちの頭の情報処理プロセスにも原因があるのでしょう。集団の一部として、他人のアイデアを聞いたり、フィードバックを与えていると、簡単に自分が生産的であると感じられるのです。ただ机に座って、空っぽの画面を眺めている状態と比較すれば特に。ですが、こうした共同作業において進捗と感じられるものは、多くの場合、幻想です

このように考えると、さらに興味深い疑問がわいてきます。過去の研究結果が、共同作業は業績の低下をもたらすと示しているのなら、なぜビートルズの場合は共同作業がうまくいったのでしょうか。


共同作業が成功する場合


ポール・マッカートニーもジョン・レノンも心理学者ではありません。ですが、彼らの共同作業のやり方は、専門家が共同作業をより効果的に行うための方法として、企業・組織に対して推奨する方法の多くと一致しています。


1. 自分の弱点を補完するチームメンバーを見つける

マッカートニーは作曲に、レノンは作詞に長けていました。マッカートニーの作る曲は活き活きとしていて、レノンの作詞には鋭さがありました。マッカートニーは左利きで、レノンは右利きでした。共に演奏することで、互いの曲づくりの方法を活かし合うことができ、即興で音を加えることも容易にできました。

ポイント:共同作業は、チームメンバー同士の能力が似ているのではなく、互いに補完し合えるものであるときに、もっとも効果を発揮する。能力が重複していると、互いにぶつかり合うようになる。


2. 役割分担をする

集団内の怠慢というのは、避けられるものです。集団内の怠慢は、メンバー間の責任と役割の範囲が曖昧なときに起こります。マッカートニーとレノンが共同作業をするときには、どちらが作曲のリーダーであり、どちらが提案をする立場にあるかが明確でした。

ポイント:プロジェクトを開始する段階で、責任範囲を明確にし、チームの方向性を示して、各自に責任感を与える。


3. 個人に課題を与える

マッカートニーとレノンは、2人で1つの作曲チームとみなされていますが、実際には各自で曲づくりをしていました。共同作業は、2人がそれぞれ曲を可能な限りつくりあげたあと、互いに提案をしあう段階になってから始まったのです。重要なクリエイティブな作業の多くは、1人で行う方がうまく進みます。あるテーマに対して、ある程度自分で考えを深めてからの方が、そのアイデアを評価しやすくなるのです。

ポイント:会議はアイデア出しではなく、アイデア交換の場として活用する。


もちろん、共同作業は損失を招くと決めつけてしまうのは間違っています。共同作業なしには、アップル、グーグル、マイクロソフトの製品は誕生しなかったでしょう。飛行機の発明やDNAの発見も然りです。ただ、共同作業は多くの人が教えられているように万能というわけではないのです

1+1は3になるか? その可能性はあります。ですが、そのためには考え方を改める必要があります。共同作業が陥りがちな失敗を理解し、多くの組織が見落としがちな冷静な視点を大切にすること。個人の弱点を理解してはじめて、集団の強みを見出すことができるのです。


The Collaboration Paradox: Why Working Together Often Yields Weaker Results|99U

Ron Friedman(訳:佐藤ゆき)

  • ,,,, - By

    友清哲

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