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印南敦史  - ,,,  07:30 AM

創造的思考法のポイントは「枠の中で考える」

創造的思考法のポイントは「枠の中で考える」

インサイドボックス 究極の創造的思考法


独創的で革新的なものを生み出すためには、枠の外(アウトサイドボックス)で考えなくてはならないというのが従来の常識。しかし『インサイドボックス 究極の創造的思考法』(ジェイコブ・ゴールデンバーグ、ドリュー・ボイド著、池村千秋訳、文藝春秋)の著者は、この考え方に真っ向から反論しています。


私たちの考えはその正反対だ。イノベーションの数を増やし、その質とスピードを高めるためには、一定のヒナ型にのっとって、勝手知った世界の内側で──つまり枠の外ではなく<枠の中(インサイドボックス)>、すなわち制約の中で──考えるべきだと、私たちは思っている。(15ページより)


そしてインサイドボックスでのイノベーションにとって重要なのは、次に紹介する5つのテクニックなのだとか。それぞれについて、簡単にご説明しましょう。


引き算のテクニック


革新的な製品やサービスは、なんらかの要素を取り除くことによって生まれるという考え方。その一例として、著者はソニーの「ウォークマン」を挙げています。


1979年にソニーが発売した大ヒット商品「ウォークマン」(中略)のイノベーションは、引き算のテクニックによって実現したと位置づけることができる。(中略)エンジニアたちは小型化を実現するために、それまでのカセットレコーダーからスピーカーと録音機能を取り除いた。スピーカーの機能はヘッドフォンで代替させたが、録音機能をなにかに代替させることはしなかった。その機能は、完全に取り除かれたのだ。(83ページより)


だとすれば、iPhoneから通話機能を削除したアップルの「iPodタッチ」も、引き算のテクニックによって生まれたものだということがわかります。(71ページより)


分割のテクニック


既存の構成要素を分割し、一部を分離して用いることで、創造的な製品やサービスが生まれるケース。


エリック・クラプトンのライブを見るのは素晴らしい経験だ。それは間違いない。けれど、ライブで歌われる「いとしのレイラ」は、iPodで聞く1970年録音のオリジナル版とは感じが違う。ライブの歌は、どこか......不完全に聞こえるのだ。(中略)レコーディングの際は、ライブと違って、バンドの全員が一緒に演奏するとは限らない。曲のここの部分を別々に録音することが多い。(119ページより)


原曲はライブと違い、ギターやベース、ドラムなどのトラックごとに別々に録音し、レコーディングエンジニアが編集と調整をしたからこそ生まれたもの。分割したうえで再構築したことが、作品の完成度を上げたわけです。(119ページより)


掛け算のテクニック


製品やサービスの一部の要素をコピーして増量し、その際に、それまで無意味もしくは奇妙と考えられていたような変更を加えるというもの。ここで特に興味深いのは、においに慣れてしまう人間の性質に対する、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の取り組みです。


そのとき、メンバーはひらめいた。時間的な間隔を置いて、二種類の香りを交互に放出するようにしてはどうか? その部屋にいる人の鼻が一方の香りに慣れてきたころに、もう一つの香りに切り替える。それをくり返せば、利用者が一日通して香りをはっきり感じられるようになる。(191ページより)


このアイデアをもとに発売された「ファブリーズ・ノーティサブル」(ノーティサブルは、「感じ取れる」という意味)は大ヒットし、芳香剤市場でのP&Gのシェアを2倍に増やしたそうです。(159ページより)


一石二鳥のテクニック


製品やサービスのひとつの要素に複数の機能(多くは、それまで互いに無関係と思われていた機能)を持たせることで、イノベーションが成し遂げられるケース。


iPhoneが驚異的な成功を収め、画期的なイノベーションを生み出せたのは、使い勝手のよさや独創的なデザインのおかげではないし、複数の機能を一本化させたおかげでもない。携帯端末市場に激変を起こし、アップルにライバル社を何年も引き離す優位を与えたのは、iPhoneのアプリ、もっと言えばアプリの開発と販売の方法だった。(213ページより)


アップルがiPhoneの設計の一部を公開し、アプリ開発用のツール一式を配布していることは有名な話。つまり、それまで内部で行なっていた課題(アプリの開発)を外部の要素(社外の人々および、ソフトウェア開発業者)に移したからこそ、一石二鳥のテクニックを活用できたということ。(203ページより)


関数のテクニック


それまで無関係と思われていた複数の要素を連動させることにより、革新的な製品やサービスが生まれるケース。


ドミノ・ピザが30分キャンペーンを始めるまで、ピザの値段は配達時間に従属していなかった。ピザの値段は一定不変だったのだ。しかしドミノ・ピザは、ピザの値段を配達時間に連動させるという、新しい関数の関係をつくり出した。30分以内に配達されれば、顧客は定価どおりの料金を支払わなくてはならないが、配達が遅れれば、無料で(のちには割引料金で)ピザを受け取れる。典型的な関数のテクニックだ。(264ページより)


関連づけられている2つの変数はピザの価格と配達時間で、前者が後者に従属しているということです(時間が長くなると、価格が安くなる)。(247ページより)



イノベーションを生み出す際には、たしかに未知の領域ばかりを意識しがち。しかし本当に大切なことは、当たり前の制約のなかにこそ潜んでいるもの。本書のそんな考え方は、忘れかけていた大切なことを思い出させてくれます。


(印南敦史)

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