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印南敦史  - ,,,  07:30 AM

忌野清志郎の命日に、26年の歳月を経て発表された書き下ろし

忌野清志郎の命日に、26年の歳月を経て発表された書き下ろし

ネズミに捧ぐ詩


きょう5月2日は、2009年に58歳の若さで世を去った忌野清志郎さんの命日です。もう5年も経ってしまったということが驚きですが、そんなタイミングで彼の26年前の書き下ろし作品『ネズミに捧ぐ詩』(忌野清志郎著、KADOKAWA)が日の目を見ることになりました。きょうは、この作品について書いてみたいと思います。

なお主観的で恐縮ながら、(面識があったわけではありませんが)私にとっての忌野清志郎さんはRCサクセション時代からずっと、「忌野清志郎さん」である以前に「キヨシロー」でした。おそらくそれは彼のファンすべてが共有できる感覚であり、「さん」づけすると逆に不自然な気がするので、ここから先は最大の敬意を込め、あえて「キヨシロー」と表記させていただきます。


恐るべき赤ん坊


本書は1988年2月、キヨシローの父親の死をきっかけとして書かれた作品。プレスリリースには「実母への溢れ出る想いを、繊細かつ瑞々しい筆致で綴った詩と日記による私小説」とありますが、なるほど「私小説」とはいえ体裁は小説のそれではなく、主体となっているのは詩と日記です。そういう意味では、2000年に発行され、その12年後に完全版が発表された名著『瀕死の双六問屋』の原点というべき作品であるといえるでしょう。違いがあるとすれば、こちらの方がいささか私生活にシフトしているという点。といっても、さほどの差があるわけではありませんし、それがキヨシローっぽいのですが。

たとえば、詩によって表現された自身の出生についての描写も、きわめて彼らしい気がします。


すべての人が孤独なら
孤独なんてないのと同じさ
すべての人に夕暮れが来て
あたりがまっ暗な夜になる
(中略)
隣の部屋に爆弾が落ちた
ナマイキな赤ん坊が産声をあげた
朝方、まだ暗い頃に
ちょっと変わった運命が待っていたが
ぜんぜん気にしないガキだ
(中略)
親父もおふくろも
それ以来、気の休まる日など無い

それが俺だ
俺だ。この俺だ
俺さまさァー
(14ページより)


親父の場合


キヨシローは以後も、「スローバラード」や「山のふもとで犬と暮らしている」などの名曲を彷彿させる、シンプルでありながらも核心を鋭く突いた表現によって母と父への思いを綴っていきます。あくまで主体は母親であり、父親については「親父なんて嫌いだね」というスタンスをとっていますが、よくよく読んでみれば、両者に対する愛情は極めて公平なものであることがわかります。そしてそれは、キヨシロー以外の誰にも真似のできない表現の原点であるように思えます。


レコーディングも終盤にさしかかり、完成までにあと3、4日っていう時、俺とチャボはFMのラジオで新しいLPの曲をかけていた。渋谷陽一は、相変わらず口の悪いDJだったが、好意的に番組をすすめていた。それは録音だったが、途中で彼女からスタジオに電話が入ったんだ。(中略)
「いま、おじさんから電話があって、おとうさんが冷たくなってるって......」
「嘘だろ?!」、まさかと思ったね。そんなはずはないさ。だって俺はまだ、ラジオ出演の途中なんだぜ。それに、レコーディングだって終わっちゃいないのに。そんなはずないよ、BABY。(後略)
(46ページより)


個人的な感想ですが、この一文を読んだとき、「そんなはずはないさ。だって俺はまだ、ラジオ出演の途中なんだぜ」というフレーズがとてもキヨシローっぽいなと感じました。日常の断片を切りとり、それを感情のひだに埋め込んでいくようなスタイルは、彼の歌詞表現にも言えることだから。(44ページより)


ニュース


そして親への愛情だけではなく、本書には見るべきポイントがもうひとつあります。それは時代を鋭くえぐった視点。阪神淡路大震災直後に書かれた『瀕死の双六問屋』にも「地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家が、 TVででかい事を言い始めてる。 国民をバカにして戦争にかり立てる。 自分は安全なところで偉そうにしてるだけ」という、その先を予見したようなフレーズが書かれていましたが、本書にも同じような傾向があるのです。


原子力発電とやらでせっせと作った電力で
まるで同じようなTVをやって
俺たちは飽き飽きしながらそいつを見てる
(いや、ほとんど見ちゃいない)
いったい、こいつはどういう事だ
電力が豊富でなくても、これからどうってことないぜ
(99ページより)


この詩が26年も前に書かれたものである考えると、キヨシローの先見の明には驚かざるを得ないわけです。

私小説としても、詩集としても、そしてある意味では啓蒙書としても価値のある書籍だと強く感じます。シンプルで読みやすいので、時間が空いたときパラパラとめくるにも最適です。

なお装画は、キヨシローの愛娘であるイラストレーターの百世さんによるものです。


(印南敦史)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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  • 忌野 清志郎|KADOKAWA/中経出版
  

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