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馬場未織|ライター、主婦、NPO代表

 - ,,,,  11:00 AM

仕事に子育てと多忙な時期こそ、週末は田舎で暮らそうか

仕事に子育てと多忙な時期こそ、週末は田舎で暮らそうか

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まったく、人生には大事なものが多すぎますね。家族が大事。仕事が大事。友達も大事。年老いた親も大事。どれもかけがえのないものだったりするから、それぞれとの関係を噛みしめて生きていきたいと思いながら、実際はけっこうな速度で日々は流れ、噛みしめるどころか飲み下すように次から次へと用事をこなすだけで時間が過ぎていきます。

そしてまた、関わるものが多ければ多いほど、限られた人生の中で予定がぶつかりあい、苦悩するワケです。さーて明日の締め切りまで走りきるぞ!と思った矢先にこどもがインフルエンザに罹ったり(じつは今その状態)、保護者会と取材の日が重なったり(先週がその状態)。融通が利かないという意味で「仕事」と「子育て」の両立は難しく、いっそどちらかの方が楽なのになあと思う瞬間が、ないとは言えません。

そんな多忙さを抱える時期でありながら、わたしたち家族は、2つの拠点を往復する暮らし方をしています。


けっこう長続きしている遠距離恋愛

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平日業務が終わった金曜の夜、こども3人ネコ2匹その他を車に乗っけて東京を出発し、アクアラインを渡って房総半島へ。1時間半後には星降る里山の家に到着して、週末は日がないちにち野良仕事や野遊びをしてボロ農家の古畳の上で雑魚寝。日曜の夜にはこどもとネコに加え、野菜やら山菜やらを乗っけて東京に帰る、という暮らしです。

昨今ではようやく、このような暮らし方が「二地域居住」とか「デュアルライフ」として認識され始めているようですが、まだまだ実践している人の数は多くはないようです。

仕事と子育てだけでも仕切るの大変なのに、都会と田舎に家があるなんて、これ以上生活をフクザツにしてどうしようってんだろうね。田舎にも家!?旅行で十分でしょ。別荘生活じゃなくて野良仕事?!休めないでしょ。
とまァ、はたから見たら異様なパワフル人間か単なる物好きと思われているみたいです。


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一方で、この暮らしを実践する立場での実感を言うと、7年半ほど続いているライフスタイルだということで、力技で無理矢理続けているようなものでもない、と言えるかなと思っています。

むしろ、やめることを想定できない魅力があるんだな。畑が楽しいとか、自然に癒されるとか、気分が変わるといった切片だけでは表せない、もっと包括的で大きなスケールの魅力が、ある。今週末も晴れないかなあ、フキノトウ出たかなあ、先週5ミリくらいだった梅の実はどれくらい大きくなったかなあ、キジはそろそろ畑に卵産んだかなあ、とまるで遠距離恋愛のように東京で南房総を想う気持ちがずっと色褪せないのは、結構なことだと思うのです。


振り返れば短い子育て期を、自然の中で過ごす意味


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先週末、朝食を食べたあと片づけもそこそこに、長靴を履いて外に飛び出しました。
「ママちょっと明渠(めいきょ・排水の溝のこと)見てくるー」とこどもたちに声をかけると、あたしも行く!そろそろだよな!とみんなぞろぞろついてきました。

ぐっと気温の上がった春のこの時期は、週末にありとあらゆる命が芽吹き、卵が孵り、長く眠っていた者たちものそのそと起き出します。わたしが中でももっとも楽しみにしているのは、トウキョウサンショウウオの孵化。半透明でバナナ型の卵のうがいつもの明渠に産み付けられているはずだと、胸が高鳴ります。

ヤマアカガエルの卵が水面を覆う明渠に手をつっこんでサンショウウオの卵を探すと、どろん、と水底に沈んでいました。すくいあげて手のひらにのせ、日の光に透かしてみれば、1センチくらいに成長したウーパールーパーの形をした幼生が孵化直前の卵のうの中でクリックリッと動いています。うーん今年も見られた!たまらない。

「ヤバい!うわーヤバい!」と、面白いもカワイイも気持ち悪いも全部「ヤバい」で表現する中学2年の長男が野太い声をはずませます。自分で孵化させて育て上げたこともあるくらいですから、親のような気持ちなのでしょう。
ふたりの娘も、顔を近づけすぎて寄り目になってる。わたしはあまり近寄ると微妙に老眼なためよく見えない(笑)。

季節は人間の都合を待ったりしません。刻一刻と様相を変え、そのたびに1年ぶりの出会いがある。

冬の枯れ景色の中で青く柔らかく光るフキノトウ、卵を産みに出てくるキジ、イノシシと争奪戦になるタケノコ、ぷっくりと実をつけるビワ、黄金色の絨毯のような刈り入れ前の田んぼ、密やかに真っ赤な身をつけるフユイチゴ・・・こどもたちと共に「みつけた!」の喜びを共有することで、家族の歴史がこの土地にじっくりと刻まれていきます。


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平日に子育てや仕事をわやわやとこなしている時には、こんな追い立てられるような日々は一体いつまで続くんだろう?と果てしない気持ちになることがあります。でも、親子で一緒にすごし、体験の感動を共にすることができる時期は、実は一瞬で過ぎゆくものです。

わたしは、息子が部活で忙しくなって少しずつ家族の暮らしがバラけてきて初めて、子育てとは一生続くものではないと実感しました。そしてますます、巡る季節の中にある煌めきに立ち会う子らとの時間が、大事なものに思えてきました。

里山の季節を追いながらのビビッドな自然体験と、こどもたちと過ごす時間とを重ねることは、働きながら子育てをする慌ただしい立場にいながらその時期をもっとも濃厚に暮らすことのできるひとつのスタイルではないかと、改めて思う昨今です。


オン⇔オフではなく、オン⇔オンという暮らし方


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こうして、里山での農的生活を傍らに持つ生き方を選んだことで、わたしの大事なものはさらに増えちまったという次第。

はじめは漫然と「あ~この里山の風景が好き、大事」と思うところから始まりました。そのうち、風景というものは放っていくと荒れてしまうということを、自分の敷地が草ぼーぼーに荒れることで初めて実感し、昔からここに住んで手入れをしてきた集落のご近所さんの存在の大きさにも気づいてしまった。

で、自分が同じ作業をしてみるとどれだけの労力が使われているかも分かって尊敬の念が生まれ、そんな気持ちで接しているとちょっと心が通じるようになり、「田んぼにオケラがいてよぉ、こどもたちに見せてやっぺぇ」と隣りのおじさんがうちに来るようになり、こどもたちも勝手に遊びに行くようになり、集落の長い歴史の上にチョコンと居座ったようなわたしたちも、ヒトの営みを含めた環境全体が愛しく、大事に思えてくるようになってきました。

そして、周りには農家を継ぐ若者がほとんどいないこの環境をどうにか未来にまで維持できないかと思い悩んだ挙句に、里山保全・活用を目指すNPO法人南房総リパブリックという団体を立ち上げてしまいました。

家を2つ持つだけでも大変だというのに、仕事以外の活動さえ抱えちゃうなんて、どうしたものでしょう。田舎暮らしは、オフなのかオンなのか?オンにしたら休めないじゃないか?というあたりが田舎暮らしに対する価値観の分かれ目かもしれません。

わたしは田舎を「オフのために使う」という立場から、一歩、内側に踏み込んでしまいました。地元の方からは「本まで出してよぉ、もう、イチ抜けたってわけにいかねぇっぺ?」と言われますが、心を砕いて手をかければかけるほど楽しいし、背負うから愛しいとも言えます。そして、平日都会暮らしがオンで、週末田舎暮らしがオフという構造ではなくなり、ひとつの人生の中にさまざまな形のオンが存在する状態になっています。



この、仕事・子育・都会・田舎、と生活に複数の拠点や力点が存在する暮らしは、思いのほか大きなメリットがあるように思います。一見、力が分散してしまいそうで、何かに専念した方が確実な成果が得られる気がしますが、頭脳や精神も肉体と同様、ひとところばかり使っていると循環が悪くなりコリが生じます。オン状態の疲れや滞りをリセットするのは、必ずしもオフ状態ではなく、まったく違う性質のオンの場をいくつか持ってスイッチしながら関わっていくことだったりもする。

さらに、バラバラに存在するオンの場での経験が、自分の中でひとつながりになり、ものごとを大局的あるいは相対的に見る目が養われたり、ある経験が他の仕事のアイディアに繋がったりと巧まずして相乗効果が生まれることもあります。

「二地域居住」という暮らし方が従来の「別荘暮らし」ともっとも違うのは、暮らしの中に挿入するリセット時間の意味合いではなかろうかと考えます。

なーんていいながら、わたしが一年で一番好きなのは、晩夏の夕暮れ、外で鳴きはじめるヒグラシの声を浴びながら、畳にゴロ寝して扇風機にあたる時間・・・ああ贅沢な、半目の恍惚タイムかな。
オンでいるって別に、覚醒し続けることではないからね。ちょいちょい休まないと持たないお年頃だしね。


週末は、田舎で暮らそう


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著書『週末は田舎暮らし』では、副題そのまま、まったくの田舎暮らし素人がゼロから始めた'二地域居住'の奮闘を、土地探しから田舎素人ゆえのスッタモンダ、自然と都会の行き来の中で考えさせられたことまでそのまま綴っています。

この原稿を書き終えたら、さて今日は金曜の夜、南房総に向かいます。満員電車で目をつむるわたしはうたた寝しているのではなく、数時間後に見上げる星月夜に思いを馳せているんだなんて、まわりの誰も知る由もなし。まァそのうち寝ちゃうかもだけど(笑)

もし、田舎のある暮らしを始めた方がいたら、そしてそれが南房総だったら、ぜひ連絡をください。一緒にサンショウウオを見に行こう!


馬場未織
1973年生まれ。日本女子大学大学院修了後、建築設計事務所に勤務。退社後ライターに転向し、建築雑誌やファッション誌などで執筆。私生活では南房総にて週末里山暮らしを実践し、2011年に建築家、農家、造園家らとともに里山活用のNPO法人南房総リパブリックを設立。目下、親子向けの自然体験教室「里山学校」(南房総市)、「洗足カフェ」(目黒区)、「三芳つくるハウス」(南房総市)を運営中。著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)。

NPO法人南房総リパブリック洗足カフェ

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    香川博人

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