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印南敦史  - ,,,,,  11:00 AM

未経験の逆境をプラスに変える「聞く力」:奈良の蔵元「今西酒造」若き14代目の転機

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未経験の逆境をプラスに変える「聞く力」:奈良の蔵元「今西酒造」若き14代目の転機

今西酒造・今西将之さん


あたらしい場所であたらしい仕事をするとき、なにを基準に行動を起こせばいいのでしょうか。イノベーションを起こすためには、どんなスキルや経験が必要なのでしょうか。それらを知りたいのなら、試行錯誤しながら行動する人に聞いてみるのが一番です

数々のクリエイター、ビジネスリーダーたちの働き方を紹介する米Lifehackerの人気連載「HOW I WORK」も好評ですが、同じようにぼくたち日本版では、自分らしい生き方・働き方を実践している人たちに会いに行こうと思いました。

第2回目の取材相手である今西将之さんは、1983年生まれ、現在30歳。1660年に創業し、350年以上の歴史を持つ奈良県三輪にある蔵元「今西酒造」の若き14代目です。現在は本業である酒造業に加え、飲食業と宿泊業なども展開しています。以下のサイトで、既成概念に縛られることのない今西さんの考え方を理解できるはずです。


みんなが幸せになれる新しい時代の酒造りを~350年続く造り酒屋を受け継いだ若き蔵元の挑戦~|キミハツ -未来をハツラツにできるか。-


業界に新風を吹き込む今西さんですが、実はまったくの未経験の状態から実家の蔵元を引き継いだそう。いかにして、ゼロから現在の活況を生み出したのでしょうか?



「先代の死」という転機の前に、やっておきたかったこと


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今西酒造は、「三諸杉(みむろすぎ)」「鬼ごのみ」という二大銘柄を持つ老舗の酒蔵。現在は今西さんの手腕により、本業である酒造業に加え、飲食業や宿泊業など幅広い事業を展開しています。

しかし、順風満帆だったわけではありません。今西さんは「先代の死」という突然の転機があり、未経験の状態で会社を任されることになったといいます。本来であれば、時間をかけて先代の元で今西酒造としての伝統や日本酒業界の慣習、そして肝心な醸造知識を学ぶつもりでした。事実、それを見越して、今西さんは大学卒業後に一般企業へと就職しています。


蔵を切り盛りする先代の後ろ姿を見ながら、物心ついて以来ずっと「三諸杉を、いつか自分の手でもっと大きく成長させたい」と思い続けてきたんです。にもかかわらず他業種への就職を志したのは、社会人としてきちんと修行を積みたいと思ったから。そして、20代で圧倒的に成長してから戻って来ようと思っていたのです。30歳で戻ったとしたら、そのとき先代が60歳なので、10年かけて引き継ぎをし、40歳で社長になるという予定を組んでいました。


逆境を「経験」と「姿勢」でプラスに変える


ある日、打ち合わせ中に携帯が鳴り止まなかったんです。あとでかけなおしてみたら先代からで、「医者から余命3カ月と告げられた。すぐに戻ってこい」との声。なんの前ぶれもなく、まさに青天の霹靂でした。そこで急いで前職の引き継ぎを終え、「さあ、酒蔵の引き継ぎをしよう」と思ったら先代は1週間で亡くなってしまった。つまりなんの引き継ぎもないまま跡を継ぐことになったわけで、毎日眠れませんでした。


いかに大変な状況であるかは容易に想像できますが、現在までのお話をお聞きしていると、それも考え方次第かもしれないと思えます。なぜなら今西さんは、一般的な価値観からすれば逆境にしか見えない状況を、前職の体験を活かしつつ、「すべてを受け入れる」ことでプラスへと転化しているから。「蔵元はかくあるべし」ではなく、「伝統を引き継ぎつつ、そこからなにができるか」を常に考え続けているのです。

それでは、事業を発展させる原動力となった前職時代の体験、そして現在の姿までを見ていきましょう。


「いい酒をつくり、いかにマーケットとつなげるか」を考えた


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大学卒業後は、人材サービス企業の「リクルートキャリア」に就職。配属された事業部では、採用戦略の企画立案や広告展開などに携わっていたそうです。ちなみに当時のクライアントは、マンションの一室で運営しているベンチャー企業から、一部上場企業、グローバルな大手企業まで、さまざま。1年目は飛び込み営業からスタートし、2年目から徐々に先輩の引き継ぎをし、成果を残せるようになってから大手企業を担当できるようになったといいます。結果として、トップセールス賞など数々の受賞歴をもつほどに活躍します。


東京農業大学の醸造科に進み、卒業後は造り酒屋へ修行に行き、酒販会社へ就職するというのが、蔵元の息子がたどる一般的なコースなんですが、マーケットの規模が縮小する中、従来の環境でキャリアを積んでこられた酒蔵の社長がどんどん廃業していくさまを私は目の当たりにしてきました。つまり、「いい酒をつくりさえすれば売れる」という時代は終わり、「いい酒をつくって、きちんとマーケットを捉えた経営をすること」が求められているんじゃないかと思ったわけです。そこで、同志社大学の商学部に入学しました。市場をマクロな視点で捉える能力を身に付けて、きちんと経営戦略を立てられるような人材になりたかったのです。


わからないことを、とことん聞き続ける


リクルートキャリアではチームリーダー職を務め、失敗も含めて多くのものを積み重ねていくことができたとか。特に実感したのは部下に「こうしろ」と強制するのではなく、話を聞くこと。押しつけた結果に総スカンを食らい、話を聞き続けたら信用してもらえたという経験がありました。だからこそ、今西酒造に戻ってから、「まず1年間は話を聞こう」と決めたのだそうです。

いきなり現場に放り込まれた今西さんからすれば、社員もお客様も銀行も、すべてが「はじめまして」の状態。いちばんの難題は、「なにが課題なのかわからない」ということだったといいます。一般的に考えれば、経営の課題にすべきは現実と理想のギャップです。しかし現実がわからず、理想もない。つまりギャップが見えないので、課題がわからない。「暗闇のなかをジェットコースターで走っているような気持ち」だったといいますが、だからこそ「現場を知る」「いまを知る」というところから始めたのだそうです。


本来の私は思ったことをストレートに言うタイプなんですが、1年目はひたすらインプットに徹し、社員の声を聞きました。先代からのやり方に対して「こうしたらいいのに」と思うこともたくさんあったのですが、それでもとにかく聞いた。それは社員に対してだけではありません。お客様先に行っても、今西酒造のこと、酒の状態のことをとことん聞く。とにかく、我々が置かれている状況を知ることに徹したのです。


2つのスタンスで、酒蔵に革命を起こす


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今西さんは社会人として、2つの"スタンス"を強く意識しています。この2つは、サラリーマン時代に学んだことだそうです。

ひとつ目は「圧倒的なお客様志向」。自分たちの能力だけで足りない部分は、他人を巻き込んで知見を借りながらでも、「お客様の満足」を第一と考えて、躊躇せずにアグレッシブに動くこと。ふたつ目は「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」。自ら課題や困難を見つけ、それを乗り越えて自己を成長させていくことです。

「この2つのスタンスを大事にして仕事をしている酒蔵は、他にはないと思うんです。私だけでなく、酒蔵のみんなが同じスタンスをもったチームとなれば、お客様にとってもいいお酒をお出しできるんじゃないか」と今西さんは語ります。


従来の酒蔵であれば、半年間のタームで設計をしてお酒をつくります。けれど、もっとアグレッシブに、もっと成長意欲があるチームであれば、お客様の声を聞きながら、この半年間を2カ月タームで回すことだって可能なんです。それなら、他の酒蔵が3年かかることを、今西酒造は1年でやれる。それが「おいしい酒づくり」に結びついていくようになればいいなと思っています。


伝統がものを言う業界だからこそ、新風を吹き込むことは決して容易ではないはずです。しかし大切なのは、そんな現実を受け入れたうえで、次になにができるかと模索し続けることではないでしょうか。今西酒造の目標は「奈良県を代表するエクセレントカンパニーになること」。本業の酒造の伝統を大切に守りつつ、JR奈良駅前に構えるカフェ「LAILAI CAFE」や、宿泊所と研修室を兼ねた施設「国際奈良学セミナーハウス」の運営も軌道に乗せている現在の今西さんは、それを一歩ずつ体現しています。

その原点は、酒造りの始まりの土地ともいわれる地元の三輪で、代々商売をやってこられた恩返しとして「地域活性化をしたい」という思い、そして今西酒造のブランドコンセプトでもある"三輪を飲む"を伝えるための「雰囲気づくり」だとか。お話をお聞きする限り、その可能性はこれからも大きく広がっていきそうです。

下記のサイト『キミハツ』内にある動画では、これからの事業展開に際して、今西さんが考えていることを知ることができます。ぜひ、あわせてご覧ください。


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みんなが幸せになれる新しい時代の酒造りを~350年続く造り酒屋を受け継いだ若き蔵元の挑戦~|キミハツ -未来をハツラツにできるか。-

(印南敦史)

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