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佐藤ゆき  - ,,,,  10:00 PM

タイミングを待つな、まず始めて打ち込め:健康管理アプリ『MyFitnessPal』のつくりかた

タイミングを待つな、まず始めて打ち込め:健康管理アプリ『MyFitnessPal』のつくりかた

MyFitnessPalの共同創業者兼CEOであるMike Lee氏


自分が食べたものを一つひとつ記録するのは、とても面倒な作業です。健康的な食生活を管理したいと思っていても、その記録作業にそこまで意味があるとは思えないかもしれません。ですが、今はラッキーなことに、食生活管理アプリがあります。

MyFitnessPal』もそのひとつ。外食でも自炊でも、膨大な食事のデータベースから食べたものを選んで、食生活の記録をつけることができます。今回は、MyFitnessPalの共同創業者兼CEOであるMike Lee(マイク・リー)氏に、アプリ開発の裏話をインタビューしました。


── MyFitnessPalのアイデアは何がきっかけで生まれたのでしょうか。あなた自身が直面していた問題の解決策としてなのか、それとも別のきっかけがあったのですか?


リー:このアプリは、個人的な必要性から生じたものです。妻と私は当時、ビーチで行う結婚式の準備をしていたところで、ダイエットをしなければと感じていました。そして、二人でトレーナーに会いに行ったところ、彼から約3000種類もの食品の栄養価が記載されたリストと、摂取カロリーを記録するための小さなノートを渡されました。

私は10歳の頃からプログラミングを始めていたので、自分が食べたものやスナックの記録をつけるのに、より良い方法があるはずだとわかっていました。ですが、ネット上では良いアプリが見つかりませんでした。デジタルな製品も、紙のノートに書きつけるのと同じくらい使いづらく、記録に時間がかかるものだったのです。なので、自ら解決策を生み出すことにしました。それが最終的に、MyFitnessPalとなりました。


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── アイデアを思いついた後、次にした行動は何ですか?


リー:集中してプログラミングに取り組んでいた時期からはしばらく時間が経っていたので、プログラミングスキルをブラッシュアップしたいと感じていました。なので、本当に自分がつくりたいと思う食生活記録アプリをつくろうと心に決めました。最初は副業として空いている時間を利用して、週末や夜に作業を進めました。プログラミングスキルを磨きながら、MyFitnessPalの最初のバージョンをつくりました。

大学を卒業して以来、エンジニアとしての考え方よりも、セールスやマーケティングの考えを身につける経験を積んでいたので、この作業はまさにプログラミングにゼロから取り組むような感覚でした。ですが、学び直す経験はすばらしいもので、ひたすら学習を続けました。最初は、つくったサイトを家族や友人と共有して、その後2005年の9月にMyFitnessPalをローンチしました。最終的に、これは副業として取り組むにはあまりに大きなプロジェクトであると感じて、ビジネスとしてこのプロジェクトだけに集中して取り組もうと決めました。


── ターゲットとするプラットフォームはどのように決定しましたか?


リー:MyFitnessPalは当初ウェブサイトとしてスタートし、今でもオンライン版を提供しています。ウェブサイトは、最初のアイデアを実現するための方法としては自然な選択でした。ですが、iPhoneが登場すると、すべての状況が変化しました。iPhoneアプリのエコシステムが爆発的な成長を見せ、MyFitnessPalと同じようなサービスを提供するスマートフォンアプリが登場し始めました。

ですから、MyFitnessPalアプリを開発することは、次の段階として論理的な判断でした。私の兄弟のアルも、2009年はじめに加わって、開発とデザインを引っ張ってくれました。そして、その年の後半に初のiOSアプリをローンチしたのです。


── もっとも大変だった点は? それをどのようにして乗り越えましたか?


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リー:「自己疑念」が非常に大きな壁でした。自分の会社を立ち上げるというのは、大きなリスクがつきまといます。成功するかしないかわからないもののためにすべてを捧げることは、恐ろしいものです。事業を立ち上げる過程で経験を積めますし、速く成長することもできます。ですが、まずなによりも、自分のやっていることへの疑念を消し去って、実行に移すことが大切です。完全に自分だけのものであるプロジェクトに全力を捧げ、非常に短い期間の中でこれほど多くのことを学べた経験というのは、人生で初めてのことです。

もう一つの壁は、チームが拡大する過程で直面した課題です。ユーザーの増加に伴って、チームの拡大もまた必要になりました。拡大しつつ、スタートアップの雰囲気を保つことは難しかったです。5名のチームを越えると、決まったルールを導入しなければなりません。有機的に共同でプロダクトをつくりあげる環境を保ちつつ、決まった工程を導入するのは難しい試みでした。


── ローンチした時はどのような感じでしたか?


リー:最初のローンチは、友人や家族たちに公開した小規模なものでした。そのあと、割と早い段階でしっかりしたウェブサイトも立ち上げたのですが、始めてミリオンユーザーを獲得できたのは、2009年にiPhoneのアプリを公開したときのことです。今では、新しいバージョンのローンチのたびに、ユーザーが求めていた機能や、私たちがユーザーの健康管理に役立つだろうと考える機能を追加しています。新しいプロダクトづくりにチームが懸命になって取り組み、リリースし、ユーザーからよい反応を得られることは、本当にわくわくするものです。ユーザーの成功が私たちの原動力となっています。


── ユーザーの要求や批判にはどのように対応していますか?


リー:私たちは、すばらしい顧客満足向上チームをつくっており、ユーザーからのあらゆるコメントやリクエスト、Eメールに対応しています。日々ユーザーの声に耳を傾け、彼らが求めている機能はなにかを理解するようにしています。私たちのアプリの中だけで、全ての機能を満たすことはできませんが、常に他の健康・フィットネス系のアプリやガジェットと連携することで、便利な機能をMyFitnessPalに組み込むことを検討しています。

実際、私たちは現在、マーケットに出ているフィットネス系のウェアラブルデバイスの8割、GPSを使用した活動量測定アプリの分野でトップ5に入るアプリの内の4つ、ワイヤレス体重計のトップ2と連携しています。こうした連携によって、ユーザーは自分の健康情報を一日中確認し、自分が設定した目標に到達するためにデータを役立てることができます。


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── 現在は「新機能」と「既存機能」の開発に割く時間の比率はどれくらいですか?


リー:私たちは何年もビジネスの立ち上げに力を注ぎ、利益を出してきました。その過程で、できるだけ無駄をなくし、戦略的であることに努めてきました。常にToDoリストには何千もの項目が並んでいましたが、一度にできることは3つだけでした。2013年8月の資金調達によって、この点は大きく改善しました。資金調達によって、チームを拡大することができましたし、ToDoリスト上の計画をよりスピーディーにこなすことができるようになりました。

先月、私たちは「Sessions」を買収しました。ユーザーとパーソナルコーチをマッチングする会社です。今後、MyFitnessPal上でコーチをアレンジする機能を組み込めることを楽しみにしています。


── 同じような試みをしようとしている人に、どのようなアドバイスを送りますか?


リー:もっとも重要なことは、始めることです。現在のような機会はありませんし、将来直面するかもしれない問題に対して、完全に準備をしておくことなど決してできません。私自身は、今の会社をもっと早いタイミングで立ち上げていればよかったと思います。最適なタイミングを待つよりも、ただ目の前のことに打ち込むことで、ずっと速く学習をすることができたからです。


Andy Orin(原文/訳:佐藤ゆき)

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    香川博人

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