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年吉聡太年吉聡太  - ,,,,,,,,,  11:00 AM

常識を変えるために必要ないくつかのこと:山口の萩で漁師とともに生きる若き女性の転機

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常識を変えるために必要ないくつかのこと:山口の萩で漁師とともに生きる若き女性の転機

坪内知佳さん


あたらしい場所であたらしい仕事をするとき、何を基準に行動を起こせばいいのだろうか。イノベーションを起こすために、どんなスキルや経験が必要なのか。それを知るためには、試行錯誤しながら行動する人に聞いてみるのが、一番です

数々のクリエイター、ビジネスリーダーたちの働き方を紹介する米Lifehackerの人気連載「HOW I WORK」もありますが、同じようにぼくたち日本版では、自分らしい生き方・働き方を実践している人たちに会いに行こうと思いました。

第1回目の取材相手、坪内知佳さんは、結婚を機に「それまで聞いたこともなかった」山口県の萩に移住した後、いまでは3つの船団を率いる合同会社の代表を務めている"女傑"。見知らぬ世界で彼女がいかに舵をとり、新たな価値を生み出していくことになったのかをお聞きしました。


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漁船に乗りながらスマートフォンで発注をチェックする。
身につけたメガネとスーツは、自分の意見をより明確に伝えるための「鎧」


坪内さんは現在27歳。山口県の萩・大島で、地元の漁船団を束ねる「萩大島船団丸」代表として、販路の開拓から商品となる収穫の管理まで、広く活躍されています。気性の荒い漁師たちを統率する若い女性の姿は、確かにメディアにとっては「格好の素材」で、テレビや新聞でも多く取り上げられています。その働きっぷりは、たとえば以下のサイトが詳しく取り上げています。


豊かな島の暮らしを未来へ引き継ぐために~付加価値の高い魚を直販する漁師集団の取り組み~|キミハツ -未来をハツラツにできるか。


ただ、お会いしてみて感じたのは、そうしたメディアを理解しながら現状を俯瞰できる冷静さと、人を巻き込む意志の強さ。揺るがない信念は、いつどうやって養われたのか、気になったのでした。


考え方の転機は、大学を退学しようと思ったときでした


坪内さんが「萩大島船団丸」の代表に就いたのは、2012年のこと。島に赴く前に従事していたコンサルティング業での経験を買われ、偶然、当時の船団長から役所へ提出する事業計画書作成を相談されたのがそもそものきっかけでした。

しかし、それとは別に坪内さんの考え方そのものを大きく変えたできごとがありました。それは21歳の誕生日を迎える1カ月前、大学3年生のときに遡ります。


外国語大学に通っていた当時、抱いていた将来の夢を諦めて、大学を退学しようとさえ思いました。それまでは、24時間を無駄なく生きることに精一杯でした。小さい頃から自分で商売を営む祖父や父の姿を見ていたので、「寝る間が惜しい」なんて言っちゃう小学生だったんですね。

でも、そうではない生き方があるのではないかと思ってしまった。皆が口を揃えて反対する声に逆らおうとしたのは、それが初めてでした。


後に妊娠がわかり、退学をすることになったものの、そのときの「内なる声に耳を澄ませる」という気づきが、いまの彼女の生き方を支えているようです。


転機の前に、やっておきたかったこと


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船上で働く海の男たちにも、坪内さんはひるまない。
「世界に通用する品質を創り出すため」に、ときに叱咤することも


それではその転機の前に、何かやっておきたいことがあったのか。いま彼女が手がけるプロジェクトを続けていくために、身につけておきたかったスキルが何か、あるのでしょうか。いわば「後悔していること、ありませんか?」という、少々ぶしつけな質問です。


わたし、あまり後悔はしないんです。あえて言うなら、学校の勉強をしっかりしておけばよかったかなってくらい(笑)。

勉強を積み上げて、然るべき道筋を通って、世の中を説得できる力を握りたかったなんて思うことはあります。そうであれば、いま一緒に仕事をしている漁師の仲間たちをもっと楽にしてあげられたでしょうから。

でも、それも空想するだけ。いまの環境に満足しているとはいえないけれど、日々の積み重ねがいまの場所に私を導いてくれたと思ってますから。


環境に言い訳しない


5歳になる息子をもつシングルマザーでもある坪内さん。子どもを母親の手ひとつで育てることは、仕事をする上でハンディキャップにもなりうるのは事実です。そのために諦めたものもあるのでは。



萩に移住して、息子を産みました。子どもとの暮らしも、考え方を変えた大きなきっかけのひとつです。

たしかに大変ですよ。でも、環境に言い訳はしないって決めているんです。子どもとともにいることは、わたしの人生をつくるひとつの材料だと思っています。

小さい頃から会社を興し、ビジネスを自分の手で発展し続けていける人間でいたいと思い続けてきましたが、いまは、その日一日が良ければそれでいいとさえ思えるんです。


常識は「壊す」のではなく、「改善する」もの


昔からの伝統が色濃く残る漁業文化の中に新しい風を吹き込もうにも、当初は漁師仲間からの抵抗もあったのだといいます。坪内さんが繰り返し口にしていたのは、「漁師の常識と一般人の常識は、あまりにも違う」ということ。


だって、漁師の世界には、わたしたちの感覚からすれば信じられないようなことが、山ほどあるんです。狭い世界だから、関係者の誰がいまどこにいて、何をしているかすぐに知れ渡る。お互いに見るべきものを見ない、なれ合いがずっと続いてきた世界だと思います。

でも、人はみんな、温かいんですよね。例えば萩・大島には互助組織のような「五人組」の制度がいまも残っていて、助け合いの精神が人の繋がりを支えています。わたしも、そんな土地だからがんばれている。なれ合いと助け合いは、同じものの裏表なのでしょうから、捨て去って壊すことが正しいとは思いません。

両者を見極める判断基準ですか? ひと言でいえば、「変えるべきなのに、言い訳をして逃げてきたかどうか」ということかもしれません。だから、変えなければいけないものは、「もっと良くする」必要があるんです。


何かあたらしいことを始めるといえば、とかく、まずは古い常識を打ち壊すべきだと考えがちです。ですが、坪内さんが実践しているのは、まずは自分の価値観と照らし合わせて、大事なものを見極めること。守りたいものが何かを自分の目で判断すること。納得がいかなければ相手と顔を突き合わせてとことん語り合うこと。

後悔をせずに、大きすぎる理想を追いかけることをしない坪内さんの姿勢には、いまをしっかり見つめて着実に積み重ねることこそが大切だと教えてもらったような気がします。

下記のサイト『キミハツ』では、坪内さんがいま抱える課題の数々を自ら語る動画などが掲載されています。どうぞあわせて、ご覧下さい。


キミハツ


豊かな島の暮らしを未来へ引き継ぐために~付加価値の高い魚を直販する漁師集団の取り組み~|キミハツ -未来をハツラツにできるか。-


(年吉聡太)

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