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江口晋太朗(編集者)

江口晋太朗(編集者)

 - ,,,  10:00 PM

なぜぼくたちは学び続けるのか。MOOCで学ぶ意義を「インターネットの父」に聞く

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なぜぼくたちは学び続けるのか。MOOCで学ぶ意義を「インターネットの父」に聞く

村井教授


日本でも、4月から本格的にスタートする大規模オープンオンライン講座(MOOC)日本版の「gacco」。さまざまな講師の講義がある中で、日本のインターネット黎明期からインターネットの技術基盤づくりに関わってきた慶應義塾大学の村井純教授による「インターネット」という講義があります。

日本でインターネットがスタートして20年以上がたち、当たり前のようにインターネットが私たちの身近な生活として浸透してきた現代において、インターネットについて考えるだけでなく、「ネット前提社会」の中で学び続けることの意味について村井先生に話を伺いました。

その答えのひとつが、「MOOCを通じて、社会を横断的に見る思考を持つことができる」ということ。村井先生へのインタビューは以下より、どうぞ。また、日本にMOOCを普及させようと活動されているJMOOC事務局長の福原先生へのインタビューはこちらで読んでいただけます(村井先生は、JMOOCの理事でもあります)。


MOOCは「大学ってなんだ?」を再定義する


── 先日、最初の「gacco」の撮影が終えられたそうですが、大学の講義との違いはありましたか?


どの程度の講義内容にするかに試行錯誤しました。普段は、学生たちの顔を見て反応を確かめながら講義を進めていますが、オンラインでは誰がどのように聞いているかわかりません。高校生から社会人まですべての人が面白いと感じ、新しい気づきを得てくれる内容にするためのデザインを考えなければいけません。


収録中gacco講義の収録風景


まだまだ始まったばかりの「gacco」では、教授や運営側も含めて今はパイロット版のフェーズだと捉え、色々な取り組みを行いながら、よりよい教育が提供できるようにしていきたいですね。


──「gacco」では、村井先生のほかにも多彩な講師が登壇されると思いますが、今後「gacco」にどのような講義があるといいとお考えですか?


何を学びたいのかによって選択する講義も変わってくると思います。大事なことは、横断的な思考や全体を見渡せるだけの視野を持てるようになることです。そのためには、多様な教授が登壇し、さまざまなレベルの講義があることに意味があると思います。

アメリカではMOOCが登場した時に、有名大学の講義ばかりになって他の教授は出番がないんじゃないかという議論がありましたが、今はそんな議論はされていません。人の数だけ、教授の数だけ専門性も違うからこそ、講義にも幅があることが大事なのです。「gacco」として考えるべきは、学びたい人にとって最適な講義と出合えるようにし、教える側は自分がそれまで学んできたことや経験してきたことを、学びたい人にきちんと伝えようとすることが大切です。

教授や講義の多様性をつくることで誰もが新しいことを発見できる、そんなプラットフォームとしてMOOCが機能してほしいですね。


── 学ぶ側だけでなく、教える側にとってもMOOCの登場は大きな変化をもたらしそうですね。


一番は、大学の使命を改めて見直すことです。大学で学ぶことが、刺激的で楽しいものだということを伝えるプロモーションのひとつとして捉えるべきです。高校生に対して「大学に行ってこんなことを勉強したい」と思ってもらったり、すでに卒業した人や社会人、高校の先生たちに対して「今はこんな講義があるのか」と知ってもらいたいですね。社会全体として学ぶことの意欲が高まり、学び直しをする人たちが出てくることで、大学のあり方を再定義する機会になるのではないでしょうか。


カリキュラムページすでに予定されている講座だけでも、「マンガ・アニメ・ゲーム論」「服飾の文化と歴史」など、実に多彩


── MOOCが社会全体に広がることで、学ぶ側と教える側双方にとってどのような学びの変化が起きるのでしょうか?


大学教育の補完だけではなく、既存の大学に依存することなく新しいテーマを追求したり、まだ体系を確立できていなかったりする研究分野を公開できる場になることが、大きな意味を持つのではないでしょうか。大学は最先端の知恵が集まるところですが、時代の流れが加速している現代において、大学ですべてを完結することは難しくなっています

大学の講義として確立していなくても、MOOCを通じて最先端や新しい分野を知ることができることは、学ぶ側にとって大きな機会提供となります。大学教員の教育能力を高める実践的方法として「ファカルティ・ディベロップメント」という考え方があるように、フィードバックを通じて講義内容が洗練されることで、教える側にとっても意味が出てきます。それぞれの教授が持っている経験や知識を、大学以外に発信できる場があることで、新しい仮説や研究分野が生まれてくるかもしれませんね。


教育は社会にあらたな価値をもたらす


── 教育に関わるコンテンツをオープンにしていく中で、これからのグローバル社会において日本が世界に貢献できることはあるのでしょうか?


日本のリソースをグローバルに開放することで世界に貢献できることは、教育だけに限らず多くの可能性を秘めています。インドにある通信大学のガンジーオープンユニバーシティでは、オープンになっている講義を教材に、翻訳して現地の先生が解説したり、アーカイブされている講義動画を公民館で村人が勉強したりといった取り組みがすでに行われています。海外のMOOCでは多言語対応も行われたりと、国境を越えて教育が世界に貢献できる環境も整ってきています。

日本ほど多くの人たちがスマートフォンを持ち、モバイル環境を長く経験している国は珍しい。わたしたちがもっている文化に対して、世界中の研究者が注目しています。日本は、アジア研究やカルチャーという視点から、まだまだ研究余地は多い国です。日本のあらゆるものが研究対象になりえますし、そうした研究成果を広く多くの人たちに知ってもらうことで、新しい可能性も生まれてくることも大いにありえます。


── 研究した成果を多くの人たちに発信できる場所があることで、ビジネスなどさまざまな場面でイノベーションが促進される可能性は大いにありえますね。


いまは発見と検索がすぐにできる時代です。知的好奇心を満たしたり、違った分野を有機的につないだりすることで、創造的なものが生まれたりイノベーティブな発想が生まれやすくなる土壌があるのです。

大学の講義や授業は、多様な人たちが関わって創発が生まれる、オープンイノベーションの場だと私は考えています。新しい価値がひとつでも多く生まれる社会インフラとして、MOOCも含めた教育のあり方について考えていきたいですね。


ぼくたちが「学び直す」意味


── 村井教授は「インターネット」という講義を「gacco」で行なっています。インターネットが当たり前な時代の中で、どのようにインターネットと関わっていくべきなのでしょうか?


これからの社会は、ネットネイティブな人たちが多数になっていく時代に突入してきます。いまの30代の人たちでさえも、ネットが当たり前な環境を過ごしてきたわけではありませんが、今の大学生たちはネットが当たり前の生活を過ごしています。そうした環境の違いは、私たちが思っている以上の変化が存在しています。

「ネット前提社会」において、インターネットはあらゆる仕事に関わってきます。あらゆるものが、これからダイナミックに変わっていくことに気づかなくてはいけません。そうした意味で、日本の歴史やインターネットの歴史のこれまでを知り、過去から学べるものを通じてこれからの未来を考える助けとなります。


村井先生講義画面村井先生による講義「インターネット」


── 自身のキャリアだけではなく、社会のあり方を学ぶことで、自分の役割を見出したり仕事の意義をみつけることができてくるかもしれませんね。


20代や30代の世代こそが、これからの社会で活躍する世代です。だからこそ、いま世の中で何が起きているのかを理解しなくてはいけません。30代であっても、まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。80歳や90歳になる自分の両親の世代でさえも、いまだに本を読みながら学ぶ意欲を持って生活している人も多くいます。上の世代に私たちが教えられることがあると同時に、上の世代から学ぶべきものもたくさんあるはずです。

改めて、新しいことを学んだり学び直したり、全体的で横断的な知識や分野を知ろうとすること。一冊の本だけではわからないことも、講義という形から見えてくるものは多くあります。教授とのやりとりや質疑応答、学ぶ人たち同士のコミュニティを通じたフィードバックをもとに、さらなる学びのきっかけをつくり、これからの社会を考え、行動してくれることを期待します。


村井教授その2


インターネットの登場によって、時代の変化も加速度的に進んでいます。これからの社会を担う20代30代が、これから何をどのように学んでいくべきかを、考えさせられるインタビューでした。

自分に何ができるのか、何を学ぶべきかを考え、MOOCを通じて自分の専門性を高めたり、それまで知らなかった分野を知るきっかけとして、有効活用してみてはいかがでしょうか。


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無料で学べる大学講座・gacco

(江口晋太朗)

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