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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,,,,,  11:00 AM

低価格化は本当に正解だったのか?ソフトウェア業界を変えた「アプリストア」の功罪

低価格化は本当に正解だったのか?ソフトウェア業界を変えた「アプリストア」の功罪

アプリストア


アプリストアなるものが登場してから、それなりの時間が経ちました。ソフトウェアはこうしたストアで買うことが多いという人も、今ではずいぶん多いのではないでしょうか。でも、出始めたころは不満の声がかなり聞かれました。では、現在のアプリストアはどうでしょうか。初期のころと事情は変わったのでしょうか。アプリストアの登場で、ソフトウェアは良くなったのでしょうか、それとも悪くなったのでしょうか。私はその両方だと考えます。


本題に入る前に、この記事で話題にする「ストア」について、はっきりさせておきましょう。読者の方々はすでにご存じとは思いますが、アプリストアとは、特定のプラットフォームを対象にしたソフトウェアが購入できる場所です。こうしたストアのほとんどは、販売されているソフトウェアが対応するOSの開発企業が運営しています。とはいえ、一般的なストアや、筆者がここで取り上げるストアを皆さんがすべて知っているとは限らないので、一覧を挙げておきましょう。

ここでは、存在するアプリストアをすべて列挙せず、もっとも人気が高いサイトを挙げました。どのストアも運営方法はかなり似通っており、長所と短所を多く抱えています。このほかにも、各ゲーム機向けストアや、比較的規模の小さいアプリストアがありますが、現時点でソフトウェアの購入先として大きな位置を占めるのは、この6つではないでしょうか。


功罪その1:ソフトウェアの低価格化

AppleやGoogleがアプリストアを立ち上げるまで、モバイルプラットフォームにはサードパーティのソフトウェアがほとんどありませんでした。一方、デスクトップの世界はだいぶ様子が違っていました。モバイル分野でまず先に起きたと思われるアプリの低価格化の波が、あとになってPCにも押し寄せたのです。高額なソフトウェア製品が大幅に値下がりし、多くのユーザーにとって手の届きやすい価格になりました。

しかし、開発する側にとってみると、低価格化は大きなダメージです。フリーなオープンソース・モデルは素晴らしい成果を数多く生んでいますが、多くのユーザーを抱えるソフトの製作には、たいていの場合、それなりにコストのかかる開発チームが欠かせません。ソフトウェアに大金を払いたくないというユーザーが増えれば、開発者側の収益はダウンし、高給取りの開発チームを雇い続けるのも難しくなります。

例えば、優れたTwitter向けアプリの『Kiwi』はこの問題に直面し、アプリの開発を打ち切りました。今は、別のソーシャルネットワーキングプラットフォーム「App.net」のクライアントとなっています。

開発したソフトウェアにコストに見合った価格をつけている開発者にとって、これは大問題です。もはや従来ほどの高い価格がつけられなくなってしまったのですから。確かに、不当なまでに高かったソフトウェア製品の価格は、適正水準にまで下がりました。とはいえ、開発費用を本当に必要としている開発者にとって、価格の下落はダメージでしかありません。

加えて、大半のアプリストアは、売り上げのかなりの部分(一般的には30%)を徴収します。そのため、こうしたストアでソフトを売る開発者にとっては、さらなる収入減につながってしまうのです。もちろん、アプリストアで販売したために知名度が上がり、値下げ分を埋め合わせても余りあるほどの売り上げが出た場合は、アプリストアのマイナス効果は帳消しとなります。


功罪その2:質の低下

既存ソフトウェアの多くは、低価格化の波に揉まれつつも何とかある程度の質を保っていますが、すべてが持ちこたえているわけではありません。開発を諦めざるを得なかったアプリもあれば、開発サイクルが遅くなったものもあります。とはいえ、そのせいでソフトウェア全体の質が下がっているかというと、必ずしもそうではありません。大きな問題を引き起こしているのは、手っ取り早く儲けることだけを目的に粗製濫造される、新たなタイプのアプリです。

通常、アプリストアには返品規定がありません(あったとしても、役に立たないものばかりです)。しかも、購入前にアプリを試すこともできません。最近では、ユーザーが使い心地を試せる無料の「ライト」バージョンを提供するアプリも多くありますが、こうしたバージョンがない場合は、イチかバチかお金を払って買ってみるしかありません。評価システムがあったとしても、アプリの良し悪しを見分けるのは至難の業です。

だからこそ、低品質アプリを粗製濫造する開発業者でも、荒稼ぎができるのでしょう。こうした業者は、通常の「良質な」開発者と違い、アプリのアップデートやメンテナンス、サポートの提供などをする気がまったくありません。問題が長引いたら、アプリをストアから引き上げて、良く似たアプリを別の名前で出すだけです。筆者もこうしたケースを、ソーシャルメディア関連アプリで頻繁に見かけます。

こうした詐欺まがいの怠慢な開発業者を抜きにしても、アプリストアに登録されているソフトウェアの数はあまりに多く、質が高いとは言えないものがほとんどです。ストアのスタッフがオススメのアプリをピックアップしたり、ブログが掘り出しものアプリを紹介したりしていますが、数が多いため、良質のアプリを見つけるのは困難です。

筆者は職業柄、新しくて優れたソフトウェアを常に探し回っていますが、大量のゴミのようなアプリを選り分けなければなりません。質の悪いソフトウェアはアプリストアが普及する前から存在していましたが、良質なものと対等な立場にあったわけではありません。かつて開発者は、自分たちのサイト上でデモやお試しバージョンを提供し、ユーザーは役に立つものとそうでないものを、今よりずっと簡単に見極められました。そのため、低品質アプリはさほど成功を収めることができなかったのですが、今では、こうした質の悪いアプリにもひと儲けのチャンスがあるのです。


功罪その3:マイクロアプリの時代が始まる

低品質のアプリのほとんどは、たった1つの機能に特化した、いわゆる「マイクロアプリ」です。もちろん、こうしたアプリがすべてダメというわけではありません。実を言うと、個人的に気に入っているアプリもたくさんあります。アプリストアの普及前には、多くの開発者がOSに欠けている機能を補うためのマイクロアプリを作り、無償で提供していました。同じ機能が欲しいと思うユーザーも、内容を知った上で導入していたのです。わずかな時間で開発できるので料金を徴収するほどでもないと考えられていましたが、アプリストアの登場で状況は一変しました。

アプリストアでマイクロアプリが多く取り扱われているのは、ソフトウェアに大金を払いたくないユーザーがいるからです。とはいえ、そんなユーザーでも、役立つアプリには1~2ドルくらいなら払ってもいいと考えるので、便利なソフトをこれまで無料で提供してきた開発者も、多少は稼げるようになりました。苦労してアプリを製作している開発者たちに多少なりとも報いることができるわけですから、それ自体は良いことです。しかし、高価なソフトウェアと同様に、どうしようもないものが多いのもまた事実です。1ドルという価格設定なら、罪の意識もなくやすやすと小金を稼ぐことだってできます。たいていの人は、1ドルくらいならとりあえず買ってみる気になるからです。

こうした問題は、言うまでもなく、アプリストアで出遅れたWindowsより、モバイルプラットフォームやOS Xで多発しています。とはいえ、マイクロソフト側も、アプリストア経由で同社プラットフォームに提供される良質のソフトウェア製品(さらにはソフトウェア自体)が少ないという問題を抱えてはいるのですが。

動きのいいユーティリティソフトがたくさんあるのは便利なのですが、数が増えるほど、高品質のものが占める割合がどんどん低くなるのは否めません。マイクロアプリ自体は良いものですが、アプリストアで購入する場合には、払った代金に見合うだけの機能が本当にあるのか、念を入れて確かめ、役立たずのアプリを掴まされないよう気をつけましょう。


功罪その4:ユーザーに迷惑をかけないDRMの採用

私はDRM容認派では決してなかったのですが、アップルが最初にメール認証システムを取り入れたのをきっかけに、このやり方ならコピープロテクトも許せると思うようになりました。DRM(デジタル著作権管理)の問題点は、ソフトウェアを合法的に購入したユーザーに不便を強いる点にあります。しかし、アップルのApp StoreのDRMは、ユーザーにその存在をほとんど気づかせません。コンピューターやスマートフォンから一度サインインしてアプリの使用を許可すれば、あとは何を買っても問題なく動きます。

もちろん、例外もあります。アプリストアの中には、インストール数に制限を設けているものもあります。マシンを変えるたびに、使用しないソフトについてアクティベーションを解除しておかないと、いずれは上限に達してしまいます。たいていはサポートデスクに電話1本、あるいはメールを1通送るだけでこの問題は解決できるものの、1~2日はソフトが使えなくなるでしょう。「それくらいなら我慢すれば?」と思うかもしれませんが、急ぎの仕事を抱えていたら、そうも言ってはいられません。

しかし、一般的にはこうした不便が出てくるケースは稀ですし、回避するのも簡単です。たいていの人はハイテクにそれほど詳しくなく、コピープロテクトがかかっていることにすら気づかないでしょう。そもそも存在すら悟らせないようなDRMについて、もしかしたら不便かもしれない、という程度の理由で反対するのはちょっと無理があるでしょう。


功罪その5:購入記録が永久に保存される

買ったアプリは永遠に購入者のものです。アカウントが存在する限り、ごちゃごちゃとした長い購入履歴のリストが残ります。私は職業柄、アプリの購入数やダウンロード数が非常に多く、これだけの数になると、せっかくの購入履歴もまったく活用できません。しかし、すべて(少なくとも大部分)の購入済アプリを1カ所にまとめて記録しておけるというメリットはあります。

おかげで、これまでに購入したものは履歴から見つけられますし、理論上は、新しいマシンを買った際にもすぐにダウンロードできるはずです。でも、履歴があまりに膨大になってしまうと、新たにインストールしたくないものを選別しなくてはならず、時間の無駄になります。良さそうだと思ってダウンロードしたり購入したりしたアプリが、いざ使ってみたら気に入らず削除した、という場合でも、購入記録からは消えないのです。購入履歴をユーザー側で管理可能にする機能や、アプリをピックアップする機能がアプリストアに追加されればいいのですが、現状では、再インストールの際に履歴はあまり役立ちません。


功罪その6:アップデートにまつわる問題

アプリストアでは、アップデート(更新)はユーザー向けの無料サービスという扱いになっています。3ドルのアプリで、ユーザーは永久に無料アップデートでき、開発者もそれだけの収益で食いつないでいけるというなら、これほどいい話はありません。でも、そんなことは無理であり、課金しなくてはならなくなります。大半のアプリストアには有料アップデートの選択肢がありません。よって開発者は、収益を得るために、新たにアップグレード版のアプリを作り、元のアプリのアップデートを終了せざるをえなくなります。有料アップデートは、新規のアップグレード版より安くなるべきですが、システムそのものが存在しないので、その価格設定さえできないのが実情です。

これは、ユーザーにとっても、アプリ開発者側にとっても困った状況です。現状のままでは、開発者が複雑なアップデート事情をユーザーに告知しなければならず、ユーザーがアップデートを見逃す場合もありえます。そして、ユーザーは安くアップデートできるチャンスを、開発者はアップデートによる追加収入のチャンスを逃してしまいます。

アプリストアが、なぜ有料アップデートという選択肢を設けないのか、理解に苦しみます。開発者が有料アップデートとして課金し、より多くの売り上げを得られれば、アプリストアの懐も潤うはずです。ユーザーも同一アプリを使い続けられるようになり、購入履歴に複数のバージョンがごちゃごちゃと並ぶ事態を避けられます。でも、今の状態ではどうしようもなく、誰もがイライラを募らせているわけです。


アプリストアの改善点

アプリストアの登場で、ソフトウェアの購入はとても楽になりました。私も個人的にはとても気に入っています。支払情報の入力に煩わされることなく簡単に購入できて、即座に使い始められるのは本当に便利です。そうは言っても、ここまで書いてきたように、現状ではさまざまな問題があるのも事実です。では、アプリストアを今以上に良いものにするための改善点をいくつか提案しましょう:

  • デモや「お試し」機能:高価なソフトウェアは値段に見合った機能を有していると実証できます。
  • アップデート機能の改善:開発者の要望に応じて有料アップデートが可能になれば、ユーザーは同一アプリに新規購入時と同じ代金を何度も支払わずに済みます(もちろん、有料アップデートである点を明示し、ユーザーの混乱を防がなければなりません)。
  • 購入履歴の管理機能:かなり前に買ったアプリを探して、延々と続く購入済アプリのリストをチェックしたり、新しいマシンに望みのソフトをインストールするために何時間もかけたりする手間を省きます。
  • 開発者レビューの導入:役に立たないアプリの数を減らすために有効であり、低品質のアプリを量産している悪質な開発業者を排除できます。

残念ながら、現在のアプリストアは非常に使い勝手がよく、ユーザーから見ても致命的な問題はないため、近い将来の大幅な改善は望めそうにありません。いつの日かアプリストアが改善され、最高のサービスを提供してくれる日を期待しましょう。


Adam Dachis(原文/訳:長谷睦、遠藤康子/ガリレオ)

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