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印南敦史  - ,,,  07:30 AM

萌え、メガ、ふわとろ...「辞書に載る言葉」を辞書編集委員はどう見つける?

萌え、メガ、ふわとろ...「辞書に載る言葉」を辞書編集委員はどう見つける?

辞書に載る言葉はどこから探してくるのか? ワードハンティングの現場から


『三省堂国語辞典』(通称『三国(さんこく)』)は、新語や若者言葉、スラングなど、新しい言葉や日常生活に根ざした言葉を積極的に収録する編集方針で有名。わかりやすい文章表現も含め、従来の辞書とは一線を画す存在であるといえます。

そんな『三国』の編集委員を務める著者が、デジカメ片手に街を歩きながら、新たに収録すべき言葉を探し求めてつづったエッセイが『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか? ワードハンティングの現場から』(飯間浩明著、ディスカヴァー携書)。

さて、著者はどのようにして、どんな言葉を気にかけるのでしょうか? 印象に残ったいくつかを引き出してみたいと思います。


「萌え」はどう使われている?


「流行を発信する街」を歩くにあたり、著者はどこよりも先に秋葉原を選んでいます。その理由のひとつは、「萌え」という言葉の使用実態を確かめたかったから。ちなみに『三国』では「萌え」について、第6版(2008年)で初めて次のように説明を加えたそうです。


もえ[(萌え)](名)[略]③かわいい少女などに、心が強くときめくこと。(21ページより)


こんなことが記載されている辞書はやはりユニークとしか言えませんが、著者は「萌え」を求めて秋葉原を歩いているとき、あることに気づきます。秋葉原で目にする「萌え」は、心の様子というより、「楽しい"萌え"が盛りだくさん」のように、モノとして扱われている場合が多いということ。

そしてこのことについて、「ひとつのことばが、場合によって心の様子を表したり、モノを表したりすることは、しばしばあります」と説明しています。たとえば「楽しみ」は、「会える日が楽しみだ」と言えば心の様子を表しますが、「釣りが私の楽しみだ」と言えば「趣味」(=楽しい気持ちを引き起こすモノ)の意味を表すといった具合。

とはいえ一般に使われる「萌え」は、やはり心の様子を表すのがふつう。特に、「横顔萌え」「制服萌え」のように「◯◯萌え」の形で使う例が目につくといいます。そんなわけで『三国』第7版では、「◯◯萌え」の用例を補うつもりでいるのだとか。(20ページより)


数量を強調する「メガ」


原宿のアクセサリーショップで髪留めの「シュシュ」が『三国』から漏れていたことに気づいた著者は、続いて「メガりぼん」という表記に関心を抱きます。


「メガりぼん」はさすがに国語辞典には載せられませんが、「メガ」自体は興味深いことばです。(54ページより)


国語辞典に乗っている「メガ」の意味は、「100万」「100万倍」など。一方、巨大銀行を「メガバンク」と言うように、メガには「巨大」という意味も。しかしこちらが必ずしも辞書に載っていないのは、特殊な用法と考えられていたからも知れないと著者は推測します。

ところが2000年代後半から、「メガマック」(マクドナルド)、「メガ牛丼」(すき家)、超大盛りのことを「メガ盛り」など、「メガ◯◯」という言い方が増えてきたそうです。かくして「メガ」は、大きいもの、量の多いものを強調する接頭辞(上につく造語成分)として、いろいろな言葉をつくるようになったのだといいます。

ちなみにこれまで「メガ企業」「メガ合併」「メガ公庫」「メガ損保」「メガ広告」「メガ祭り」「メガ文字」「メガ弁」などの「メガ◯◯」を"拾ってきた"という著者は、「メガ」より遅れてインターネット方面から「ぐう」という言葉が広まりつつあるとも指摘しています。「ぐう畜」(ぐうの音も出ないほどの畜生)、「ぐうかわ」(非常にかわいい)など、程度の大きさを表したもの。この種の言葉の新陳代謝は激しいということです。(53ページより)


増える「ふわとろ」型


水道橋の遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」を歩いていた著者は、カフェレストランの店外に並べられた料理サンプルに書かれた言葉に目を留めます。


ふわとろ玉子の/ハヤシライス/1,280yen(114ページより)


言うまでもなく、「ふわふわ」で「とろとろ」の意。別に不思議なことではありませんが、このように2つの異質な擬音(オノマトペ)をくっつけて新しい擬音をつくる例が増えていることに著者は注目しているそうです。

しかも「がたごと」(がたがた+ごとごと)のように擬音を2つ組み合わせるだけなら昔からありましたが、近ごろは「ざらべた(ざらざら+べたべた)」「ぷるつや」(ぷるぷる+つやつや)のように、異質な擬音を組み合わせる例が多くなっているというのです。なお、ここで印象的なのは、著者がこうした傾向に対して肯定的であること。


従来の「ふわふわ」「ふわり」「ふんわり」といった一般的な擬音の型に、新しく「ふわとろ」型が加われば、表現の可能性は一気に広がります。より細かく表現したいという人々の欲求が、新しい擬音の形式を誕生させたものと考えられます。(116ページより)


「今後、この型の擬音は、国語辞典の中でも増えていくに違いありません」と結論づける柔軟な考え方こそ、『三国』の魅力の原点だと実感できます。(113ページより)


辞書のために言葉を集めるさまが描写された作品としては、辞書編集者を主人公にした三浦しをんの小説『舟を編む』が有名。ですが同じように本書からも、辞書をつくる人たちの言葉に対する暖かい気持ちが伝わってきます。


(印南敦史)

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