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堀込泰三  - ,,,  10:00 PM

地球の裏側に引っ越して1年。人生をリセットする前に知っておきたかった4つのこと

地球の裏側に引っ越して1年。人生をリセットする前に知っておきたかった4つのこと

地球の裏側


昨年、夫と私は仕事を辞めて、持ち物をすべて引き払い、家族で世界の裏側に引っ越しました。人生の「リセット」が目的です。引っ越し前は、不気味なほどに代わり映えのしない毎日に嫌気がさしていました。そこで私たちは、快適で落ち着いた生活に別れを告げ、冒険へと旅立つことにしたのです。


私たちの目には、ケープタウンが魅力的に映りました。夫のベンはもともとケープタウン出身で、私も昔、南アフリカに住んでいたことがあったのです。そこで、何もかもを売り払い、カバンに荷物を詰め、犬ごと地球の裏側に引っ越しました。出発前、周りの皆が、私たちの勇気をたたえてくれたのを覚えています。称賛には笑って答えましたが、心の中では不安と怖れを抱いていたのも事実です。

誰もが憧れるストーリーかもしれません。職場でくだらない作業をこなしながら、「すべてを投げ出せたなら」と誰もが思っているでしょう。明日にも飛行機に飛び乗ってしまおうか。異国情緒あふれるところで暮らしたい。新しい言葉も覚えてみたい。たくさんの出会いも楽しみだ。すべてをこの手に、人生を変えるんだ。

そうして飛行機に飛び乗ったあの日から、1年がたちました。想像通り、キラキラと輝いた、刺激的な毎日を送っています。新しい発見の連続に、目の覚めるような毎日です。でもこの1年、必ずしもラクなことばかりではありませんでした。

そんな経験を踏まえて、皆さんが冒険に踏み出す前に知っておいてほしいことをお伝えしようと思います。


寂しい


孤独


人生の再スタートともいえる経験です。もっといえば、自分再発明。でも、そこにはあなたを知っている人はいません。何のゆかりもない場所に、突然来てしまったのだから当然です。経験豊富で友達作りが得意なあなたでも、やはり新しい友達を作るには、かなりの勇気が必要になります。もうすぐ4歳になる娘のペニーは、ちょっとシャイな性格。私は、公園で遊んでいる子を見ると、ペニーにこうささやきます。「あの子のところに行って、一緒に遊んで来たら?」

私は今、友達作りに熱心に取り組んでいるので、このようなやり方に対して新しい見方ができるようになりました。「友達にならない?」という質問には、Noと言われるリスクを伴います。でも、あえてその質問をペニーにさせることにしているのです。なぜなら、Noと言われるリスクの裏には、必ずYesと言われる可能性があるから。待ちに待った友達を得るチャンスを、そうそう逃すわけにいかないのです。だから、私も同じ質問をするし、ペニーにもそうさせるように働きかけています。

ときどき、高校生に戻ったかのような気持ちになります。気の合わない仲良しグループから、抜け出したことを思い出すのです。あのときは、何だかそれが爽快だった。そして今、35歳になった少女は、転校生として新しい学校にやってきて、気の合う仲間を探してる。ケープタウンの社交界は非常に確立されていて、仲間意識が非常に強いところ。だから、サークル内の結束が固く、転校生が入っていく余地はほとんどないのです。

母国を離れてみて初めて、かの地では仲間として受け入れられていたのだと気が付きました。自分たちのサークルがあって、新しい友達なんて必要なかった。今は、あのクールで面白くて刺激的な仲間はいない。そう思って、ふと寂しくなることがあります。

だから、これだけは覚えておいてください。自分たちの仲間が見つかっても、いくつかの空席は残しておいてほしい。新しい友達は、普段会うことのない人と出会うことでできるもの。新入り、外国人、その場に不釣り合いな人と無限につながっていくのが、友達の輪だと私は思うのです。


自分の弱さに気付く


リスクを冒す人にとって、弱さは苦しい状況です。人生を変えようと動いたことがある人や、あえてレールから外れたことのある人なら、弱さの意味を知っているでしょう。最近気づいたのですが、大冒険に出ることは、強くあることではなく、弱さを受け入れること。でも、弱さというのは良い兆候なのではないかと私は思うのです。かつて自分を取り囲んでいた自信はどこかに行ってしまった。つまり、安全な場所はどこにもありません。だからこそ、弱いときには、新しいシチュエーション、新しい人、新しい場所、新しいアイデアに目を向けることができるのです。

母国では、すべてを持っていました。私たちは、成功を収めた30代アメリカ人の頂点にいたのです。でも、ここ南アフリカでは、仕事もなければ車もありません。義父に保証人になってもらわなければ、銀行口座も開けませんでした。子供たちをどこの学校に入れていいかもわかりません。携帯電話の契約にも、連帯保証人が必要でした。それはとても屈辱的で、多くの助けが必要でした。でも、家族、友達、そして見知らぬ人までもが、私たちを助けてくれたのです。

1年たった今、ケープタウンに来たばかりの人を我が家に泊めてあげることがあります。この地で人生をやり直すことの恐怖と課題が、身に染みてわかるから。だから、来たばかりのころに人々からもらったアドバイスや知見を伝えるようにしています。助けを求めることと、それに答えることが、私たちをつないでいるのだと再認識しました。母国では、私たちは弱くなかった。何でも知っていたし、友達もいた。進む道も明らかだった。それは快適な生活だったけれど、私たちはチャンスを逃していたのです。ここに来てから、すべてのことに心を開けるようになりました。


問題は消えない


荷物


逃げたところで問題はなくなりません。あたりまえのようでいて、これが予想よりもずっと厳しい。人生をまるっきり変えたつもりでいたのに、同じ問題が、相変わらずあなたを取り囲んでいるのです。むしろ、新しい環境でより顕著になるものすらあります。

詩人ウォルト・ホイットマンの詩『大道の歌』(原題:Song of the Open Road)は、旅人と独立した魂への賛歌です。これを読むといつも、「元気一ぱい、安んじて」のところで、私は自由と可能性にひきつけられます。でも、挿入部分で、ホイットマンはこう打ち明けるのです。「私は自分の行くどこへも彼らを運んでゆく、/はっきり言うが、彼らを突っ放すことは、私にとっては不可能なのだ、」と(出典:長沼重隆訳『草の葉』 角川文庫)。

私たちはつい、シーンが変われば問題は解決できると信じてしまいます。でも、世の中そんなに甘くありません。とはいえ、シーンを変えても問題はなくならないけれど、その問題を新しい視点で見られるようになるはずです。古い習慣や行動を打破するチャンスなのです。状況が変われば、問題に対する感じ方も変わってきます。例えば、仕事に不満があったのは、決して仕事だけが原因ではなかったことに気付いたり。状況をがらりと変えて、問題を隠していた構造を取り払ってしまえば、あとはそれに正面から取り組むだけ。それを乗り越えたあなたは、いつの間にか新しい自分になっているはずです。


なぜこんなところにいるのだろう


辛い日々が続くと、ホームシックになることもあります。ホームシックとは乱暴な感情で、合理性のかけらもありません。あなたは、「何でこんなことをしているのだろう」と自問することになるでしょう。

大きなリスクを冒したときや大冒険の道中では、必ず疑念が訪れます。私たちは疑念が訪れたら、それを受け入れることにしています。なぜならそれは、自分の心が感じている現実であり、経験の一環だと思うから。その一方で、深刻にならないようにする工夫も必要です。深刻な状況が続けば、せっかくのポジティブで刺激的な状況を楽しむことができなくなってしまうから。言い換えれば、自分が存在する理由を見失ってしまうのです。

深刻にならないようにするために、私たちはこのストーリーの始まりを振り返ることにしています。そもそもここに来た理由は何だっけ。と、最初のモチベーションに戻ることで、頭がクリアになります。こういう時には、疑念に対する確固とした答えが必要。私たちの場合、「これは、人生をリセットするチャンスなんだ」と自分に言い聞かせます。これを繰り返すことで、再び力強く、前に進めるようになるのです。


もう1度やり直すなら


世界


正直な話、この経験は、出発前に想像していたものとは違います。でも、たとえそれを知っていたとしても、1年前の私たちは飛行機に乗ったでしょう。たんにこの冒険を正当化したいだけかもしれませんが、私たちが方向性を変えるためには、地理の変化が必要だったのだと確信しています。決しておとぎ話のようにはいかないけれど、より豊かで納得のいく選択だったと信じたいのです。これからも、自分の気持ちに正直に、実践的に生きていきたいと思います。たとえそれが快適でなかったとしても、ただ待っているだけの人生なんて、選びたくないから。

少しずつわかってきたことがあります。それは、冒険とは、場所や経験でもなければ、航空券でもないこと。本当の冒険とは人生のスリルであり、徹底的かつ誠実に、目的をもって生きることなのです。そのような生き方には必ず、疑問、リスク、弱さが伴います。でも、それこそが、私の望む生き方なのです。


What No One Tells You About the Big Adventure | Medium

Anna Adlard(原文/訳:堀込泰三)

Images via Flegere, bikeriderlondon, and sdecoret (Shutterstock).

  • ,,,, - By

    友清哲

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