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佐藤ゆき  -   06:00 PM

「野心的国家」におけるインターネット関連の起業は、世界をいかに変えていくか?

「野心的国家」におけるインターネット関連の起業は、世界をいかに変えていくか?

野心的国家


Inc.:先進国では、革新的な起業家の努力によって、インターネットの利用方法は飛躍的に成長し、過去20年間、経済に大きな影響を与えてきました。新興市場におけるインターネット関連の起業はほとんど注目を浴びてきませんでしたが、経済成長や社会の発展において大きな役割を果たしてきました。

私たちは今回、「野心的国家」、つまり近い将来世界的に大きな経済大国の一員になりうる経済規模と成長スピードを持っており、国の繁栄度が先進国に近づいている国々、について調査をしました。


私たちは30の国を「野心的国家」としました。その国々の2010年のGDPの合計は19兆ドルであり、世界全体のGDPの30パーセントを占めます。中国やメキシコを初め、それらの国々の多くは、すでに世界経済において重要なポジションを得ています。しかし、1人当たりの収入や国の繁栄度においては、先進国のレベルに到達している国はまだ存在しません。

2010年、この30ヶ国はすべて、名目GDPが900億ドルを超え、1人当たりの名目GDPは1000ドルから2万ドルの間でした。2005年から2010年にかけて、1人当たりの名目GDPの年間複合成長率は3パーセント以上を記録しました。

こうした国々におけるインターネット起業家は、多くの場合、社会起業家でもあります。個人、企業、政府がインターネット関連経済において大きな役割をもつようなエコシステムを形成するという意味において。

ネット利用の増加、インフラの整備が進んだことによって、起業家は「野心的国家」で新しいビジネスモデルを立ち上げられるようになりました。先進国が開発した人気のウェブアプリケーションをEコマースや公共政策のプラットフォームに活用することで、野心的国家の起業家は新しいサービスやプロダクトを生み出し、国内のユーザーにより充実したサービスを提供するようになりました。

野心的国家では毎年約15万のネット関連のスタートアップが生まれており、インターネットのエコシステムの拡大に貢献しています。そうしたスタートアップは、消費者や企業が使用する基盤を築いています。ある調査によると、小・中規模の企業においては、インターネットによって1件の仕事が失われる代わりに、3.2件の仕事が生まれているとのことです。


注目のスタートアップ


野心的国家における起業は、その地域が抱える問題、たとえば後方業務における問題、低いクレジットカードの使用率、電力供給の問題、といった課題への解決策が求められている状況を背景に発展してきました。たとえば、ケニアの非営利のテクノロジー企業Ushahidiは、BRCKという名前のデバイスを開発しています。BRCKは「インターネット用のバックアップジェネレーター」です。停電時にも、ネットへの接続をより安定させるために開発されたものです。このプロジェクトは、最小限の努力でネット接続を確保することを目的としており、イーサネット、Wi-Fi、モバイルデータゾーン、そして内蔵のバッテリーへの自動切替といった方法を、状況に応じて使い分けることによって、電力供給が途切れたときにもネット接続を保ちます。

その他、1人当たりのネットサーバーの不足、低い帯域幅、PCの普及率の低さといった問題がよく野心的国家では指摘されていますが、インターネット起業家はそうした問題の解決を目指してビジネスモデルを作っています。たとえば、インドの起業ベンチャーであるNaukri.com という求人・求職サイトでは、従来のウェブをベースとしたサービスに加えて、電話の音声やテキストメッセージも利用して、サイトにより簡単にアクセスできるようにしています。

野心的国家の多くでは、オンライン決済の使用がまだあまり浸透していません。オンライン決済は、詐欺に対する法的保護手段などの制度や環境が整備されなければ、普及が進まないでしょう。インドでは、Redbus.inのような、チケット販売サイトでは、利用に不安を感じるユーザーの多いクレジットカードの代わりに、商品の到着時に現金で支払うという選択肢も提供しています。こうした後方業務に関する問題の解決を目指した同様のイノベーションは他にも多数あります。インド最大のオンライン小売業者の1つであるFlipkart.comでは、宅配業者の使用手数料を少なくしたり、小さな都市への配送時間を短くするといった仕組みの構築を進めています。

一方、モザンビークではmoWoza というスタートアップが、テキストメッセージやスマートフォンのアプリを使って、販売者と卸売業者からの荷物を運ぶタクシーをつなぐサービスを提供しており、より速い、携帯端末をベースとしたサプライチェーンを構築する試みに取り組んでいます。同社は、国際的な取引をより規則的かつ効率的にすることを目指しており、追跡・配送サービスを提供するMコマースを担う大手企業の1つとしての位置を確保しています。

野心的国家で立ち上がったスタートアップの多くは、先進国で生まれて成功したビジネスモデルをコピーし、同時に地域的な条件にも合わせて活用しています。たとえば、トルコでは日々の特価品を販売するサイトの分野で、成長の著しい若いスタートアップがいくつか目立っていますが、それらはGrouponやLiving Socialといった欧州企業のモデルを真似たものです。

野心的国家には、グローバルな市場での成功を見込んでプロダクトを開発している起業家が他にも存在しています。ハンガリーのPreziは、クラウドをベースとしたツールで、従来のようなスライドを並べた形のプレゼンではなく、巨大な1つのキャンバスに描いているかのようにプレゼンを作成することを可能にしました。Preziは、ユーザーに無料でサービスを提供する代わりに、ユーザーの作品を公開する権限を得ます。非公開のプレゼンを作成したいユーザーには、有料のプレミアムサービスを提供するという仕組みです。2007年に開発されて以来、PreziはTEDカンファレンスやデンマークのSunstone Capitalから資金調達を受けています。

その他、都市部の渋滞から公共衛生、治安の改善まで、さまざまな社会的な課題に取り組んでいるスタートアップが存在します。2010年には、エジプトの若い起業家たちがBey2ollakという、クラウドを利用してリアルタイムで渋滞情報を更新するという携帯端末とウェブ上のアプリケーションを開発しました。このアイデアは、創業者自身がカイロの渋滞に不満を抱いていたことがきっかけで生まれたものです。アプリケーションがローンチしたその日に、5000名のユーザーを獲得し、Vodafone Egyptから提携の提案を受けました。このサービスは1年以内で、4万6000名のユーザーが登録しました。


好循環


ほとんどの先進国では、インターネットは好循環を生み出しました。適切なインフラと幅広いユーザーを元に、ネット関連事業はプロダクトとサービスをつくり、利益を生み出すことで成長していきました。そうしたネット事業の成長は、インフラへの投資とネットの更なる利用を促進していきました。そうした組織の例には、AmazonやApple、Googleなどが挙げられます。彼らはネットの利用を促進しつつ、事業を巨大な規模へと成長させ、その関連分野に新しい企業の参画を促進していきました。

中国では、EコマースサイトのTaobao が似たような影響力を発揮し始めています。Taobaoは、中国でもっとも大きなオンライン市場で、600万人以上のユーザーに販売の場を提供しています。Taobaoは支払いシステムの構築とネットトラフィックの促進のために大きな投資を行いました。これによって、小・中規模の企業がTaobaoに参加する際の敷居を下げることができました。そして、オンライン広告、IT、速達配送、倉庫業者といった周辺事業におけるスタートアップが促進されました。

アルゼンチンを拠点に、Eコマースプラットフォームを運営するMercado Libreも同様に、オンライン市場のビジネスモデルをラテンアメリカへと導入しました。ですが、野心的国家の多くはこの好循環が生まれるレベルまで到達するのに、まだ長い道のりが控えています。インフラの整備が追いついていない状況は、ネットの成熟度とネット利用の低さに影響を与えています。また、資金が足りない状況も、こうした状況を複雑にしています。

野心的国家において、ベンチャーキャピタルの不足はもっとも大きな課題となっています。情報技術やコミュニケーション技術の分野に対する海外からの直接投資は、大規模な通信技術プロジェクトや、既に規模が拡大したインターネット事業に集中する傾向にあります。野心的国家の多くでは、資本コストの高さが原因で、起業の際にローンを組みにくかったり、初期の投資を受けにくくなっています。そのため、成長見込みの高い起業家であっても、事業の拡大に苦労することが多いのです。

野心的国家の中には、革新的なスタートアップに対して、事業の成長を支援するためにツールや資本を提供することに注力しているベンチャーも存在します。たとえば、ナイジェリアのインキュベーターであるWennovation Hubは、テクノロジースタートアップや成長が見込まれるベンチャーの株式を取得する代わりに、施設やメンターとしてのアドバイス、ネットへのアクセス、法的なサポート、資金調達の機会を提供しています。起業家は半年~9ヶ月、ビジネスのトレーニングコースを受け、生まれたてのプロダクトを市場に出せるように変化させ、立ち上げ戦略を成功させることに注力します。長期的な目標は、ナイジェリア国内で、成長中のスタートアップに対する投資コミュニティを築くことです。


インターネット関連の起業を支援する政策


野心的国家の政策立案者は、事業を登録するための壁を低くしたり、資金調達を簡単にすることで、ネット起業家を支援しています。中には、政府からの資金援助を受けてそうした役割を担っているベンチャーキャピタル団体が存在する国家もあります。たとえば、モロッコのMaroc Numeric Fundは、インターネットスタートアップに対して初期ラウンドの資金を提供することに力を注いでいます。

政府は、ネット接続のコストを下げ、ネット接続が可能な地域を拡大し、ITリテラシーを強化することで、インターネットのエコシステムの拡大を支援することもできます。南アフリカのDigital Doorwayは、農村地帯にコンピュータシステムのネットワークを築き、コンピュータに関する知識を広め、コンピュータを活用した学習プログラムを提供するプログラムを運営しています。政府もイノベーションを生み出す拠点を築くことができるのです。特に今後の成長が期待されている拠点がケニアのKonza Techno Cityで、ハイテク企業のハブとして官民の連携の元、発展しつつあります。


通信会社の担う役割


野心的国家の通信会社は、インターネット関連の起業が成長するために必要な環境整備に重要な役割を果たしています。あらゆるエリアにファイバーを敷き、安定した速い回線を求めるユーザーのニーズに応えることで、モバイルデータ事業の迅速な拡大を促進しています。そのためには、音声とデータを適切に割り当て、データ圧縮とバッファリング技術を活用することが必須です。モバイルデータの利用が伸びることで、音声の利用の落ち込みがカバーされるので、この分野の主導権を握る事業者は、長期的には勝者となるでしょう。

鍵となるのは、消費者の需要をつくることです。ユーザーが求めているのは、手頃なだけではなく、明確かつ予測可能な料金です。そのため、事業者は簡単に理解可能な料金プランをつくる必要があります。請求書を見たときにユーザーがショックを受けることがないように、使用データ量が一定の量に達したときにはスピードを下げるといった方法も可能です。最低価格で利用できる低スピードのパッケージも提供可能でしょう。低コストのデバイスの導入や中古スマートフォン市場をつくることも、ユーザーの利用を促進するための方法として考えられます。

事業者は、ユーザーにサービスの利用方法を手ほどきし、ユーザーが簡単にセットアップできるようにする必要があります。たとえば、デバイスに予めインターネットサービスをインストールしておくなどして。また、割り増し料金を払えばスピードを上げることができるオプションを用意するなどして、とにかくユーザーにとって使いやすい仕組みをつくる必要があります。個人ユーザーだけでなく、モバイルネットワークを活用してサービスを運営したい法人ユーザーにも多くの機会を提供できるでしょう。


最後に


先進国、途上国に関わらず、インターネットがあらゆる場所で成長している状況においては、より大きな脅威に直面したり、誤った用途で使われる可能性も生じます。著作権の侵害やネット犯罪、サイバーテロ、プライバシーの侵害といった問題に対する懸念も膨らんできています。こうした問題に対しては、計画的な確固たる対応が求められます。しかし、市場の成長と景気を加速させるインターネットの力は、そうしたリスクを上回るものです。リスクを理由にインターネットの利用や経済の成長が制限されることがあってはならないのです


How Digital Startups Will Develop the World I Inc.

Michael Chui and James Manyika(訳:佐藤ゆき)

Photo via Shutterstock.

  • ,,,,, - By

    香川博人

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