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堀込泰三  -   10:00 PM

子どもの居場所をGPSで追跡する前に考えたこと

子どもの居場所をGPSで追跡する前に考えたこと

チップ、埋め込む?


npr:作家デイブ・エガーズ(Dave Eggers)の最新小説『The Circle』は、カリフォルニアのコンピュータ会社を舞台とした問題作。"つながり"信仰が世界各国に広がりつつあるのを背景に、コンピュータとカメラを利用した常時シェアリングが好まれる文化が発生、プライバシーを望む人間は厭世的な秘密主義者として軽蔑されている──。そんな世界が描かれます。


その世界ではテクノロジーこそが神であり、プライバシー侵害技術は共有財産としてとらえられている。大都市や草原を問わず設置されたカメラが、軽率な行動や犯罪を暴く。空にはカメラを備えた無人飛行機が飛び回り、オンラインで監視が行われ、不正行為が疑われる人は、追い詰められる。


子供たちの骨には、チップが埋め込まれています。コンピュータ会社の「子ども安全担当プロジェクトマネージャー」であるフランシスは、物語の主人公であるメイにこう語ります。


どの商品を買っても、このチップが付いてきます。ステレオを買えばひとつのチップ、自動車を買えば多数のチップ。(中略)子供がいるべき場所から出た瞬間、大きなアラームが鳴り響きます。同時に、その子供の追跡を開始できるようになります。


この物語を読んで、私はぞっとしました。幼児のうちに手術? 大きくなっても常に監視? いや、たかが小説。されど小説。読み終えてから数日後、ある新技術に関する記事を読みました。それは、エガーズの考える世界が、この現実世界とそう遠くないのではないかと思わせるような内容だったのです。


それは、New York Timesに掲載されていた、子供追跡デバイスに関する記事でした。取り上げられていたのは、小さい子どもでも操作できるような赤い「パニックボタン」がついた腕時計から、GPSとWi-Fiを備え、親の携帯電話に子どもの現在地を知らせるものまで、実にさまざまでした。

もちろんこれらのデバイスは、小さな子どもを守る目的で作られたもの。子どもの動きを図示するだけでなく、保護者からはぐれてしまった子どもが自らボタンを押すことで、あらかじめ指定した5つの連絡先に、誰かが助けに来るまで電話をかけ続ける機能も付いています。

これらのデバイスは、手術で埋め込まれるわけではありません。ですから、エガーズのチップ埋め込みとは大違いだと言う人もいるでしょう。でも私は、そこまで楽観視はできないのです。

はたして世の中は、子供にとってそこまで危険な場所なのでしょうか? 通り魔による誘拐は統計学的に非常にリスクが低いものですし、そもそも誘拐犯は、そのようなデバイスを無効化することぐらいできてしまうと思うのです。ですから、危険や救助に重きを置くよりも、子どもたちが問題解決スキルに自信を持てるように育てることの方が重要なのではないでしょうか。

New York Timesの記事でもやもやを感じた私は、National Center for Missing & Exploited Children(全米行方不明・被搾取児童センター)の見解を聞いてみることにしました。メールで問い合わせたところ、NCMECの行方不明児童部門担当シニアエグゼクティブディレクターのボブ・ローリーさんから返信をいただきました。ローリーさんは、特別な支援を要する子どもにとっての追跡デバイスの利点を強調しており、私はその点を特に好ましく感じました。


NCMECとして特定の商品やプログラムを推奨することはありませんが、徘徊や脱走をするような、特別支援を要する子供の場合、保護者の方は、少なくとも追跡デバイスの利用を検討すべきでしょう。

徘徊癖のある特別支援を要する子ども(ほとんどが自閉症によって話すことができない子ども)の多くは、悲しいことに水に直行して溺死してしまうことがあります。悲劇の大半は急に起こるので、徘徊癖のある特別支援を要する子どもの家族には、警察を呼ぶと同時に、警官が到着するまで待たずに、すぐに捜索を開始するようお伝えしています。特別支援を要する子どもを短期間で見つけるには、追跡デバイスが役立ちます。それ以外の方法で探していては、数日から数週間かかってしまいますから。

実際、バージニア州ハノーバーのロビー・ウッド君の事件では、捜索にほぼ6日間を要しています。ロビー君の場合、生きて発見されたのが不幸中の幸いでした。もしロビー君が追跡デバイスを持っていたなら、見つかるまでに1時間もかからなかったでしょう。

ロビー・ウッド君もそうでしたが、徘徊癖のある子どもは、捜索隊から逃げたり(非常に狭い空間に)隠れたりすることがあります。私たちは溺死の事例を多く見ているわけですから、一部の子どもは恐怖感が薄れているようにさえ思えます。理由はわかりませんが、特別支援を要する子どもはこのような独特の行動(逃げたり隠れたり、危険な状況に関心を示したり)をすることが多く、捜索が非常に困難になってしまうのです。


ローリーさんのおかげで、ある層の人々にとって、子どもの安全のために追跡デバイスが必要であることが理解できました。でも、その新技術が、親の心配を和らげるためという理由で、特別支援を要さない子どもたちにも販売されることになったなら...。

ローリーさんは、私の問いに「NCMECは、子どもに対してはもちろん、大人に対しても、チップを埋め込むような行為を支持することはない」と答えてくれました。それでも、どこかでそのようなアイデアが検討されていることは間違いありません。

たとえば10年ほど前のBBCニュースによれば、ある教授が11歳の少女にチップを埋め込もうとしたところ、倫理の問題で実現しませんでした。2012年には、『The Show』というテレビ番組で、ウーピー・ゴールドバーグが子どもへのチップ埋め込みに反対していましたが、そのときの共演者は埋め込みはいいことだと賛成している様子でした。

さまざまなデマが飛び交っていますが、私の思うかぎり、現時点では子どもたちにチップを埋め込むべきではないと思います。エガーズの小説の世界は、まだ先の話だと。

どうやら、ペットへのチップ埋め込みを始めている人はいるようです。はたして、これは子どもへのチップ埋め込みとそんなに違うことなのでしょうか。私には、世界がすでに危険な道を歩み始めているような気がしてならないのです。


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Barbara J. King(訳:堀込泰三)
Photo by Thinkstock/Getty Images.

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