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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  09:00 AM

「人と違うことをする意志」がセブン&アイ・ホールディングスの成功の秘密

「人と違うことをする意志」がセブン&アイ・ホールディングスの成功の秘密

売る力 心をつかむ仕事術


セブン&アイ・ホールディングスを率いる著者が、オリジナリティに満ちた経営理念を説いた新書が『売る力 心をつかむ仕事術』(鈴木敏文著、文春新書)。広報誌『四季報』で対談した秋元康、佐藤可士和、見城徹、牛窪恵、鎌田由美子、小菅正夫諸氏ら各界の著名人の言葉を引き合いに出しながら、セブン-イレブンをはじめとする事業を成功させてきた秘訣を明かしています。

特徴的なのは「周囲が反対することこそ成功する」、つまり人と違うことをするという意志が全編に貫かれている点。セブン-イレブンが同じ業界内で「10年先を行っている」と言われているということをどこかで読んだ記憶がありますが、本書に書かれていることは、そんなエピソードと見事に直結します。第1章「『新しいもの』は、どう生み出すのか?」から、印象深い箇所を引き出してみます。



提案して反対された13のプラン


「いままでにない新しいものを生み出そう」「新しいことに挑戦しよう」、そんな思いを常に抱き続ける著者は、食品メーカーと組んで(価格など、従来の常識を無視した)数々の商品を開発し、成功に結びつけてきました。しかし現実的には、新しいことを提案するたびに組織の内外から反対や異論の声が上がったのだとか。たとえば、次の13例がそれにあたります。


  • トーハンの広報課時代、二十代でPR誌『新刊ニュース』の抜本的リニューアルを提案し、上司や役員に反対された。
  • 三十歳のときに転職したヨーカ堂では、資金調達のための株式上場を上層部に進言。社内外の顧問弁護士やメインバンクからも反対された。
  • 日本初の本格的コンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブンの創業を提案し、会社の幹部、業界関係者、学者...とあらゆる方面から反対された。
  • 多品目を扱うコンビニの経営を成り立たせるため、大口配送が常識だった時代に小口配送を求め、問屋から猛反発された。
  • 正月も新鮮なパンを提供できるよう、製パンメーカーに正月中も製造を求め、猛反発された。
  • 店舗への納品車両台数を減らすため、牛乳メーカー各社に他社製品も混載する共同配送を提案し、猛反発された。
  • 日本型のファストフードとして弁当やおにぎりの販売を提案し、「家でつくるのが常識だから売れるわけがない」と反対された。
  • 創業以来の減益に陥った1981年度中間期決算時、売り手市場から買い手市場の転換に対応すべく「豊富な品揃え」から「売れ筋商品の絞り込みと死に筋商品の排除による在庫削減」へと政策転換を唱え、「売り上げが落ちる」と反対された。
  • 消費税が5パーセントに引き上げられた1997年の翌年、不況突破企画として「消費税分還元セール」を発案。営業幹部の大半から反対された。
  • いつでも焼きたてのおいしいパンを提供できるよう、製造工場をできるだけ店舗近くに配置替えし、製造から販売まですべてを組み直す提案に対し、製パンメーカーから拒否の意向が示された。
  • 店舗にATMを設置するため自前の銀行(現セブン銀行)を設立する案に対し、金融業界を中心に否定論の嵐が巻き起こった。
  • 低価格ではなく質を優先するPB商品を開発し、グループのどの業種でも同じ価格で販売することに、社内から反対の声があがった。
  • ワンランク上のPB商品、セブンゴールドの開発を提案すると、「価格を高くすると売れないのではないか」と消極的な声が聞かれた。


これらを確認してわかるのは、いくら反対されようが、結果的にはすべてが成功しているという事実です。つまり、そこに経営哲学があるわけで、そのことについて著者は次のように述べています。


新しいものを生み出し、新しいことに挑戦するときはいつも、社内外から反対されるところから始まりました。それでも、反対者が賛成してくれるまで繰り返し説得する、あるいは、「とにかくやってみよう」と反対をおして、挑戦したことの多くは、結果として成功にいたっているのも事実です。(86ページより)


反対に、周囲の多くが「いい」ということには手を染めないことが多かったのだとか。たとえば高度成長期のボウリング事業や、バブル期の不動産投資がその代表。たしかに、もしもこれらに手を出していたら、現在のセブン&アイ・ホールディングスはなかったかもしれません。(82ページより)


手つかずの空白地帯を見つける


つまり大切なのは、競合相手が進出していない「手つかずの空白地帯」を見つけ、新しい価値を提供すること。たとえばヒットPB商品の「セブンプレミアム」も、そんな空白地帯を見つけ出したことによって成功したのだそうです。

ポイントは、「メーカーのナショナルブランド(NB)より安い商品」という位置づけが一般的だったPB商品について、低価格優先ではなく「上質さ」を追求したこと。また、グループ内のコンビニでもスーパーでも百貨店でも、同じ値段で販売するよう指示を出したのは、「いつまでも低価格のPB商品では予定調和のままで、お客様に新しい価値を提供できないから」だといいます。(56ページ)


「6割」より「4割」


そして、仮に商品の価格の低さを重視するお客様と質に価値を感じるお客様がいて、その割合が6対4だったとしたら、4割をターゲットにすべきだとも主張しています。なぜなら、6割のお客様に対して売り手の9割が商品を供給すると、たちまち飽和状態になって価格競争に陥るから。

しかし質を求める4割のお客様に対し、売り手の1割がそのニーズに応えたら、ほとんど無競争状態で圧倒的な支持が得られるとか。セブンプレミアムの大ヒットがその裏づけです。(59ページ)


このように、従来の常識を覆す説得力に満ちた持論満載。読み進めていると、痛快さすら感じます。より多く売る手段を考えている人、あるいはなにかを生み出そうとしている人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。


(印南敦史)

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