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印南敦史  - ,,,  07:30 AM

失敗とは無縁な、華僑のしたたかなビジネススキル

失敗とは無縁な、華僑のしたたかなビジネススキル

一生お金に困らない「華僑」の思考法則


華僑とは、「中国籍を持ちながら、東南アジアを中心とした海外に居住する漢民族」のこと。経済的に大きな影響力を持っていることでも知られていますが、そのビジネス感覚に魅力を感じ、「華僑の師匠」に弟子入りしたという著者による新刊が『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』(大城太著、日本実業出版社)


華僑の教えは決して難解なものではありません。聞き慣れないビジネス用語も出てきません。(中略)非常に合理的で当たり前のことばかり。しかも極めてシンプルです。だから実践しやすく応用もしやすい。

それが私たちにとって新鮮なのは、日本人が忘れがちな人間本意のコミュニケーションを教えてくれるからでしょう。(「はじめに」より)


それは果たしてどんなことなのか? 第1章「失敗という言葉のない『仕事の進め方』」から、華僑流の仕事の進め方をいくつか引き出してみましょう。



絶対にひとりでビジネスをしない


華僑は基本的に3つの役割の人々でチームを組織し、プロジェクトを進めるそうです。個人にのみ頼らないビジネスモデルとして売っていくということで、著者も


  1. 考える人(ビジネスプラン策定)
  2. 実行する人(業務遂行)
  3. お金を出す人(出資)


という3つの役割のチームにより、日本ではあり得ないスピードで事業をスタートさせることができたのだとか。華僑や中国人の資産家は常に投資先を探しているため、儲かる可能性の高いプランであれば大勢が名乗りを上げ、1時間程度の会議でお金を出す人が決まるそうです。

つまり、自分にできないことは、人にやってもらえばいい。なんでもできる人になる必要はないということ。そして向き不向きや将来の展望も含めて自分の役割を突き詰めていくと、努力すべき方向がどんどんシンプル化するとか。(32ページより)


スケジュールを埋めない


「常にスケジュールを空けておけ、いつもヒマにしておけ」著者は師匠から、そう言われていたといいます。華僑は"ビジネスはスピードが命"と考えているため、儲け話が出たときにはその場でやるかやらないかを決定するから。

ですから、いつでも電話に出られる態勢でいなければならないわけですが、24時間対応は現実的に困難。そこで、自分のビジネスにとっていちばん重要な人物を設定し、その人を中心にスケジュールを組み、「何時から何時まではその人の電話にしか出ない」「その人の仕事しかしない」と決めておくというわけです。

つまり大事なのは、自分を引き上げてくれる人、欲しいチャンスを与えてくれる人を最優先にすること。それは時間活用術ではなく、ビジネスチャンスをつかむためのアクティブな手段の一種だと著者は主張しています。(36ページより)


納期や期限のコントロールをしない


これは正確にいえば、「華僑は"直接的に"納期・期限のコントロールをしない」ということ。異郷の地でビジネスをする華僑は、敵を作らないように注意を払っているもの。表面上はいい顔をしたいので、相手に直接圧力をかけるようなことはしない。とはいえ、"スピード命"の彼らが、ただ待つだけ、ということも考えられない。では、どうやって納期交渉をするのかといえば、そもそも交渉などしないというのです。

どんなビジネスでも2本立て、3本立てにするのが華僑。類似商品を扱うA、B、Cの3社があり、今回はA社に発注することに決まった。しかし納期を急がせたい。そんなとき華僑は「必ずいついつまでに納品してくれ」と強くは言わず、代わりに「B社さん、C社さんも扱ってらっしゃるの、ご存知ですよね」と言うだけなのだとか。

さらにはB社に対しても「今回はA社さんにお願いしたんですけどね、私たちはいつも急いでいるんですよ」とさりげなく伝える。するとB社は次の機会を逃すまいと、最短で納品できるように準備をすることになる。それでもB社に動きが見えない場合は、C社にも同様に投げかける。いずれも「私たちは急いでいる」と言うだけで、「A社は遅い」などの批判は一切口にしないそうです。つまりそうやって、競合各社が自発的に早くしてくれる状況を作るわけです。

ただし、これらのテクニックは華僑同士の取り引きではまったく無効。彼らは確実に互いの狙いを見抜くからだそうですが、そんなところからも華僑のしたたかさがわかる気がします。(59ページ)


その他、コミュニケーション、人間関係、お金の考え方、時間の考え方などについても華僑ならではの視点が紹介されています。日本人に応用しづらいものもありますが、少なくともビジネスをスキルアップさせるうえで大きな参考になると思います。


(印南敦史)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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