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堀込泰三  - ,,,  10:00 PM

『CARROT』のつくりかた:作家志望の私は如何にしてプログラミングを覚えてアプリを生み出したか

『CARROT』のつくりかた:作家志望の私は如何にしてプログラミングを覚えてアプリを生み出したか

ブライアン・ミューラー


iOSアプリ『CARROT』は、そんじょそこらのToDoマネージャーとは異なります。開発元の創設者ブライアン・ミューラーに言わせれば、それは「人格を持ったToDoリスト」。タスクを完了させることで"ロボット・マスター"を喜ばせる、少しサディスティックなゲームみたいなToDoリストアプリです(CARROTは先日、タスクを完了しないと止められないという、ちょっと意地悪ですごく素晴らしいアラーム機能をリリースしました)。

これまで『Any.Do』をはじめとする人気アプリの開発者たちをインタビューしてきましたが、今回はミューラー氏に創業当時の話、直面した課題、新米デベロッパーへのアドバイスなどを聞いてきました。



単純なゲーミフィケーションは続かない


──CARROTのアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

ミューラー:まず私自身、ずっと、きっちりした人生を送りたいと望んでいました。そのため、大きなプロジェクトを立ち上げようと思って、最新・最高のToDoリストアプリをダウンロードするものの、実際にタスクに取り掛かろうとすると大きな壁にぶち当たるということを繰り返していました。どのアプリも複雑すぎるうえに個性がなく、リストをアップデートすること自体が退屈な作業だと感じてしまったのです。

やがて私のiPhoneは、生産性向上アプリの墓場と化してしまいました。そこで私は自問しました。「私が本当に使いたいと思えるアプリを、どうして誰も作ってくれないんだろう」と。必要なのはインセンティブ。タスクを完了してチェックを入れる瞬間が楽しくないと続かないと考えたのです。

最初に思いついたのは、ToDoを完了するたびに点数やバッジがもらえるという平凡なゲーミフィケーションでした。でも、考えれば考えるほど、バッジをもらうぐらいで退屈な作業が楽しくなるはずがないと感じるようになりました。私がゲームをするときに求めるものは、言葉やキャラクター、そしてストーリー。決して、ハイスコアを狙ってプレイするわけではないのです。次に何が起こるんだろうという期待があるから、プレイを続けるのです。そこに気づいたとき、「CARROT」という名の、面白くて嫌みっぽい、サディスティックな人工知能というキャラクターを思いついたのです。

CARROTはバーチャルペットのような存在で、ユーザーは実生活で何かを完了することで、この意地悪なスーパーコンピュータを飼いならしてやらなければなりません。効率的に成功を繰り返すことで、CARROTは見返りをくれます。でも、さぼっていると怒りだすのです。またCARROTは、アプリを使うたびにある飼い猫に関するストーリーを、少しずつ話してくれます。その内容はCARROTのご機嫌次第。我ながら、かつてないほどのゲーム性を備えた「ゲーミフィケーション」だと思いました。


自分が得てきた経験を活かす


──アイデアを思いついたあと、次にとった行動はなんですか?


131101CARROT2.jpg


ミューラー:私は作家になりたくて学校に通っていたので、プログラミングを経験したことはありません。そこで、「デザインとコード作成を頼める人を雇う」ことが最初の課題となりました。

でも、その前に基本的なことだけは知っておこうと、iOSプログラミングの本を入手しました。そうでもしないと、プログラマと対等に話ができないと思ったのです。驚いたことに、最初のいくつかの章は、難なく理解できました。そうやって読み進めていくうちに、なんと全体を読破してしまったのです。時間はかかりましたが、コンセプトを理解することは思ったほど難しくありませんでした。

そこで私は、プログラマを雇うのをやめ、自分でアプリを書くことに決めました。Appleのヘルプや「Stack Overflow」などのサイトを読みながら、アプリの断片(タスクの入力、保存など)をひとつずつ作っていったのです。1カ月でバージョン1.0が完成。コードベースは必ずしもスマートなものではありませんでしたが、私は自分の強み、すなわち物書きを目指していた経歴を活かして、アプリの中心であるサディスティックなロボットキャラクターに、人格とオタクなユーモアを注いでいったのです。


──ターゲットとするプラットフォームをどのように選びましたか?

ミューラー:私にとっては簡単な判断でした。経験ゼロの状態から小規模で始めようと思っていたので、ひとつのプラットフォームしかターゲットにできないのは明らかだったのです。

私はiPhoneを使っていましたし、iOSは他のプラットフォームよりもアプリが作りやすいと聞いていました。だから、何の抵抗もなく、iPhoneを選びました。今やCARROTは大人気になり、他のプラットフォームへの展開については現在検討中です。でも、たった1人でやっている独立系デベロッパーとしては、手を広げ過ぎることには慎重にならざるをえません。


──もっとも大変だった点はなんですか? また、それをどのように乗り越えましたか?

ミューラー:CARROTのバージョン1.0は、機能性という点では非常にシンプルなものでした。プルダウンしてタスクを追加する。右にスワイプして完了する。それだけでしたから。必然的に、リリース後にたくさんの機能リクエストが寄せられました。「CARROTはかわいいんだけど、完了済みのタスクを見られないのはなぜ?」「CARROTに恋してしまいました。でも、結婚を申し込む前に、タスクの編集方法を知りたいんです」「CARROTを新しい神として崇めたいと思います。でもその前に、タスクの期限を設定したいです!」などなど。


ユーザーからの声にどう応えるか


ミューラー:さまざまなUIモックアップを試しましたが、CARROTの最小限のデザインを諦めることなく全機能を追加する方法は見つかりませんでした。でも、ゲームに思考を戻したとき、ふとひらめいたんです。

(多くの)ゲームの主人公は、プレイ開始時にはひとつかふたつの能力しか持っていませんが、ゲームが進むにつれて新しい能力を習得していきます。そこで私は、同じ考え方をCARROTに応用することに決めました。最初はタスクの新規作成と完了しかできないのですが、リアルライフで何かを達成するたびに、期限の設定やSiriの統合などの新しいタスクがアンロックされることにしたのです。

こうしてデザインの問題を克服することで、人々がさらにCARROTに投資してくれるようになりました。ユーザーの行動が、CARROTを進化させたのです。


──リリースしたときの気分は?

ミューラー:CARROTは当初から、私自身のオタクとしての感性をくすぐるように作りました。だから、私以外の人が気に入ってくれるとは到底思えませんでした。家族や友人など、身近な人が30回ぐらいダウンロードしてくれたらいいかなと。初日のダウンロードは30件にも及びませんでした。

その翌日、LifehackerでCARROTを取り上げてもらってから(リンク先は英語版記事)、ダウンロードが急増しました。そこからは、ウィルス顔負けの急成長。メディアで何度も取り上げられ、AppleのApp Storeでもおすすめに入れていただきました。私も期待に応えようと、新しいコンテンツや機能をどんどん追加していきました。ダウンロードが1000件に達したときは、心が震えました。そして今や数十万件。こんなに嬉しいことはありません。

CARROTがローンチ時だけヒットしてすぐに消えていくタイプのアプリではないことがわかり、本当に満足しています。実は先週、1日あたりのダウンロード数で過去最高記録を更新しました。バージョン1.0のリリースから何カ月もたった日のことでした。

でも、何よりも嬉しいのは、ユーザーからのフィードバックですね。「こんなに続けられたToDoリストアプリはCARROTが初めて」という声を聞くと、私の判断は間違ってなかったんだなと安心します。自分の作ったもので人生が変わったというメールをいただけるのは最高の気分です。


──ユーザーの要求や批判にはどのように対応していますか?

ミューラー:CARROTユーザーがスゴイのは、メールやツイートが、私宛てではなくキャラクター宛てに届くところ。プロポーズをしたり、自作のセンサーを自慢したりしながら、CARROTと会話を交わしているのです。彼らにとってCARROTは、ただのToDoリストではないのです。

ユーザーと強いつながりを持てることは、私にとって大切なこと。ほかのことで忙しくても、フィードバックには思いやりある回答を素早く返信することを最優先にしています。妻との外食中でもそうなので、妻は嫌がっているようです。でも、CARROTのユニークな機能のいくつかはこうしたやりとりから生まれたものなので、努力に値すると私は思っています。


131101CARROT3.jpg


厳しい批判をいただくこともあります。でも、そのような批判はとても有益です。例えばCARROTの最初のバージョンでは、3時間でタスクを完了しないとCARROTが怒るようになっていました。ユーザーがタスクを完了せずに寝てしまったら怒ることが、CARROTらしいと思っていたのです。でも、初期のユーザーから、さすがにそんなにしょっちゅうご機嫌をとってられないという意見が寄せられました。そのときすぐに対応していなければ、CARROTはこんなに多くの人に使っていただけなかったでしょう。


──現在は「新機能」と「既存機能」の開発に割く時間の比率はどれくらいですか?

ミューラー:難しい質問です。CARROTは、そこら辺のToDoリストとは違いますから。私は常に、ToDoリストとしての「便利な機能」とアプリの楽しさを広げる「楽しいコンテンツ」の2つのアプローチを心がけています。

たとえば、過去にバーチャルなネコをToDoリストに組み込もうと考えた人はいないでしょう。デザインとコード作成に時間がかかってしまったので、いくつかの便利な機能を諦めざるをえませんでしたが、ユーザーは何よりも、そのネコを愛してくれた。ユーザーはウィスカー船長のお腹を満たしてやりたくてCARROTを使い続け、それによってリアルライフでたくさんのことを達成していきます。つまり、バーチャルペットというくだらない機能を追加したことで、生産性向上を目的とした機能よりも高い生産性を、人々から引き出すことができたのです。これは本当に嬉しい。

それから、メジャーリリース時には、バグ修正、一般的な新機能、くだらないコンテンツのすべてを、少しずつ追加するようにしています。


「まあまあで、いい」。だからこそ生まれたアイデア


──同じような挑戦をしたいと考えている人に対して、どのようなアドバイスをしますか?

ミューラー:小さく始めることです。CARROTを立ち上げるまで私は夢見がちだったので、600ページにも及ぶ壮大なタイムトラベル小説のような巨大プロジェクトを考えていました。リリースまでに何年もかかるような代物です。問題は、それだけ長い期間、勢いを保てるかどうかです(そして、ひとりで作業をする場合はなおさらです)。

最初の課題は難なくクリアできるかもしれません。でも、進む先にどうにもならない作業が山積していることに気づき、苦しくなってくるはずです。しかも、奇跡的にそれらの作業を終えたとしても、成功するかどうかはわかりません。失敗すれば、費やした時間がすべて無駄になってしまう...。そう思って諦めてしまうのがオチでしょう。

習慣を打破することは簡単ではありませんでした。数週間で完成できるような小さなプロジェクトへの集中を自分に課し、どんどん機能を追加したい欲求を必死で押えました。「まあまあ」の結果でいいと、自分に言い聞かせたのです。私にとってそれは非常に辛いことでしたが、そのような制約を課したからこそ得られたアイデアもいくつかありました

たとえばCARROTの主人公は当初、シルクハットに片メガネ、蝶ネクタイを着けた、ナマイキなコーギー犬の予定でした。名前はSir Waffle。でも、そんなキャラクターをアニメーションで動かす方法を学ぶだけの時間がなかったのです。そうした制約がなかったら、たった4つの円だけで描ける嫌みなロボットに落ち着くことはなかったかもしれませんね。


Tessa Miller(原文/訳:堀込泰三)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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