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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  07:00 AM

「80対20の法則」を利用し、大きな成果をあげるために、やることを減らす

「80対20の法則」を利用し、大きな成果をあげるために、やることを減らす

『楽して幸福を手に入れる80対20の法則』


楽して幸福を手に入れる80対20の法則』(リチャード・コッチ著、高速裕子訳、阪急コミュニケーションズ)は、ベストセラー『人生を変える80対20の法則』の著者が、「80対20の法則」を個人の生活に応用するための方法を解説した書籍。

「楽して幸福を手に入れられるはずがない」と考える方がむしろ自然なので、タイトルに不信感を抱いても不思議はないと思います。しかしそれでも著者は、「80対20方式を実践すれば人生は変わる」と断言します。そもそも、「80対20の法則」とはなんなのでしょうか?



大きな考え方(19ページより)


「80対20の法則」について、著者はこう説明しています。


結果の約80パーセントは、20パーセントの原因から生じるという経験則である。(中略)大きな成果をあげるには、やることを減らすに限る。「決定的に重要な小数のこと」に絞ったときに、少ない労力で大きな成果をあげられる。


つまり本書の主張は、「行動を増やそう」ではなく「行動を減らそう」。ナンセンスにも思えますが、「20人の方が、80人よりも多くの仕事をする」という現実があるそうです。たとえばその証拠として、次のような例が紹介されています。


  • 5人でポーカーをすると、そのうちの一人、つまり20パーセントが、掛け金の80パーセントを取って勝つことが多い。
  • 大型小売店では、店員の20パーセントが売上の80パーセント以上を稼ぎ出している。
  • 企業では、顧客の20パーセントが利益の80パーセントを生み出している。たとえばカナダのトロントに本店があるロイヤル・バンク・オブ・カナダが顧客ひとりひとりの利益への貢献度を調査したところ、顧客の17パーセントが、利益の93パーセントに寄与していた。
  • スターの20パーセントが、スポットライトの80パーセントを独占している。作家の20パーセントが、ベストセラーの80パーセントを生み出している。
  • 科学者の20パーセントが、科学上の画期的な発見・発明の80パーセント以上を生み出した。いつの時代も、発見や発明をするのは一握りの科学者だ。
  • 窃盗犯の20パーセントが盗難品の80パーセントを盗んでいる。


犯罪にまであてはめるのはどうかと思いますが、たとえば「作家の20パーセントが、ベストセラーの80パーセントを生み出している」という一節を読むと、我々日本人の多くは村上春樹氏のことを思い出すかもしれません。そして重要なのは、おそらく次の部分です。


80対20の法則は、生活のあらゆる側面にあてはまる(29ページより)


これについても、多くのエピソードが紹介されています。


  • 世界の人口の20パーセントに満たない20パーセントの国が、世界のエネルギーの70パーセント、金属の75パーセント、木材の85パーセントを消費している。
  • 録音された音楽の20パーセント以下が、80パーセント以上の時間、繰り返し演奏されている。ロックであれクラシックであれ、コンサートでは、膨大なレパートリーのうちごく一部、耳に馴染んだ昔ながらの曲が繰り返し演奏されるはずだ。
  • 美術館の所蔵品の20パーセントが、80パーセント以上の期間、展示されている。
  • ベンチャー・キャピタリストの投資のうち5パーセントが、キャッシュの55パーセントを稼ぎ出している。10パーセントでは73パーセント、15パーセントでは82パーセントになる。
  • 80対20の法則の最たる例がソフトドリンクだ。コカ・コーラはとくに人気が高いが、秘伝の濃縮液はごく少量で、それ以外は大量の水だ。また、ビールの銘柄の違いは、ホップやフレーバーの微妙な差でしかない。
  • どんぐりから樫の巨木ができ、小麦の種子から穀倉地帯ができるなど、植物の生育プロセスは、80対20の法則の完璧な例だといえる。ごく小さな原因から、大きな結果が生まれている。


いわば、すべてのものごとに80対20の法則が当てはまるというわけです。しかもそれは、エリート主義とは別だとか。


80対20の法則を活用することによって、誰でも生活を向上することができる。この法則を活用すれば、労力や不安を減らし、幸せと望みを叶えられる。(中略)経済、社会だけでなく、個人の生活も大きく変わる。幸せになり、充実し、リラックスすることができる。まずは、少ない労力で多くの成果をあげよう。


こうした考え方に基づき、以後の章では80対20の法則によって生活を改善するための方法が具体的に説明されているのですが、そのなかから最後に「人生を劇的に改善するための3つのステップ」をご紹介しておきます。


  • ステップ1 80対20方式の目標を決める──自分はどこに行きたいか。
  • ステップ2 80対20方式の経路を見つける──いちばん楽に目標にたどり着ける経路はどれか。
  • ステップ3 80対20方式方式の行動をとる──最初の重要なステップ。

(79ページより)


この部分を見るだけでも、本書が机上の空論で埋まった自己啓発書とは異なる内容であることが想像できるのではないでしょうか? つまり、ここから先をいかに利用するかは、読者ひとりひとりの考え方次第であるといえます。


(印南敦史)

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