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長谷川賢人長谷川賢人  - ,,,,,  08:00 PM

料理は誰でも毎日できる心のトレーニング:『食べようび』編集長・花村哲さんとまかないトーク

料理は誰でも毎日できる心のトレーニング:『食べようび』編集長・花村哲さんとまかないトーク

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これまでにもITベンチャー大企業の社員食堂の取材、編集部のまかないチャレンジなどを通じて、会社における食事の役割、「職と食」の関係についてを探ってきました。

仕事において、お昼ごはんのカタチはさまざま。でも、そこに活かせるハックやアイデアがもっとあるはず。職と食の関係もさらに見ていきたいと考えて、今回からある取り組みを始めてみることにしました。題して「ライフハッカーまかない食堂」。ゲストを招いて、その場でごはんをつくって食べながら、お話を伺っていきます。

とはいえ、私は料理研究家でもないし、その類の経験があるわけではありません。そこでメニューに関しては、雑誌『食べようび』に協力をお願いしました。ゲストが食べたいメニューを『食べようび』から選んでもらうことにしたのです。


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同名の料理雑誌をもつ出版社「オレンジページ」から発行されている『食べようび』は、わかりやすい写真図解式のレシピが好評。あまり手間をかけたくないけれど、おいしいものは食べたい、というニーズにも応えてくれていて、まさに「パパっと作って食べる」まかないにぴったり。


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それでは、「いただきます」。編集部の林さんと石津さんもご一緒に。


せっかくのご縁と、はじめてのゲストには『食べようび』の編集長である花村哲さんをお迎えしました。選んだメニューは「目玉 on 焼きそば味メシ」。ソース味に仕上げた野菜をご飯の上に乗せ、黄身がとろける目玉焼きを乗せたひと品です。詳しいレシピは、記事の後半で紹介しますね。

料理雑誌の編集に長年携わってきた花村さんは「料理の最大の魅力は達成感を得られること」と言います。なるほど、それ、仕事にも良いパワーを与えてくれそうです。まずはまかないを食べつつ、花村さんのお仕事から伺ってみました。



若い人が自炊をする理由、『食べようび』を作る理由


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目玉焼きはひっくり返してからくずす「リバース式」もオススメだとか。


── 普段のお昼ごはん、どうしていますか?


花村哲さん(以下、花村さん):こんな仕事をしていながら何ですが、それこそ立ち食いそばや喫茶店なんかで外食することが多いですね。そういうところで食べている人を見るのが面白いっていうのもあって。あとは社内での試食もあります。雑誌で載せる料理は、レシピこそ料理研究家の方がつくりますが、すべて社内のテストキッチンで試作しているんです。ただ、できあがりが夕方になることも多くて、そればかりだとハンパな時間にお腹いっぱいになっちゃうので。


── 私もまかないを作っていたとき、時間が遅くなるとブーイングが出たのを思い出しました(笑)。でも、食費も減るし、いいんですよね。みんなそこを単純に喜んでました。


花村さん:そう、とにかくお金にシビアですよね。私は『オレンジページ』から『食べようび』を作るために異動したのですが、創刊前のリサーチ結果を見ても、特に若い人たちはコスト意識が違っていました。いまの20~30代の人は物心ついたら不景気で、みんなお金がなくて、お金があった時期も知らない。無駄なことはしたくないけれど、好きなものにはお金をかけたい。そこで食費を節約するために自炊するという人が多くなってきた。

でも「作ってくれる人がいるなら作ってもらいたい」なんて本音があるのも特徴的。それが何を意味しているのだろうと考えると、やっぱりみんなメンドクサイのだろうなと。だから『食べようび』では「お料理楽しいよ!」というストレートな投げかけではなく、「面倒ですよね、でもこれならどうでしょう」と目線を合わせて提案するようにしています。


── たしかに、今日作ってみて思いましたが、プロセスも食材も少なくて驚きました。


花村さん:誰かに作ってほしいけど、そういう相手もいないから自分で作る。せっかくなら簡単でおいしいものがいい、と道はつながっているのがわかったんです。だから、その人たちへ向けてつくる『食べようび』のレシピは、いかに手間を少なくできるかが大切。例えば、最新号の「しっとり蒸し鶏のっけメシ」なら、鶏もも肉を切らずにレンチンするだけ。写真図解式のレシピにしても、写真は多くても4点くらいにして、視覚的に「これならできそう」って思ってもらえるようにしています。


料理の良いところは「達成感を得られる」こと


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── 料理手順の説明や材料から言っても『オレンジページ』ともかなりちがいますよね。花村さんは『オレンジページ』の編集に携わってこられましたが、仕事を通じて「読者の変化」は感じますか? というのも、その歴史の中で「変わっていないもの」があるならば、それは料理の本質というか、「作る」「食べる」という部分を超えた価値なのではと考えたんです。


花村さん:そうですね、20年くらいこの仕事をしていますが、『オレンジページ』本誌も含めて節約意識の高い読者が増えてきているのが大きく変わったことでしょうね。

変わらないことで言えば、『食べようび』を作った時にもあちこちで連発していたんですが、料理は達成感が得られるんですね。この通りにやればちゃんとできます、しかも食べたらおいしいですよ、とわれわれは紹介していますが、その達成感は『オレンジページ』も『食べようび』も変わりません。いかにお金がなかろうが、いくら社会情勢が変わろうが、ごはんができた、つくれたっていうところで、ささやかながらでも達成感を得られるのがいいところなんです。


── 達成感、わかります。社内でまかないを作った時に「すごいね」「えらいね」「おいしい」って言われたときに、たしかに感じていました。だから続けるのも苦だと思わなかった。


花村さん:たぶん達成感がピークに達するのは、「おいしかったよ」「ごちそうさま」って言われるとき。誰かのためにつくるか、自分のために作るか、何人分つくるか、何のために作るか、そのあたりの違いはあっても、最終的には達成感が得られる。「ごちそうさま」という誰かのひと言でも、「俺でもできた、しかもうめー!」というつぶやきでも、変わらない良さですよね。

ただ、料理をする理由が、少なくとも若い世代にとってはすごくネガティブなところに根ざしているというのも感じています。お金がないから作りますとか、食材があまっているから作りますとか。達成感を積み重ねることが料理の楽しさにつながっていくと思いますから、そのきっかけになるような『食べようび』を作っていければいいなと。


同じ会社、でもよく知らない人の仕事が見えてくるきっかけになる


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まかないができる間、編集部の面々でブレストが始まっていた。


── 個人的にもっと流行ったら面白いなって思っているのが「まかない」です。部署や人の垣根を超えて集まれるところがあれば、会社を好きになるポイントが増えのではと思っていて。強制的にやるというよりは、料理を中心に人が集うような感じです。


花村さん:「企画会議でござい!」とやるよりかは、雑談の中から良いワードがでてきて「あ、それメモっとけ!」ってなるのが結構ある。そういうところからアイデアや違う方法からの考え方が見えてくるっていうのは面白いかもと思うし、絶対有り得るはずですよ。でも、それが目的に変わるとつまらなくなってしまうので、それを自然発生させるための場として「まかない」があるのはいいことかなって思いますね。

ただ、会社によりけりのところもあるかな。小規模で、立場の高低差がなくて、割とフリーにいろんな物言いができる風通しの良さがあれば、まかないの場から何かが生まれる可能性は十分にあると思います。


── なんでもかんでもやってみればいいわけではないと。大きな会社にはやはり向かないでしょうか。


花村さん:いや、ある大企業の社食では、自分の座る席が日替わりで決められていて、毎日異なる人と食卓を囲んで、いままで話したことのない人と会話しながらごはんを食べるっていうところもあるそうなんです。それはいいなと思っていて。

同じ会社なのに他部署のことってそんなに見えてこなかったりして、一回ごはんを食べるだけで、今まで知らなかったことを知れちゃうのはいいですよね。うちの会社でいえば、疲れた顔をした人がいても、編集をやっているか販売をやっているかで、その理由はちがうと思うんですよ。それがわかるだけでも全然違うよなと。お互いのことを知るための場としても機能するのかなと。


料理はうまく使えば武器になる


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── 私がよくやる手なんですが(笑)、仕事がうまくいっていない時ほど料理をした方がいいと思うんですよ。仕事がうまくいっていないときって「自分はできない」と思っている状態なので、何か少しでも「できた」と思えれば気晴らしになる。


花村さん:頭がからっぽになりますよね。目の前のことだけに集中できる。料理とか洗い物とかって、それをやっているときはそのことだけしか考えられなくなるから。

そこで得られる達成感だとか、頭を空白にする快感だとか、緊張がほぐれていく時間だとかが料理にはあるんだと知ってくれれば、それを武器にして、その人はまた次の階段を登っていけると思うんですよね。その入り口が『食べようび』に載っているレシピなら、なお嬉しいというところでしょうか。


本日のまかない「目玉 on 焼きそば味メシ」


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花火、屋台、夏祭り。ああ追憶の味


材料


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(クリックすると拡大します)


作り方(約15分)


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(レシピは『食べようび』Vol.8、21Pより)


ごちそうさまでした

料理における「作る」「食べる」を超えた価値が、今回お話させていただく中で見えてきました。毎日の食事、そのための料理も、考え方ひとつで「自信をつける作業」と「瞑想」の良さをどちらも併せもった時間にできるのです。

料理で得られる「達成感」と「頭を空にする快感」は仕事にも役立つでしょう。特に疲れている時、行き詰っているときほど効果がありそうです。食事であれば毎日のことなので、「あまりやらないんだよなぁ」という人ほど試してみる価値はあるのでは。そういう時に使える時短レシピ、あるいは『食べようび』が目指す簡単でおいしいレシピが、きっと助けになってくれるはずです。

料理の価値をどうやって活かすべきか、あるいはどのように活かされているのかを、次は見ていきたいなと思います。職と食の関係、引き続き、探っていきます。


簡単すぎるレシピ本!|食べようびWEB

(長谷川賢人)

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