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ライフハッカー編集部  - ,,  12:00 PM

人は数字に頼ると「何が幸せか」を見失う

人は数字に頼ると「何が幸せか」を見失う

人は数字に頼ると「何が幸せか」を見失う


お金で幸せを買えないのは明らかです。けれども、お金以外の何が幸せをもたらしてくれるのか、私たちはよくわかっていません。この問題を考えるにあたって参考になる実験を、BBCの記事が紹介しています。「数字がどのように私たちの欲求を変化させるか」について調べたものです。

ご存じのように、宝くじで多額の賞金を獲得しても、ふつうはそれで幸せが増すわけではありません(英文)。また、欲しい物を手に入れて一時的に幸福感がアップしたとしても、時間が経つとそれに「慣れて」、元の幸福レベルに戻ってしまうという「ヘドニック・トレッドミル(快楽のウォーキングマシン)理論(Hedonic treadmill)があります。

つまり、どうしたら幸せになれるかに関して、私たちはよくわかっていないのです。その問題を明らかにするために、BBCはシカゴ大学ビジネススクールのクリストファー・シー氏による研究を取り上げています。


被験者は、6分間働いて1ガロンのバニラアイスクリームをもらうか、7分間働いて1ガロンのピスタチオアイスクリームをもらうか、どちらかを選ぶことができました。普通の条件では、30%弱の人が7分間働くことを選びました。彼らがこちらを選択した理由は、バニラアイスよりもピスタチオアイスが好きだからでした。幸福について研究している研究者にとって、これは特に解釈の難しい現象ではありません。ピスタチオアイスが好きな人は、長い労働時間を選ぶ動機が十分にあったのです。

けれどもこの実験では、ほかにも重要な比較実験が行われました。別のグループの被験者も同じ選択肢を与えられたのですが、同時にポイントシステムが追加されたのです。つまり、6分間働いて60ポイント獲得するか、7分間働いて100ポイント獲得するか、どちらかを選ぶのです。被験者にはさらに、50~99ポイントで1ガロンのバニラアイスクリームをもらえ、100ポイントあれば1ガロンのピスタチオアイスクリームをもらえると告げられました。

行動とその結果は同じなのに、ポイントシステムの導入は被験者の選択に劇的な影響を与えました。過半数の人が、長く働いて100ポイント獲得することを選び、そのポイントを使ってピスタチオアイスクリームをもらったのです。バニラアイスのほうが好きだと答えた人の割合は前回と同じ(約70%)だったにもかかわらずです。


この実験の被験者たちは、ポイントを最大化することを選びました。自分の幸せ(実際の好み)を犠牲にしても、ポイントがたくさんもらえるとなると、もっと欲しくなるのです。実際には「安いもの」を選択すれば幸せになれるとしてもです。要するに、数字の大きさが欲求を変えてしまったのです

ここで私たちが学ぶべきなのは、幸福が関わってくる物事については、数字に頼ってはいけないということです。


例えば、賞金の額に惹かれて宝くじを買う時、値段を見てワインを選ぶ時、給料の額で仕事を比べる時は、数字だけで比較をしないほうがいいのです。その賞金やワインや仕事が、実際に自分の幸福レベルをどのくらい高めてくれるのかをよく考えるべきなのです。

お金で幸せを買うことはできません。その理由のひとつは、お金があると、本当に楽しいと思えることから、かえって気持ちが離れてしまうからかもしれません。


人間は店舗に掲示される価格の数字に釣られやすいことは知られていますが、それは買い物が上手だ(あるいは下手だ)という文脈での話です。今回のケースでは、私たちが「より大きな数字」に目を奪われて、幸せを犠牲にしがちであることが示されています。単に価格が高いだけで、その品物がよく見えてしまうのです。


Why money can't buy you happiness | BBC

原文/訳:松田貴美子、合原弘子/ガリレオ)

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    香川博人

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