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長谷川賢人長谷川賢人  - ,,,,,  10:00 PM

キュレーションサービスAntennaの「狙い」と「これから」を運営会社で聞いてきた

キュレーションサービスAntennaの「狙い」と「これから」を運営会社で聞いてきた

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以前にライフハッカーでも取り上げたAntenna」。ビジネス、デジタル、グルメ、ファッションなど、さまざまなジャンルを網羅した130以上のメディアから配信されたコンテンツを、自分の好みに合わせて読めるキュレーションサービスです。

先行してPC、iPhone、Androidと展開していましたが、2月20日にiPad版をリリース。このiPad版がiTunesニュースカテゴリランキングで1位を獲得するなど、好調が続いています。私も早速触ってみましたが、正直な感想として、これまでのAntennaが展開したアプリのどれよりも「しっくり」きました。写真をメインにした特徴を生かしたデザイン、読み込みの速さ、記事を読むことに長けた画面構成など、Antennaの魅力が詰まっているように感じたのです。

しかし、同時にギモンも浮かびました。アプリとしては優れているけれど、なぜiPad版が最後だったのか。無料サービスで見たところ広告なども入っておらず、マネタイズはどうしているのか。そこでこの度、運営会社の株式会社グライダーアソシエイツのオフィスに伺い、取締役の町野健さんにキュレーションサービスとしてのAntennaが目指す場所、「狙い」と「これから」について聞いてきました。


外部スタッフに決定権を委ねて判断してもらう


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── 社員はいらっしゃる方たちで全員ですか?


町野:いまは6人ですね。あとはアルバイトが2人。開発、デザイン、プロモーションはすべて外部スタッフです。運営、ディレクション、総務、広報は社内で。だから、外部まで入れると30人くらい。みなさんオフィスに来ると驚くみたいで、ズラッと机を並べているイメージらしいんです。よく言われるんですけど、全然そんなことなくて(笑)。


── 私もちょっと驚いています。多くのメディアを扱っているからでしょうか。


町野:基本的に私がデザイン、開発、プロモーションまですべてを見ています。ただ、これはうちの特徴でもあるのですが、外部スタッフにも決定権を渡しています。普通、こういうワークスタイルだと「言われるもの作れよ!」という、ある種の上下関係が働きがちです。でも、弊社は外部に依頼してはいるものの、彼ら自身で議論をさせて決定まで任せています。指示待ちになってしまうと彼らは考えなくなっちゃいますよね。だから、いまは彼らにも「Antennaは自分たちのサービスだ」という意識が芽生えているんですよ。そうしたいと前から思っていたし、そうなってきているのがすごくうれしいですね。もちろん、メーリングリ ストを見るくらいはしていますが、僕はできるものが良い物であれば何も言いません。

ただ、配信メディアを選ぶのは私の独断というところも。大きくてしっかりしているところはもちろんですが、メディア規模としては小さくても、いい記事を書いている面白いメディアを重視しています。


── 開発までがすべて外部というのは驚きました。


町野:こういう働き方っていうのが、昨年末くらいからよく話題に挙がりますよね。自分のまわりでもかなり増えています。株式会社が今後20年以内になくなると言われていて、これからは「個」の時代だと。優秀な人が点在していて、彼らがプロジェクトごとに集まって仕事をする。しかも、30人くらい集まったとしても、彼らはプロの集団だから60人くらいのパワーの仕事ができてしまう。iPad版もリリースを決めてから2カ月で完成しました


── スピーディーですね! 制作はどういった流れになるのでしょうか。


町野:作ると決めたら、デザインや開発の各担当に連絡を入れます。とはいえ、iPhoneとiPadは同じ人間がひとりでやっている部分もあるので、その際は平行してやってくれています。ただ、そういうことができる人を常に探すようにしています。うちは企画も開発も、倍のスピードでやるように心がけていますから。


自分自身もiPad版が完成して「これだな!」と思った


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── そして生まれたのがiPad版ですね。これ、今まで触ってきた中で一番いいと感じました。とはいえ、「しっくりきた」というぼやっとした印象しか伝えられないのですが...。


町野:いや、それでいいんですよ。そこが重要なんです。人には「気持ちのいい情報量」というのがあるんでしょう。私たちもひとつの画面に何枚の画像を出したらいいかなどを何度も議論して、いまのカタチに行き着いたんです。

正直なところ、iPad版は「PC版を見てもらえばいいか」と不要に考えていました。一方で、アプリにしかできない動きや情報の見せ方があるのもわかっていた。PC、iPhone、Androidと3つのプラットフォームができた時、「Antennaはこれでいいのか」「ニュースの見方はこれでいいのか」という思いも、頭の片隅から離れませんでした。悩むうちに「もう頭で考えていてもしょうがないのでやってみよう」と決めました。

iPad版は「人が見て本当に心地いい情報の見せ方をデザインする」と課題を設定しました。新しいことに挑戦しようと。デザイナーの杉江くんと代官山蔦屋書店で「メニューなくせないかな?」なんて激論して(笑)。結果、下部の基本メニューをやめたのをはじめ、iPhoneとはUIをすべて変えました。あと、iPadで特に意識したのは「雑誌感」。


── Antennaが冠している「キュレーションマガジン」に近づきますね。


町野:Antennaは写真が大事ですし、インパクトを重視したかった。さらに、雑誌の特徴である「目次」に着目して、それなら「メイン画面自体を目次にしよう」と。『GQ』なんかの目次を見ながら「こういう風にできないかな」って話をして。左上のボタンを押せばメニューが出ますし、画面の行き来はしやすいだろうと。

1ピクセルのマージンや動きのスピードなどを細かく変えて、完成版が出来上がってきた時に「あれ、なんか、いいね!」って実感が持てました(笑)。動作もだいぶサクサクしていますし、今までの中で一番いいかもって思う瞬間があったんです。


レコメンドサービスには「危ない」ところもある


── そうして自信の持てるiPad版ができた。滑り出しも上々です。ただ、キュレーションサービスそのものは今後も増えていくような気配もある。「NAVERまとめ」や「Pinterest」、「Flipboard」などもある中で、どのように差異化していくお考えですか。


町野:大きな違いとして、他のサービスは「ゼロから自分で作らないといけない」ことが挙げられます。例えば、30の購読メディアをそろえようと思ったら、自分でそのメディアを集めて登録する30回分の手間がかかる。初心者をはじめ、そもそも「使い方がわからない」という声も聞く。Antennaの場合はログインしなくても使えるし、何もしなくても130以上のメディアが見られるんです。見られるメディアは、会社の規模に関係なく「面白い」メディアをそろえています。「世界が広がった」や「好奇心を旺盛にしてくれるアプリですね」というレビューをいただけるのが何よりうれしい。


── 始めるのが手軽といえば、「Gunosy」を筆頭に、自分の趣向に合わせて情報を届けてくれるレコメンドサービスもある。


町野:いいところもある反面、レコメンドサービスは危ないところもあると思っています。自分の好きな情報だけを得られるけれど、情報が絞られていっちゃうんですよ。これはマネタイズの話にもつながるのですが、人間の好みはそれほど狭くないはずなんです。例えば、ファッションが好きであれば、自動車の「MINI」の写真はイヤじゃないはず。でも、自動車に興味がなければ、情報がその人まで届きません。

僕、雑誌が好きで毎月40冊くらい読んでいるんですが、女性誌って面白いんですよ。別にオネエでも何でもないのですが(笑)。『GINZA』や『sweet』をはじめ、女性誌は情報が詰まっていて面白い。Antennaは女性向けメディアの情報も配信していますが、そんな面白さをみんなにも体験してほしいんですよね。男性はわざわざ女性誌のコーナーにまで行って読まないですから、そこにある情報は一生入ってこない。自動車が好きな女性もいるのに、自動車雑誌は男性目線のものしかない。それこそサービス側がやるべきで、Antennaはユニセックスなメディアだからできるなと。

言い換えれば、ユニセックスっていうのは性別や年齢でターゲティングしないということなんです。そうじゃないでしょ、人間というのは、と。キュレーションという「ある程度の強制力」が働いたとしても、人の可能性を広げて、その人にとって「いい情報」が流れるようにできないかをずっと考えていたんです。そうすると、「こんなにかわいいのがあるのか!」と気づいて、興味のなかった自動車が好きになっていく。

もうひとつの側面として、これからは情報自体を「どこから知るか」ではなく「誰から知るか」がより大きな流れになってくる。「CNN」、「日経」といった大手メディアではなく、それを見た「小山薫堂」さんが情報をシェアしたら、人は異なった理解の仕方をするんですよ。他人を経由することによって解釈が変わって、情報が新しい価値を持つ。それをAntennaは目指して行きたい。誰かが「クリップ」しているのを「なぜ」と思うことで、受け取り手の思考も働きます。


Antennaのこれからとマネタイズ


── 先ほど「マネタイズにもつながる」とおっしゃいました。ユーザーも集まってきてはいますが、どのような方法をとっていきますか。


町野:基本的な考えはシンプルです。例えば「ラグジュアリー」というジャンルを開く。ヴィヴィアン・ウエストウッドの記事があり、隣にシトロエンがある。そこに並んでお金をいただいた記事広告が入っていても、ラグジュアリーという範囲の中で見ている以上、この情報をイヤとは感じないと思うんですよね。これが直接的に配信元からお金をいただくパターンです。

もうひとつのパターンもあります。私たちが広告を受注して、ライフハッカーさんなどのメディアに記事を書いてもらう。いわば広告代理店の働きです。私たちはコンテンツを自社で持つつもりはありません。でも、私たちには130以上のメディアに紐づく優秀な記者さんたちとのつながりがある。そこでマージンを少しいただいて、Antennaでも配信をする。常に考えているのは「お金が流れる仕組み」です。この仕組みなら、小さなメディアにもちゃんとお金がまわります。

私たちの使命はプロモーションでユーザーを増やすこと。お金は製作者にまわして、私たちはいただいたマージンをさらにプロモーションへ投資していく。あとは、良いメディアをしっかりとピックアップしていくのも大切です。Antennaはキュレーションサービスでありながら、どこまでもインフラなんですよ


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── なるほど、お話を伺う中でAntennaの狙いが見えてきました。Antenna公式キュレーターが、全国の観光地や名産品等の情報を配信しているコンテンツ「ヨンナナにっぽん」も、配信元がメディアなのかキュレーターなのかの違いという感じでしょうか。


町野:基本は同じです。地方に知る人ぞ知る名店があっても、なかなかプロモーションはできません。でも、いいものは本当にいっぱいある。だからこそ、ここにお金を回したい。「ヨンナナにっぽん」では全国にいるキュレーターに記事を書いてもらっています。彼らは地方を活性化することにモチベーションを感じている人たちばかりです。記事によっては1万人以上の目に触れるものもある。こうなれば雑誌と変わらない。さらにアーカイブもされるし、検索もできる。

今後の方向性としては、キュレーターの方に「代理店」になってもらうことはできるかなと思っています。キュレーターが直接お店から請け負って記事を書くんです。地方のイベントなどの集客に使っていただいてもいいでしょう。いま、35都道府県ほどにキュレーターがいるので、今年の夏くらいまでにはコンプリートしたいなと思っています。


── ユニセックス志向、「ヨンナナにっぽん」、どちらも情報を「粒」で見て、しっかり届けて人を集めるという流れがあるんですね。


町野:日本のいいメディアに読者を流す、いい店に人を集める、そのためにはインフラが途切れたらダメだと思うんです。だからこそ続けることの責任は感じていますし、マネタイズは重要。FlipboardやPinterest、Twitterでさえもマネタイズはまだできてない。やっぱりマネタイズって重要で、ちゃんとお金をまわしていかないといけない。今年の課題に考えています。ただ、Antennaは展開がしやすい事業だと思っているので、未来はあまり心配していません。


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長谷川賢人

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